バカとテストと召喚獣~響き渡るバカ達の絆~   作:shin-Ex-

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第119話!

今回は少し短いです・・・・そしてメインを張るのは宮下要です。

「彼か・・・・・どうなるんだろ」

「要・・・・」

それでは本編に参りましょう。

「本編どうぞ」


第119話

「くそっ!こんな奴らに・・・・・!」

 

少年・・・・・宮下要は悔しそうに唸っていた。彼は今、目の前のAクラスの生徒(覗き犯)三名と召喚獣バトルをしていた。

 

しかし・・・・・

 

 

科目 数学

宮下要      49点

覗き犯三人組 平均240点

 

 

状況はあまりにも芳しく無かった。元々要の数学の点数は300点以上あったが、それはもはや風前の灯となっている。

 

「いくら3人相手にしてるからってこれはないでしょ」

 

「だよな~。マジ雑魚すぎ」

 

「立派だったのは点数だけだったよな~」

 

「ぐっ・・・・・」

 

覗き犯3人はニヤニヤといやらしい笑みを浮かべながら宮下を馬鹿にする。対する宮下は劣勢に立たされているためか言い返すことができずにいる。

 

「勝負はもうついてるようなものなんだからとっととどけよ。これ以上やられると恥ずかしいよ?」

 

「断る!ここで退く方が僕にとって恥だ!覗きなんて卑劣な行いはこの僕が絶対に許さない!」

 

覗き犯の一人が宮下に退くように促すが、宮下は断固としてその場から退こうとはしない。

 

「そう・・・・・それじゃあとっとと退場しやがれ!」

 

止めをさそうと3体の召喚獣は一斉に襲いかかる。

 

ここまでかと宮下が顔を歪ませたその瞬間・・・・・それを阻む者がいた。

 

「やめて!」

 

現れたのはAクラスの少女・・・・・凍堂涼香であった。

 

「大丈夫宮下くん?」

 

「凍堂さん・・・・どうして?」

 

「その・・・・・宮下くんのこと偶然見かけてそれで・・・・・」

 

「え~。凍堂さんお風呂入ってないの~」

 

「なんだよ・・・・・俺凍堂さんのこと覗けると思って覗きに参加したのに」

 

「俺も~。あ~あ、残念だなぁ」

 

涼香の言葉を遮るように言う覗き犯3名。どうやら3人とも涼香目当てで覗きをしようとしたらしい。

 

「・・・・・この下衆が。絶対に許さない」

 

3人の言動に怒りを覚えた宮下はこれまでにないほどの真剣な面持ちで睨みつける。

 

「絶対に許さない?お~怖っ」

 

「お前みたいな雑魚に何ができるんだよ」

 

「あ、そうだ。こんな奴とっとと片付けて涼香さんと少しお話するっていうのはどうかな?もしかすると覗きよりもよっぽど有意義になるかもしれないよ」

 

「「いいねそれ」」

 

「ひっ・・・・・」

 

覗き犯にいやらしい視線を向けられる涼香は、恐怖により思わず身を震わせてしまう。

 

「そんなことさせない!貴様らは僕が・・・・」

 

「いい加減ウザイんだよ!とっとと引っ込め!」

 

今度こそ終わらせるとばかりに一斉攻撃を仕掛ける覗き犯達。

 

宮下は果敢に立ち向かおうとした・・・・・だがその必要は無かった。

 

「「サモン!!」」

 

突然現れた2体の召喚獣・・・・・その召喚獣は目にも止まらぬ速さで覗き犯の召喚獣を戦死させてしまったのだ。

 

「やれやれ・・・・・ここまで来ると呆れを通り越して哀れに思える」

 

「同感です響様」

 

登場したのは響と咲夜であった。3人を睨むその視線は鋭く、恐怖さえ覚えるほどだ。

 

「な、仲渡に十六夜・・・・さん?」

 

「や、やべえよ・・・・・流石にこの二人には敵わねえって」

 

「で、でもそこに凍堂さんがいるのに・・・・・」

 

流石に響と咲夜がいたのではもうどうしようもないと思いつつも、涼香がいるのに退くわけにもいかないと葛藤する3人。

 

だが・・・・・

 

「・・・・・とっとと失せろ。はっきり言って俺は今機嫌が悪いぞ?」

 

「「「わかりました!!」」」

 

響が凄むと、3人は猛スピードでその場を去っていった。

 

「まったく・・・・・ああいうの見てると頭が痛くなる」

 

「そうですね・・・・・涼香、大丈夫かしら?」

 

「は、はい。私は平気です。でも・・・・」

 

涼香は宮下の方を見る。宮下は俯きながら拳を強く握り、震えていた。

 

「くくっ・・・・・はははははっ。カッコ悪いな僕は。あんな卑劣な連中相手に何もできないなんて・・・・・響だってそう思ってるんだろ?」

 

「・・・・・・・」

 

自嘲気味に笑いながら響に言う宮下だが、響は何も答えない。

 

「いつもそうだ。僕はいつだってこんな・・・・こんな・・・・・あはははっ・・・・・ははは・・・・・」

 

次第に笑い声が小さくなっていく宮下。表情もどこか暗い。

 

そして・・・・・とうとう本心を吐露し始める。

 

「・・・・・なんでだよ。なあ響・・・・・どうしてなんだよ?どうして僕はこんな・・・・・」

 

本当はわかっていた自分がどういう存在なのか。わかっていながらそれを認めず・・・・・いや、認めた上でそれを周りの人間に誤魔化していた。

 

「どうして僕とお前でそんなに違う?どうして僕はお前と違ってこんなに惨めなんだ?」

 

本当はいつも思っていた。思っていながら尊大な態度をとり、偉そうにして、周りに悟らせないように必死だった。

 

「お前はいいよな・・・・・強くて格好よくて立派で・・・・・・何度お前のようになれたらいいって思ったかわかるか?」

 

本当は認めていた。誰よりも昔から響の事を見ていて、ある意味では誰よりも響の事を知っている宮下は・・・・・本当は誰よりも響を認め、響を尊敬し、響の事を羨ましく思っていた。

 

なぜなら宮下は・・・・・

 

「どうして・・・・・どうしてなんだよ?僕達は同じ・・・・・落ちこぼれなのに!」

 

宮下要は・・・・・響と同じく『落ちこぼれ』に分類される存在なのだから。




今回は座談会はおやすみです。

本編短い上にこんなで申し訳ありません・・・・・


それでは次回もまたきてくださいね!

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