バカとテストと召喚獣~響き渡るバカ達の絆~   作:shin-Ex-

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第54話!

さて!今回はとうとう決勝戦・・・・・・・にはいきません。

「その前にちょっとした話があるからな。期待していた人にはすまないと思う」

決勝戦は次回となりますのでそれまでどうかお待ちを。では本編にいきましょう。

「それでは本編どうぞ」


第54話

side 響

 

清涼祭二日目。昨日はあんなことがあったが俺もアキも今日も元気に・・・・・

 

「フワァ・・・・・」

 

「・・・・・ネミ」

 

・・・・・とは少しいかなかった。はっきり言って今は眠い。とにかく眠い。果てしなく眠い。

 

「・・・・・・あんた達、随分眠そうね」

 

そんな俺とアキに輝夜が声をかけてきた。

 

「まあね・・・・・・」

 

「朝一からテスト受けたからな・・・・・・しかもほとんど寝ずに来ちまったし」

 

今日の試合の為にに意気込んで勉強していたのはいいが正直いってやりすぎてしまった。気がついたら窓から日の出が見えてたからな。気がついたあとに少し仮眠をとったのだが・・・・・・結果眠気を余計に深めてしまったんだよな。そんな俺達を見て俺は咲夜に、アキは妹紅にやりすぎだと少し説教されちまったし。しかも登校するときは何度も意識が飛んで倒れそうになるところを二人に身体を支えられるし・・・・・・俺もアキも超ダセェな。

 

「そんな調子でテストは大丈夫だったの?」

 

明らかにコンディションが最低に見えるであろう俺達に対して輝夜が心配そうに聞いてきた。

 

「うん。大丈夫だよ・・・・・・(ニコッ)」

 

「テストは気合で乗り切った。今までで一番の出来だと自負している・・・・・(ニコッ)」

 

俺とアキは心配をかけまいと笑顔で言った。

 

「・・・・・・二人共。その笑顔すっごくきついわよ」

 

・・・・・・・どうやら逆効果だったようだ。

 

「それよりも輝夜は大丈夫だったか?」

 

「ちゃんと昨日は眠れたか?朝ごはんは食べれた?」

 

「少なくともあんた達よりは10倍はぐっすり眠れた自信があるし、朝ご飯も美味しく頂いてきたわよ。というかそんな状態なのに気なんて使わなくてもいいから。散々秀吉にも心配されたし」

 

あ~やっぱりヒデの奴、輝夜の心配してたんだな。

 

「特に明久。あんたは私に気を回す余裕があるなら妹紅に心配かけさせないようにしなさい。私があんたのことでどれだけ妹紅に付き合って話を聞かされたと思ってるの?」

 

・・・・・・その光景は容易に想像できるな。

 

「響。他人事みたいな顔してるけど今頃咲夜だってアリスあたりに愚痴ってるんじゃないかしら?」

 

・・・・・・・否定はできないな。もしそうだったらごめん、アリス。

 

「明久、響」

 

「ん~?なんだユウ?」

 

「少し寝てこい。そんな状態じゃあ試合に集中できんだろ」

 

「え?でも・・・・・・」

 

「こっちは儂等に任せてくれれば大丈夫なのじゃ」

 

「・・・・・不審な連中が来ても対処する」

 

「時間になったらちゃんと起こしに行く」

 

ヒデ、コウ、ユーセーもそう言ってくれた。

 

「そうか・・・・・じゃあその言葉に甘えさせてもらおう。行こうぜアキ」

 

「うん。屋上あたりなら誰にも邪魔されずに眠れるかな?」

 

「そうだな。それじゃあ屋上にしよう。皆、こっちは任せたぞ」

 

「「「「「ああ(うん)」」」」」

 

俺とアキは仮眠を取るために屋上に向かった。

 

「吉井君と仲渡君・・・・・やっぱし一緒に寝るんでしょうか?」

 

「間違いないわ。きっと仲渡の腕枕で・・・・・」

 

・・・・・・なんかピンクとポニーテールが不穏な会話をしているが聞かなかったことにしよう。面倒だし何よりあの二人にあんまり関わりたくないしな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 雄二

 

二人共行ったか。

 

「雄二」

 

「なんだ秀吉?」

 

「響のことなのじゃが・・・・・」

 

「・・・・ああ。あの様子ならもう大丈夫そうだな」

 

「・・・・昨日はとても見ていられなかった」

 

「・・・・・そうだな」

 

康太の言うとおり昨日の響は見ていられなかった。表情には出していなかったが雰囲気が重かったからな。悪鬼羅刹って呼ばれた俺でさえ少しビビっちまった。それだけ竹原に対する怒りが強かったってことだろうな。

まあ気持ちはわかるが。今響が落ち着いてるのはおそらく・・・・・というか間違いなく明久のおかげだろうな。

 

「明久がいなかったら・・・・・今日も響は昨日と同じだっただろうな」

 

「やはり明久はすごいのじゃ」

 

「そうだな。響が一番の親友だと言っていたのもうなずける」

 

「・・・・・・確かに」

 

正直・・・・・あのふたりの関係は少し羨ましいと思うな。

 

「さて、そろそろ喫茶店の準備はじめるぞ」

 

「そうだな」

 

「うむ」

 

「・・・・・・(コク)」

 

俺達は喫茶店の準備を始めた。と、そういや・・・・

 

「妹紅」

 

「ん?なんだ雄二」

 

「ちょっと頼みがあってな」

 

「頼み?」

 

「ああ。お前には・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 明久

 

「んじゃ俺はこっちで寝るから」

 

「わかった。僕はこっちね」

 

屋上に着いた僕達は離れた場所で寝転んだ。それもかなり離れた位置でだ。なぜそこまで離れるかというと僕も響も寝相があまりよくないからだ。僕たまにく色々なものを蹴ったり叩いたりするらしく、響は近くのものを抱きしめようとする癖がある(これは咲夜が言ってたことだ)。ここでそれが出たらまずいから離れているのだ。

 

「それじゃあおやすみ~」

 

「おう~」

 

僕と響は眠りについた。日差しがよくほとんど眠っていなかったのもあってか僕はすぐに夢の中へと誘われた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・きひさ・・・・・明久」

 

・・・・・この声・・・・・すごく安らぐな~。この声ってもしかして・・・・・

 

「起きろ、明久」

 

「う、ん~・・・・・」

 

目を覚ますとそこには・・・・・・

 

「おはよう明久」

 

「うん、おはよう」

 

妹紅の顔が僕の目に映った。

 

「やっぱり妹紅だったんだ」

 

「やっぱり?どういうことだ?」

 

「うん。すごく安らぐ声が聞こえるな~って思ったから」

 

「安らぐ?」

 

「そうだよ。妹紅の声は僕にとって安らぎなんだ。聞いてると安心するしすごく暖かい気持ちになるから」

 

「そう・・・・なんだ」

 

「そうだよ。だから・・・・・・好きなんだ」

 

「ふぇ!?」

 

「妹紅の声・・・・・すごく好きだ」

 

「あ、ああ。そ、そうか・・・・声が、か」

 

妹紅は少し顔を赤くした。照れてるのかな?

 

「もちろん・・・・・・妹紅自身もだけど(ボソッ)」

 

僕は妹紅にギリギリ聞こえないくらいの声で呟いた。

 

「え?何か言ったか?」

 

案の定。妹紅は聞こえていないようだ。

 

「ううん。なんでもないよ」

 

僕は誤魔化した。皆からは早く告白しろって言われてるけど正直・・・・・まだ面と向かって堂々と言う度胸がないんだよね~・・・・・本当に情けない。

 

「よっと」

 

いつまでも寝転がっているわけにもいかないから僕は起き上がった。

 

「どうだ?よく眠れたか?」

 

「うん。充分眠れたから眠気スッキリだよ」

 

「・・・・・・試合大丈夫そうか?」

 

妹紅は少し心配そうに聞いてきた。

 

「そうだな~・・・・・・妹紅がまたもこにゃんになって応援してくれたら完璧かな?」

 

「え、えぇ!?」

 

あ、今度は真っ赤になった。可愛いな~。

 

「アハハ、冗談だよ」

 

「なっ!明久~!」

 

「ごめんごめん」

 

怒った妹紅も可愛いなぁ♪

 

「全く・・・・・」

 

「・・・・・・大丈夫だよ」

 

「え?」

 

「試合なら大丈夫。点数は今までで一番取れてるし何より・・・・・・僕と響が本気で戦うんだ。大丈夫に決まってる」

 

「・・・・・・そっか。そうだよな。大丈夫に決まってるよな」

 

「うん。僕は・・・・・僕達は絶対に勝つよ」

 

僕は妹紅に笑顔を向けて言った。

 

「ああ!頑張れよ!」

 

妹紅も笑顔で言ってきた。その笑顔を見て僕は試合への意気込みをさらに高めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 響

 

なんだ?頭に何か柔らかい感触がある。これって確か・・・・・

 

「おはようございます響様」

 

目を覚ますと、すぐ近くに咲夜の顔があった。

 

「おはよう咲夜・・・・・・やっぱりか」

 

「やっぱり?何がですか?」

 

「いや、なんでもない。気にするな」

 

「?そうですか・・・・・」

 

やっぱり思った通りだ。頭に当たるこの感触・・・・・咲夜の膝枕の感触だった。最近はしてもらってなかったから久しぶりだな。やっぱり気持ちがいい。

 

(・・・・・ただまあ、もう目を覚ましてしまったから名残惜しいが離れないとな)

 

そう思って俺は起き上がろうとした。

 

「待ってください」

 

しかし、咲夜はそんな俺の肩を抑えて止めた。

 

「咲夜?」

 

「まだ時間はあります。ですから・・・・・・もう少しこのままで」

 

「・・・・・そうか。じゃあそうさせてもらおうかな?」

 

俺は起き上がるのをやめて再び咲夜の膝に頭を乗せた。

 

「もう少ししたら決勝戦ですね」

 

「ああ。そうだな」

 

「相手は・・・・・・あの二人ですね」

 

「・・・・・ああ」

 

あの二人ってのは常夏(名前は全く覚えていない)のことだ。正直考えただけでムカつくんだよな。

 

「そういえば、あれでも彼等は3年でも上位の成績らしいですよ?」

 

「あ~・・・・・一応Aクラスみたいだからな。風見先輩は同じクラスでスゲエ迷惑してるみたいだけど」

 

「風見先輩には同情しますね。あんなのと同じクラスだなんて」

 

「というより3年のAクラスの人全員に同情する。高校最後の年をあんなのと一緒に過ごすなんて」

 

「全くです」

 

ここまで言っても全く同情する気にならない辺り、あの二人の人徳のなさが現れているな。

 

「まあそれはともかくとして・・・・・・勝てそうですか?」

 

咲夜は少し心配そうな顔で聞いてきた。

 

「そうだな・・・・・相手は一応3年でトップクラスの成績の持ち主。その上俺達よりも一年長く召喚獣を扱ってるからな・・・・・・予想以上の強敵かもしれん」

 

性格が悪いからといって召喚獣バトルが弱いということにはならないからな。仮にも決勝まで勝ち残ってるんだから相応の強さは持ち合わせているだろう。

 

「ここは・・・・・・またさくわんに応援してもらわないと厳しいか?」

 

「えぇっ!?・・・・・・そ、そうですか。ひ、響様がそうおっしゃるのでしたら今一度・・・・」

 

「いや、ごめん咲夜。冗談だから。真に受けなくていいよ」

 

確かにもう一度見たいとは思うけどそこは康太からもらう写真で我慢しよう。

 

「じょ、冗談ですか。そうですか・・・・・・・よかった(ボソッ)」

 

あ、今ボソッとよかったって言った。やっぱりあの格好は恥ずかしかったんだろうな。

 

「咲夜がそんなことしなくても・・・・・・負ける気はしないからな」

 

「え?」

 

「何せ今までで一番点数が取れてる状態の俺と明久のタッグなんだぞ?しかもお互い本気を出す。そんな俺達に勝てる奴がいると思うか?」

 

「・・・・・いえ、いるはずありませんね」

 

「だろ?だから大丈夫さ。俺達は絶対に勝つ。絶対にだ」

 

俺は咲夜に笑顔を向けて言った。

 

「響様・・・・・・そうですね。本気を出した響様達あんな人達に負けるはずがありません。頑張ってくださいね」

 

咲夜もまた笑顔で返してきた。

 

「ああ。もちろんだ」

 

その笑顔を見て、元々高かった俺のモチベージョンはさらに上がった。

 

 

 

 

 

 

 




あとがき座談会のコーナー!INバカテス!

今回のゲストは咲夜さん、妹紅さんのメインヒロインコンビです!

「よろしく」

「よろしくな・・・・・というか、メインヒロインコンビってなんだよ?」

いや~だってお二人はこの小説の主人公たる響さんと明久さんの広いんじゃあないですか!だからメインヒロインコンビなんですよ!

「まあ言ってることは間違ってはいないな」

「そうだね」

「・・・・・・正直私はあの呼ばれ方少し恥ずかしいんだが」

「それは・・・・・・私もね」

まあまあ、そんなに気にしないでくださいよ。そのうち慣れると思いますんで。

((というか慣れたくないのだけれど(ないんだけどな)))

さて、それよりも今回は久々にシリアスじゃないほのぼのとした話になりましたよ!

「実際ほのぼのとしているかどうかはわからないけど・・・・・確かに重くはないね」

「・・・・・ここ最近は俺のせいで色々と重かったからな」

響さん。そこまで暗くならないでくださいよ。あれだって進行上大事な話だったんですし。

「そうです。どうかそのように思いつめないでください。そのような響様を見ていると辛いです」

「咲夜・・・・・わかった。もうウジウジしないようにするよ」

それでいいです。さて、それでは本題に。今回のメインの話は決勝戦前のそれぞれのヒロインとの会話ですね。

「これは原作ではなかったシーンだよな?お前ってそういうの入れるの好きだよな」

そうですね。妹紅さんの言うとおり結構好きです。原作になかったからこそこんなことがあったらいいかな?って自由に考えられるので結構好きですね。ちなみに今回のはRPGなどでよくある決戦前の決意表明的なものを意識してみました!

「強敵とかラスダンに行く前にあるあれだね。これは試合に対するモチベーションが上がるからいいよね」

「そうだな。ただ・・・・・・その相手が常夏っていうのがな」

「・・・・・・本編を見返してみても少しシュールに感じる気がするわ」

「・・・・・・常夏だもんな」

ここまで言われる常夏って・・・・・・まあ仕方ないですけどね。

「でも実際のところはどうなんだ?原作では向こうが汚い手を使ってきたっていうのもあるが結構苦戦していたが」

「やっぱりこの小説でも苦戦するのかな?」

それは・・・・・・ネタバレになるので言えません。やってみてのお楽しみですね。

「やっぱりそうなるか」

「やってみるまではわからないってことだね」

そういうことです。さて、ここで締めますか。それでは・・・・・・




「「「「「次回もまたきてくれ(きてください)(きなさい)!!」」」」」

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