バカとテストと召喚獣~響き渡るバカ達の絆~ 作:shin-Ex-
今回はレミリアさんとのお話です。
「なんというか・・・・レミリアさんカリスマ満点だったな」
「確かにそうだったね」
まあ結構重要な立ち位置にいる方なので。
それでは本編いきましょう。
「本編どうぞ」
side 響
俺は目の前の少女・・・・・レミリア・スカーレットの名を聞いて少なからず驚いていた。
スカーレット家といえばその筋では知らぬ者など居ないといっていいほどに有名なイギリスの資産家だ。
その財力はイギリスどころかヨーロッパ1と言われており、世界でも五本指に入るらしい。
そこのご息女の一人、レミリアという少女が若くして会社を一つ任されていると聞いたことがあるが・・・・・まさかその本人とこんなところで出会うことになるとは夢にも思わなかった。
「あなた達、私の顔をじっと見つめてどうかしたのかしら?」
レミリアさんは首を傾げながら不思議そうに尋ねてきた。あなた達ということは・・・・・咲夜も俺と同じことを考えてレミリアさんを見つめていたのであろう。
「いえ、このようなところであの有名なレミリアさんに会えるとは思わなかったものでして・・・・・少々戸惑ってしまいました」
「私もです」
「あら?私のことを知っているの?」
「それはもう。かねてよりレミリアさんのご高名は伺っておりました。その年で会社を一つ任されているとは凄いですね」
見たところレミリアさんの年は俺よりも2、3下だ。それなのにもう会社を任されているということはそれほど彼女が有能であるという何よりの証拠だ。
「別に大したことはないわよ。会社を経営できているのは私が凄いからじゃなくて私の部下が凄いことですもの」
「だとしたらなおさらです。優秀な部下に恵まれるということはそれだけレミリアさんに魅力があるということなのですから」
これは本心から出た言葉であった。出会ったばかりの俺でさえレミリアさんからは紫さん以上のカリスマを感じる。おそらく・・・・・というよりもまず間違いなく部下に恵まれているのはレミリアさんカリスマあってこそなのだろう。
「ふふっ、ありがとう。嬉しいことを言ってくれるわね」
レミリアさんは口元に手をおいて上品に笑みを浮かべた。ここまで上品さが様になるというのも中々珍しい。俺の周りにもここまで上品な者はごく僅かしかしかいない。
「でも・・・・・その理屈が正しいというのならあなたも十二分に魅力的な人物だということね。なにせ・・・・そんなに優秀な従者を傍に置いているのだから」
「私・・・・・ですか?」
咲夜に視線を向けながら言うレミリアさん。対して咲夜は少し戸惑っているようだ。
「ええ。立ち居振る舞いを見ただけでわかるわ。あなたは従者として非常に優秀だということがね。それこそ完璧や瀟洒といった言葉がふさわしいと感じさせるほどに」
ほう、一目で咲夜の優秀さに気がつくとは・・・・・レミリアさんは慧眼の持ち主でもあるようだ。
「そんな・・・・私などまだまだ未熟者です」
「謙遜することはないわ。もっと堂々としてもいいのよ」
「レミリアさんの言うとおりだよ。咲夜は優秀だ。それこそ俺なんかにはもったいないほどにな」
「響様・・・・・ありがとうございます」
咲夜は嬉しそうに頬笑みを浮かべた。
・・・・うん。やっぱり笑顔の咲夜は可愛い。
「あの・・・・ところでレミリア様。一つお尋ねしてもよろしいでしょうか?」
咲夜は恐る恐るとレミリアさんに尋ねる。
「何かしら?」
「仲渡家主催のこのパーティーにどうしてあなたがいるのでしょうか?」
なるほど。それは確かに気になることだな。
今回のパーティーは仲渡家が主催したものだ。なのでパーティーの出席者は皆仲渡家が招待している。
俺の記憶が正しければ仲渡家はスカーレット家とは繋がりがないのでこの場にレミリアさんがいるのは不自然なのだ。
「ああ、そのことね。仲渡家とは以前商談の場で一度だけ顔を合わせていたのよ。その縁で仲渡家からこのパーティーに招待されたの。そしてスカーレット家の現当主であるお父様が多忙の為、名代で私が来たの」
なるほど。一応繋がりはあったのか。
にしても一度だけあっただけなのにわざわざ招待するなんて・・・・・
「まあスカーレット家に取り入りたいから招待したっていう魂胆は見え見えだったのだけれどね」
・・・・・まさしくまさしくレミリアさんの言う通りだろうな。同じ仲渡の人間として恥ずかしく思う。
「あなたの両親とお兄さん、お姉さんと挨拶したけれど・・・・わかりやすく下心が丸見えだったわ。他の出席者も皆同じような感じだったし・・・・・正直不快以外何者でもなかったわね」
「「誠に申し訳ありませんでした」」
顔を顰めながら不満を口にしたレミリアさんに俺と咲夜は頭を下げて謝罪した。
・・・・・・本当に嫌になってきたな。仲渡家の人間であることが。
「っと、ごめんなさい。別にあなた達に謝って欲しくて言ったわけではないの。そうなることはパーティーに出席するって決めた時からわかっていたし覚悟していたもの」
わかっていた?
「あの・・・・でしたらなぜこのパーティーに出席したのですか?面倒になるとわかっていたのに・・・・」
「その理由は単純にして明快よ。私がこのパーティーに出席した理由は・・・・・・
あなた達二人に会うためよ」
「「え?」」
俺と咲夜に・・・・・会うため?
「それは・・・・どう言う意味ですか?」
「そう言う意味もなにも言葉通りよ。私はあなた達、仲渡響と十六夜咲夜に会うためにパーティーに出席したの」
レミリアさんはクスクスと笑いながら俺の質問に応える。
「ちょっとしたつてからあなた達二人のことを聞いて、その時以来あなた達に興味を持ったのよ。まあ他の仲渡家の人間があんなだったから正直期待はずれだと思っていたのだけれど・・・・・・確かにある意味期待を裏切ってくれたわ。二人共期待以上だったもの」
「期待以上って・・・・・」
「二人共こんなつまらないところに置いておくにはあまりにも惜しい人材だわ。あなた達クラスの優秀な人間はそうはいない・・・・・思わず手に入れたくなるほどに」
不敵な笑みを浮かべるレミリアさん。その目は俺と咲夜を真っ直ぐに見つめている。
「・・・・・レミリア様。あなたはもしかして・・・・」
咲夜?もしかしてって・・・・・それってどういう・・・・
「・・・・・響、咲夜。申し訳ないけれどこれで失礼していいかしら?もう用は済んだから帰りたいの。妹と遊ぶ約束をしているし」
「あ、はい。さようなら」
「本日はお疲れ様でした」
「さようなら・・・・・と、そうそう」
立ち去ろうとしたレミリアさんは何かを思い出したようにハッとして立ち止まり、こちらに振り返った。
「私はしばらく日本に滞在することになっているの。私達はまた会うかもしれない・・・・・いえ、必ずまた会う運命にある。次に会ったときはさん付けなしで呼んでちょうだいね。それと敬語もなしでいいわ」
「私は立場上そういうわけにはいかないのですが・・・・・」
「そう。まあ無理強いはしないから咲夜はそれでもいいわよ。でも・・・・・響には受けて欲しいわね」
そう言ってニコニコと笑顔を浮かべて俺に視線を向けるレミリアさん。
・・・・・これは断りづらいな。
「わかりました。それでは次に会ったときはそうさせてもらいます」
「ありがとう。それじゃあ今度こそさようなら」
そう言って踵を返してレミリアさんは帰っていった。
「レミリア・スカーレット・・・・・か」
「不思議な方でしたね」
「そうだな・・・・・・次に会う時が今から楽しみだよ」
「私もです」
これが・・・・・俺とレミリアとの運命的な邂逅であった。
noside
「もう帰るのレミリア?」
ホテルのロビーで声をかけられたレミリアはその場で足を止める。
「ええ。もうあそこにいる意味はないから。それにしても・・・・・・こんなところで何をやっているの紫?」
レミリアは自身を呼び止めた人物・・・・・八雲紫に尋ねた。
「聞きにきたのよ。あなたの目に・・・・・響と咲夜がどう映っているのかを」
例の胡散臭い笑みを浮かべながら紫は答える。
レミリアに響と咲夜のことを話したのは・・・・・紫であった。
レミリアは紫から響と咲夜を聞いて興味を持ったのだ。
「そう。随分と暇なのね」
「そうでもないわよ。このために頑張って仕事を片付けてきたんですもの。それよりも聞かせて。あなたがあの二人のことをどう思うのかを」
「・・・・・あなたが評価するだけのことはあるわ。響も咲夜も・・・・・ほんの少し話をしただけでも十分すぎるほどに信頼に足る人物だということがわかったわ」
「まあそれは当然ね。なにせあの響と咲夜ですもの」
紫はまるで自分のことかのように嬉しそうに笑顔を浮かべた。
「でも・・・・・あそこに居たのでは響も咲夜も能力を活かしきれないわ。特に響は・・・・・あんな見る目のない無能共に囲まれていたんじゃあね。本当に不憫でならないわ」
「・・・・・だから欲しいの?響と咲夜のことが」
「・・・・・ええそうよ。私は響をスカーレット家に養子として迎えたいと考えている。もちろん咲夜も一緒にね。そのことはもうお父様もお母様もフランも了承済みよ」
それはレミリアのまごうことなき思いであった。元々聞いた話から響と咲夜に興味を持っていたが今日直接会って決意したようだ。
「やっぱりそうなのね・・・・・・まあ気持ちはよくわかるわ。私だって・・・・あの二人が欲しいもの。藍と橙も欲しがっているし」
「・・・・・譲る気はないわよ?」
「それはこちらのセリフだわ♪」
「「・・・・・」」
笑顔を浮かべながら睨み合うレミリアと紫。二人の間に激しく火花が散る光景が見えるかのようであった。
「・・・・それじゃあこれで失礼するわね。フランが待っているから」
「ええ。さようならレミリア」
「さよなら」
挨拶を交わしてレミリアはホテルから出て行った。
「響、あなたの前には様々な選択肢がある。あなたは・・・・・何を選ぶのかしらね?」
紫は静かにそう呟いた後、その場をあとにした。
あとがき座談会のコーナー!INバカテス!!
今回のゲストはもちろんレミリアさんです!
「よろしく」
はいよろしくお願いします!それでは進めていきましょう!
「今回はレミリアさんがメインだったわけだが・・・・凄いカリスマだった」
「確かにそうだね。僕は直接会ったわけではないけどそれはなんとなく伝わってきたよ」
「ふふっ、触れし行こと言ってくれるわね。ありがとう」
まあ今のところはレミリアさんカリスマモードですからね。響さんが敬うのも無理はないでしょう。
「・・・・・ちょっと待ちなさい主。あなた今今のところはって言わなかったかしら?」
・・・・・さあ?なんのことでしょう?
「・・・・・明らかに誤魔化したね」
「これは・・・・・いずれカリスマブレイクするフラグ?」
「・・・・・・主。あなた覚悟は出来ているかしら?」
ちょ、ちょっと待ってくださいレミリアさん!
「問答無用よ。紅符「スカーレットシュート」」
だからこの場でスペカの使用は・・・・・って、ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!!
「ふう、すっきりしたわ」
「大丈夫か主?」
ピクピク・・・・・
「・・・・・大丈夫じゃないみたいだね」
「ピチュられるの久しぶりだからな。耐性がなくなってしまっていたんだろう。でもまあ1UPキノコを大量に備蓄していたから問題ないだろう」
「そうだね。それじゃあ座談会に戻ろうか」
「そうね。それにしても・・・・・咲夜が私の従者じゃないっていうのはやっぱり違和感あるわね」
「やっぱりそうなんですか?前回咲夜も同じことを言っていましたが・・・・」
「当然よ。咲夜は私にとって大切な従者なんだから」
「それに咲夜は優秀ですしね。特に紅茶を入れさせたら間違いなく世界一です」
「わかってるじゃない響。咲夜の紅茶は至高の紅茶と言ってもいいわね」
「激しく同意します」
(二人共・・・・・何かスイッチ入っちゃってる?)
さ、さて・・・・そろそろ締めにしましょう。
「あ、意識戻ったんだな」
な、なんとか・・・・・と、そうだ。締める前に次回のことで言っておくことがあったんでした。
「次回のこと?」
はい。次回ですが・・・・・響さんと咲夜さんの過去のお話をやる予定です。
「ついにか・・・・今まで色々と伏線は貼っていたからな」
「楽しみにしていた読者は結構いただろうね」
読者の皆様、どうかお楽しみに。
それでは・・・・・
「「「「次回もまたきてくれ(きてください)(きなさい)!!」」」」