バカとテストと召喚獣~響き渡るバカ達の絆~ 作:shin-Ex-
さて!今回とうとう竹原に罰が下る!そして常夏にも・・・・・詳しくは本編で!
「それでは本編どうぞ」
時は少々遡り早朝、学園長室にて
side 響
コンコン
「誰だい?」
「仲渡響と吉井明久です。入ってもよろしいでしょうか?」
「ああ、入りな」
「失礼します」
扉を開いて学園長室に入る。そこにはカオル婆さんと案の定紫さんが居た。
「おはよう響、吉井君」
「おはようございます紫さん」
「おはようございます」
「あら?響あなた・・・・・・」
「俺がどうかしましたか?」
「・・・・・・いいえ、何でもないわ(どうやら色々吹っ切れたようね)」
紫さんは微笑みを浮かべて言った。本当になんだったんだ?
「それよりもあんた達の方がどうしたんだい?凄い隈ができてるじゃないか」
「あ~・・・・これは・・・・・」
「今日の決勝戦の為に・・・・・・勉強を頑張りすぎでしまいまして・・・・・・」
「・・・・・・あんた達、そんなんで大丈夫なのかい?」
婆さんは心配そうに聞いてきた。
「大丈夫だよ婆さん。気合いで勝ってみせるから」
「そうかい・・・・・頑張ってくれよ」
「ああ、任せてくれ」
今日の試合、絶対に勝ってみせる。
「と、そう言えばあなた達に話しておくことがあるわ」
「話しておくこと?」
「なんですか?」
「警察にいる私の知人から聞いたのだけれど・・・・・昨日あなた達のクラスの子達を誘拐した連中が自首したわ」
「「え!?」」
あいつらが・・・・自首だと?
「自分達がしてしまった事を後悔して罪を償いたいと言って来たらしいわ」
・・・・そうか、あいつら心の底から反省したのか。誘拐の事はやはり許すことはできないが少し見直したな。
「それで彼らは竹原に依頼されて誘拐を行ったと話してくれたわ。これで誘拐強要の証言がとれたわ」
「・・・・・そうですか」
「後はあなた達が竹原の目論見を潰して警察に身柄を抑えさせて終わりよ。警察には知人を通して決勝戦が終わるまでは待ってくれるように頼んでおいたわ。かなり渋っていたけれどなんとか了承してくれたわ」
「・・・・・・ありがとうございます」
俺は紫さんに頭を下げて礼を言った。
「あの、ひとつ聞いてもいいでしょうか?」
「何かしら?吉井君」
「警察が竹原を捕まに来るのは具体的にいつですか?」
「?大会の表彰式が終わった少し後になっているけれど・・・・・・それがどうかしたのかしら?」
「はい、実は僕達は・・・・・・・」
noside
「クソッ!」
文月学園の教頭室にて、竹原は苦虫を噛み潰したような顔をして悪態を付いていた。
「あんなクズどもに負けるとは・・・・・使えない奴等だ!」
理由は先程行われた召喚大会の決勝戦、そこで自分が雇った生徒、夏川と常村が負けたからだ。それもクズだと思っていた者に。そのせいで竹原の計画が狂わされてしまった。
「・・・・・・仕方がない。こうなれば腕輪の不備を公表するしかないな」
しかし竹原の企みはまだ潰えていなかった。
「観客の目の前で暴走させることができないのは残念だが・・・・・・要は不備があったことが世間に明るみに出さえすればいい。その為に保険も打ってあるのだからな」
竹原はニヤリといやらしい笑みを浮かべる。彼が打った保険とは協力者。密かに文月学園の教師、召喚システムの開発研究者の中に自分に与する者を作っていたのだ。彼らを味方につけて学園長に全ての責任を押し付けることで追い詰め、失脚させるつもりなのだろう。
「あのクズどもが、よくも私の計画を邪魔してくれたな・・・・・・私がここの学園長になったら真っ先に退学にしてやる。今はせいぜい最後の祭りを楽しむんだな」
竹原の笑みは更に醜くさを増した。その顔はもはや教育者のものとは到底言えない。
「クックックッ・・・・・・ハハハハ!」
コンコン
竹原が高笑いを上げていると、部屋をノックする音が聞こえた。
「「失礼しま~す」」
そして返事を待たずして入ってきたのは・・・・・・仲渡響と吉井明久であった。
「・・・・・なんだね?返事を待たずに入ってくるとは随分失礼じゃあないか」
竹原はゴミを見るかのような目で二人を見る。
「失礼なのはそちらでしょう?・・・・・・随分と色々勝手な事をやっているようですね?」
響が笑みを浮かべながら言った。
「・・・・・・なんのことだかわからないな」
「・・・・・・あくまでシラを切るつもりですか?あんなことまでしておいて・・・・・」
今度は明久が・・・・・・怒りの表情を浮かべて言う。
「・・・・・・だからなんのことだかわからない。何度も言わせないでくれないか?」
「・・・・・・そうですか、まあ別にいいですけど」
「それよりも君達は何をしに来たんだ?用がないなら出て行ってくれたまえ。私は忙しいだ」
「そうはいきません。まだ用は終わっていませんので」
「だからその用とは何なんだ?」
竹原はイライラする。
「あなたに言いたいことがあるんですよ竹原さん」
「言いたいことだと?なんだ?」
「ええ、もうすぐ・・・・・・・・・ここに警察が来ます」
「・・・・・・は?」
竹原はポカンと口を開ける。
「警察・・・・・だと?どういうことだ?」
「どういうこともなにもありませんよ・・・・・・あなたが今まで行ってきた悪事、その一部を警察が知ったんですよ」
「あ、悪事?な、なんのことだ?」
「とぼけんなよ。もうバレてんだよ。全てじゃあないがあんたがやってきたこと・・・・・例えば横領とか、誘拐の強要とか」
「なっ!?」
竹原は顔を青くして冷や汗を流す。
「・・・・・しょ、証拠は!証拠はあるのか!?証拠もなしもこんなことしているというのなら貴様らを・・・・・・」
「証拠ならありますよ。俺が最も尊敬する人が集めた確かなものが。そして・・・・・あんたが雇った人間からの証言もある」
「!!」
「竹原教頭。もう言い逃れはできませんよ」
「・・・・・あ、ああ・・・・・」
竹原は膝から崩れ落ちた。先程まで高笑いを上げていた人物とは思えぬほど、その顔は絶望の色に染まる。
「馬鹿な・・・・・私が・・・・・この私が警察に?・・・・・・・・・ふざけるな!」
突然、竹原は声を荒げた。
「ふざけるな!ふざけるな!ふざけるな!なんで・・・・・なんでこの私がぁぁぁぁ!」
「自業自得だ。自分の我利ばかり考えて周りの人間を傷つけて・・・・・・そんなのが許されるはずがないだろう?」
響は言い放つ。先程までのように敬語は一切ない。冷たく、怒りを込めた声だ。
「私は優秀な人間なんだ!周りのクズがどうなろうと知るか!」
「「・・・・・・あ?」」
バキッ!
響と明久は部屋にあった机を拳で叩き割った。
「ヒッ!」
その光景を見た竹原は萎縮する。
「あんた・・・・・・いい加減にしろよ?」
「・・・・・・この際だからはっきり言ってあげるよ。あんたは優秀な人間なんかじゃない。あんたは・・・・人を平気で傷つけるあんたの方が・・・・・・・クズだ」
「・・・・・・今更何を言おうがあんたが警察に捕まるという現実は変わらない。あんたは・・・・・・もう御終いなんだよ」
響と明久は竹原に殺気をぶつけながら言う。
「・・・・・・ああぁぁぁぁぁぁぁ!」
竹原は絶叫する。その顔にはもはや精気さえなかった。
「・・・・・・最後にもうひとつ言っておく、よく覚えておけ。俺は・・・・・俺達はお前を許さない。俺達の大切な友人を傷つけたあんたを・・・・・・絶対に許さない。せいぜい・・・・・・・・檻の中で反省するんだな」
その数分後、警察が部屋の中に訪れ、竹原を逮捕した。
響と明久が竹原を追い詰めているのと同時刻
「クッソ、俺達があんなクズに・・・・・・」
「あいつら・・・・・・ふざけやがって」
文月学園の空き教室の一室。そこで先程の決勝戦で響と明久に敗北した者、常夏がいた。
「どうする?このままじゃ俺達の推薦がパアだぞ?」
「冗談じゃねえ。ここまできてそんなの許せるか。こうなったら・・・・・」
「何か考えがあるのか?」
「ああ、腕輪の不備のことを放送で流すんだよ。元々俺達はそれを公にするために大会に参加したんだ。それさえ果たせりゃ手段はどうでもいいだろ?」
常村がニヤリと笑って言った。
「なるほど!冴えてるな常村!」
「ははっ!まあな!」
「そうとなりゃあ早速このことを放送しようぜ!」
「ああ、それじゃあ放送室に「どこに行くって?」・・・・・へ?」
突然、二人の会話に割ってはいる声が聞こえた。常夏が声のする方を向くとそこには・・・・・・・・・・・・・とてつもなく黒い笑顔を浮かべた風見幽香が居た。
「か、風見!?」
「な、なんでお前がここに・・・・・・」
「・・・・・・あなた達に答えるつもりはないわ。それよりも・・・・・・・事情はよく知らないけど随分とつまらないことをしようとしているみたいね?(ニコッ)」
「「ヒィッ!」」
幽香が笑みをより強めると常夏は震え上がった。
「どうやら・・・・・・粛清が必要なようね?」
「ま、待て風見!」
「頼む!見逃してくれ!」
「・・・・・・・問答無用よ。さあ、いい声で鳴いて頂戴♪」
「「ぎゃ、ぎゃああああぁぁぁぁぁぁ!!」」
常夏の断末魔が響き渡った。
「・・・・ふう、全く。本当にどうしようもないわねこいつらは」
幽香はボロ切れのようになって転がっている常夏を見ながら言った。
「・・・・・・これでいいのね響」
幽香は響の名を呟いた。
彼女がここにいる理由は響にあった。響は試合で負けた常夏が何かをしでかすのではないかと考え、幽香に頭を下げて常夏を見張って何かあったら止めて欲しいと頼んでいたのだ。
「・・・・・・それにしても、あの響が私に頼みごとだなんて・・・・・明日は雨かしらね?」
風見は笑みを浮かべて言った。
「これで・・・・・初めて会った時のことはチャラよ響」
幽香は機嫌が良さそうに言う。
それは常夏を粛清してスッキリしているからなのか?
あるいは大切な後輩の助けになれたことが誇らしいからなのか?
その答えは幽香以外誰も知りえない。
あとがき座談会のコーナー!INバカテス!
今回はゲストなしでお送りします!
「今回でとうとう竹原に罰が下ったな」
「そうだね」
あれが二人が考えた罰ですか?どういう考えでああいうものになったんですか?
「ああ、最初は顔の形が変わるくらい思い切り殴ってその後はいつかFFF団の連中に言ったあの罰を実行しようと思ったんだ」
あの罰って・・・・・・火炙りやら水責めやら全身の骨の圧砕やらのアレですか?
「ああ。だがさすがに皆はそこまでやるのは望んでいないと思ったからやめたんだ」
「まあそこから直接手を下す系の罰はなしってことになったんだよね。だから竹原には恐怖を与えることにしたんだ」
「そして思いついたのがあれだ。いきなり警察がきて逮捕しますっていうよりも、事前にお前は逮捕されるって言ってしかももうどう足掻いても逃げられないっていうことを分からせればそれは十分な恐怖になると俺とアキは考えた」
「結果は案の定だったね。竹原は十分すぎるほどに恐怖を感じたみたいだよ」
「自分のことをエリートだと思い込んでいた奴だからな。ショックは人一倍なんだろう。まあそうでなきゃ罰にはならなかっただろうな」
そうですか・・・・・・まあ確かに竹原はそれだけのことをしましたからね。罰を受けるのは当然ですのであれに特に思うところはありませんね。妥当だと思いますよ。響さんたちも手を汚すことがなかったので。
「そうか。ただまあ・・・・・・・机ぶっ壊しちまったけどな」
「・・・・・・つい我慢できなくなっちゃったんだよね」
まあお気持ちはわかります。それは仕方ないですよ。さて、竹原の話はここまでにして次は常夏の話ですね。
「話すことなどない。以上」
って、ちょっと響さん!?それはさすがにあんまり・・・・・・ではないですね。
「常夏だもんね」
「話しに出したくもない。それで十分だ」
ですね。では幽香さんの話をしますか?
「といってもな・・・・・あんまり話すことないんだよな。強いて言うなら俺が頭下げたらすごく驚いていたことぐらいだな」
「それはある意味当然だよ。響ってあんまりああいうこと頼むって感じじゃあないからね」
「そうか?」
「そうだよ。だから風見先輩驚いていたんだろうね」
まあ同時に大切な後輩である響さんに頼まれて嬉しいと感じていたでしょうね。風見さんは初めて会ったときのことで響さん達に少し罪悪感を感じていたからというのもあるんでしょうが。
「あの時のことか・・・・・・別に気にしなくてもいいんだけどな」
「そうだね」
まあ幽香さんにとっては気にすべきことなんですよ。さて、それではそろそろ締めますか。
「ちょっと待ってくれ主。締めの前に聞きたいことがあるんだが」
「なんですか?」
「清涼祭編ってこれで終わりなのか?もうやることはほとんど終わっただろう?」
そうですね。確かに終わりましたよ・・・・・・・原作であったことは。
「原作であったことは?それってどういうこと?」
それは・・・・・・・次回からはオリジナルの話になっていくということです!」
「「オリジナルの話?」」
そうです。次回からはオリジナルの清涼祭の話・・・・・というより各カップルの話になります!要はラブコメです!
「それってつまり俺と咲夜が・・・・・」
「僕と妹紅が・・・・・」
まあそういうことです!お二人だけではなく主要キャラはほとんど出てきますのでお楽しみに!
さて、では今度こそ締めます!それでは・・・・・・
「「「次回もまたきてくれ(きてください)!!」」」