バカとテストと召喚獣~響き渡るバカ達の絆~   作:shin-Ex-

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第121話!

長らくお待たせいたしました!

今回も要さんメインでお送りします!

「どうなるかな?」

「まあ・・・・いい方に向かえばいいんだが」

それでは本編に参りましょう。

「本編どうぞ!」


第121話

 

響が要を連れてやって来たのは・・・・・未だ風呂を覗きに行こうとする連中のところであった。ちなみにすぐ後ろに咲夜と涼香もいる。

 

「響!こんなところに連れてきてどうするって言うんだ!」

 

「どうするって決まってるだろ。あいつらは覗きをしようとしてるんだから俺とお前の二人で止めるんだよ」

 

「はあっ!?」

 

響はさも当たり前のように言うが、要は驚きを隠せずにいた。

 

「馬鹿言うなよ!あんな連中お前一人でどうにかできるだろ!僕を連れてくるとか意味ないだろ!」

 

口調は荒れているが、普段の要とはかけ離れた消極的な言葉である。もはや見栄を張る気が無いように思える。

 

ちなみに、今の要の発言で覗き犯共は怒っている。もっとも、荒事に慣れている響がいることで直接手を出そうとはせずに、律儀に召喚獣が出てくるのを待っているが。

 

「安心しろ。ここは化学のフィールドだからさっき削られた点数は関係ない」

 

「そういうことを言ってるんじゃない!僕の操作技術じゃ彼等相手に一矢報いることさえできやしないんだ!それはお前だって理解してるだろ!」

 

「ああ、理解はしているさ。だから・・・・・俺がこの場で召喚獣操作のコツを教えてやる」

 

「・・・・は?」

 

「操作技術のコツさえつかめばお前の成績なら十分に戦力になるからな。サモン」

 

響は召喚獣を出しながら言う。

 

「言っておくが拒否権はないぞ?だからとっとと召喚しろ」

 

「あ~くっそ。サモン!」

 

仕方なしにといった様子で要は召喚獣を召喚する。これでも響とは長い付き合い・・・・・抵抗しても無意味だと理解しているのだ。

 

 

科目 数学

仲渡響    463点

宮下要    341点

 

覗き犯共 平均180点

 

 

数では劣るものの、点数では響と要が圧倒的に上回っている。

 

響はともかくとして、要も一応はAクラス上位の点数保持者だ。これくらいは余裕で取れる。

 

「ようやく召喚したな」

 

「それじゃあ・・・・・」

 

「「「くたばれやぁぁぁぁ!!」」」

 

ようやく召喚獣を出したということで、覗き犯達は一斉に襲いかかってきた。

 

だが・・・・

 

「まだ要にコツ教えてないんだ。あとにしろ」

 

響の召喚獣が無慈悲にも木刀を振るうことによって、覗き犯達の召喚獣は弾き飛ばされてしまった。

 

「あの、咲夜さん・・・・・あれはいくらなんでも理不尽だと私思うんですけど」

 

「そんなことないわよ。響様の邪魔をしたのだからあれぐらい当然よ」

 

「さて、それじゃあコツなんだが・・・・」

 

後ろから涼香と咲夜が何か言っているのが聞こえる響であったが、それをひとまずスルーして響は要にコツを教え始めた。

 

「要、お前は召喚獣を操るときどういう感覚でやっている?」

 

「どうって・・・・・ラジコンを動かす様な感じでやっているが?」

 

「そうか・・・・そのほうが動かしやすいってやつも確かにいるがお前にはそれは合わないんだろう。だから弱いんだ」

 

「自覚してるけどはっきり言うなよな!」

 

もっともなツッコミである。

 

「・・・・自分が召喚獣になったつもりで動かしてみろ」

 

「は?」

 

「自分の意識を召喚獣に投影するイメージだ。俺やアキ、トーマとかはこれで召喚獣を動かしている。多分お前もそのほうが向いているだろう。一対一の状況を作ってやるからやってみろ」

 

そう言いながら、響の召喚獣は覗き犯の召喚獣を一体を除いて攻撃をし始めた。

 

多対一であるが、響の操作技術をもってすれば雑兵相手ならそれぐらいは容易だった。

 

そして・・・・要は覗き犯の一人と一対一の戦いをすることとなる。

 

「くっそ響のやつ・・・・・コツってあれだけかよ。でもまあ、やるしかないか」

 

「宮下・・・・お前のことは前からムカついてたんだ。鬱憤晴らされてもらうぞ!」

 

悪態をつく要の召喚獣に、覗き犯の召喚獣が襲いかかる。武器は要の召喚獣と同じオーソドックスな剣だ

 

「・・・・これで負けたら恨むからな響!」

 

要は召喚獣を操作して対処する。響のいうように、自分が召喚獣になったつもりで・・・・・いきなりではうまくいかないだろうとは思いながらも、それでも要はやる。

 

すると・・・・・

 

「・・・・あれ?」

 

敵召喚獣の攻撃を、的確に捌く要の召喚獣。

 

これまでにない手応えに驚きを隠せないでいる要・・・・・響の言うとおり、自分が召喚獣になったつもりで操るというやり方は要に合っているようだった。

 

「くっそ、当たれよ!」

 

攻撃が捌かれることに焦りを感じ始める覗き犯。焦りが募っていけばそれに伴い隙も大きくなる。

 

「ここだ!」

 

要はその隙を見逃さなかった。攻撃がおお振りになった瞬間に、相手の喉元に剣を突き刺した。

 

点数差もあった上に弱点を付いたことにより、あっさりと覗き犯の召喚獣は戦死してしまった。

 

「・・・・勝った?僕が・・・?」

 

「ほら見ろ、やっぱりお前にはその方が合ってた」

 

自分が勝てたことに信じられないといった様子の要に、響が声を掛ける。

 

なお、響の戦いは要よりもずっと早くに終わっており、覗き犯達は逃げ出していたりする。

 

「要・・・・・多分操作技術に限った話じゃないぞ?」

 

「え?」

 

「お前は多分自分に合わないやり方をずっと突き詰めてしまっていたんだ。だから伸び悩んで自分のことを落ちこぼれだって思ってしまったんだろう」

 

「・・・・・」

 

響の言葉に、要は言い返すことができなかった。それだけ思い当たる節があるということであろう。

 

「だけど今みたいに別のやり方を指摘してくれる奴さえいれば、お前はもっと自分の能力を活かすことができると思う。だから・・・・・今まで辛辣な態度とったりしてた俺が言うのもなんだけど・・・・・もっと俺達を頼ってくれよ」

 

「お前達を?」

 

「ああ。俺が気に入らないってんならトーマでもいい。眞姫ちゃんでもいい。そもそも二人共お前の従者だろうが。いい加減意地張るのやめろよな」

 

「・・・・お前はそうやって。そういうところが・・・・・」

 

手を差し出す響。要はそんな響を見て、頭をガシガシと掻く。

 

「・・・・・響、凍堂さん。ちょっと咲夜と話がしたいんだ。席を外してくれないか?」

 

「私と話が?」

 

「嫌なら別にいいさ」

 

「・・・・・どうする咲夜?」

 

咲夜はしばし考え、返答する。

 

「・・・・いいわよ。話をしましょう」

 

「ありがとう」

 

「それじゃあ俺と涼香は席を外す。行こう」

 

「うん」

 

その場から去る響と涼香。そして要と咲夜の二人になる。

 

「それで?話というのは?」

 

「・・・・・君にはこれまで響に対して以上に迷惑をかけたね」

 

「ええ、そうね」

 

さも当然というように肯定する咲夜。まあ、これまでがこれまでだったのだから仕方がない。

 

「本当は・・・・わかってたんだよ。咲夜が僕のことなんて眼中にないことなんてさ。でも・・・・それでも諦めきれなかった。君のこと・・・・・好きだったから」

 

「・・・・そう」

 

何でもないといったように答えるが、その実内心では驚いている咲夜。

 

今の要から伝わる真剣さ・・・・まさかここまで自分を想ってくれているとは思いもしなかったのだろう。

 

「響が君を頼って成長しているのなら、誰にも頼らずに成長して・・・・それで咲夜の気を引こうとしたけど無駄だった。そんなの無駄だっていうのにね」

 

「・・・・・」

 

「咲夜には響しかいない。そんな当たり前なことから目をそらして・・・・僕は本当に馬鹿だ。だけど・・・・それでも最後に言わせて欲しい」

 

要は真剣な眼差しを咲夜に向けて・・・・そして言う。

 

「咲夜・・・・僕は君が好きだった。本当に・・・・好きだったんだよ」

 

それは要の真っ直ぐな想いだった。これまでの歪んだ想いなど一切感じさせないほどに・・・・ただ真っ直ぐな。

 

「・・・・私はその想いに応えられない。答えるつもりはない」

 

咲夜は敢えて突き放す言葉を選んで要に言い放つ。

 

それは辛辣に聞こえるかもしれないが・・・・・自分に未練を残さないようにという咲夜の気遣いでもあった。

 

「ああ・・・・それでいいんだ。響を・・・・幸せにしてあげな。それは君にしかできないことだから」

 

「言われるまでもないわ・・・・話が終わったのなら私は響様の下へ行くわ。いいわね?」

 

「もちろんだ・・・・僕もあとから行くよ」

 

「・・・・わかったわ」

 

要に背を向け、咲夜は響の下へと向かう。

 

「・・・・・畜生。わかってたのに・・・・・やっぱり悔しいな」

 

そんな咲夜の後ろ姿を見つめながら・・・・要は静かに呟いた。




あとがき座談会のコーナー!INバカテス!

今回は響さんと要さんのお二人と進めてまいります!

「よろしくな要」

「・・・・・フレンドリーな響って違和感すごいんだけど」

「ぶん殴るぞお前」

「ああ・・・・うん、そのぐらいの方がしっくりくる」

要さん・・・・すっかり大人しくなりましたねぇ。

「まあ前が酷すぎたからギャップだろ」

「・・・・否定はしない。というかできない」

まあ元々はこういう謙虚というか思慮深い人ですからねこの人。

「もっと早くに素直になれば人間関係円滑だったろうに」

「・・・・・今からじゃもう遅いか?」

「いいや。お前さえよければ歓迎するさ」

響さんがデレたー。

「ハッ倒すぞ主?」

「よし、和解の証に僕も付き合おう」

ごめんなさい・・・・反省しております。

それはともかくとして・・・・咲夜さんにけじめつけましたね。

「あんなのけじめだなんて言わないさ。ただ我が儘を貫いただけだ」

「だがまあ・・・・咲夜もお前のこと見直したと思うぞ?」

「だとしても、僕の想いが成就することはない・・・・正直振られた身としてこんなこと言うの癪でしょうがないんだが響、絶対に咲夜を幸せにしろ」

「言われるまでもない」

「お前自身も幸せになれ」

「・・・・ああ」

うんうん・・・・いいですよねぇこういうの。青春って感じで。

「お前とはもうかけ離れたものだな」

「おっさんなんだっけ主?」

おっさんですよ!悪いか!

「別に悪くはないが・・・・」

「ここまで必死だとね」

くそう・・・・・

さて、今回はここまでにしましょう。

それでは・・・・・







「「「次回もまたきてくれ(きてください)!!」」」

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