バカとテストと召喚獣~響き渡るバカ達の絆~   作:shin-Ex-

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選ぶんじゃねえ。もう選んだんだ。

「TOVのユーリのセリフか」

はい!今回は明久さんとユーリさんの対決ですからね!だからTOVのユーリさん一番好きなセリフを選びました。これはだいぶ前から決めてましたね!

「そうか。ちなみに次回以降の名台詞は?」

・・・・・・思いついてません。

「主・・・・・」

はい。頑張ります。

「はあ、それはともかく今回はとうとう原作主人公のアキとユーリの戦いだな」

はい!果たしてどちらが勝つのか!

「では本編どうぞ」


第19話

side 響

 

「勝者、Aクラス!」

 

高橋先生からAクラスの勝利が宣言された。これで1勝3敗。俺達Fクラスにあとがなくなってしまった。

 

「あの・・・・・・皆さんごめんなさい」

 

姫路さんが帰ってきた。自分のせいであとがなくなってしまったからか落ち込んだ様子だ。

 

「・・・・・・姫路さん。あとは任せて下がってて」

 

「え?仲渡くん今・・・・・・」

 

姫路さんは俺がさん付けしたのが気になったのか疑問の声をあげた。

 

「どうした、姫路さん?」

 

「い、いえ、なんでも無いです・・・・・・」

 

姫路さんは下がって行った。負けて帰ってきた姫路さんにあんな態度は失礼だとは思う。だがさっきの姫路さんの発言、そして今までのアキに対する態度で姫路さんとは少し距離を置きたい。

 

「これで1勝3敗か・・・・・・」

 

「・・・・・・もうあとがない」

 

「次はどうするのじゃ?」

 

「・・・・・・アキ。次の試合はお前がいってくれ。科目選択はお前が使っていい」

 

「僕が使っていいの?響は?」

 

「俺は使わない。まあ俺はアキよりは得意科目とそれ以外の科目で差は無いからまだなんとかなる何よりここで負けたら後がない。それに・・・・・・Aクラスからくるのは多分あ(・)い(・)つ(・)だ。科目選択しないと勝てないかもしれない」

 

そう。あいつの得意科目とアキの得意科目は違う。あいつに科目選択させたら勝ち目は一気になくなる。

 

「・・・・・・そうだね。わかった。使わせてもらうよ」

 

「頼んだぞ明久」

 

「・・・・・・いってこい」

 

「頑張るのじゃ」

 

ユウ、ヒデ、コウがアキに激励の言葉をかけた。

 

「アキ、こんなこと言うとプレッシャーに感じるかもしれない。だが敢えて言うぞ。・・・・・・勝ってこい!」

 

「うん、絶対に勝つ!いってくるよ!」

 

アキは力強く返事をして行った。頼んだぞ、アキ。

 

 

 

 

 

 

side 明久

 

僕が前に出るとそこには・・・・・・

 

「ようやくお前とやれるな、アキ」

 

「やっぱり君が相手なんだね・・・・・・ユーリ」

 

予想通りユーリがいた。ちなみにユーリが出てきたと時後ろから大きな舌打ちが聞こえてきた。Fクラスの皆だろう。ユーリはイケメンランキング1位だから妬んでいるんだろう。まあユーリは全く意に介していないみたいだけど。

 

「お前とやれるの楽しみしてたぜ」

 

「アハハ。ならその期待を裏切らないように頑張らせてもらうよ」

 

ユーリはかなり強い。1年の時召喚獣の実習でユーリの実力を見たけど操作能力が群を抜いて高かった。正直いくら僕が召喚獣の扱いに慣れていてもきつい。でも・・・・・・

 

「それでは科目を決めてください」

 

「日本史でお願いします」

 

「わかりました。では召喚してください」

 

「サモン!」

 

Fクラス 吉井明久

日本史   468点

 

この勝負、勝ってみせる!

 

「「「「はああああああ!?」」」」

 

「よ、400点越え!?」

 

「どうなってんだ!?」

 

「なんで観察処分者の吉井があんな点とれるんだよ!?」

 

皆驚いてるな~。まあ馬鹿の代名詞の観察処分者である僕がこんな点数とったからある意味当然か。けど・・・・・・

 

「わかった!カンニングしたんだ!」

 

「そうだ!出なきゃ馬鹿の吉井があんな点取れる訳ない!」

 

「カンニングするなんて最低だな!」

 

・・・・・・君達は本当に僕のクラスメイトなの?罵倒がFクラスの方からしか聞こえないんだけど。しかも・・・

 

「吉井君!カンニングするなんてどういうつもりですか!」

 

「吉井!何カンニングなんて最低なことしてるのよ!」

 

さっきまで落ち込んでた姫路さんと島田さんまで言ってるし。さっきの工藤さんの時といい僕ふたりに嫌われるようなことしたかな?

 

「・・・・・・てめぇら、黙れ」

 

Fクラスの皆から罵倒の声があがるなか、ユーリが口を開いた。その声はたいして大きいわけではなかったがやたらと耳入ってきた。

 

「てめぇらアキのクラスメイトだろ?なのに何罵倒してんだよ?」

 

ユーリの言葉に皆萎縮しておとなしくなった。今のユーリの威圧感はまさしく『長月の狂狼』のものだった。

 

「次アキの・・・・・・俺のダチを侮辱するようなこと言ってみろ。俺は・・・・・・俺達はてめぇらをぶっ潰す」

 

ユーリが殺気を込めて言った。ユーリだけじゃない。響、雄二、康太、秀吉、それに咲夜とアリスも鋭い眼光で睨み付けていた。彼らは恐怖から顔を真っ青にした。

 

「もういいよ皆。僕は気にしてないし」

 

そう。彼らになんと言われようと気にしない。はっきりいって彼らにどう思われどう言われようと構わない。

 

「・・・・・そうか、わかった。にしてもそんな点数とれるとはな」

 

ユーリがいつもの調子に戻って言ってきた。

 

「まあ日本史は得意科目だからね。この戦争は負けられないし」

 

「流石ってところだな。だが・・・・・・サモン!」

 

ユーリも召喚した。黒い服に剣を持った召喚獣だ。そして点数は・・・・・・

 

Aクラス 大上勇陸

日本史   402点

 

「俺も負けられないんでな」

 

「よ、400点オーバー!?ユーリは日本史得意じゃないでしょ!どうして!?」

 

「咲夜と代表からおそらく一騎打ちになるって聞いてたからな。んで俺は本気のアキと戦いたかったから一夜漬けで日本史の勉強したんだよ。まあ次こんな点数とれって言われても無理だがな」

 

咲夜に霧島さん・・・・・・まさか一騎打ちを読んでたなんて。しかも一夜漬けで400点超えるってユーリ凄すぎでしょ。どんだけ本気で戦いたかったんだろう?それでも・・・・・・

 

「この勝負、僕は負けない!」

 

「そうこなくちゃな!明久!」

 

「それでは初めてください」

 

高橋先生の合図で試合が始まった。その瞬間・・・

 

「なっ!」

 

ユーリの召喚獣がとてつもないスピードで僕の召喚獣に斬りかかってきた。僕はなんとか召喚獣に回避させようとしたが早すぎて回避しきれなかった。

 

Fクラス 吉井明久

日本史   316点

 

フィードバックで体に痛みが走る。どうにか致命傷は避けれたがそれでも三分の一近く削られてしまった。スピードだけじゃなくてパワーもかなり高い。普通の召喚獣にあんな力はない。となると・・・・・・

 

「・・・今のがユーリの腕輪の能力?」

 

「ああ。俺の腕輪の能力は『ストライク』。30点消費して召喚獣のパワーとスピードを一瞬だけ5倍にする能力だ。まあ一試合に2回しか使えない制約があるがな」

 

なんて能力だ。回数制限はあるし効果があるのは一瞬だけ、それでも強力すぎる能力だ。下手をしたら今の一撃で終わっていた。

 

「そんな腕輪を開始早々使うなんて流石ユーリだね」

 

「ギリギリとはいえ初見で致命傷を避けたやつがいうことじゃねえだろ。アキの方がよっぽどすげえよ」

 

「それはどうも!」

 

「うおっ!?」

 

僕は召喚獣を操作してユーリの召喚獣に斬りかかる。初撃は避けられてしまったがそれに構わず何度も斬りつける。

 

Aクラス 大上勇陸

日本史   324点

 

いくつか避けられたがヒットした攻撃もあるためダメージを与えられた。

 

「なろ!」

 

ユーリは剣をジャグリングのように操り左右の手で持ち替えながら攻撃してきた。さらに剣と一緒に拳や蹴りを組み込んでくる。

 

「くっ!」

 

僕はユーリの特異な攻撃方法を思うように対処できず、何発も攻撃を受けてしまった。でも僕だって負けられない。僕はユーリの攻撃を捌きながら隙をついて攻撃する。そんな攻防がしばらく続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はあはあ・・・」

 

Fクラス 吉井明久

日本史   186点

 

Aクラス 大上勇陸

日本史   190点

 

現在の点数はほぼ互角だ。だが僕にはフィードバックの痛みと疲労がある。間違いなくユーリより消耗しているだろう。このままじゃあおそらく勝てない。だったら・・・・・・

 

「出し惜しみなんてしたらダメだね・・・・・・『必殺』!!」

 

僕は腕輪を発動した。

 

 

 

 

side 響

 

「アキ・・・腕輪を発動したか」

 

まあ仕方がないだろう。はっきり言ってユーリは強すぎる。フィードバックで消耗したままのアキじゃあおそらく勝てない。出し惜しみする余裕なんてなかったのだろう。

 

「なあ響。明久の腕輪の能力って何なんだ?」

 

ユウが聞いてきた。そういえばユウ達には言っていなかったな。ヒデとコウも知りたいのかこちらを向いている。

 

「アキの腕輪の能力は『必殺』。防御力を犠牲にして攻撃力を跳ね上げる能力だ」

 

「・・・・・・諸刃の剣という感じじゃな」

 

「ああ。だがそれだけじゃない。あの腕輪には他にも大きすぎるデメリットがある」

 

「大きすぎるデメリットだと?」

 

「・・・・・・なんだ、それは?」

 

「・・・・・・アキがあの腕輪を発動するとフィードバックも跳ね上げるんだよ」

 

「「「なんだと(なんじゃと)!」」」

 

「学園長の話だとどうやらバグらしい。どうやっても直せないそうだ。しかもあの腕輪は一度発動すると召喚を取り消すまで効果は消えない」

 

「そんな状態で戦って明久は大丈夫なのか?」

 

「・・・・・・おそらく斬られたりしたらその痛みがそのままアキに伝わるだろうな」

 

「そんな・・・・・・」

 

「それでもアキは腕輪を使った。この試合に勝つために。それがアキの覚悟なんだろう。今俺達ができるのはアキの勝利を信じて見ていることだけだ」

 

俺がそう言うと3人は再び試合に目を向けた。アキが勝利することを信じて。

 

(アキ・・・絶対に勝て!)

 

俺もまたアキの勝利を信じ、試合を見守った。

 

 

 

 

 

 

 

side 明久

 

Fクラス 吉井明久

日本史   115点

 

Aクラス 大上勇陸

日本史    95点

 

腕輪の能力を使い、何とか点数を逆転することができた。しかし・・・・・・

 

「痛・・・・・・」

 

攻撃を一撃受けてしまった。跳ね上がったフィードバックにより僕の体に鋭い痛みが走る。

 

「・・・・・・アキ。お前の腕輪のことは咲夜に聞いて知ってる」

 

「・・・そっか。咲夜話したんだ」

 

「お前はきっと俺の想像以上の痛みを感じてんだろうな。だが・・・・・・俺は手加減しねえ!全力でお前を倒す!」

 

「・・・・・・わかってる。僕だって全力のユーリを倒さないと意味がない!!」

 

「いくぞアキ!『ストライク』!!」

 

ユーリが腕輪を発動して斬りかかってくる。そして・・・・・・

 

ドサッ!

 

攻撃がヒットし召喚獣が倒れ勝負が決した。倒れたのは・・・・・・

 

Aクラス 大上勇陸

日本史   DEAD

 

ユーリの召喚獣だ。

 

「なっ!?」

 

僕はユーリの召喚獣が腕輪を発動し、攻撃を繰り出す瞬間。木刀を突き立て、ユーリの召喚獣に突進した。腕輪を発動したユーリの召喚獣は確かに早い。だが早すぎるのだ。ユーリは早すぎる召喚獣をコントロールすることができずに突き立てた木刀に突っ込んで行った。召喚獣の勢いもあいまって木刀による突きでも致命傷になったのだ。何はともあれ

 

「勝者!Fクラス!」

 

この試合、何とか勝つことができた。

 

「くっそ!まさか腕輪の力を逆に利用されるとはな」

 

「まあイチかバチかのかけだったけどね。うまくいってよかったよ」

 

「そうか。ところで体は大丈夫か?」

 

「うん。結構痛かったけど大丈夫だよ。問題ない」

 

「ならいい。・・・・・・アキ」

 

ユーリは拳を突き出してきた。

 

「負けたけど楽しかったぜ」

 

「うん。僕も楽しかったよ」

 

僕はユーリの拳に自分の拳を突き合わせた。

 

「今度やるときは絶対に負けねえ。覚悟しろよ?」

 

「僕も負けるつもりはないよ」

 

僕たちは拳を離してそれぞれの陣営に戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

「お疲れさんアキ。体は大丈夫か?」

 

戻ると響が声をかけてきた。

 

「うん。大丈夫だよ」

 

「そうか。ならいい」

 

「よくやったな、明久」

 

「・・・・・・さすが」

 

「すごかったぞ。明久」

 

「ありがとう皆。これで2勝3敗だ。次は頼んだよ響!」

 

「ああ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

side 勇陸

 

「悪いな皆。勝てなかった」

 

俺はみんなのところに戻って負けたことを謝った。

 

「・・・・・・気にしなくていい」

 

「そうだよ!すごかったよ!」

 

「まさかユーリくんがあそこまで強かったなんて思わなかったわ」

 

「あの試合を見て文句を言う人なんていないさ」

 

「そうね。あの明久とあそこまで戦えたんだから。謝ることないわ」

 

皆は負けた俺を励ましてくれた。ほんとにいい奴らだな。

 

「・・・・・ユーリ」

 

「なんだアリス?」

 

「・・・・・・・かっこよかったわよ」

 

それはアリスのことが好きな俺にとって最高の言葉だった。

 

「・・・・はは。サンキュ、アリス」

 

俺はアリスの頭を撫でながら言った。

 

「うん・・・・・って何やってるのよ!人前ではやらないって言ったばかりでしょ!」

 

「そうだっけな?」

 

アリスが文句を言ってきたが顔が赤いから照れ隠しって一発でわかった。やっぱりアリスをいじるのは楽しいぜ。

 

 




あとがき座談会のコーナー!INバカテス!

今回のゲストはAクラスの大上勇陸さんです!

「よろしくな」

はい。よろしくお願いします。

「それにしてもユーリはすごいな。あのアキとあそこまで戦えるなんて」

「そうか?」

まあユーリさんの召喚獣の操作技術は学年でもトップクラスですからね。総合的な操作技術は明久さんや響さんに劣りますけど戦闘においてはこの二人と互角以上の技術を持っていますからね。

「まあ。TOVのユーリの戦い方を召喚獣で再現しているんだからな。戦闘時の操作技術は凄まじいものがある」

「はは。サンキュ。ところで主。俺の腕輪の能力ってもしかしてF・S(フェイタルストライク)か?」

そうですよ。ユーリさんの腕輪はF・Sをもとにして作りました。これはユーリさんを出すと決めた時に同時に決まったことです。

「あれって強力だよな。しかも召喚獣バトルではトドメ以外でも使えるし」

「だな。それこそ並みの奴なら一撃で決められるんじゃないか?」

まあ点数差がほとんどないなら一撃で決まりますね。明久さんみたいに致命傷を避けれれば大丈夫ですがそこまでの操作技術を持っている方はそういませんし。ただ弱点もありますけどね。

「攻撃力とスピードが上がりすぎてうまくコントロールできないことだな。アキのような作戦を取れば逆に致命傷を与えられる。突っ込むだけだからタイミングさえあればそう難しい操作じゃないしな」

「そのあたりが今後の課題だな。うまくコントロールできるようにならねえとうかつに使えねえ」

まあユーリさんほどの操作技術があれば腕輪を使わなくても勝てると思いますけどね。

「確かにな。それにしてもまさかユーリが日本史で400点超えるとは思わなかったな」

「まあ本編でも言ったがもうあんな点取れないだろうな」

あ~そのことについてですがね。実はミスなんですよ。

「ミス?どういうことだ?」

ユーリさんと明久さんをAクラス線で戦わせることは始めから決まっていまして、それに合わせてユーリさんの日本史の点数は400点を超えているはずだったんです。ですが設定に書いていなかったことに気がついたのがつい先日でして・・・・それで否応なくユーリさんに頑張ってもらうことになったんです。

「つまり・・・・・・俺って本当はしなくても良かった一夜漬けをしたってことか?」

・・・・・本当にすみません。

「主・・・・・何度も言うがお前もうちょっとしっかりしたほうがいい」

・・・・・本気で反省します。

「まあいいんじゃねえのか?たしかに一夜漬けはきつかったがちゃんとそこも物語に組み込めたんだからよ」

そう言ってくださりありがとうございます。

「ちゃんとユーリに感謝しろよ」

はい。それはもう。

「さて、それじゃあそろそろ締めるか」

そうですね。それでは次回予告どうぞ。







次回

明久の活躍により次につながったFクラス!

次の試合は響対咲夜の主従対決!

主従の関係を超え、本気で戦う響と咲夜!

果たして勝者は・・・・・

次回、バカとテストと召喚獣~響き渡るバカ達の絆~ 第20話


「「「次回もまたきてください(きてくれ)!」」」

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