バカとテストと召喚獣~響き渡るバカ達の絆~   作:shin-Ex-

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第61話!

さて!今回も明久さん、妹紅さんパートです!

「今回は前回までに比べて純粋に楽しい話って感じだな」

ですね!こういう展開は久々なので書いてて楽しかったです!

「そうか。それじゃあ本編に行くぞ」

はい!それでは本編どうぞ!


第61話

side 明久

 

「着いたわよ」

 

風見先輩の後についてしばらく歩き、僕達は3年Aクラスの教室に着いた。おどろおどろしい看板を掲げ、教室の窓には暗幕が貼られており中が見えなくなっている。そして教室前には何人ものお客さんが割と長い列を作って並んでいる。

 

「ず、随分と並んでいるな・・・・・なあ明久、残念だけど時間がかかりそうだから別のところに行かないか?」

 

お客さんの列を見て妹紅が・・・・・少し嬉しそうな表情をして言ってきた。

 

(やっぱりお化け屋敷に入るのは嫌なんだ。まあ妹紅が嫌がっていることを強いたくないし風見先輩には悪いけどやっぱりここは断って別のところに行こう)

 

僕はそう思い風見先輩に声をかけようとした。

 

「大丈夫よ。受付の子に話を通して特別にすぐに入れるようにしてもらったから」

 

い、いつの間に・・・・・風見先輩行動が早すぎます。

 

「というわけで二人共・・・・・・存分に楽しんできなさい♪」

 

・・・・うわぁ、風見先輩すごくいい笑顔してるよ。きっと妹紅が怯えてる姿がすごく楽しいんだろうな・・・・・・この人本当にドSだ。

 

「そ、そうなんですか・・・・・・すぐに入れるみたいでよかったな明久。風見先輩には感謝しないと」

 

妹紅・・・・・全然よかったって言う感情が伝わってこないんだけど。そんな真っ青な顔で笑顔を作っても痛々しいだけだよ。

 

「・・・・・・でもまあ気が進まないなら別に無理しなくてもいいわよ?」

 

そんな妹紅を見て風見先輩がバツの悪そうな顔をして言ってきた。風見先輩は本当に嫌がっている人に対してはやりすぎないように気をつけている(ただし明らかに相手に非がある場合は除く)から流石に今の妹紅を見て少し罪悪感を感じているのかもしれない。

 

「だ、大丈夫です、何も問題はありません。折角風見先輩が案内してくれたんですから楽しまないと・・・・・」

 

そして妹紅もまた風見先輩に気を使っている・・・・・

 

「でも・・・・・・」

 

「ほ、本当に大丈夫なんで・・・・」

 

・・・・・このままじゃあ気遣いが地獄車のように回ってしまう。ここら辺で止めないと。

 

「風見先輩。妹紅もこう言っていますので折角ですから楽しませてもらいます、ほら、行こう」

 

僕は妹紅の手を掴む。

 

妹紅が怖いものが本当に苦手だっていうことは知ってるけど、今ここで風見先輩の言うとおり別のところを回ってしまったらきっと後で妹紅は気にしてしまうだろう。妹紅は優しいからね。だから僕は妹紅の気遣いを尊重することにした。

 

「う、うん」

 

そして妹紅も少し強めに手を握り返してきた。

 

「それじゃ風見先輩、楽しませてもらいますね」

 

「・・・・・ええ。二人共行ってらっしゃい」

 

僕と妹紅は風見先輩に見送られ教室内に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・」

 

「平気?」

 

「だ、大丈夫・・・・・」

 

そう言いながらも妹紅は僕の手をより一層強く握ってくる。ただまあそれは仕方がないと思う。

 

暗幕がかけられた教室内に明かりと呼べるものは所々に散りばめられた小さな頼りない灯火のみ。その小さな明かりが真っ暗な状態よりも一層不気味さを感じさせる。

 

ポチャッ・・・・・

 

「!!」

 

そしてたまに聞こえてくる物音や水音。かなり小さな音であるはずなのにそれ以外の音と呼べるものは一切ないので耳によく入ってきて恐怖心を掻き立てる。これは妹紅でなくても途轍もなく怖く感じるだろう。

 

「大丈夫だよ妹紅。僕がそばにいるからね?」

 

僕は少しでももこうが安心するようにとできるだけ優しく言った。

 

「ありがとう・・・・・明久・・・・・」

 

妹紅は弱々しい声で返してきた・・・・・・・涙目と上目遣いで。

 

「ッ!!」

 

ヤ、ヤバイ・・・・・・今の妹紅は可愛すぎる。このままじゃあ僕の理性が崩壊してしまう。

 

(耐えろ僕耐えろ僕耐えろ僕耐えろ僕・・・・・・・)

 

僕は心の中で何度も繰り返して自分に言い聞かせた。はっきり言って今僕はこのお化け屋敷よりも理性が崩壊して妹紅に何かしてしまいそうで怖い。

 

ウァァァァァ~・・・・

 

「ヒッ!!」

 

ギュッ!

 

「!?」

 

突然なんの前触れもなくうめき声が聞こえてきた。そしてそのうめき声に反応して妹紅がしがみついてきた・・・・・・胸を押し当てて。

 

(も、妹紅の胸が僕の腕に・・・・・・・・柔らかいなぁ・・・・・じゃなくて!不味すぎる!このままじゃ・・・・・このままじゃ僕の理性が!)

 

ヤバイヤバイヤバイヤバイ!もう無理!これ以上は理性を保つ自信がない!

 

(え、えっと・・・・・・そうだ!こんな時は素数を数えるんだ!1、3、5、7、9、11・・・・ってこれは奇数だぁぁぁぁ!僕の馬鹿!なんでこんな時に素数と奇数を間違えるんだ!)

 

僕が自分の馬鹿さ加減に絶望していると・・・・・

 

ガアアアアァァァァァ!

 

「!イヤァァァァ!」

 

グロテスクな姿をしたゾンビが目の前に現れ、そして・・・・・・

 

バキッ!

 

「グフッ!」

 

妹紅の右ストレートが見事に決まった・・・・・・・僕の顔面に。

 

「ってああ!ゴ、ゴメン明久!大丈夫か!?」

 

妹紅は心配そうに僕に声をかけてくる。

 

「だ、大丈夫・・・・・・むしろありがとう」

 

だが僕はそんな妹紅にお礼を言った。なぜなら・・・・・今の一撃のおかげで僕の理性は完全に復活をはたしたからだ。

 

「え、え?あ、ありがとう?」

 

「気にしないで。こっちの話だから。それより妹紅の方は大丈夫?」

 

「う、うん・・・・・ちょっとびっくりして」

 

「そっか。もう少しだから頑張ろう?」

 

「わ、わかった」

 

僕と妹紅は再び手を繋いで少し早歩き気味で出口に向かう。

 

(早く・・・・・早くここから出ないと・・・・・・僕の理性が残っているうちに)

 

理性を保つことに必死になっている僕にはもはやお化け屋敷に対する恐怖は完全に消え去っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よ、ようやく終わった・・・・・」

 

「そうだね」

 

しばらくして僕と妹紅はようやくお化け屋敷から抜け出すことができた。

 

(それにしても・・・・・本当に危なかった・・・・・・主に僕の理性と妹紅が。まさかお化け屋敷がここまで恐ろしいところだったなんて)

 

僕はお化け屋敷の本質的な怖さとは全く違う恐ろしさを実感していると・・・・・

 

「二人共おかえりなさい」

 

風見先輩が声を掛けてきた。

 

「ってあら?明久、あなたどうして顔が少し腫れているの?」

 

風見先輩は首をかしげて聞いてきた。

 

「・・・・・・ちょっとぶつけちゃって」

 

僕は適当に誤魔化すことにした。そんな僕を見て妹紅は申し訳なさそうにしている。

 

「そう・・・・・それは災難だったわね。それよりもうちのクラスのお化け屋敷はどうだったかしら?」

 

「えっと・・・・・怖かったです」

 

「ええ・・・・・本当にすごく恐かったです」

 

「・・・・・・なぜかしら?あなた達のその発言にはすごくギャップを感じる気がするわ」

 

そうでしょうね。妹紅の怖いはお化け屋敷そのものに対してだけど僕の恐いは理性を失ってしまうことに対してだから。

 

「まあいいわ。満喫してもらえたようだし」

 

風見先輩はあまり気にしないようにしたようだ。

 

「それじゃあ僕達はもう行きますね」

 

「わかったわ。それじゃあ二人共またね」

 

「ええ。それでは失礼します」

 

僕と妹紅は3年Aクラスの教室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあ明久、顔痛むか?」

 

お化け屋敷から離れてしばらくして妹紅が聞いてきた。

 

「大丈夫だよ。これくらい」

 

「本当に?」

 

「うん。本当だよ」

 

・・・・・まあ本当はまだジンジンするんだけど。

 

妹紅の右ストレートはすごかった。確実に今まで受けた中でベスト5にはいるほどだったよ。

 

「それよりも妹紅、次はどこに行きたい?」

 

「そうだな・・・・とりあえず」

 

「とりあえず?」

 

「・・・・・・お腹がすいた・・・・かな?」

 

あ~、お化け屋敷じゃあずっと気を張ってから仕方がないね。僕も結構お腹がすいてるし。

 

「それじゃあ何か食べに行こっか?」

 

「ああ」

 

僕達は何か食べに行くことにした。

 

今日はまだまだ時間がある。

 

妹紅と楽しい思い出をたくさん作ろう。

 

 

 

 




あとがき座談会のコーナー!INバカテス!

今回も響さんはお休みで明久さんと妹紅さんに来ていただきました!

さて、早速ですがお二人共どうでしたか?

「とりあえず・・・・・怖かったな」

あ~やっぱりそうですか。ここの妹紅さんは怖いの本当にダメダメですからね。まあそのおかげで明久さんは役得だったみたいですけど。

「・・・・・まあ否定はしないよ。でもそれ以上に理性との戦いが激しかったんだけど」

それは・・・・・よく頑張りましたね。

「適当に流そうとしないでよ。本当に大変だったんだよ?」

そんなにですか?

「当然でしょ?何せ妹紅の上目遣いと涙目・・・・そしてついには胸を押し当てられてきたんだよ?これ以上に嬉しくてかつ理性が崩壊しそうになったことは人生で初だよ」

そこまでなんですか・・・・・・これを聞いて妹紅さんはどう感じますか?

プシュー・・・・・

「って妹紅!?どうしたの!?なんか頭からすごい煙が出てるけど!?」

あ~・・・・嬉しいのと恥ずかしいので頭がショートしちゃったようですね。

「ど、どうしよう・・・・・・」

まあ落ち着いてください明久さん。こうなったときの対処法はもう知ってるでしょう?

「え?知ってるってどういうこと?」

ほら、妹紅さんが毒ゴマ団子を食べてしまった時に意識を戻した方法をまた実践すれば・・・・・

「それは勘弁してくれ!」

「妹紅!よかった。意識が戻ったんだね」

(チッ)戻ってこられて何よりです。

「・・・・・なんか今舌打ちが聞こえたような気がするんだが」

「僕も・・・・・」

気のせいですよ!それよりも・・・・・・妹紅さん大丈夫ですか?

「ああ、もう大丈夫だ。意識ははっきりしている」

いえ、そっちじゃなくて・・・・・・今後の展開的にですよ。

「今後の展開?」

「・・・・・あ」

明久さんは気がついたようですね。

「何に気がついたんだ明久」

「うん・・・・・あのね妹紅。もしもこのままこの小説が原作沿いで進んだら・・・・・オカルト編っていうのがあるんだ」

「・・・・・え?それって・・・・」

わかりやすく言いましょう。お化け屋敷の恐怖再び。

「・・・・・・・明久、私はどうなるんだろう?」

「・・・・・大丈夫。僕が守ってあげるから」

「・・・・・ありがとう」

さて!何か微妙な空気になりましたがここらで締めましょう!それでは・・・・・

「「「次回もまたきてください(きてくれ)!!」」」


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