バカとテストと召喚獣~響き渡るバカ達の絆~ 作:shin-Ex-
今回は咲夜さんの説得から話が始まります!
どうか咲夜さん、響さんを説得してください。本当にマジでお願いします!マジで怖いですから!
それでは本編どうぞ!
side 響
「ねえ咲夜、抱きしめてくれるのは凄く嬉しいんだけど今は離してくれないかな?僕はこれからこのクズ共を地獄に叩き堕とさないといけないんだ。あんまり待たせたくないしね」
「「「「ヒ、ヒィ!」」」」
「だめです響様。そんなことしないでください」
「どうして?こいつらは皆を誘拐して事もあろうに僕の大切な咲夜を傷つけたんだよ?それなのになんでこいつらを庇うの?」
こんな奴等、地獄に堕ちて当然なのに。咲夜は何を考えてるんだろう?
「庇っているわけではありません。私も響様と同じように彼等が地獄に堕ちるのは当然だと思っています」
なんだ、咲夜も同じ事思っているんじゃないか。でもそれならどうして止めるのか尚更わからないな。
「ただ私は・・・・・・響様にそんなことをして欲しくないのです」
「・・・・・・え?」
「正直に言わせて頂ければ響様が私の為にここまで怒ってくださるのは非常に嬉しく思います。私にとって身に余る光栄です。ですが・・・・・・それ以上に私は響様に傷ついて欲しくない」
僕が・・・・・傷つく?
「私は誰よりも響様のお側にいました。だから私は響様の事を誰よりも理解しています。響様が・・・・・誰よりも他人想いで優しい方だということを」
「僕が優しい?そんなことないんだけど?第一それが今何の関係があるのさ」
「関係あります。彼等に手を出せば響様は・・・・・間違いなく傷つき、後悔する事になります・・・・・・・・あの時と同じように」
「!!」
「響様自身、わかっているのでしょう?今手を出してしまえばあの時と同じになってしまうと」
「・・・・・・・」
「響様は本当にお優しい方です。それこそどんなに非道で愚かしい人であっても想う事ができる程に。ですが・・・・・・それ故に響様は傷ついてしまう。傷つけたことを後悔し、自分を責め、自分を許せなくなって」
「・・・・・・・」
「私はそんな響様を見たくないのです。響様は私にとって何よりも大切な人ですから。だから・・・・・・もうやめてください」
咲夜は先ほどよりも抱きしめる力を強めて言ってきた。身体が少し震えている。僕が傷つくのが悲しいからなのかもしれない。僕が傷つくのが恐いからなのかもしれないしれない。とにかく咲夜の身体は震えていた。
「・・・・・ごめん、咲夜」
「大丈夫って言ったのに。信じてくれって言ったのに・・・・・・咲夜に心配かけさせてしまった。本当・・・・・ごめん」
「響様・・・・・・」
「今度こそ大丈夫たがら。俺は傷つかないし苦しまない。今度こそ本当に・・・・・・大丈夫だから」
「響・・・様」
「心配させてごめん・・・・・・・心配してくれてありがとう咲夜」
「・・・・・いえ、当然の事ですから」
咲夜は笑顔を向けて言った。
「・・・・・そうか」
俺もまた、咲夜に笑顔を向けて言った。もう心配しなくてもいいと証明する為に。
side 明久
・・・・・どうにか止まったみたいだ。よかった。
「明久」
「妹紅・・・・・ごめんね。助けに来るのが遅くなっちゃって。恐かったよね?」
「・・・・・大丈夫だ。明久が助けに来てくれるって信じてたから」
妹紅は笑顔でそう言った。でもその笑顔は弱々しく身体も少し震えている・・・・・・・やはり恐い思いをさせてしまったようだ。
「妹紅・・・・本当にごめん」
「明久が謝ることなんてない。だって明久は助けに来てくれたじゃないか」
「・・・・・・でも僕は何もしていない。妹紅達を助けたのは・・・・・・響だよ」
そう、僕は何もやっていないのだ。すぐ近くで妹紅が恐い目にあっているのに、何も・・・・・・自分で自分が恨めしい。
「・・・・・・・明久、もうそうやって自分を責めないでくれ。今回の件で明久は何も悪くない。だから・・・・・そんなに辛そうな顔をしないでくれ。頼む」
妹紅は言った・・・・・・・先程よりもさらに弱々しい笑顔で。
「・・・・・うん。わかったよ」
僕は妹紅に可能な限りの笑顔を向けて言った。
本当はもっと自分を責めてやりたかった。妹紅を助けられず、手をこまねいていた自分を。でもそうしたら妹紅が悲しむ。僕は妹紅が悲しむのを見たくない。だから僕はこれ以上自分を責めないようにした。
「明久・・・・・・助けに来てくれてありがとう」
「お礼を言うことじゃないよ。当然の事なんだから」
「そうか・・・・・・・・ところで明久、あの響は・・・・・・」
「・・・・・うん。響は本気で切れちゃったんだよ。あいつらが咲夜に手を出したから」
(あの時・・・・・・僕達が観察処分者になるきっかけになった事件の時のようにね)
「・・・・・・」
「・・・・・この話はここまでにしよう。それよりも早く教室に戻らないといけないからね」
「・・・・・・・そうだな」
・・・・・・・響、本当に君が止まってくれてよかったよ。あの時のように・・・・・・・・傷ついて苦しんでる親友の姿は見たくないから。
side 響
「・・・・・咲夜、手、離してくれるか?」
「・・・・・はい」
咲夜は俺を抱きしめる腕をほどいた。正直少しもったいないような気がしたが今はそれどころではない。やらなければならないことがあるからな。
「おい、お前等」
「「「「ヒィ!」」」」
不良共は俺に声をかけられて震え上がりながら悲鳴を上げた。
「・・・・・・・反省はしているか?」
「はい!しています!」
「もうあんなことはしません!」
「これからは心を入れ替えます!」
「「「「だからもう許してください!!」」」」
不良共は土下座をして謝ってきた。さっきまでの俺がよほど恐ろしかったようだな。・・・・・仕方がない。これだけでも十分に罰になったと思っておこう。
「・・・・・今回は勘弁してやるよ。但し絶対にもうすんなよ?もしまた同じようなことしたら・・・・・・わかってるな?」
「「「「はい!わかっております!御慈悲をありがとうございます!」」」」
不良共は綺麗にハモってそう言った・・・・・・・なんだろう?今のこいつら見てると少しやりすぎてしまったような気になる。
「・・・・・・ならこれからどうすればいいかはわかっているか?」
「「「「はい!」」」」
不良共は返事をしてそして・・・・・・
「「「「本当にすみませんでした!!」」」」
誘拐された女の子達に向かって土下座をした。
「・・・・・・もういいわ。十分罰を受けたみたいだし」
「・・・・・・そうだな。仕方がないから許してやる」
輝夜と妹紅はそう言った・・・・・・同情に満ちた目で。まあ今のこいつらを見てたら情けをかけてやりたくなる気持ちは分かるな。
「はっきり言って儂は許す気には到底なれん。じゃが・・・・・輝夜がこういっておるし、これ以上は流石に酷じゃからな。儂からは何も言わんのじゃ」
「そうだね。僕も君達がやったことは絶対に許さないけど、これ以上君達を罰しても仕方がないし」
「俺ももう勘弁してやろう・・・・・二度とこんな真似をしないと誓えるならな」
「・・・・・貴様らの会話は録音されている。もしこれ以上何かしたらこれを警察に渡す。それを覚えておけ」
ヒデ、アキ、ユウ、コウもこれ以上はこいつらを罰しないことにしたようだ。
「「「「ありがとうございます!!」」」」
不良共は再び土下座を、今度は頭を地面にぶつける勢い(というかぶつけている)でした。これで更生してくれたらいいがな。さてと、それじゃあ後は・・・・・・
「お前等、最後に聞きたいことがあるんだがいいか?」
「なんですか仲渡さん?」
不良・・・・・・いや、元不良は礼儀正しい程度で返事をした。・・・・・・・さっきの今で変わりすぎだろ。
「・・・・・・お前達を雇ったのは誰だ?」
「はい。俺達を雇ったのは眼鏡をかけた感じの悪いおっさんで名前は・・・・・なんて言ったかな?」
「確か松原・・・・・・あれ?梅原だっけ?」
・・・・・・こいつら頭は少し残念みたいだな。
「・・・・・・竹原か?」
「「「「そいつです!」」」」
・・・・・・やはりか。
「わかった。教えてくれてありがとう。もう行っていいぞ。そこで寝てる奴も忘れずに連れていけよ」
「はい。それではこれで失礼します」
元不良共は気絶した奴を引きずって帰っていった。
「響さん・・・・・」
「響・・・・・」
あいつらがいったらリチルと萃香が俺の手を掴んできた。
「リチル、萃香。恐い思いをさせてしまったな。本当にごめん」
俺は二人を軽く抱きとめながら言った。
「「う、うわ~ん!!」」
「うん。泣いてもいいよ。たくさん泣いてもいいから」
俺は声を出して泣く二人を受け止める。
「うっ、うっ・・・・・明久お兄ちゃん」
「恐かったね葉月ちゃん。今まで泣きたいの我慢してたんだね?もう大丈夫だからね?」
向こうでも明久が泣いている葉月ちゃんを抱きとめている。
リチル達まで連れてきたのはさっきの奴等だ。それはやはり許せない。
だけど・・・・・・そもそもこんなことになったのは・・・・・・・
竹原さんが原因だ
あの人は俺の大切な人達を傷つけすぎた
俺はもう何があってもあの人を許すことができない
俺は竹原さんが
心の底から憎い
覚悟しろよ竹原さん
俺は貴様を二度と立ち直れないほどに
徹底的に潰してやる
あとがき座談会のコーナー!INバカテス!
今回はゲストはいませんが響さんが帰ってきました!
「色々と迷惑をかけてしまったようだな。本当にすまない」
「ううん。気にしないで。あんなことがあったんだもん。仕方がないよ」
そうですよ!悪いのはあの竹原ですから!
「・・・・・・そうか。そうだな。竹原さんさえいなければ・・・・・・」
・・・・・・あれ?今はマジギレしていないはずなのに響さんがすごく恐い。
「あんな響は初めて見るよ。多分竹原への怒りでああなっちゃったんだね」
・・・・・どうしましょう?とても話しかけられる雰囲気ではないのですが。
「・・・・・・そうだね。なんか周りが見えてないみたいだし・・・・・とりあえず僕と主のふたりで座談会進めようか」
そうですね・・・・・・結局前回に引き続きこうなるんですか。
「まあ仕方がないよ。ところで今回は何を話すの?」
ええ、今回はマジギレした時の響さんについての話をするつもりです。
「・・・・・・・なんで自分からそこに触れるの?」
まあ気持ちはわかりますけど読者にとっては興味があることだと思いますので。
「そっか。まあ響は人気だからある意味当然かな?それじゃあ話そうか」
はい。まず響さんはマジギレした時に一人称が俺から僕に変わります。
「これはなんでかな?」
まあ単純にマジギレしているのをわかりやすくするためですね。あんまり深い理由はなかったりします。そして第二にマジギレしたら口調がいつもよりもかなり丁寧になり、表情もにこやかになります。
「これもマジギレしてるってわかりやすくする為?」
いえ、これは響さん自体が無意識に冷静であろうとするためにやっていることです。響さんはマジギレした状態でも我を失わず、自我を保つタイプに人です。だから口調と表情は冷静であろうとするためです。ただ・・・・・・冷静ではあっても理性はブッ飛んでしまってるんですよね。だからこそ響さんは後になって理性を取り戻した時に後悔して苦しむことになるんですがね。
「・・・・・・うん。確かにそうだね」
そして最後ですが・・・・・・目つきも変わります。先ほど表情はにこやかですが目つきは違います。非常に冷たく恐ろしく感情のない目となります。この響さんの目を見たものは1D10でSANチェックを行うことになります。
「ここに来てクトゥルフネタって・・・・・・というか減少値多いよ。下手な神話生物見るよりもずっとSAN値が減るじゃないか」
それほど恐ろしいということです。ちなみに不良共は全員SANチェック失敗して発狂してます。
「ああ・・・・・・だからああなっちゃったんだね」
まあいい方向への発狂みたいですのであんまり気にする必用はないですけどね。
「まあそうだけど・・・・・・・というか、僕達もあの場にいたんだけどなんで僕達は平気なの?」
SANチェックに成功したか親友という理由で耐性があるからじゃないですかね?
「いい加減だなぁ」
まあそこはあんまり気にしないで。
「話は終わったか?」
「あ、響。戻ってきたんだ」
「ああ。ついさっきな。すまないな。結局二人に座談会押し付けてしまって」
まああまりお気になさらずに。さて、それじゃあそろそろ締めましょう。それでは・・・・・
「「「次回もまたきてくれ(きてください)!!」」」