バカとテストと召喚獣~響き渡るバカ達の絆~ 作:shin-Ex-
さあ!今回でとうとう清涼祭編は終了です!
「およそ30話にも渡る清涼祭編がようやく終を迎えるのか」
「本当に長かったね」
ですね。さて、前置きはここまでにして本編にいきましょう!
「「それでは本編どうぞ!!」」
side 響
清涼祭のプログラムが全て終わりを迎え、後夜祭が始まった。
俺たちFクラスは翔子をはじめとする何人かのAクラスの人から合同で打ち上げをしようと提案された(ちなみに一部のAクラス生徒(エリート主義の愚か者)は反対していたがその意見は少数のため無視された)。そして今回の清涼祭ではFクラスの連中は特に大きな問題を起こしていない(ピンクとポニテは除く)ので大丈夫だろうと判断したユウはその提案を受けた。FFF団の連中も今回ばかりは真面目に頑張ってくれたからそれぐらいの褒美があってもいいだろう。
周りを見ているとFFF団の連中はAクラスの連中と一緒に打ち上げを楽しんでる。中には女の子と会話している奴もいていつもと違って『異端者は死刑!』と言い出す奴も今のところいない。今まで散々俺達に痛めつけられたり西村先生に鍛え直されて少しは心境の変化が出たかな?いい傾向だ。このまま改心してくれたらいいが。
そして俺達いつものメンバーも集まって打ち上げを楽しもうとしていたのだが・・・・・・
「・・・・・Yuri、Please say again(ユーリ、もう一度言ってくれ)」
「いや、なんで英語なんだよ」
「しかも無駄に発音いいし」
思わず英語で聞き返してしまった俺にユーリとアリスがツッコミを入れる。なんでと言われてもな・・・・・・それほどまでにユーリの発言は俺にとって・・・・・いや、俺達にとって衝撃的だったからとしか言えないな。
「まあいいか。もう一度言うぞ・・・・・・俺とアリスは今日から付き合うことになった」
「「「「「・・・・・・・えぇぇぇぇぇぇ~!?」」」」」
今度はこの場にいたほぼ全員が叫び声を上げた。あまりの大声に関係ない周りの人達がこちらを見ているがそんなことは今はどうでもいい。
「何があったユーリ!答えろ!」
「そうだ!今まで見ていてものすごくもどかしかった君とアリスがどうして今日から付き合うことになったのかその経緯を話すんだ!」
「下手に誤魔化そうなんて考えたらダメよ?」
中学時代から付き合いのある俺、咲夜、アキにとっては特にその事を知っておきたい。咲夜なんてナイフまで構えてるし。
「お前ら少し落ち着け!というか咲夜はナイフ構えんな!こええよ!」
「安心しなさい。アリスには投げないから」
「俺には投げんのかよ!わかった話す!話すからナイフをしまえ!」
そうして咲夜はナイフをしまった後、ユーリの口から二人が付き合うこととなった経緯が語られた。
~少年説明中~
「とまあこんな感じだ」
・・・・・なるほど。そういうことか。まあともかく今言うことは・・・・・
「・・・・・ユーリ」
「「「「「どんだけ卑屈なんだお前は」」」」」
これだな。皆もおんなじ事を思っていたらしく見事にハモった。
「今の話聞いて言うことがそれかよ!」
「当然だ。お前はどんだけ自分を卑下してるんだよ」
「本当に・・・・・君はもう少し自分に自信を持ちなよ」
「全く・・・・・・そんなだからアリスに心配をかけさせるのよ」
俺とアキと咲夜がユーリを責め立てる。
「ぐっ・・・・・・・た、確かに前達の言うとおりかもしれねえ・・・・・けど響とアキにだけは言われたくねえ!」
「「「「「それは確かに」」」」」
っておい!なんで矛先がこっちに向いてきてんだよ!?・・・・・・まあ確かに否定はできねえが。
「・・・・・ともかく二人が付き合うことになった経緯とユーリの考えはわかった。お前たちはモテるから付き合ってるっていうのが知れ渡ったら色々と大変なことになるかもしれんが頑張れ。俺達は応援してるからな」
とりあえず俺は誤魔化すことにした。ただ・・・・・・
(((((響・・・・・・わかりやすく誤魔化したなぁ))))
・・・・・皆にはわかってるんだろうなぁ・・・・自分でもわかるくらいに露骨だったし。
「さて、それじゃあ色々とあった清涼祭が無事に終得ることができたことと二人が無事付き合うことになったのを祝して俺たちも打ち上げ始めるか」
そんな中ユウが空気を察して打ち上げを始めようと言ってくれた。まあ多分だけど・・・・・・これ以上この件にツッコミを入れると自分にも飛び火するかもしれないと考えたからかもしれないが。
「そうだね。じゃあ雄二、乾杯音頭お願い」
「おう、それじゃあ清涼祭終了とユーリとアリスがめでたく恋人になったことを祝して・・・・・・」
「「「「「乾杯!!」」」」」
俺達は手に持ったジュースの缶を高々と掲げた。
俺たちの清涼祭打ち上げが始まった。
「・・・・・ふぅ」
打ち上げが始まってしばらくした後、俺は皆から少し離れたところに座っていた。ここからだと皆が打ち上げを楽しんでいる姿がよく見える。
「響」
「ん?ああ、アキか」
「こんな離れたところで何やってるの?」
「・・・・・少し考え事をな」
「考え事?」
「ああ・・・・・・清涼祭、色々あったよな」
「・・・・・うん。そうだね」
本当に色々あった。たったの三日間の出来事なのに・・・・・
「・・・・・アキ。俺ってやっぱりユーリのことあんま言えないんだよな」
「え?」
「俺もユーリと同じだ。自分に自信が持てない。自分が・・・・・・咲夜にふさわしいとは思えないんだ」
「・・・・・・どうして?」
「・・・・・・清涼祭が始まる前に、咲夜と約束していたんだ。無茶はしないって、絶対に大丈夫だって・・・・一人で抱え込まないって」
「・・・・・・」
「でも・・・・・・ダメだった。俺は竹原さんへの怒りと憎しみで・・・・・・自分を見失って憎しみをぶつけることしか考えることができなくなってしまってた。そのせいで咲夜に心配をかけさせて・・・・・咲夜を泣かせて、傷つけた」
「響・・・・・」
「俺は・・・・・咲夜との約束を守れなかった。そんな俺に咲夜を・・・・「響」
アキは俺の言葉を遮った。
「それ以上言うなら・・・・・怒るよ?」
アキは真っ直ぐに俺の目を見て言う。
「君の気持ちはよくわかるよ。でも・・・・・君のその考えこそが咲夜を気持ちを踏みにじっているんだよ?」
え?
「俺が・・・・・咲夜を?」
「うん。咲夜は言っていたよね?自分で結論を出して決め付ける響が大嫌いだって。今の君は・・・・・まさしくそれなんだよ?」
「・・・・・」
「・・・・・君が自分を卑下すればするほど君は咲夜の大嫌いな君になっていくんだ。そして・・・・・・その度に咲夜は傷ついて悲しむんだ」
「・・・・・」
俺の頭の中で咲夜の顔が浮かんだ。傷つき、涙を流す咲夜の顔が。
「君は・・・・・響はそれを望んでいるの?咲夜を傷つけても・・・・構わないだなんて思っているの?」
「・・・・・思ってねえよ。そんな風に・・・・・・思っているわけない、思えるわけがない。俺は・・・・・・咲夜が好きだから」
「だったらもうわかるでしょ?僕が言わなくたって・・・・・響ならちゃんと理解できるでしょ?」
「・・・・ああ」
「なら・・・・・もう二度とそんなことを口にしないで。もう二度と・・・・・・そんなこと考えないで」
「・・・・・ああ。わかった。ありがとうアキ」
「・・・・うん」
はぁ、本当に俺って奴は・・・・っていかんいかん。今言ったばっかなのにもう俺は・・・・・
自分を卑下しないっていうのは難しいな。
俺は・・・・・ずっとそういう風に生きていたから。
咲夜やアキたちと出会う前までは・・・・・・・自分を卑下することしか知らなかったから。
(・・・・・簡単には吹っ切れないな。でも・・・・・・なんとかしないとな)
咲夜のために。そして・・・・・自分のために。
変わらないとな
ポスッ
「ん?」
突然背中に重みを感じた。後ろを振り向くとそこには・・・・
「・・・・・・」
咲夜がいた。俺の背中に寄りかかっている。
「?どうした咲夜?」
「・・・・・・響しゃま」
・・・・・・ん?響『しゃま』?
「・・・・・・えいっ!」
ドンッ!
「うおっ!?」
咲夜は突然俺を押し倒してきた。
「ちょっ!?・・・・咲夜?」
「・・・・・えへへ~♪」
咲夜は倒れた俺に覆いかぶさってきて俺の顔を覗き込んできた。
顔は赤く、目はトロンとしており、表情は今まで殆ど見たことがないような緩い笑みを浮かべている。
(・・・・ん?これは・・・・・アルコールの匂い?まさか・・・・・)
「・・・・・おい、咲夜」
「にゃんですか?響しゃま」
・・・・・・滑舌が明らかにおかしい。これは・・・・・聞くまでもないだろう。ただまあ確認はしなければな。
「お前・・・・・・酔ってるな?」
「えへへ~♪にゃに言ってるんでしゅか響しゃま?私は酔ってぇなんかいましぇんよ~?」
うん。間違いなく酔ってるな。すごく分かりやすい。というか・・・・・・
(・・・・・・なんで酔ってんだよ?)
疑問を感じた俺は皆のいる方を見た。
そこには・・・・・・苦笑いを浮かべてこちらを見ている皆の姿があった。
(・・・・・・これは一体どういうことだ?)
俺は皆に向かってアイコンタクトで聞いた。
(いや、さっき紫さんが来て俺達に缶ジュースを大量に渡してくれたんだが・・・・・)
(咲夜がそれを飲んだ瞬間にその・・・・・・こうなちゃったんだぞ~)
俺のアイコンタクトに対してユーセーとニトリがそう返してきた。
(・・・・・・紫さん)
俺は思わず頭を抱えたくなった。
あの人は一体何をしてんだよ?
なんで未成年に堂々と酒渡してんだよ?
(・・・・・・というかなんで咲夜だけ酔ってるんだよ?お前たちも飲んだんだろ?)
(あ、ああ。確かに飲んだんだが・・・・・・)
(・・・・・・全部が全部お酒というわけではなかったみたい)
今度はユウと翔子が答える。
どうやら紫さんは本当のジュースの缶の中にいくつかお酒を紛れ込ませていたようだ。おそらく怪しまれないようにするための処置だろう。相変わらずそういうことは周到に考える人だ。
(それで運悪く咲夜一人がそれを飲んじまったっていうことかよ・・・・・・)
(・・・・いえ、飲んだのは咲夜一人ではないわよ)
今度は輝夜がアイコンタクトを返してくる。
(何?)
(・・・・・・隣見てみなさい)
言われるがままに隣を見る。
「あきひしゃ~♪」
「ちょっ!妹紅落ち着いて!お願いだから!」
・・・・・・そこには妹紅に擦り寄られているアキの姿があった。
(・・・・・・まさか妹紅まで・・・・・どうりでいつまでたってもアキが助けに来てくれないわけだ)
アキはアキでとてつもなく余裕がない状態だったのだ。これではこっちのことに気が回るはずなどない。こうなってしまっては仕方がない。皆に助けを・・・・・
「響しゃま」
グイッ!
「!?」
咲夜は俺の顔に手を当てて自分の方を向けさせた。
「どこを見てらっしゃるんでしゅか~?今は・・・・・私だけを見ていてくだしゃい~♪」
咲夜は相も変わらず緩みきった笑みを俺に向けてくる。それもかなり至近距離で。
(マ、マズイ!これは・・・・・理性が飛ぶ!)
俺は激しい焦燥に駆られた。今の咲夜はヤバすぎる。酔っているせいでなんかこう・・・・・色々と緩みきってる。
わかりやすく言うと・・・・・・・今の咲夜は可愛すぎる!
(だ、誰か助けて・・・・・)
俺は皆に助けを求めるアイコンタクトを送る。だが・・・・・・そこには誰もいなかった。
(・・・・・・余計な気遣ってんじゃねえよ!)
あいつら・・・・・・後で覚えてやがれ!と、とにかく今はこの状況を・・・・・
「響しゃま」
咲夜が俺の名を呼んだ。滑舌は依然悪いが・・・・・その声は少し重たいものであった。
「響しゃま。あなたは・・・・・このせいりょうしゃいの間に私にたくさんの心配をかけさせましゅた」
咲夜はトロンとした目で俺をまっすぐに見つめながら言う。
「私がどょれほどの思いだったか・・・・わかりましゅか?」
咲夜の目から涙が流れる。そして俺の顔に咲夜の涙が落ちてきた。
ポタポタと・・・・・・ポタポタと・・・・・
「咲夜・・・・・・」
「お願いでしゅから・・・・・・もうこんな思いはさしぇないでくださいね?」
咲夜は涙を流しながら儚い表情を浮かべて俺に言う。
今の咲夜は酔って理性のタガが外れてしまっているのだろうな。だからこそ今の咲夜の言葉は・・・・・まごう事なき咲夜の本心であろう。
理解していたつもりだったけれど俺は・・・・・・咲夜をこんなにも心配させてしまったのだな。
「・・・・・咲夜」
ギュッ
「あ・・・・・」
俺は咲夜を抱きしめた。
壊れないように優しく背に左手を回して、頭に右手を置き撫でる。
「・・・・・本当にごめんな。約束したのに・・・・・俺破ちゃったな。でも・・・・・・もう本当に大丈夫だ。俺は・・・・・ちゃんとわかったから。ちゃんと・・・・・・わかってるから。だから・・・・・・もう一度約束するよ。もう咲夜にあんな思いはさせない。今度こそ・・・・・・絶対にだ」
「響・・・・・しゃま」
「だから・・・・・これからもずっと俺の隣にいてくれ。俺には・・・・・・咲夜が必要だから」
「・・・・・・・」
「これからも・・・・・・よろしくな咲夜」
俺は咲夜に伝えた。俺のありのままの思いを。ありのままの気持ちを。
「・・・・・・」
「・・・・・咲夜?」
何も答えない咲夜に声をかけた。すると・・・・・
「・・・・ス~」
咲夜から規則正しい寝息が聞こえてきた。幸せそうな安らかな寝顔が俺の目に映る。
「・・・・・・マジかよおい。どこから寝てたんだ?」
全くもう・・・・・まさか今のまた改めて咲夜に言わなきゃいけないのか?流石に恥ずかしいぞ。
「ん・・・・・響しゃま・・・・・ずっと・・・・あなたの隣に・・・・・」
咲夜は寝言でそう呟いた。
「・・・・・・まあいいか」
俺は咲夜を抱きしめて目を閉じた。
清涼祭は本当に大変なことばかりで少しだけ疲れが溜まってしまった。
だから寝よう。少しだけ・・・・・ほんの少しだけ。
こうして・・・・・咲夜の温もりを感じながら。
「ちょっと響!?寝てないで助けてよ!」
「あきひしゃ~♪」
「妹紅近い!顔が近いから!」
・・・・・・・なにか聞こえたような気がするけど今はとにかく眠ることにした
あとがき座談会のコーナーINバカテス!
今回のゲストは咲夜さんと妹紅さんです!
「「・・・・・・」」
およ?お二人共黙り込んでどうしたんですか?
「そ、それは・・・・」
「な、なんというか・・・・・冷静になってみると本編の私たちってその・・・・・」
あ~・・・・・色々とはっちゃけていましたね!
「「嬉しそうに言うな!!」」
アハハ!まあいいじゃありませんか!
「「よくない!」」
「まあ落ち着けよ咲夜。深呼吸深呼吸」
「妹紅もね」
「ひ、響様・・・・・本当に申し訳ありません。酔っていたとはいえあのような無礼な態度を・・・・」
「気にする必要はないさ。酔ってたんだから仕方がない。ちゃんとわかってるから」
「あ、明久・・・・ゴメンな。私明久にいっぱい迷惑かけちゃって・・・・お願いだから嫌いにならないでくれ!」
「大丈夫だよ。あれくらいで妹紅のこと嫌いになるわけないじゃないか」
「「よ、良かった・・・・・」」
((というか確かに結構戸惑ったけどトータルで見ると断然俺(僕)にとって得な展開だったし))
(・・・・・うわぁ。二人のにこやかな表情から何かもう色々と察しちゃいました)
「まあそれはともかくようやく清涼再編が終わったな」
「そうだね。本当に長かった」
ですね~。まさか30話も使うだなんて思いませんでしたよ。
「全体を通してみてみると、流れとしては原作と大きな差異はありませんけど。細かいところで原作と違うところが多かったわね」
「そうだな。やっぱりオリキャラが結構たくさん出てるからその辺りが影響してるのか?」
そうですね。この清涼祭編は原作に忠実でありながらもオリジナル性をふんだんに盛り込ませるというのに重点を置いていました。そう言った意味では成功したと思っていますよ。
「まあ確かにそう言えるかもな」
何よりこの清涼祭編でやりたかったことはできましたし。
「やりたかったこと?それって何?」
主に響さんの心境の変化ですね。この清涼再編で響さんは皆に心配させることを自分ひとりでしてしまうことの愚かさを理解しました。それは響さんにとって必要だった大きな成長です。この成長が今後の展開的にも大切になる・・・・・と思います。
「なんでそこが自信なさげなんだよ」
いや~、話の大まかな流れは決まっていても細かいところは詰めてないですからね。どうなるのかまだわからないところが多いですので!
「いい加減ね」
それは・・・・・否定できませんね。まあともかくとしてこれで清涼祭編は終わりです!次回からは新しい章・・・・の前にまたやることがあります!
「やること?なんだよそれ?」
それは・・・・・わかりません!
「・・・・は?」
「主・・・・・お前何ふざけたこと言ってるんだ?」
別にふざけているわけじゃあありませんよ。ただ次回の話で何をするのかは読者の皆さんに決めてもらおうかと思いまして!
「どういうこと?」
この話を投稿した後に活動報告にて次の話でやってほしいことおを募集します。次回はそのアンケートの結果に従事した話を書く事にするのです!
「つまり・・・・・読者に丸投げするということか?」
・・・・・響さん。そんな人聞きの悪い言い方はやめてください。ともかくさきほど言いましたように活動報告にてやってほしい話を募集しますので意見がある方はドンドン言ってください!
「ということだそうだ。読者の皆、よろしくな」
さて、言うことも言いましたので今回はここまでということで。それでは・・・・・
「「「「「次回もまたきてくれ(きてください)(きてね)!!」」」」」