バカとテストと召喚獣~響き渡るバカ達の絆~   作:shin-Ex-

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第75話!

今回から本格的にデート編です!ちなみに一話ごとにsideを変えていきます

「今回はユウと翔子だな」

「どうなるんだろうね」

それは見てのお楽しみ!

それでは本編どうぞ!


第75話

side 雄二

 

「・・・やっと着いた」

 

「ああ。そうだな」

 

家を出て30分ほど経って目的地である如月グランドパークに着いた。翔子は上機嫌そうに頬笑みを浮かべている。

 

・・・・この笑顔を見れただけでここまで来た甲斐があったと思えるな。

 

「・・・・雄二」

 

翔子は俺の腕に自分の腕を絡ませてきた・・・・って

 

「翔子!?何やってるんだよ!?」

 

「・・・・恋人同士は皆こうしてる」

 

「俺たちはまだ恋人同士じゃねえだろ!!」

 

「・・・・・そうだった。でも響にデートするときは腕を組むのが普通って言われた。だからやめない」

 

響の野郎、余計なこと言いやがって・・・・・いや、落ち着け俺。以前の翔子だったらここで腕組という名の関節技を仕掛ける可能性が高かった。そうならなかっただけマシだと思っておこう。

 

・・・・それに嫌ではないしな。

 

「・・・・行こ、雄二」

 

「・・・ああ」

 

俺は翔子と腕を組んだまま正面ゲートに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「「いらっしゃいませ!如月ハイランドへようこそ!!」」

 

ゲートをくぐったら遊園地の指定であろう制服に身を包んだ見覚えのある二人の男女が笑顔でもてなしに来た。

 

「・・・・おいユーリ、アリス。お前達は何をやっている?」

 

俺は目の前の二人・・・・ユーリとアリスに尋ねた。

 

「ユーリ?誰のことでしょうか?私の名前はフレン・シーフォ。断じてユーリという名前ではありません」

 

「私もアリスという名前ではありません。人違いではないでしょうか?」

 

二人はにこやかな笑みを崩さないまま普段とは全く違う丁寧な口調で言った。

 

・・・・というかユーリ。お前がその名を名乗るのは色々とまずいだろ。

 

「・・・・雄二、人違いみたい」

 

「翔子・・・それ本気で言ってるのか?」

 

「・・・・???」

 

どうやら本気らしいな。まあ翔子はどこか抜けたとこがあるからな・・・・

 

「ところでお客様。本日はプレオープンなのですがチケットはお持ちでしょうか?」

 

「・・・・はい」

 

「拝見します」

 

アリスは翔子からチケットを受け取り確認した。

 

それにしても振る舞いには違和感がないな・・・・・・まさか今日のために演技の練習をしていたんじゃないだろうな?・・・・どんだけ気合入れてんだよこいつらは。

 

「おおっ!!これは招待チケットではありませんか!」

 

「これはぜひウェディングシフトでおもてなししなければ!!」

 

・・・・前言撤回だ。驚き方がわざとらしすぎる。

 

つうかウェディングシフトって・・・・そういや紫さんがジンクス消す代わりになんか代わりになるアイデアを

出すって言ってたが・・・・

 

「・・・・ウェディングシフトってなに?」

 

翔子が興味を持ったのか二人に尋ねた。

 

「それは・・・・」

 

「ウェディングシフトとやらは必要ない。入場だけさせてくれたらあとは放ってくれていい」

 

俺は説明をしようとしたユーリの言葉を遮った。

 

翔子が聞いたら絶対に食いつくだろうからな・・・・勘弁して欲しい。

 

「そう言わずにお世話させてください。とても豪華なおもてなしをさせていただきますので」

 

「不要だ」

 

ユーリが説得をしてきたが・・・・乗るわけにはいかない。俺はきっぱりと断った。

 

「そこをなんとかお願いします」

 

「ダメだ」

 

「この通りです」

 

「却下だ」

 

しつけえな・・・・どんだけおもてなししてえんだよコイツは。

 

「・・・・そうですか。ならば仕方がありませんね」

 

ふう、ようやく諦めたようだな。これで平穏が保たれ・・・・

 

「こうなったら心苦しいですがあなたの実家に腐ったザリガニを送らなければなりませんね」

 

「お願いします。そのおもてなしを受けさせてください」

 

俺は速攻でユーリに頭を下げた。

 

腐ったザリガニとか冗談じゃねえ!うちの母親は間違いなく伊勢海老だと勘違いして食卓に上げてしまう!なんて恐ろしい脅迫をしてくるんだ・・・・!

 

「ありがとうございます。それではまず記念写真を撮りましょう」

 

「・・・・記念写真?」

 

「はい。最高にお似合いのお二人の愛のメモリーを残します」

 

ユーリ・・・・お前よくそんな恥ずかしいセリフを一切躊躇いなく言えるな。お前のとなり見てみろ。アリスが恥ずかしさで演技に徹しきれなくなって赤くなってるぞ。

 

「・・・・雄二とお似合い・・・・」

 

翔子は翔子で嬉しそうにポォーっとしてるし。

 

・・・・だがまあ写真ぐらいならいいか。

 

「それではカメラマンさんお願いしま~す」

 

「オッケー!!」

 

「・・・・任せろ」

 

ユーリの呼びかけに答え、カメラマン・・・・・康太と愛子が姿を現した。

 

こいつらも居たのか・・・・となると他の連中も来ていると考えていいな。大方紫さん策略だろう。あの人こういうの好きそうだしな。

 

・・・・・正直面倒なことになるのが目に見えている。

 

「・・・・写真を撮りますのでお二人共並んでください」

 

康太に言われて翔子は俺の隣に立つ。

 

「翔子さ~ん!もっと雄二くんに寄ってくださ~い!!というかいっそ腕組んじゃってくださ~い!」

 

「なっ!?余計なこと言ってんじゃねえ!」

 

「・・・・わかった」

 

翔子はすかさず俺のとなりに来て腕を組む。あまりに早すぎて断る隙が一切なかった。

 

「・・・・それでは撮ります」

 

「はいチーズ!!」

 

パシャッ!

 

「それでは現像してきますので少々お待くださ~い!!」

 

そう言って愛子は写真を現像しに行った。

 

「・・・・・楽しみ」

 

翔子は俺の方を見て嬉しそうに言った。身長差があるため若干上目遣い気味だ。

 

「・・・・そうだな」

 

俺は思わずそんな翔子から目を逸らしてしまった。

 

クソッ、今日の翔子は一々可愛く見えるからタチが悪い。デートの雰囲気に飲まれたせいでそう見えるのか?

 

「現像してきました~!!はいどうぞ!!」

 

愛子が戻ってきて写真を渡してきた。

 

「・・・・見て雄二。私たちの思い出」

 

「なっ!?」

 

俺は翔子に見せられた写真を見て思わず絶句してしまった。

 

写真に映るのは嬉しそうに笑顔を浮かべる翔子と恥ずかしさで目線を逸らしている俺の姿。

 

そして・・・・その写真はハート型のフレームで囲まれており、写真の上には可愛らしい丸文字で『私たち結婚します♥』と書かれていた。

 

傍目から見たら幸せそうなカップル以外には到底見えない。

 

「サービスで加工しておきました♪」

 

愛子はニコニコと笑顔を浮かべて行ってきた。ユーリもアリスも康太も同じような表情をしている。

 

・・・・・マジで勘弁してくれ。

 

「あ、ちなみにこれはパークの写真館に飾り、お客様のご家族、友人一同に送りますので」

 

「ふざけんなユーリ!!こんな写真が飾られたら本気だと思われるだろうが!しかも送るってなんだ!ふざけるのも大概にしろ!」

 

「「「いいじゃないですか」」」

 

「声揃えて言うな!俺は全然よくねえよ!」

 

こいつら・・・・ここぞとばかりに責め立てやがって!マジであとで覚えてやがれよ!

 

「・・・・雄二照れてる?」

 

「なっ!?ん、んなわけねえだろ!お、俺はただ・・・・そう!いじられるネタにされたくないだけだ!」

 

「・・・・そう。じゃあそういうことにしておく」

 

「お前わかってねえだろ!!」

 

クソッ・・・このままじゃずっとペースを握られる・・・・なんとかしねえと。

 

「ああっ!なんか写真撮影してる!アタシらも撮ってもらおうよ~!」

 

「俺達の結婚の記念にか?おい係員、俺たちも写ってやんよ」

 

突然いかにも頭の悪そうなチャラチャラしたカップルがあわられてユーリたちに詰め寄っていった。

 

「すみません。こちらは特別企画ですので一般のお客様にはちょっと・・・」

 

「あぁッ!?いいじゃねーか!俺たちはオ・キャ・ク・サ・マだぞゴラァ!」

 

アリスは丁寧にお辞儀をして断るが向こうは納得していないようで怒鳴り散らしてきた。

 

「だいたいよぉ、あんなダッセェジャリどもより俺たちを写したほうがココの評判的によくね?」

 

「そうそう!あんな頭の悪そうなオトコよりリョータの方が100倍カッコいいんだからァ!」

 

・・・・正直そんなことはないと断言できる。別に俺は自分がかっこいいとは思わねえがコイツよりはまだマシだ。

 

「・・・・」

 

翔子は無言で馬鹿カップル(誤字にあらず)に近づいていった。その表情は明らかに起こっているとわかる。

 

「翔子、どこ行く気だ?」

 

「・・・・・あの二人雄二のことを悪く言ったから」

 

「あのなぁ・・・・いちいちその程度のことで目くじらを立てるな」

 

「・・・・でも」

 

「でもじゃねえ。俺は別に気にしてねえしあの手の連中は無視するのが一番楽だ」

 

「・・・・・わかった。雄二がそう言うなら」

 

翔子は渋々といった様子で引き下がった。

 

にしても翔子が俺の為に怒って・・・・・まあ悪い気はしねえな。

 

「いいから黙って撮ればいいんだよ!あんまりグダグダぬかすとマスコミにタレコミすっぞ!」

 

「そーよっ!アタシたちお客様なんだからねっ!」

 

あいつらまだ言ってやがる・・・・如月グランドパークも運がないな。宣伝イベントであんな客が来るとは。

 

「はあ・・・・わかりましたよ。それでは特別に他では体験できない特別な写真撮影を行います」

 

ユーリが呆れ顔で言った。

 

「ハッ!わかればいいんだよ。とっとと撮れ」

 

「はいはい・・・それでは彼女さん、彼の顔を手で覆ってください」

 

「?こう?」

 

チャラ女はチャラ男の顔に手をかざす

 

「はい。それでは思いっきり力を入れて顔を握りしめてください」

 

ギリギリ・・・・

 

「グオッ!?」

 

チャラ女はユーリの言うとおり思い切り力を入れた・・・・これってもしかしなくてもアイアンクローだよな?

 

「それでは只今特別なカメラを持ってきますのでそのまま10分ほどお待ちください」

 

そう言ってユーリ、アリス、康太、愛子は去っていった。おそらく・・・・というかあいつらは確実に戻ってこねえだろうな。

 

「・・・・これいつまで続ければいいの~?」

 

「イデデデデデ!」

 

そのあいだもアイアンクローは継続中・・・・頭の悪いこいつらのことだからマジで10分間ずっとやり続けてるだろうな。

 

・・・・まあ別に全然構わないけどな。

 

「よし翔子、行くか」

 

「・・・・うん」

 

俺たちもチャラカップルをその場に残してアトラクションを回ることにした。




・・・・すみません。

スランプのため座談会はお休みです。

実は座談会って書くのに一時間近くかかってるんですよね・・・・

ネタを考えるのも大変ですし・・・・

次回からは復活させるつもりですので。

それでは次回もまたきてください。

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