バカとテストと召喚獣~響き渡るバカ達の絆~   作:shin-Ex-

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第66話!

さて!今回はユーリさんとアリスさんのお話です!

「今回の話は・・・・・二人にとって大きな転機になるな」

ですね!さて!前置きはここまでにして本編にいきましょう!

「ああ。それでは本編どうぞ」


第66話

side アリス

 

ユーリに連れられてやって来たのは学園の裏庭。普段から人気のない場所で今も私とユーリ以外の人は誰もいない。先程までお祭りの喧騒の中にいたので余計に静かに感じる。まるでここだけ世界が切り離されたようだ。

 

「悪いなアリス。せっかくの祭りなのによ付き合わせちまって」

 

「別にいいわ。お祭りを回るのも確かに楽しみだったけど・・・・・ユーリの話を聞くほうが私には大切だから」

 

「・・・・・・そうか」

 

それ以降ユーリは黙り込んだ。その表情は今までに何度も見ることのない真剣なものであった。私はそんなユーリの口から言葉が紡がれるのを待つ。

 

「・・・・アリス」

 

しばらくして、ユーリが口を開く。

 

「・・・・俺はあいつらが言っていたことは正しいと思う」

 

「え?」

 

あいつらって・・・・・・さっきの連中のこと?

 

「俺は野蛮で、品がなくて、頭も良くねえし、皆と違って俺には・・・・・・・誇れるものが何もない。俺は・・・・・・アリスにはふさわしくねえ」

 

「ユーリ・・・・・・そんなこと「あるさ」

 

ユーリは私の言葉を遮った。

 

「自分のことだからよくわかる・・・・・・・お前は俺を優しいって言ったが・・・・・あんなもんただの自己満足だよ。俺は・・・・お前の思ってくれるような・・・・お前が思い描いている俺とは・・・・・あまりに違いすぎる」

 

「ユーリ・・・・・」

 

「そんな俺が・・・・・アリスにふさわしくあっていいはずがねえんだ」

 

「・・・・・」

 

言葉がでなかった。そんなことないと否定しなければいけないのに・・・・・・ユーリは充分すぎるほど優しくて頼れる立派な人だって言わなければならないのに・・・・・それなのに・・・・ユーリの顔を見ると・・・・・何も言えなくなってしまった。

 

・・・・・・分かっている。どうして私がユーリの言っていることを否定しないのか。言葉にできないのか。

 

私が何を言ったとしても・・・・・・ユーリは変わらないからだ。

 

私が何を言ってもユーリの考え方、価値観はユーリのもの。

 

私が何を言おうが、何をしようが、ユーリが自分を卑下するかぎり・・・・・何も変わらない。

 

私には・・・・・・ユーリを救うことができない。

 

ユーリは私を・・・・・・救ってくれたのに。

 

(どうして私は・・・・・・こんなに無力なの?)

 

私は自分の無力さに腹が立った。

 

自分の無力さを・・・・・呪った。

 

「でも・・・・・もうやめた」

 

「え?」

 

「もう・・・・・それを理由に・・・・言い訳するのはやめる」

 

「ユー・・・リ?」

 

「俺はずっとふさわしくねえっていう理由を言い訳にアリスの気持ちを知りながら前に進めずにいた。でも・・・・・・どれだけ待ってもお前の気持ちは変わらなかった。アリスはいつも俺を想ってくれたし俺も・・・・・・アリスへの想いが日に日に大きくなっていくのを自覚していた」

 

ユーリは私の目を正面から見つめて決意を固めたような表情で語る。

 

「だから・・・・・・もう言い訳はしない。俺は・・・・・・俺の気持ちに正直になる」

 

ユーリは目を閉じ、一度大きく深呼吸した。そして・・・・・

 

「アリス。俺は・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お前が好きだ」

 

ユーリの口から私が最も望んだ言葉が・・・・・・私を最も幸せにする言葉が紡がれた。

 

「俺はアリスにふさわしくない。それでも俺のお前に対するこの想いを・・・・・・もう抑えられねえ。いや、抑えたくないだ。だから・・・・・・アリス。俺の・・・・・・恋人になってくれないか?」

 

「ユーリの・・・・・・恋人・・・・」

 

ツー・・・・

 

気がつけば私の頬には涙が流れていた。

 

涙を流すほどに私は・・・・・・ユーリの言葉に強い喜びを感じたからだ。

 

(・・・・・言わなきゃ・・・・・私もちゃんと・・・・)

 

まるで全身が焼かれているかのように熱い。

 

口が乾いて言葉を出そうとすると苦しい。

 

でも・・・・・・ユーリはきちんと言葉にしてくれた。

 

ユーリがどれほどの覚悟でその言葉を紡いだのかわかる。

 

だから私も言うんだ。

 

今まで言えなかったことを。

 

今までずっとユーリに伝えたかったことを。

 

「・・・・わた・・・しも。私・・・も・・ユーリが・・・・」

 

緊張のあまりたどたどしく紡がれる私の言葉。途中でうまく声が出せずに詰まってしまった。

 

(ダメ・・・・やっぱり私・・・・・)

 

「アリス・・・・・・頑張れ」

 

そんな私にユーリは励ましの言葉をくれた。私の大好きな優しい表情で、優しい声で。

 

(ユーリ・・・・・)

 

「私も・・・・・・ユーリが・・・・・好き。だから・・・・私を・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユーリの恋人にして」

 

あいも変わらず私の言葉はたどたどしく紡がれていた。

 

でも・・・・・言えた。

 

ずっと言いたかったことを・・・・・

 

ずっと言えなかったことを・・・・・

 

ずっと心に秘めていたことを・・・・・

 

ようやくユーリに伝えることができた。

 

「・・・・・アリス」

 

フワッ

 

ユーリが私を抱きしめる。

 

「ごめんな・・・・ずっと待たせちまって・・・・・本当にごめん」

 

ユーリは抱きしめる力を強めて言う。

 

「・・・・私も・・・・ずっと言えなくてごめんなさい」

 

私もユーリの背に手を回し抱きしめる。

 

「・・・・アリス」

 

ユーリは私の目を真っ直ぐに見つめた。

 

「・・・・ユーリ」

 

私もまたユーリの目を見つめる。そして・・・・・

 

・・・・・スッ

 

私たちの影が・・・・・・重なった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アリス、俺は約束する」

 

「え?」

 

「俺は絶対に・・・・お前にふさわしい男になる。誰にも文句もなにも言わせないような立派な男になってみせる」

 

ユーリ・・・・そこまで私のこと・・・・・あいつらが言ってることを気にしているんだ。

 

「・・・・ありがと。すごく嬉しいわ。でも・・・・・無理して自分を押し殺したりはしないでね?誰がなんと言おうと私は・・・・・・今のユーリも・・・・その・・・・・・・・・大好きだから。だからあんな奴等が言っていたことなんて気にしなくていいわ」

 

「・・・・・サンキュ」

 

ユーリは優しい頬笑みを私に向けた。

 

「でも・・・・やっぱ最低限の品は身につけるようにしておくわ。でないと・・・・・お前の両親に挨拶するときに恥かいちまうからな」

 

「なっ!?りょ、両親に挨拶って・・・・・そんなのまだ早いわよ!私達まだ高校生なのよ!」

 

ユ、ユーリったら何言ってるのよ!

 

「・・・・・なあアリス」

 

ユーリは笑みを浮かべて言ってきた。ただその笑顔は・・・・・先程までの優しいものとは違いいたずらっぽいものであった。

 

「な、なによ?」

 

「・・・・・どうしてお前の両親に『俺たち付き合っています』って挨拶するのがまだ早いんだよ?高校生だとかそういうのは関係ないんじゃねえか?」

 

「!?」

 

し、しまった・・・・・もしかしなくれも私・・・・・墓穴を掘った?

 

「どういうことだか教えてくれねえか?」

 

「うっ・・・・そ、それは・・・・・」

 

い、言えない・・・・さっきユーリが言っていた挨拶を『結婚』の挨拶だって思っていただなんて絶対に言えない!

 

「で?どうなんだよ?」

 

ユーリは意地の悪い笑みを一層強めて言う。

 

「う、うぅ~///」

 

わざとだ。絶対にユーリわざとやってる。絶対にわかっててやってる。

 

「・・・・・え、えっと・・・・その・・・・私は・・・・」

 

「・・・・クク」

 

「?ユーリ?」

 

「アッハハハ!悪いアリス!ちょっとやりすぎちまったな!」

 

ユーリは大らかな笑い声をあげて言う。

 

「も、もう!ユーリったら!そういうところは変わらないんだから!」

 

「だから悪かったって」

 

全くもう!・・・・・・でも

 

「・・・・ねえユーリ」

 

「なんだ?」

 

「その・・・・・これからも・・・・・そういうのは・・・・・やめなくていいから」

 

私はユーリから顔を逸らしながら言った。

 

ユーリにからかわれるのは嫌じゃない。

 

むしろ・・・・・大好きだ。

 

だから・・・・・これからも続けて欲しいと思う。

 

私っておかしいのかな?

 

「・・・・・やめねえよ。というよりやめられるわけがねえ。アリスをからかうのは俺の生きがいだし、なにより・・・・・・恥ずかしがってるアリスは最高に可愛いんだからな」

 

「かっ、可愛い!?」

 

とびっきりの笑顔で言うユーリに対して私は戸惑いを隠しきれなかった。間違いなく今の私は顔が真っ赤になっているだろう。

 

「・・・・・アリス」

 

ユーリは私に手を差し出した。

 

「祭り一緒に回ろうぜ。もう時間あんまりねえけど」

 

「・・・・・うん」

 

私はユーリの手を掴んだ。そしてそのままユーリと手をつないだまま歩き出す。

 

「皆にもちゃんと言わねえとな。俺たちが恋人同士になったこと」

 

「ええ。特に響と咲夜と明久には色々と気を使わせていたし」

 

「だな。それに・・・・・俺たちがきっかけになってあいつらも一歩踏み出してくれるかもしれねえしな」

 

「・・・・・そうね。皆、見ていて焦れったいし」

 

「まあ俺たちが言えることじゃあねえけどな」

 

「確かにそうね」

 

私達は手を繋ぎ歩み続ける。

 

今も・・・・・

 

これから先も・・・・・

 

ずっとずっとユーリと一緒に

 

 

 

 

 

 

 

 

 




あとがき座談会のコーナー!INバカテス!

今回のゲストはもちろんユーリさんとアリスさんです!

「よろしくな」

「よろしく」

はいよろしくお願いします!そして・・・・・・

「「「二人共おめでとう!!」」」

「おう!サンキュ!」

「あ、ありがと///」

いや~とうとう・・・・・とうとうこの小説でカップルが誕生しました!この小説が始まって早6ヶ月・・・・・本当に長かった。

「主・・・・・そういうメタい話はやめろよ」

「まあ気持ちはわかるけどね」

それはともかくとして、ようやくユーリさんとアリスさんがカップルになったんです!これからは二人のイチャラブを・・・・・・

「ん?どうしたんだ主?」

・・・・・いえねユーリさん?これからはお二人のイチャラブを強調しようと思ったのですが・・・・・・その必要がないくらい二人って十分にイチャラブしてたなぁ~と思いまして。

「なっ!?いつ私とユーリがイチャラブなんてしたのよ!」

「十分にしていたと思うぞ」

「ユーリがからかってアリスが恥ずかしがって・・・・・・うん、十分なイチャラブだね」

「・・・・・まあ否定はしねえな」

「///」

まあということで恋人になった後もやっている事はあまり変わらないでしょうね・・・・・ただまあ若干以前よりも甘い空間が展開されるようになるとは思いますが。

「まあそれでいいと思うぞ。変わったのは関係とお互いの意識。それで十分だ」

「そうだね。ユーリがいじってアリスが恥ずかしがる。それがユーリとアリスのスタンスだもんね」

「ちょっと明久!勝手なこと言わないで!」

「え?違うの?」

「そ、それは・・・・・」

「ハハハ、違わねえよ。それが俺とアリスのスタンスだ。これからも変えるつもりはねえ。な?アリス」

「・・・・・うん」

いや~それでこそですよ!まあ何はともあれお二人はこれから恋人同士です。お二人共モテますし色々と大変なことになるかもですが頑張ってくださいね!

(大変なことになるかもって・・・・)

(主・・・・・そういう展開にもっていかせる気なのかしら?)

さて、それでは今回はこの辺りで締めにしましょう!それでは・・・・



「「「「「次回もまたきてくれ(きてください)(きなさい)!!」」」」」

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