バカとテストと召喚獣~響き渡るバカ達の絆~   作:shin-Ex-

62 / 130
どうしてこうなった!

「いや何がだよ?」

竹原が警察に捕まって一件落着のはずなのに・・・・・ここからは楽しい話になるはずだったのに・・・・・なんでまた重苦しい話になるんだ!

「それは全面的にお前のせいだろ」

そうですけど・・・・・なんで私ってこんな話しか思いつかないんだろ・・・・

「・・・・・精神病んでるからじゃね?」

そんなこと・・・・・ないと思いますよ?

「そこは自信持って否定しろ。ああもう、ここでうだうだ言っても仕方がない。とっとと本編行くぞ」

はい。それでは本編どうぞ。


第57話

side 響

 

「皆、今日一日ご苦労だったな」

 

清涼祭二日目に日程、そして教室の後片付けも終わった後、教卓の前に立ったユウが皆をいたわった。そんな中・・・・・

 

「「・・・・・・・・」」

 

俺とアキはぐったりとしていた。というもの・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~数時間前~

 

 

「・・・・・響」

 

「・・・・・何だ?」

 

「・・・・・今って夏だよね?」

 

「・・・・・・ああ」

 

「・・・・・・なんでかな?さっきからすごい寒気がするんだ」

 

「・・・・・・奇遇だな。俺も冷や汗が止まらない」

 

俺とアキはとてつもない悪寒を感じている。なぜなら・・・・・・

 

ニコニコニコ(ゴゴゴゴ・・・・)

 

ものすごい笑顔をした皆(咲夜さんを含むいつものメンバーです by作者)に取り囲まれて正座させられているからだ。

 

「・・・・・な、なあ咲夜?これは一体どういうことなのか教えて欲しいんだが・・・・・」

 

「・・・・・どういうことかですか?それは・・・・・・響様自身よくわかっているのではないでしょうか?(ニコニコ)」

 

・・・・・ヤバイ、咲夜怒ってる。超怒ってる。すっげえ恐い。

 

「・・・・・・えっと・・・・・妹紅?」

 

「何だ明久?(ニコニコ)」

 

「・・・・・・すみません。やっぱりなんでもないです」

 

「そうか♪」

 

・・・・・アキ、今のお前の気持ちよく分かるぞ。あんないい笑顔した妹紅見たら聞けなくなるよな。

 

「・・・・・・さてお前ら一応聞くがどうして正座させれらているか・・・・・わかっているか?」

 

ユウが俺達を見下ろして言った。・・・・・多分だけど今のユウは悪鬼羅刹って呼ばれてた時よりも恐いと思う。

 

「「・・・・・・・俺(僕)達が皆に一言も相談もせずに勝手なことをしたからです」」

 

俺とアキは皆から視線を逸らしながら言った。勝手なこととは竹原さんを追い詰めたことだ。

 

「・・・・・・その通りだ」

 

・・・・・うん。やっぱりそうですよね。

 

「・・・・・お主らは、なぜ儂らに一言も言ってくれなかったのじゃ?」

 

ヒデが怒ったように・・・・・というよりは心配そうに言ってきた。

 

「「・・・・・」」

 

「・・・・・お前達はふざけているのか?」

 

「・・・・・二人だけで勝手なことをして。俺達はお前達の仲間じゃないのか?」

 

コウとユーセーは静かに言う。

 

「「・・・・・・」」

 

俺とアキは何も言えなかった。もちろん皆のことは大切な仲間だと思っている。だが・・・・・

 

「・・・・・・私達を巻き込みたくなかったていうその気持ちはわかるわ。その気持ちは正直に言ってしまえば嬉しい。でも・・・・・」

 

「・・・・・・それ以上に私達に何も話してくれなかったのはショックだ」

 

「輝夜・・・・にとり・・・・」

 

「・・・・響様、あなたは私の言っていたことちゃんと理解してくれていたのですか?」

 

咲夜は悲しそうに言った。

 

「・・・・・していたさ」

 

「だったら!「でも!」

 

俺は咲夜の言葉を遮る。

 

「俺は・・・・・・見られたくなかったんだ」

 

「見られたく・・・・なかった?」

 

「・・・・・アキのおかげで俺の中にあった竹原さんへの憎しみはある程度なりを潜めてくれた。でも・・・・・それでも俺の中の憎しみは消えていなかった。俺は・・・・・・皆に見せたくなかったんだ。あんな・・・・・怒りと憎しみに囚われていた自分を・・・・・見せたくなかった」

 

これがアキ以外の皆に何も言わなかった理由。俺は皆にあんな醜い自分を見られるのが・・・・・・たまらなく恐い。

 

「・・・・・・明久も・・・・なのか?」

 

「・・・・・・うん。僕も・・・・・竹原への怒りを抑えきれなくてね。そんな姿を・・・・皆には見せたくなかったんだ」

 

「・・・・・そうか」

 

俺たちの間に重い静けさが流れる。誰も何も言わない。皆・・・・・神妙な表情をして黙り込んでいる。

 

「・・・・・・響様」

 

そんな中、一番初めに口を開いたのは咲夜だった。

 

「・・・・・・先に謝っておきます。申し訳ありません」

 

「え?」

 

パンッ!

 

咲夜は俺の頬を叩いた。

 

「ッ!!」

 

「怒りと憎しみに囚われた自分を見せたくなかった?・・・・・何ですかそれは?」

 

咲夜は肩を震わせて言う。

 

「その姿を見て私達があなたに失望すると思ったんですか?私達が響様を見放すと思ったんですか?だとしたら・・・・・私達を見くびるのもいい加減にしてください。たかだかそんなことで響様に失望する人なんてここには一人たりともい居ません」

 

「・・・・・」

 

「何もかも自分で考えたことで決め付けて、誰にも相談しないで・・・・・どうしてわかってくれないんですか?」

 

咲夜は目に涙を貯めていう。

 

「・・・・・はっきり言います。私はそうやってご自分で結論を出して決め付ける響様が・・・・・・大嫌いです」

 

「・・・・・・」

 

「ですから・・・お願いですから・・・・・」

 

ギュッ

 

「お願いですから・・・・・もっと私を・・・・・私達を信じてください・・・・・信用してください。私達が響様を見放すなど・・・・・・何があっても有り得ないことなのですから」

 

咲夜は俺を抱きしめて言った。

 

「さ・・・・くや」

 

・・・・すごく痛いな。

 

咲夜に叩かれた頬も

 

咲夜の言葉を聞いた耳も

 

咲夜の・・・・・皆の気持ちを受けた心も

 

すごく痛い。

 

「・・・・・・明久もだ。皆に見られたくない自分がいるっていうのは・・・・・私にも痛いほどよくわかる。でも・・・・・明久が私に言ったんだぞ。私の全て受け入れてくれるって。だったら・・・・・私達もそうするに決まっているだろ?私達は・・・・・仲間なんだから」

 

「妹紅・・・・・」

 

・・・・こんなに・・・・・こんなに皆に心配させてしまうなんて・・・・・俺もアキも・・・・・大馬鹿だな。

 

「・・・・・本当にごめん」

 

「僕達が・・・・・馬鹿だったよ」

 

「「心配してくれて・・・・・ありがとう」」

 

それは心の底から出た言葉だった。

 

「・・・・・・もう同じことを言わせないでくださいね?」

 

「また同じようなことしたら・・・・・・わかってるな?」

 

「ああ。重々承知している」

 

「もう・・・・・こんなことはしないよ」

 

「・・・・ならいいです」

 

「これ以上何も言わないでおくよ」

 

・・・・・本当に・・・・今回のことは反省しないとな。

 

「さて、それじゃあお前達への罰は・・・・」

 

・・・・・はい?

 

「ちょっと待てユウ。今罰って言ったか?」

 

「ああ、言ったぞ。まさかお前達・・・・・謝ったから全て許されたと思ってるのか?(ニヤ)」

 

ニコニコ(ゴゴゴ・・・・)

 

・・・・・・あ、ヤバイ。皆さっきの笑顔に戻ってる。

 

「そうだな、とりあえず・・・・・お前達には今から喫茶店で昨日の倍の仕事をしてもらおう。もちろん休憩なしでだ」

 

「え?あの・・・・雄二?僕達寝不足の上昨日からの召喚大会で結構疲れてるんだけど・・・・・」

 

「朝寝たから大丈夫だろ」

 

「いや、寝たといっても1時間だから全快してないし・・・・・」

 

「大丈夫だろ」

 

「いや、だから・・・・」

 

「大丈夫だろ?」

 

「「・・・・・はい」」

 

・・・・どうやら逃げ場は無いようだ。

 

「響様、頑張ってくださいね」

 

「頑張れ明久!」

 

咲夜と妹紅が満面の笑みを浮かべて言った。

 

(・・・・・・腹括るぞアキ)

 

(・・・・・うん)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ということで俺とアキは寝不足状態で皆の倍の仕事をこなし、その結果、体力、精神力共にすり切らせてぐったりとしてしまったのだ。

 

「さて、これで清涼祭の二日目が終わった。今日まで本当にご苦労だったな」

 

全くだな。何せFクラスの連中は珍しくほとんど文句も言わずに真面目に働いていたんだから。正直この二日間でかなり見直したな。

 

「明日の最終日、俺たちFクラスにはやるべき仕事はねえ、皆思う存分に祭りを楽しめ!」

 

「「「うおっしゃぁぁぁぁ!!」」」

 

ユウの言葉を聞いて皆は歓喜の声を上げた。

 

ここで少し文月学園の清涼祭について話しておこう。文月学園の清涼祭は3日間行われる。そして各クラスはそのうち最低2日はクラスの出し物に従事することになる。その代わり1日は個人の自由に祭りを楽しむことができるシステムになっている。Fクラスは昨日、今日でクラスの出し物をしていたため明日はフリーなのだ。

 

「話は終わりだ。皆帰っていいぞ」

 

ユウの言葉を受け、皆帰宅の準備を始めた。

 

さて、昨日、今日は竹原さんのせいで祭りを楽しむ余裕なんてなかったからな。明日は存分に・・・・・咲夜と祭りを楽しませてもらおう。




あとがき座談会のコーナー!INバカテス!

今回もゲストはおろか響さんも明久さんもなしで進めます!・・・・ってこれもはや座談会じゃあないですね(汗)

お二人がいないのはたまには休ませようかなと思ったからです。いつも座談会では出突っ張りりですからね。

さて、今回は響さんと明久さんがなぜ皆に怒りに囚われた自分を見せたくなかったのかを皆さんに話します。

ずばりその理由はお二人共皆に醜態を晒すことによって皆から見放されてしまうのではないかと恐れたからです。

こういった恐れは誰にでもあるものですが響さんと明久さんはより一層その恐れが強いです。

その理由はお二人は見放された経験があるからです。

まず響さんは家族にです。

響さんの家族は響さんのことを落ちこぼれだと思っているため響さんに価値を求めておらず、響さんのことを邪険に扱っています。

その経験から響さんは身近な人から見放される恐怖を知ってしまい、恐れるようになったのです。

対して明久さんは周囲の友人にです。

まだ響さん達に会う前、そして妹紅さんにも会う前の明久さんは突拍子のない発言、行動によって周りの人達に馬鹿にされることが多々ありました。

それによって周囲の人たちに馬鹿にされ、辛い目にあっていました。

これによって明久さんは周りの人たちに受け入れてもらえない恐怖を知りました。

これが原因でおふたりの中で

自分の醜態を晒す=見放される、あるいは受け入れてもらえない

という方程式ができてしまったのです。

だから響さんと明久さんは怒りに囚われた自分の姿を見られたくないと思い皆に何も言わなかったのです。

とまあこれが理由です。

このことからこの二人は他人、特に仲間に対しては非常に広い心で優しく接しますが、自分のことに関してはかなりマイナスに考えてしまう傾向にります。

こういってところはこの二人の短所です。

今回の一件はその短所が少しでも改善されればと思った結果出来た話です。

正直・・・・・なんでこんな話思いついたんだろうって思いましたね(汗)

ただでさえここ最近重い話が多かったというのに・・・・・

まあ思いついてしまったものは仕方がないということで(苦笑)

さて、次回からは今度こそカップル話に入りますので皆さんどうかお楽しみに!

それでは・・・・・

次回もまたきてください!!














やっぱり一人でやると寂しいなぁ(泣)



▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。