バカとテストと召喚獣~響き渡るバカ達の絆~   作:shin-Ex-

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第55話!

さあ!今回はとうとう召喚大会の決勝戦です!どのようになるのかは見てのお楽しみ!

「それでは本編どうぞ」


第55話

side 響

 

「明久、響」

 

「慧音さん」

 

会場への入場口近くで慧音さんに声をかけられた。

 

「いよいよ決勝戦だな」

 

「はい。ここまで大変でした」

 

対戦相手は皆強敵だったからな・・・・・・3回戦のペア以外は。

 

「本来なら公平な立場である教師の私が言ってはいけないことなんだが・・・・・・二人共頑張れよ。私は応援しているからな」

 

「慧音さん・・・・・・ありがとうございます」

 

「絶対に勝ってきます」

 

「いい返事だ。二人共行ってこい!」

 

「「はい!」」

 

慧音さんの激を背に受け、俺とアキは決勝戦の会場入口へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『さて皆様、長らくお待たせ致しました!これより試験召喚システムによる召喚大会の決勝戦を行います!それでは選手の入場です!』

 

ワアアアアアアッ!

 

「行くぞアキ」

 

「うん」

 

司会の先生のアナウンスが流れ、歓声を受けながら俺達は会場へと歩み始めた。

 

『まずは2年Fクラス所属の吉井明久君と仲渡響君です!その圧倒的な操作技術で最高クラスのAクラスをはじめとする並み居る強敵を抑えて決勝戦に進出!決勝戦でもその能力で圧倒するのか!どうか拍手でお迎えください!』

 

パチパチパチパチッ!

 

観客から拍手が巻き起こる。嬉しいっちゃ嬉しいけど・・・・・・やっぱちょっと恥ずかしいな。

 

『そして対する選手は3年Aクラス所属の夏川俊平君と常村勇作君です。こちらも拍手でお迎えください!』

 

・・・・・ああそうそう!あいつら夏川と常村って名前だっけ。完全に常夏としか覚えていなかったからすっかり忘れていたな。まあ決勝戦が終わったらすぐにまた忘れてしまうんだろうが。俺は昔から本当にどうでもいいことは覚えられないからなぁ。

 

『それではここでルールを簡単に説明します。試験召喚獣とは・・・・・』

 

司会の先生は観客に向かってルール説明を始めた。

 

「ちっ!結局決勝まで出てきやがったか。折角公衆の面前で恥かかないように配慮してやったんだがな」

 

「仕方ねえだろ夏川。Fクラスの馬鹿のオツムじゃあ理解できなかったんだろうからよ」

 

「ハハッ!違いねえな!」

 

常夏はニヤニヤと下品な笑み浮かべて言った。本当に汚い笑顔だな。チルノ達みたいな多感な子達に悪影響与えそうだ。

 

「すみませんね。折角先輩達が親切にしてくれたっていうのに無下にしてしまって。どうも俺は昔からどうでもいい人がしたことには気が付きにくいもので」

 

「僕もよくにぶいって言われてまして。先輩達がしてくださったような程度の低い親切には気が付けないんですよね」

 

俺とアキは常夏に笑顔を向けて言った。

 

「て、てめぇ・・・先輩に向かって・・・・!」

 

「残念ですけど俺達あなた達のことを便宜上先輩と呼んでいますが先輩とは思っていません。俺達にとって先輩というのは風見先輩のような敬意を払うべき人のことをさしますので」

 

「「か、風見・・・・」」

 

風見先輩の名前出したら二人共顔色悪くして震えだした。よほど風見先輩の粛清は恐ろしかったようだな。まあ同情余地はないからいいけど。

 

「ところでひとつ聞きたいことがあるんですけど」

 

「あ?なんだよ?」

 

「竹原教頭に協力している理由はなんですか?」

 

「「!!」」

 

アキが聞くと常夏は驚いた表情をした。

 

「・・・・・そうか。事情は理解してるってことかよ・・・・・・進学だよ。うまくやれば推薦状を書いてくれるらしい。そうすりゃ受験勉強とはおさらばよ」

 

坊主が笑みを浮かべて言った。

 

「ふぅん・・・・・そっちの先輩も同じ理由ですか?」

 

「まあな」

 

進学が理由か・・・・・

 

「本当はこんな小細工必要なかったんだよな。そもそもAクラスの俺達とFクラスのお前らじゃあ実力が違いすぎるからな」

 

「それはわざわざご苦労さん。そんなに俺とアキが怖かったのか?」

 

「言ってろ!見てたわけじゃあねえがどうせお前達馬鹿共の勝ち方なんて卑怯な作戦使ったもんに決まってる!だが俺達にはそんなもん通じねえ!お前達は何もできずに負けんだよ!」

 

この坊主・・・・・本当に五月蝿いな。口数そんなに多くない分そのモヒカンの方が多少ましだな。まあ本当に多少でモヒカンの方もロクでもないことには変わらんが。

 

『ルール説明は以上になります!それでは試合に入りましょう!選手の皆さんどうぞ!』

 

「「「「サモン!!」」」」

 

視界の先生の指示の下、俺達は召喚獣を出した。

 

Aクラス  常村勇作  夏川俊平

総合科目  3014点   3028点

 

まずはじめに出てきたのは常夏の召喚獣だ。なるほど、確かにAクラスに所属しているというだけのことはある。点数はそれなりに高いな。

 

「どうした?俺達の点数を見て腰が引けたか?」

 

「無理もねえよ。こんな点数Fクラスじゃお目にかかれないだろうからな」

 

別に特にそんなことはないけどな。確かに高いとは思ったがこれぐらいは見慣れている。それよりも・・・・

 

「なあ先輩方、試合が始まる前にあんた達に言っておきたいことがあるんだ」

 

「あん?言っておきたいことだと?」

 

「ええ。はっきり言えば俺はあんた達が進学の為に協力していることに関しては特に言うことはない。誰だって面倒なことは嫌だからな。あんたらの気持ちはわかるよ」

 

受験勉強とか・・・・・結構大変そうだしな。

 

「はっ、随分物分りがいいじゃねえか。だったら・・・・・「でも・・・・・」

 

俺は坊主の言葉を遮った。

 

「その為に・・・・・俺達の楽しい学園祭を邪魔して、俺達の大切な人に酷いことをしたのは・・・・・・許せねえんだよ」

 

「「ッ!!」」

 

俺は思い切り睨みつけながら言った。常夏は怯んで少し後退りする。

 

「だからお前達を・・・・・・ここで叩き潰す!」

 

Fクラス  吉井明久   仲渡響

総合科目  3121点   4074点

 

「なっ、なんだと!?」

 

「二人共俺たちよりも上・・・・・しかも仲渡は4000点オーバー!?」

 

常夏は俺達の点数を見て驚愕の顔を浮かべた。

 

「これぐらいは当然ですよ。なにせ僕達は先輩達を倒す為にほとんど徹夜で勉強してこの点数をったんですから」

 

「おかげで寝不足で皆から心配される羽目になったんだからな」

 

しかも仮眠とってもまだ寝みいし。ただ徹夜のかいがあってテストの問題は思った以上に解けたんだよな。俺もアキも一晩で総合点数500点近くも上げれたことには本当に驚いた。

 

「カ、カンニングだ!カンニングしたに決まってる!」

 

「そ、そうだ!出なきゃFクラスのこいつらがこんな点数取れるはずがねえ!」

 

おいおい、自分達の点数よりも上だったからって随分と好き勝手なこと言ってくれるな。

 

「カンニングなんてするわけねえだろ。というかできるわけないし」

 

「そうだね。なにせ試験監督の先生は西村先生だったんだから」

 

「先輩達は西村先生が見張ってる中でカンニングできるとでも本気でお思いですか?」

 

「「ぐっ・・・・・」」

 

流石に先輩達も無理だとわかったんだろうな。あれ以上何も言ってこなくなった。

 

 

 

・・・・・さて、それじゃあ()()|で戦う為の準備に入るとするか。

 

「『換装』!」

 

Fクラス  仲渡響

総合科目  4054点

 

俺は召喚獣の武器をグローブに変え、そして・・・・

 

「・・・・・・」

 

カランッ

 

アキは召喚獣に武器である木刀を捨てさせた。

 

「なっ!て、てめえらなんのつもりだ!」

 

「なんで武器を捨ててんだよ!」

 

ははっ、驚いてる驚いてる。

 

「なんのつもりもなにもないですよ・・・・・・・これが僕達の本気の戦い方なんです」

 

「感謝してくださいよ?この為にわざわざ換装できる武器を増やしたんですから」

 

今回の試験で数学がとうとう700点を超えたんだよな。そして換装できる武器にグローブを加えた。

 

「ほ、本気・・・・・」

 

「ビビってんじゃねえ夏川!どうせ俺達を惑わすためのハッタリに決まってやがる!とっとと決めるぞ!」

 

「お、おう!」

 

常夏の召喚獣は武器を振りかぶって俺達の召喚獣に襲いかかってくる。そして俺達の召喚獣に武器を振り下ろすが・・・・・

 

バキッ!

 

「「なっ!」」

 

武器を振り下ろしきる前に、俺達の召喚獣は常夏の召喚獣の腹を殴りつけた。

 

「アキ!」

 

「わかってる!」

 

ここから俺達の召喚獣は猛攻を仕掛ける。常夏の召喚獣の頭、腹、首に対して殴打と蹴りの応酬をくれてやった。

 

「な、なんだこの動きは!」

 

「どうやってこんな動きさせてんだよ!」

 

常夏は俺とアキの召喚獣の動きに戸惑っている。

 

「これが俺達の本気の戦い方だよ」

 

「うん。やっぱり武器を使って戦うよりも・・・・・・・素手の方が()()()()からしっくりくるね」

 

「な、慣れてるだと!?」

 

そう、俺とアキも武器を使うよりも素手で戦うほうが慣れている。何せ・・・・・・喧嘩はいつも素手でやってたからな。

 

俺達は今召喚獣に俺達の喧嘩の時の戦い方をトレースさせている。中学時代に散々ちょっかい出されて身に付いた喧嘩のスキル。それをこの戦いで使っている。

 

「くっ、この!」

 

「喰らいやがれ!」

 

常夏も負けじと攻撃を仕掛けるが・・・・・・

 

「「甘いよ」」

 

俺とアキは軽々と攻撃を回避させる。はっきり言って常夏の召喚獣の攻撃は遅い。しかも大振りだ。あんなの躱すのはたやすい。今までこの大会で戦ってきた皆の方がよほどいい動きをさせていた。

 

バキ、ベキ、バキ!

 

Aクラス  常村勇作  夏川俊平

総合科目  1282点   1149点

 

常夏の召喚獣の点数は削られていく。武器がないからいつもよりも攻撃力は低いがそれでもじわじわと常夏を追い詰めていく。

 

「ちっ、仕方ねぇ。2年相手には大人気ねえが・・・・・経験の差って奴を教えてやるよ!」

 

常夏は召喚獣を俺達から遠ざけた。

 

「「逃がすか!」」

 

俺達は召喚獣に後を追わせる。

 

「そら引っかった!」

 

ザッ!

 

常夏は召喚獣ではなく操作をする俺達の目に砂利を投げてきた。なるほど、召喚獣を遠ざけたのは観客の目をそっちに向けて俺達から目をそらさせるためか。全く、本当に姑息な真似をする奴等だ。まあ・・・・・

 

「「それがどうした?」」

 

ヒョイ

 

「「なっ!?」」

 

これぐらいは容易く躱せるがな。

 

「悪いけど、不意打ちとかそういうの散々やられてきたから俺達には効かねえよ」

 

「喧嘩するときは常に周囲に注意を向けてきたからね。その程度じゃあやられないよ」

 

「く、くそっ・・・・」

 

「俺たちが・・・・・お前らごときに・・・・・」

 

悔しそうな顔してんな。さて・・・・・

 

「それじゃあ先輩方・・・・・」

 

「「覚悟はいいですね?(ニコッ)」」

 

俺達は常夏に満面の笑みを向け・・・・・・

 

ゴッ!!

 

召喚獣に渾身の一激を脳天から叩き込ませた。そして・・・・・

 

Aクラス  常村勇作  夏川俊平

総合科目  DEAD    DEAD

 

その一撃を受けた常夏の召喚獣は戦死した。

 

『そこまで!勝者、Fクラス吉井明久、仲渡響ペア!』

 

ワアァァァァァ!

 

勝負に決着がついた瞬間観客から割れんばかりの歓声が上がった。

 

「「っしゃあ!」」

 

パン!

 

俺とアキはハイタッチをして勝利の喜びを噛み締めた。

 

 

 

 




あとがき座談会のコーナー!INバカテス!

今回はゲストなしでお送りします!

さて、今回話す内容と言ったらやはり響さんと明久さんの戦いですね!いや~お二人共本当にすごいですね~!

「そうか?」

「そんなことないと思うけど・・・・・」

いやいやいやいや!決勝戦にもかかわらずノーダメージで勝ってしまったんですよ!すごいに決まってるじゃないですか!

「でもあれは常夏が大したことないからだぞ?」

「そうだね。今まで大会で戦ってきた人達の方がずっと強かったよ」

まあ確かにそうかもしれませんが・・・・・・それでもお二人は今回素手だったわけですし。

「いや、それはそっちのほうが戦いやすいからやっていただけだ」

「そうだね。木刀使うよりも素手の方がやりやすいし」

というかそもそもそれがすごいんですよね・・・・・素手の方が強いって・・・・

「別に強いというわけではない。あくまで戦いやすいだけだ」

「実際は木刀を使ったほうが強いと思うよ?」

へ?でも素手の方が戦いやすいって・・・・・

「戦いやすいのと強いのとは違うだろ。実際武器使ったほうが攻撃力もリーチも有利なんだから」

「素手だと攻撃の威力が落ちちゃうからね。どうしても長期戦になりやすくなっちゃうから」

・・・・・あの~、だったらどうして素手で戦おうと?

「もちろん理由はある。今回は2対2の勝負だったから多少長期戦になっても問題なかったというところとあいつらに屈辱を与えるためだ」

屈辱を与えるため?

「そうだよ。だって・・・・・」

「「下級生の下位クラスの奴に素手で負けるなんてショックが大きいだろ?(ニコッ)」」

・・・・・そんないい笑顔して言われてもなぁ。

「まあ別にいいだろう。なくちゃんと勝ったんだから」

「そうだね。これで問題はほぼ解決したから」

まあそうですが・・・・・ところで明久さん。

「なに?」

今問題はほぼ解決したと言っていましたよね?ほぼっていうのは・・・・・

「うん。もちろん竹原のこともあるから全部解決したってわけじゃあないってことだよ」

や、やっぱりそうですか・・・・・ところでお二人は竹原に何をするつもりで?

「別にそこまで大事になるようなことはするつもりはないさ。ただ・・・・・相応の恐怖を味わってもらうつもりだ」

きょ、恐怖・・・・・ですか?

「うん。僕と響でちょっとね。詳しいことは言えないけど次回でわかるよ」

そ、そうですか・・・・・では次回に期待ということで。

「それじゃあそろそろ締めるか。主」

はい。それでは・・・・・



「「「次回もまたきてくれ(きてください)!!」」」

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