バカとテストと召喚獣~響き渡るバカ達の絆~ 作:shin-Ex-
さて、今回は秀吉さんと輝夜さんの話です!
「・・・・・正しくは輝夜の話だろ?ほとんどヒデ出てねえし。しかもまた重い」
・・・・・まあそうですけどね。でもこの話はこのカップルの今後に関係しているので重要な話ではあります!
「まあ確かにそうだな。さ、それじゃあそろそろ本編いくぞ」
ですね。それでは本編どうぞ!
side 輝夜
(ふふ・・・・もうすぐだわ♪)
「・・・・・輝夜。楽しみなのはわかるけれどもう少しじっとしてなさい」
「なんのこと永琳?」
「さっきからそわそわしっぱなしよ」
「・・・・・本当?」
「ええ」
(まさかそこまで・・・・・気がつかなかったわ)
私は今文月学園内にある講堂にいる。秀吉の出る演劇を見るためにだ。
「まあ楽しみだっていうのは否定しないけど」
「そうね。何せ昨日寝付けなくなるほどだったのものね」
「なっ!?そんなことないわよ!ちゃんと寝れたわよ!」
「・・・・・・その割には目の下に隈がありましたけどね」
「うっ・・・・」
そう。実際は永琳の言うとおり楽しみすぎて眠れなかった。
「し、仕方がないでしょ!発声練習とかにはよく付き合ってたけど実際に見るのは今日が初めなんだから!」
しかも響達は秀吉の演技はとにかくすごいって言ってたし・・・・・・楽しみにもなるわよ。それに・・・・・
「そうね・・・・・それに輝夜の大好きな秀吉の演技が見れるのだからなおさらよね?」
永琳はいたずらっぽく笑って言った。
「ちょっ!?永琳!?」
「ふふふ」
もう!いきなり何言い出すのよ永琳は!・・・・・・・まあその通りなんだけどね。
私は秀吉が好き。今までに出会った誰よりも、なによりも秀吉が好きだ。
ただ・・・・・・どうして好きなのか、惹かれるのかはわからない。秀吉のどこが好きでどうして好きになったのかわからない。初めてああったあの時・・・・・秀吉に手を掴まれたあの時に好きになってしまった。
こんなにもわからないと思ったことは今までになかった。だから私はその答えが知りたくて響に聞いてみた。そうしたら響は・・・・
『わからないか・・・・・・それでなにか問題があるのか?』
『え?』
『好きな理由ってさ・・・・・絶対になきゃあダメなのか?』
『それは・・・・・・』
『別になくてもいいんじゃあないか?理由がなくたってさ・大切なのは・・・・・想いの方だ』
『でも・・・・・・』
『・・・・・そんなに理由が欲しいのか?』
『・・・・・不安なの』
『不安?』
『理由もなく好きになるのは・・・・・・・その想いが本当じゃあないんじゃないかって思えちゃって。だから・・・・』
『なるほどな。じゃあこういうのはどうだ?・・・・・理由は好きだからだ』
『え?』
『好きな理由は好きだから。それが理由・・・・でオッケーだろ?』
『いや、オッケーって・・・・・』
『・・・・輝夜。お前の気持ちは・・・・・なんとなくだけどわかるよ。でもさ・・・・・・恋愛っていうのは理屈だけで考えるものじゃあないと思う。例えば・・・・・・よく晴れた休日の昼下がり、誰かと出かけるとしたら誰と行きたい?』
『・・・・・・秀吉』
『・・・・・それが答えでいいんじゃあないか?難しく考えすぎるなよ』
『・・・・・うん』
『応援してるからさ。頑張れよ』
『・・・・・ありがと。あんたも早く咲夜に告白しなさい』
『そこは放っておけ!』
私は響にそう言われた。
響の言うことは理解できるし納得した。だから私はあまり深く考えすぎないようにした。でも・・・・・
(・・・・・なんか響に言われると釈然としないのよね。というかそこまでわかってるなら早く咲夜と恋人になりなさいよじれったい)
私が心の中で響への不満を募らせる。すると・・・・
「輝夜」
私の名を呼ぶ声が聞こえた。その声の方を向くと・・・・・
「優子」
そこには優子が居た。しかも・・・・・
「あら?あなたも一緒なの霖之助」
森近さんと一緒にだ。
「ああ。木下さんに誘われてね」
へぇ・・・・優子が。
「な、なに見てるのよ?」
「別に。なんでもないわ」
私は少し顔を赤くした優子に言った。ニヤついているのは自分でもわかる。
「ところで永琳。森近さんのこと名前で呼び捨てにしてるけど知り合いなの?」
私は永琳に聞いてみた。
「ええ、何度か会ったことがあるから」
そうなんだ。初めて知ったわ。
「それにしても・・・・・出不精の霖之助がよくここに来たわね。あなたのことだから清涼祭とかそんなの関係なく購買に篭ってずっと本でも読んでいるのだと思ったわ」
「永琳、君は一体僕をなんだと思っているんだい?・・・・・・まあその通りだったんだけどさ。ただ木下さんが熱心に誘ってくれたんだから断るのも悪いと思ってね」
「ちょ!森近さん!」
へぇ・・・・・熱心にね。でも誘いに乗ってくれたっていうことは結構脈アリってことかしら?まあまだまだ先は長そうだけど。
「そ、それよりもとなり空いてるなら座ってもいいかしら?」
優子は誤魔化すように言ってきた。
「ええ、いいわよ」
「ありがと」
優子と森近さんは空いていた私達の隣の席に座った。
「さてと・・・・」
席に座った優子はビデオカメラを取り出した。
「ビデオに撮るの?」
「ええ、お父さんとお母さんに見せるためにね。二人共今日は忙しくて来られないって言ってたから」
「それと、木下さんが後でゆっくり楽しむためにもだよね?」
森近さんが笑顔で聞く。
「・・・・・・ええ、まあ」
・・・・・・後でゆっくり楽しむ為に・・・・
「・・・・・ねえ優子、そのビデオのデータ・・・・・ダビングお願いしてもいい?」
私も後で一人でゆっくり楽しみたい。
「ええ、いいわよ」
優子は快く引き受けてくれた。
「(やった!)ありがと」
私はなるべく平静を保ちながらお礼を言った。
「ねえ優子、いいかしら?」
「なんですか永琳さん」
「秀吉は演技が上手いって皆言っているけれど・・・・・そんなになの?」
永琳が優子に訪ねた。
「ええ、秀吉の演技はすごいですよ。演じることに関して秀吉以上に上手い人はいないと思います。今回の演劇は特に気合が入っていたので期待できると思います」
「特に気合が入っている?どうして?」
「それは・・・・・・」
優子は少し言いよどんだ。
「どうしたの優子?」
「うん、その・・・・・久しぶりだから」
「久しぶり?何が?」
「・・・・・・男役をやるのが」
「え?」
男役をやるのが・・・・・久しぶり?
「木下さん?それってどういうことだい?」
「えっとですね・・・・・・秀吉ってその・・・・・よく女の子に間違えられて・・・・まあ実際に女の子みたいな容姿をしているんですけど。それで・・・・・・演劇ではよく女役をやらされるんです。それで、今回はものすごく久しぶに男の役をやらせて貰えるって喜んでいて・・・・・それでいつもよりも気合が入っているんです」
(まあ輝夜が見るからっていうのもあるんだろうけどね)
「そ、そうなんだ・・・・・」
・・・・・秀吉、あんた苦労しているのね。それにしても・・・・・
「・・・・・わからないわね。どうして秀吉に女役をやらせるのかしら?どこからどう見ても男なのに」
秀吉に女役をやらせようとする人の気がしれないわ。
「・・・・・・」
「どうしたの優子?」
「・・・・・・なんでもないわ」
(・・・・・・秀吉がどこからどう見ても男に見えるっていうことは・・・・・同じ顔をしている私も・・・・)
本当にどうしたのかしら?なんかがっかりしているような気が・・・・
ブーーーー
私が優子の様子に関して気にしていると講堂内にブザーがなった。
「輝夜、始まるみたいですよ」
「ええ、そうね」
優子のことは少し気になったけれど私は演劇を見るために舞台に顔を向けた。
そして舞台の幕が上がり、劇が始まった。
劇の内容は誰からも愛されず、さらに大切な人を失ったことによって失意の中にいる少年が別の世界に訪れ、その世界での生活で希望を見出していく物語だった。
今までいくつもの演劇を見てた私から見ればこの劇は普通。まあでも高校生にしてはそれなりにレベルは高いほうだと思う。でも・・・・
(・・・・・・す、ごい)
その中で、秀吉だけは郡を抜いてすごかった。
役を演じるなんていう話ではない。難しい役なのに本当に自分が体験したかのように感情がこもっているし、一つ一つの演技が真に迫っている。口調も声色も普段のそれとは全く違う。
それこそ・・・・・・・あれは本当に秀吉なのかどうかと疑ってしまう程にだ。
でも・・・・・だからこそ・・・・・・
私は怖くなってしまった
演技が上手い秀吉。演じることがうまい秀吉。それは純粋にすごいと思う。
でも・・・・・なら・・・・・
私が今まで見てきた秀吉の笑顔はどうなんだろう?
あれも・・・・・・演じられた・・・・・作られたものなのではないだろうか?
(・・・・・違う!そんなことない!秀吉がそんなことするはずない!秀吉は・・・・・・
私は自分に言い聞かせる。
そうだ、同じはずがない。
あんな・・・・・・・嘘で塗り固められた顔をするようなあいつらとは・・・・・
絶対に違う
「輝夜、劇はどうだったかの?」
劇が終わり、私は秀吉と二人で会っていた。
「ええ、凄かったわよ。皆が褒める理由がよくわかったわ」
「そ、そうかの・・・・輝夜にそこまで言って貰えるのは嬉しいのじゃ」
秀吉は満面の笑顔で言った。
ただ・・・・・それが本当の笑顔なのか、作られた笑顔なのか・・・・
知る術は私にはない
「・・・・・ねえ、秀吉」
「なんじゃ?」
「・・・・・・・なんでもないわ。気にしないで」
「?わかったのじゃ。それよりも・・・・・」
スッ
秀吉は私に手を差し出してきた。
「その・・・・・一緒に祭りを回ってくれぬか?」
秀吉は顔を赤らめて言ってきた。
「・・・・・ええ。行きましょう」
私はその手を掴んだ。
「うむ!」
私は秀吉と手を繋いで賑わう学内を巡る。
(大丈夫・・・・・・秀吉は・・・・・・あいつらとは違うんだ)
私は自分にそう言い聞かせた。
あとがき座談会のコーナー!INバカテス!
今回のゲストは秀吉さんと輝夜さんです!
「よろしく頼むのじゃ」
「よろしく」
よろしくお願いします!それでは進めて言いましょう!今回はお二人がメインの話ですが・・・・
「ちょっと待つのじゃ・・・・・・儂はほとんど出ておらんかったのじゃが。それこそ姉上や森近どのの方が出番は多かったのじゃ」
それは・・・・・・すみません。
「まあ別に良いのだがの」
そ、それよりもなにか聞きたいことはあります?
「そんなの輝夜の事に決まっておるじゃろう。輝夜の言うあいつらとは一体なんなのじゃ?」
あ~それは・・・・・言っていいですか輝夜さん?
「・・・・・できれば今は言わないで欲しいわね」
そうですか・・・・・ということで秀吉さんには悪いですけど言えません。本当にすみません。
「・・・・・まあ輝夜がそういうのなら別に構わんのじゃが」
・・・・・・ただこれだけは言っておきましょう。輝夜さんが文月学園に来る前まで学校に行っていなかった本当の理由はそのあいつらが原因なんです。
「そうなのかの?」
「・・・・ええ、そうよ」
「・・・・・」
さて、何やら変な空気になってしまいましたね。他の話をしましょうか。なにかあります?
「それじゃあ私から。秀吉達がやっていた劇ってもしかして・・・・」
ええ、私が執筆している東方の小説『儚き命の理解者』ですよ。
「やっぱりそうなんだ」
ちなみにわかっているとは思いますが秀吉さんが演じていたのはその小説の主人公『ミコト』さんの役です。
「やはりそうじゃったか・・・・・・演じていたからわかるのじゃがその『ミコト』というものは随分と過酷な人生を歩んでおるのじゃな」
そうですね。常人では到底耐えられないでしょう。
「でもそんな人のことを演じられるなんて本当に秀吉ってすごいわね」
「そ、そうかの?じゃが今回は流石に大変だったのじゃ。儂は『ミコト』のように苦しんだことがないから感情移入するのが難しかったしの」
でしょうね。まあそれでも秀吉さんはほぼ完璧に演じていましたが。
「・・・・・その辺は一切描写していなかったけどね」
・・・・・・そこは反省しています。
「じゃがなんで描写しなかったのじゃ?」
・・・・・・尺とテンポの都合です。
「つまりあんたの文才のなさが原因っていうことね」
・・・・・・まさにその通りです。
「・・・・・はあ、もういいわ。それよりもそろそろ締めましょう」
「じゃな」
わかりました。それでは・・・・・
「「「次回もまたきてください(きて欲しいぞ)(きなさい)!!」」」