バカとテストと召喚獣~響き渡るバカ達の絆~   作:shin-Ex-

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第81話!

今回は雄二さんと翔子さんのお話クライマックス!

「ようやくだな」

「そうだね」

それでは前置きはここまでにして本編にいきましょう!

「そうだな」

「それでは本編どうぞ」


第81話

side 雄二

 

『霧島さん?霧島翔子さん?どちらにいられますか?いたら返事をしてください!』

 

会場中に木下姉の慌てた声が響き渡る。その声を聞いた客たちはザワザワと騒ぎ、混乱している。この分じゃあイベントは中止だな。

 

「坂本さん!霧島さんを一緒に探してください!」

 

スタッフに扮した秀吉が俺に言ってきた。さすがは秀吉だな。こんな時でも演技を崩してねえ。

 

だがまあ・・・・

 

「・・・・悪いがパスだ。面倒だし便所に行きたいしな」

 

「坂本さん!?一体何を・・・・」

 

「ユウ」

 

秀吉の言葉を遮るようにして響が会場から出ていこうとした俺を呼び止めた。

 

「なんだ響?」

 

「・・・・協力は?」

 

いやに真剣な表情で聞いてくる響。どうやらこいつにはお見通しってわけのようだな。

 

「・・・・必要ねえよ。一人で十分だ」

 

「そっか。わかったよ」

 

「・・・・じゃあな」

 

俺は片手をひらつかせながら会場から出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 響

 

全くユウは・・・・素直じゃないなぁ。

 

「響!僕達も翔子さんを探さないと!」

 

「急いで探せばまだ・・・・」

 

血相を変えて訴えてくるアキと妹紅。でも・・・・

 

「・・・・いや。その必要はないさ二人共」

 

「え?どうして?」

 

「翔子のことは・・・・雄二に任せておけば大丈夫だからですね」

 

さすが咲夜、わかってるな。

 

「え?でも雄二は・・・・」

 

「大丈夫だよ。さっきのアレは・・・・あいつが素直じゃないからだ。翔子のこと一番よくわかってるのはあいつなんだから俺達の出る幕はない。というより下手に手を出しても余計なおせっかいになるだけさ」

 

「そうですね。向こうもそのことがわかっているようだわ」

 

そう言って咲夜が指差す方をアキと妹紅が見る。そこには先程まで慌てていたスタッフに扮した皆がユーリとアリスに宥められている姿があった。

 

「だから後のことはユウに任せておけばいいさ」

 

「響・・・・うん。そうだね」

 

「響がそこまで言うなら・・・雄二を信じる」

 

「わかればいい」

 

つうわけだ。翔子を・・・・・俺の大切な妹を頼んだぜユウ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 雄二

 

さて、まだそう遠くには行っていないはずだが・・・・

 

「リョータ大丈夫?」

 

「ああ・・・・にしてもあのガキ。マジで腹立つぜ」

 

と、居た居た。全く・・・・自業自得で殴られたってのに逆ギレしてんじゃねえよ。

 

まあそれはとりあえず置いておいて・・・・

 

「なぁあんたら」

 

「ああ?なんだよ?」

 

こいつらにはさっきの礼をたっぷりとしてやらないとな。咲夜はこんなやつら殴る価値もねえって言ってたが・・・・正直俺からしたら我慢の限界なんでな。

 

「あれ?コイツさっきの奴じゃない?」

 

「みてぇだな。んでその新郎サマが俺達になんか用か?あぁ?」

 

たとえ手が腐っちまうとしても関係ねえ。

 

「いや、大した用じゃないんだが・・・・」

 

俺は・・・・・

 

「ちょっとそこまでツラァ貸せ!!」

 

翔子の夢を笑ったこいつらをぶちのめさないと気がすまねえ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっ、随分と待たせてくれたな」

 

ホテルの入口で数十分待っていたらようやく翔子が出てきた。その表情はどこか暗く見える。

 

「・・・・雄二」

 

「さて、それじゃあ帰るとするか」

 

「・・・・・」

 

俺が歩き出すと翔子は後ろから黙ってあとをついてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・ねえ雄二」

 

パークを出てしばらくして、翔子が重々しい声色で声をかけてきた。

 

「・・・・なんだ?」

 

「・・・・・私の夢ってやっぱり変なのかな?」

 

・・・やっぱりあの馬鹿カップルに言われたことを気にしてたのか。

 

「・・・まああまり一般的なものではないかもしれないな」

 

「・・・・・」

 

翔子は7年もの間ずっと揺るがない夢を抱いて生きてきた。その夢をあんなに大勢の前で嘲笑われて貶されることがどんな気持ちなのかは・・・・正直俺にはわからない。しかしだからといって嘘をついて慰めるつもりはない。そんなことに意味なんてないだろうからな。

 

だが俺は・・・・

 

「でも・・・・俺はお前の夢を笑ったりなんかしない。お前の夢は大きく胸を張れる誰にも負けない立派なものだからな」

 

俺は翔子の方に向き直って言った。

 

・・・・もう逃げねぇ。

 

翔子に・・・・言うんだ。

 

俺がずっと胸に秘めていた想いを。

 

もう・・・・中途半端になんかしたりしねえ。

 

これ以上・・・・誤魔化したりなんかしねえ。

 

「そして俺は・・・・そんなお前の夢を叶えてやりたいと思っている」

 

「・・・・え?」

 

「お前の夢は一人では絶対に叶えることができないものだ。だから・・・・・俺がお前のその夢を叶えてやる」

 

「・・・・それって・・・・・」

 

「翔子・・・・俺の恋人になってくれ」

 

俺は・・・・翔子に想いを告げた。

 

ずっと自分の中に留め、くすぶっていた想いを。

 

「!!・・・ゆう・・・じ」

 

「俺は・・・ずっと誤魔化してきた。お前が俺に抱いてる感情は昔のことへの責任感からくる勘違いによるものだって決め付けて・・・・目を背けていた。そうやって・・・・俺は自分に言い聞かせて自分の気持ちを誤魔化して目を逸らしていた」

 

本当に・・・・俺って情けねえよな。自分が自分でどうしようもなく嫌になるほどだ。

 

「だがもう・・・・誤魔化すのも逃げるのはやめた。俺は自分の気持ちに正直になる。俺は・・・・お前が好きだ翔子。だから・・・お前を俺の恋人にしたい」

 

「・・・・ほん・・・・とうに?」

 

翔子は目に一杯の涙を貯めながら聞き返してきた。

 

「当然だろ。こんなこと冗談で言うわけねえ」

 

「・・・・ゆう・・・じ」

 

翔子の涙腺は崩壊し、涙が溢れ出てきた。

 

「ったく・・・・何泣いてんだよ」

 

「・・・・だって・・・すごく・・・嬉しいから。ずっとずっと・・・・私・・・・」

 

「・・・・そうか。今までずっと待たせちまってたもんな。本当に悪かった」

 

俺は翔子を抱き寄せる。俺の腕の中で翔子は小刻みに震えながら涙を流し続ける。

 

そんな翔子が・・・・たまらなく愛おしく感じる。

 

「約束するぜ翔子。俺は・・・・お前の夢を叶える。いつか必ず俺は・・・・お前と結婚してお前を俺の嫁さんにする」

 

俺は翔子にヴェールをかぶせた。

 

「・・・あ。これ・・・さっきのヴェール?」

 

「とりあえず今はこれで・・・・まあ結婚の予約みたいなもんだな」

 

「・・・雄二・・・・・ありがとう」

 

翔子は嬉しそうにヴェールを撫でながら礼を言ってきた。

 

「それと・・・・弁当うまかったぞ」

 

俺は翔子に弁当の入ったカバンを差し出す。

 

「・・・・私のお弁当・・・・気付いてくれたんだ」

 

「ああ。でもまあ・・・・次からはもうちょっと量を多くしてくれよ?俺は結構な大食いだからな」

 

「・・・・うん。わかった」

 

「それじゃあさっさと帰るぞ。一応・・・・おふくろにも報告しておきたいしな」

 

なんだかんだおふくろも色々と後押ししてくれていたからな・・・・まあ今になったらそこんところには感謝だな。

 

「・・・・・雄二!」

 

「なん・・・!?」

 

振り向くのとほぼ同時に、俺の目には翔子の顔がすぐ近くに映り、さらに口に柔らかい感触を感じた。

 

「・・・・私・・・・雄二を好きになれてよかった!」

 

満面の笑顔を向けてくる翔子。その笑顔は・・・・今までに見た中で一番眩しくて、一番・・・・綺麗な笑顔だった。

 

「・・・・そうか。俺も同じ気持ちだ翔子」

 

本当に・・・・お前を好きになれてよかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は誓う。

 

必ず翔子の夢を叶えてみせる。

 

そして翔子を・・・・・幸せにしてみせる。




あとがき座談会のコーナー!INバカテス!!

今夏のゲストはもちろん雄二さんと翔子さんです!

「よろしくな」

「・・・・よろしく」

はいよろしくお願いします!そして・・・・・

「「「二人共おめでとう!」」」

「お、おう。ありがとな」

「・・・・ありがとう」

いや~とうとう雄二さんと翔子さんも恋人同士になりましたね!よかったよかった。

「そうだね」

「・・・・・」

あれ?響さん何を黙り込んで・・・・って、あなた何無言で号泣してるんですか?

「だって・・・・とうとう翔子が・・・・」

「響は翔子さんのことで相当入れ込んでたからね」

「当然だ。翔子には昔から本当に助けられていたし俺にとって大切な妹のような存在だからな。俺しくないわけがない」

「だからって号泣するほどなのかよ・・・・」

「・・・・響。応援してくれてありがとう」

「気にするな。当然のことなんだからさ。これからはユウに幸せにしてもらえよ?何かあったらすぐに俺に言え」

「・・・・うん。わかった」

「それとユウ」

「なんだ?」

「もしも翔子を泣かせてみろ・・・・・火炙り、水責めを50回繰り返した後全身の骨を圧砕して野犬の溜まり場に突き出してやる」

「それ前にお前がFFF団にやろうとしたことじゃねえか!?冗談でもやめろよ!!」

「何を言っている?冗談なんかではないぞ?」

「恐ぇよ!そんなことしないから勘弁してくれ!!」

「そうか。ならいい」

「・・・・・響。雄二に酷いことしたらダメ」

「大丈夫だ翔子。ユウに酷いことをするのはユウがお前を傷つけた時にだから。ユウがそういったことを何もしなければ問題ない」

「・・・・そう。ならいい」

(な、なんでこんなスゲエプレッシャーを感じなきゃなんねえんだよ)

「・・・・ねえ主、ちょっといいかな?」

なんですか明久さん。

「なんか響の翔子さんへの入れ込みようが尋常じゃない気がするんだけど・・・いくら妹みたいに思ってるって言ってもアレはいきすぎじゃない?」

そうですね。でもまあある意味当然かもです。響さんにとって翔子さんは単に妹のような存在というだけではありませんから。

「それってどういうこと?」

それはまあいずれわかりますよ。それよりも次回は明久さんのターンになりますから頑張ってくださいよ。

「う、うん。わかったよ」

さて、今回はここまでにしましょう。

それでは・・・・・


「「「「次回もまたきてくれ(きてください)(きて)!!」」」」

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