バカとテストと召喚獣~響き渡るバカ達の絆~ 作:shin-Ex-
さて、今回の話は・・・・・・後半で響さんが恐ろしくなります。
「俺が恐ろしく?どういうことだ」
それは・・・・・本編でわかりますよ。
「?そうか、ならとっとと本編に行くか」
そうですね。では本編どうぞ!
side 響
早いもので妹紅と輝夜が転入して一週間がだった(展開早いとか言わないでくれよ?)。今俺は咲夜、アキ、妹紅と一緒に登校している。
「どう妹紅。学園生活にはもう慣れた?」
「ああ。おかげさまでな。ただ・・・・・・慣れたくないことにも慣れてしまった気がする」
多分、というか確実にFFF団と島田さん、姫路さんの襲撃のことだろう。あいつらアキが妹紅と一緒に居るときどこからか湧いて出てきて襲ってくるからな。しかも俺達が何度ポコッたり補習室送りにしても懲りずに襲ってくる。黒いG並のしつこさだ。
「あ~・・・・・・なんかごめん」
「いや、明久が謝る事じゃない。悪いのはあいつらの方だから」
「全くね。しかも響様にまで襲撃するなんて・・・・・・粛正が必要ね」
咲夜はおびただしい程の殺気を放ちながら言った。・・・・・・咲夜さん。すげえ怖いんですけど。アキと妹紅もビビっている。
「あら、3人とも震えているけど、どうしたの?」
「「「なんでもありません」」」
「?そう」
咲夜は自分がどれだけの殺気を出していたのか気がついていないらしい。殺気にビビっていた俺達をみてキョトンとしていた。まあ俺の為にあそこまで怒ってくれるのは不謹慎だけど嬉しく思うな。
そんな事を考えながら俺達は学園へと向かった。
学園に着いて靴を変えようと下足箱を開けると・・・・・・
「ん?」
俺の下足箱の中に手紙が入っていた。
「どうしたの、響?」
「ああ、下足箱にこれが入っていた」
俺は手紙を取り出し、3人に見せた。
「これってもしかしなくても・・・・・・」
「ラブレターですね」
妹紅と咲夜は手紙を見て言った。
「さすが響だね。文月学園にきてからもう何通目だろう?」
「これで18通目になるわ」
アキの疑問に咲夜が答えた。というかそれも数えていたのかよ。
「そんなにもらってるのか」
「まあ、響はすごくモテるからね。それくらいもらっても不思議じゃないよ」
アキは下足箱を開けながら言った。すると・・・・・・
「あれ?」
「どうした、明久?」
「な、なんでもないよ!妹紅!」
明らかに動揺した様子でアキは答えた。まあおそらく・・・・・・
「アキもラブレターもらったんだな」
「ギクッ!」
やはりそうか。自分でギクとか口で言ってるし。
「明久もモテるのか?」
「そんなことないよ!ラブレターをもらったのなんて今日が初めて「明久は確かこれで14通目だったわね」咲夜さん!?「いや、違うぞ。直接手渡しでもらったやつもあるからこれで21通目だ」響さんまで何言ってるんですか!?」
アキは更に動揺した。よほど妹紅に知られたくなかったのだろう。
「そうか、そんなに・・・・・・」
アキがどれだけモテるのかを知り妹紅は少し不安に感じたようだ。
「妹紅!これが例えラブレターだとしても僕は断るからね!お願いだから信じて!」
アキは妹紅の肩を掴み必死に訴えかけた。よほど妹紅に誤解されたくないのだろう。
「わ、わかった!信じる!信じるから落ち着け明久!」
「本当!?良かった~!」
アキは妹紅に誤解をされずにすんで安心したようだ。というか・・・・・・
「な、なあ明久。その・・・・・・」
「どうしたの、妹紅?」
「・・・・・・手」
「手?・・・・・・あ」
アキはいまだに妹紅の肩を掴んだままだと言うことに気がついたようだ。
「ご、ごめん妹紅!」
「い、いや。別にそこまで気にしてないから!(むしろ嬉しかったし)」
2人は顔を赤くした。
(本当にとっとと付き合えよ)
俺はもう何度目になるかわからないことを思った。
「予想通りですね。響様」
2人の様子を見ていた咲夜が俺にそう言ってきた。
「ああ。これで多少は前進したとは思うが」
そう。今のは2人を不安にさせる為に敢えてアキがモテることを妹紅に話して互いを更に意識させる作戦だ。これぐらいしないとこの2人はなかなか前進しそうにないからな。微々たるものかもしれんがこういうのが重要だ。・・・・・・そういえば
「なあ咲夜。お前も俺がラブレターをもらって不安になるのか?」
咲夜は俺がラブレターをもらうことを不安に感じているのか気になり聞いてみた。
「全くなりません。私は響様を信じていますから」
咲夜は笑顔で答えてくれた。その答えに嬉しく思う反面・・・・・・俺を信じてくれている咲夜を待たせてしまっていることを情けなく思った。
「・・・・・・咲夜。俺は「何も言わないでください」え?」
「響様の想いはわかっています。だから大丈夫ですよ」
・・・・・・まさか見透かされるとはな。本当に咲夜には頭が上がらない。
「・・・ありがとう。咲夜」
「はい」
「・・・さて、ふたりとも青い春満喫するのはいいがそろそろ行くぞ」
俺はいまだに顔を赤くしていたふたりに向かって言った。
「「ひ、響!?」」
「急ぎましょう。早くしないと遅刻してしまいます」
「ああ」
俺と咲夜は教室に向かう。少し遅れてアキと妹紅もついてきた。
Aクラスの教室で咲夜と別れ、俺達はFクラスの扉を開く。すると・・・・・・
ピュッ!
俺達に向かって刃が剥き出しになったカッターが向かってきた。俺とアキは鞄でカッターを弾く。というか新学期初日にも同じことがあったな。
「「「「チッ!」」」」
そして同じようにカッターを投げた馬鹿共は舌打ちをした。全く悪びれる様子はない。
「いきなり何するんだ!当たったらどうするつもりなんだよ!」
妹紅は連中の行動に怒り責め立てた。
「当てるつもりでやったのだ。むしろ当たらなくて残念だ」
「ふざけるな!自分達が何をしたか「いいよ、妹紅」明久?」
アキは怒る妹紅を止めた。・・・・・・これは相当キレてるな。まあへたしたら妹紅に当たっていたかもしれないから当然だろう。
「・・・君達、何のつもり?」
「黙れ異端者!貴様等に発言の権利などない!」
相変わらず身勝手な奴らだ。だが今日はいつも以上にどす黒い感情を感じるな。
「だがまあ冥土の土産に教えてやろう。俺達が貴様等を処刑する理由を。横溝!」
「はっ須川団長!吉井明久、仲渡響の両名は先ほど馬鹿で不細工で最低な人間であるにも関わらずラブレターをもらっていました!よってこの二名には第一級の処罰を下すべきだと我らがFFF団の総意により決定しました!」
「ご苦労。今横溝が言った通りだ。我らは貴様等異端者に一級の処罰を下す!」
こいつらは・・・・・・もうどうにもならないのだろうか?
「だが我らとて鬼ではない。貴様等にチャンスをやろう」
確かに鬼ではないな。鬼の方がよほど可愛げがある。
「貴様等がもらったラブレターを我らの目の前で破り捨て、土下座して謝れば許してやろう。どうだ?我らは寛大であろう?」
は?こいつらは・・・・・イマナンテイッタ?
「何をしているお前たち!さっさと席につけ!」
どうやらもうホームルームの時間になったらしい。西村先生が来て馬鹿共に座るように言った。
「チッ、仕方がない。また後にしてやろう」
連中は流石に西村先生に逆らう気はないようで仕方なしに席についた。
「・・・・・・・」
俺も自分の席についた・・・・・・・自分でもわかるほどどす黒い感情を抱きながら。
side 明久
「・・・・・・・」
「どうした、明久?」
黙り込んで立っている僕に妹紅が話しかけてきた。
「・・・・・なんでもないよ。僕たちも席につこう」
「?ああ。そうだな」
(響、君は・・・・・・・・・・・)
「横溝」
「吉井殺す」
「立花」
「仲渡殺す」
「川上」
「吉井ぶっ殺す」
「遠藤」
「仲渡ぶち殺す」
西村先生の点呼に答える連中の返事は物騒なものになっている。だが僕はそんなこと全く意に介していない。なぜなら・・・・・
「なあ明久」
「・・・・・なに?」
「響のやつ、まさか・・・・・」
「・・・・・雄二の考えてるとおりだよ」
「・・・・・やっぱりか」
雄二は真剣な顔をしている。
「響がどうかしたの?」
輝夜が気になったのか聞いてきた?
「・・・・・多分すぐにわかるのじゃ」
「え?」
輝夜の問いに秀吉が神妙な表情で答えた。
「どうしたんだ、明久?」
「何が?」
「いや・・・・なんか様子がおかしいから」
「大丈夫だよ・・・・・僕はね」
「僕は?それってどういう・・・・」
「吉井」
「はい」
妹紅がどういうことかと聞こうとしたら西村先生が僕の点呼をとってきたため答えられなかった。そして・・・・・
「仲渡」
「火炙り、水責めを50回繰り返した後全身の骨を圧砕して野犬の溜まり場に貴様等を突き出す」
響はまるで機械のように抑揚のない声で言った。
「「「「「・・・・・え?」」」」」
Fクラスの連中はそんな恐ろしいことを言う響を見た。そして・・・・その顔を青を通り越して真っ白にさせた。
今の響はとてつもなく恐ろしい。それこそ目を背けたくなるほどにだ。
「・・・・・遅刻欠席はなしだな。今日も一日勉学に励むように」
「「「「「待って先生!行かないで!可愛い生徒を見殺しにしないで!」」」」」
連中は西村先生に助けを懇願した。
「・・・・・仲渡」
「何ですか?」
連中は西村先生が助けてくれると思い喜ぶが・・・・・
「・・・・・やりすぎるなよ」
「善処します」
「「「「「そんなぁぁぁぁぁ!!」」」」」
「授業は真面目に受けるように」
そう言って西村先生は教室から出て行った。
「さてお前ら・・・・・覚悟できてんだよな?」
響の冷たい声を聞き連中はビクリと体を震わせた。その顔には誰が見てもわかるほどの恐怖が表れている。
「「「「す、すみませんでした!俺たちが悪かったから許してください!」」」」」
連中は声を揃えて土下座して響に謝った。
「お前らさあ・・・・・・・・・なんで謝ってんの?お前たち何か悪いことしたのか?」
「「「「「え?」」」」」
「してねえよな?だって後で謝ることになるってわかってること自分から好き好んでやる奴なんていないもんな?まさか・・・・・・悪いことだってわかっててやってましたなんて馬鹿なこと今更言わねえよな?」
「「「「「ヒッ!!」」」」」
響はおびただしい殺気を込めて言った。
「俺も同じだよ。俺はお前たちがやったことが・・・・お前たちが俺達にさせようとしたことがムカつくからお前等を潰すんだ。だから悪いなんて思わないしお前たちに謝るつもりもない。ただ安心しろ・・・・・知り合いの腕の立つ医者を紹介してやるから」
響は震えている奴らに歩み寄ろうとした。だが・・・・・
「待って響」
僕はそんな響を引き止めた。
「・・・・・なんで止めんだよアキ」
「君の気持ちはわかるよ。でもダメだ。僕達は君にそんなことして欲しくない。なにより・・・・・・咲夜が悲しむよ?」
「・・・・・・」
響は連中の傍を素通りした。
「どこに行くの?」
「・・・・・頭冷やしてくる。一限には出ねえから・・・・・授業受ける気になんねえし」
「・・・・・わかった」
「その前に・・・・姫路さん、島田さん」
「「は、はい!」」
「ラブレターのことでアキに詰め寄ろうなんて馬鹿なこと考えんなよ?」
「「・・・・・・はい」」
二人はよほど響が恐ろしいのか素直に頷いた。
「・・・・・・ふん」
響は教室から出て行った。そしてFクラスの連中は緊張の糸が解けたのかその場にへたりこんだ。
「た、助かった・・・・」
「ありがとう吉井」
「おかげで助かった」
連中は僕に礼を言った。・・・・・先程まで処刑しようとしていた僕に。
「・・・・・・勘違いしないで。君たちを助けたわけじゃないから。でもこれだけは言っておくよ・・・・・・君たちが同じような事を繰り返すって言うなら。今度は僕が君たちを潰すかもしれないから。気をつけてね?」
こくこくこく!
連中は頭を何度も振った。それを見て僕はみんなのところに戻った。
「・・・・ふう」
「お疲れさん明久」
「うん。本当に疲れたよ」
主に精神がね。
「ああなった響は明久か咲夜しか止められんからのう」
「・・・・・・本当に恐ろしかった」
「皆は響があそこまでキレたところ他にも見たことあるの?」
輝夜がそう聞いてきた。
「まあ何度かはの」
「・・・・・・その度に明久か咲夜が止めていた」
「そうなんだ・・・・・」
まああのレベルならまだ僕でも止められるからね・・・・・・・・本気でキレたときは無理だけど。
「でもなんで響はあそこまでキレてたんだ?こう言ったらおかしいけどあいつらのあの行動はいつものことだろう?」
妹紅は響がどうしてあそこまでキレたのか気になったのか聞いてきた
「・・・・・響の前であんなこと言ったんだ。当然だよ」
「あんなこと?」
「ラブレターを破り捨てろって言ったことだよ」
「え?」
「響は・・・・・誰よりも人の思いを大切にしているから。だから・・・・勇気を出して、覚悟と思いを込めて書いたラブレターを破り捨てろなんて言った彼らが本当に許せなかったんだろうね」
「そうなのか・・・・・響は本当に他人思いなんだな」
「・・・・・そうだね」
そう。響は誰よりも他人思いだ。ただ僕は知っている。響は他人にことを思いすぎているんだっていうことを。響は他人のために平気で自分の全てを犠牲にしてしまう人だということを。そして、今そんな響を救うことは僕にも・・・・・咲夜にもできないということを。
あとがき座談会のコーナー!INバカテス!
本日は響さんはお休みで明久さんに来てもらいました!
「よろしく。でもどうして響は休みなの?」
今はかなり機嫌が悪いからこんな状態で座談会に出られないと言っていましたので。それでお休みなんです。
「まあ確かに相当キレてたからね」
本当に・・・・・恐ろしかったです。
「まあたしかに恐いね。でもあれでもまだ本気で切れているわけじゃあないんだよね」
え?あれで本気じゃあないんですか?
「うん。口調とかは荒れてたけど。本気でキレたときはあれとはまた違った恐ろしさが出るからね。多分人によっては本気でキレた時の響の100倍恐ろしっていうよ。僕もそうだしね」
い、一体どんな恐ろしさなんでしょうか・・・・想像したくないですね。ところで何人ぐらいが本気でキレた響さんのことを知っているんですか?
「僕以外で本気でキレた響を知ってるのは咲夜とユーリとアリスだよ。三人はキレたとき現場にいたから。特に咲夜は当事者だからね」
咲夜さんが当事者?
「というか響きが本気でキレるのは咲夜のことが絡んだ時だけだからね。咲夜は必然的に知ることになるんだよ」
一体どのようなシチュエーションだったのでしょうか・・・・・
「・・・・・・ていうかそれを考えるのって主の仕事だよね?なんでその主が聞いてるの?」
・・・・・・まあ深い理由はないですよ。そういう目線で話してみたかっただけですから。
「相変わらず自由な人だよね・・・・・」
まあ否定はしませんよ。
「そういえば話は変わるけど僕にラブレター出した人って誰なの?原作だと姫路さんのラブレターが間違って僕の下足箱に入ってたことになってるけどこの小説でもそうなの?」
いえ、違いますよ。姫路さんのではありません。名前はまだ言えませんが既にこの小説で出てきた方が出したものです。
「もう出た人?となると・・・・」
はいストップ。これ以上は答えにたどり着きそうなのでダメですよ。さて、それではそろそろ締めましょう。
「そうだね」
では・・・・・
「「次回もまたきてください!!」」