バカとテストと召喚獣~響き渡るバカ達の絆~   作:shin-Ex-

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第117話!

今回のメインは明久さん!そして姫島コンビが・・・・

「さて、どうなることか・・・・・」

「・・・・・」

なにやら空気が・・・・・それでは本編にまいりましょう。

「本編どうぞ」


第117話

 

「ふう・・・・・こっちはこれで一通り片付いたね」

 

「そうじゃの」

 

「「「勘弁してくれ~!!」」」

 

「うるさい!黙って来い!」

 

西村教諭によって連れて行かれる覗き犯達を目の当たりにしながら、明久と秀吉が呟く。

 

学園トップの操作技術をもつ明久、それに準ずる操作技術を持つ秀吉、優子。そして明久と秀吉からそれぞれ召喚獣の操作を学んでいた妹紅と輝夜を要する防衛線に覗き犯達が敵うはずもなく、戦いは終始一方的となっていた。

 

「それにしても・・・・・・妹紅も輝夜も前に出すぎよ。相手が大したことなかったからいいもののヘタをすれば戦死よ?」

 

優子が呆れたような様子で妹紅と輝夜に対して言う。

 

優子の言うとおり、二人の戦い方は特攻同然であった。防御無視で敵陣に突っ込み、そしてひたすらに敵を倒しまくるという一見作戦もへったくりもない戦い方だったのだから。

 

「輝夜はともかく私はちゃんと考えがあってああしたんだ」

 

「妹紅はともかく私には考えがあってああしたのよ」

 

「「・・・・・は?」」

 

妹紅と輝夜がほぼ同時に言うと、二人はキッとお互いを睨みつけた。

 

「輝夜。私はともかくってどういうことだよ?」

 

「それはこっちのセリフよ。私はきちんと考えた上で戦ってたのにその言い方は失礼じゃない?」

 

「なんだと!?」

 

「なによ!?」

 

(((ああ・・・・・また始まった)))

 

またいつものじゃれあいが始まったと、明久、秀吉、優子の3人は微笑ましそうに笑みを浮かべていた。

 

「でもあの二人のいう考えってなんなのかしら・・・・・二人は何かわかる?」

 

言い合いをしている二人を尻目に、優子は明久と秀吉の二人に尋ねた。

 

「多分腕輪の事を言ってるんじゃないかな?」

 

「おそらくそうじゃな」

 

「腕輪?」

 

「うん。妹紅の腕輪の能力は『リザレクション』。点数が0になったとき一度だけ元の点数の半分で復活できるんだ」

 

「復活能力って・・・・・・そんなのアリ?」

 

妹紅の召喚獣の腕輪の強力さに、優子は驚きを通り越して呆れていた。

 

「それじゃあ輝夜の召喚獣の腕輪は?」

 

「輝夜の腕輪の能力は『リジェネ』じゃ。1分の間5秒ごとに元の点数の10%回復することができる」

 

「回復できるからダメージ覚悟で突っ込んだってわけね・・・・・・これまた凄いわね」

 

またも呆れる優子。

 

「つまりは妹紅は戦死しても復活するから、輝夜はどうせ回復するからと特攻を仕掛けたってことね。確かに考えなしでは無いようだけど・・・・・・・」

 

それでも作戦としてはお粗末・・・・・優子はそう思ったが口には出さなかった。

 

「それよりもじゃ、ひとまずここの防衛線は終わったわけじゃから他のところに援護に向かったほうが良いかの?」

 

「そうね。こっちは大したことなかったけど他がそうだとは限らないし、各々比較的得意な科目の防衛線に向かいましょ」

 

「うん、そうだね。それじゃあ妹紅と輝夜にもそのことを・・・・」

 

「「見つけたわよ(ました)!!」」

 

明久が妹紅と輝夜に伝えようとした時、姫路と島田が現れた。二人共激しい剣幕だ。

 

「ようやく見つけたわよ吉井!」

 

「覚悟してください吉井くん」

 

「・・・・・ねえ、皆。僕の予想なんだけどあの二人って僕が覗きを先導してるって思ってるのかな?」

 

「十中八九間違いないじゃろうな」

 

二人の様子から色々と察した明久の発言に秀吉が同意し、他の3人(妹紅と輝夜は二人が登場した時に言い合いはやめた)はうんうんと頷いた。

 

「だよねぇ・・・・・・仕方ない。ねえ二人共。落ち着いて僕の話を聞いて・・・・・」

 

「「サモン!!」」

 

「・・・・・・ダメっすか」

 

明久は話し合おうとしたが、それは無駄に終わった。二人共召喚獣を出して殺る気満々だ。

 

 

 

「仕方ない、こうなった僕も・・・・」

 

「お待ちください!!」

 

仕方なしに明久も召喚獣を出そうとしたその時・・・・・・清水が乱入してきた。

 

「清水さん?」

 

「お姉様・・・・・もうこんなことはやめてください!」

 

「なによ美春!邪魔しないでよ!」

 

「そういうわけにはいきません!吉井明久は何も悪いことをしていません!ですからどうかやめてください!お願いします!」

 

島田を必死に説得する清水。

 

「うるさい!邪魔しないでって言ってるでしょ!あんたは私のこと好きなんでしょ?だったら大人しく下がってなさいよ!」

 

「確かに私はお姉様のことが好きです。ですが・・・・・・美春が好きなのは今のお姉様じゃありません!美春が好きなのは強くて凛々しくてカッコいいお姉様なんです!理不尽な理由で人を傷つけるお姉様ではありません!どうか美春の好きなお姉様に戻ってください!」

 

意を決したように、清水は自身の思いを島田へとぶつける。以前の島田に戻って欲しいと訴えかけるその姿に明久達はどれだけ真剣なのかを理解する。

 

だが・・・・・

 

「わけのわからないこと言わないで!あんたの気持ちなんて知ったことじゃないのよ!前々から思ってたけど・・・・・・・女の癖に私が好きだなんて気持ち悪いのよ!」

 

「!?そん・・・・・な」

 

島田に清水の思いは届かなかった。それどころか、島田は清水を傷つける言葉を口にする。

 

「お姉・・・・様」

 

清水はショックで涙を流しながらその場に膝をつく。

 

大好きな人から気持ち悪いと言われてしまった・・・・・・それは清水にとってこの上なく辛いことであろう。

 

「・・・・・皆、清水さんを連れて行って。僕は・・・・・あの二人の相手をするから」

 

妹紅達4人にそう促した明久の目には、強い決意が秘められているように見えた。

 

「・・・・・わかったのじゃ。皆、行こう」

 

秀吉達は清水を連れてその場を離れようとする。

 

しかし・・・・・妹紅だけは動こうとしなかった。

 

「妹紅?」

 

「・・・・・私も残る。いいよな明久?」

 

「・・・・・わかったよ」

 

もしここでダメだといっても、おそらく妹紅は聞き入れない。そう判断した明久は承諾した。

 

「それじゃあ私達は行くわね・・・・・・大丈夫だとは思うけど気をつけて」

 

輝夜がそう言うと、清水を連れて3人はその場を去っていった。

 

「さて、それじゃあやろうか。妹紅、わかってると思うけど・・・・・」

 

「大丈夫だ。私は手を出さないから。ただ・・・・・見守っていたいからいるだけだ」

 

「ありがとう・・・・・・サモン」

 

明久は自身の召喚獣を出した。

 

科目 日本史

吉井明久 614点

   VS

島田美波 102点

姫路瑞希 438点

 

「行くよ・・・・・・『ダブル』+『必殺』」

 

主獣 307点

副獣 307点

 

開幕早々、自身の持つ白銀の腕輪と召喚獣の持つ必殺の腕輪を発動する明久。召喚獣が二体に別れ、さらに防御力を犠牲にして攻撃力が大幅に上がる。

 

「一気に決めます!」

 

「覚悟しなさい!」

 

明久に対して姫路は腕輪を発動し、島田は突撃を仕掛ける。

 

姫路の熱線が主獣に、島田のレイピアの切っ先が副獣に真っ直ぐに向かってくる。

 

だが・・・・・

 

「無駄だよ・・・・・その程度じゃ僕は捉えられない」

 

相手は学年1の操作技術を誇る明久だ。そんな単調な攻撃が当たるはずはなく、召喚獣の身体を軽く捻らせるだけで回避してしまう。

 

そして明久はさらに副獣の召喚獣を操作、木刀で島田の召喚獣の首を後ろから叩きつける。

 

必殺の腕輪で攻撃力を高め、さらに急所を狙われてしまったことから島田の召喚獣は僅か一撃で戦死してしまった。

 

「そ、そんな!?」

 

「美波ちゃん!?」

 

「よそ見してる暇なんてないよ姫路さん」

 

一瞬で島田の召喚獣が戦死してしまったことに驚いている姫路。明久がその隙を見逃すはずがなく、二体の召喚獣で攻撃を仕掛ける。

 

主獣と副獣は木刀を突きたて、頭部にヒットさせる。

 

いくら点数が高いとは言え、攻撃力を高めた二体の召喚獣の急所狙いのその攻撃に耐えられるはずもなく・・・・・姫路の召喚獣も戦死してしまった。

 

「勝負あり・・・・だよ」

 

「「・・・・・」」

 

あまりにもあっけなく勝負がついてしまい、二人は何も言えずに項垂れてしまっていた。

 

「・・・・・島田さん、姫路さん。二人に話しておきたいことがある」

 

「「え?」」

 

明久の思いもよらぬ発言に、島田と姫路は疑問の声をあげる。

 

「僕は・・・・・・妹紅と付き合っている。妹紅と僕は恋人同士だ」

 

「!?う・・・・そ」

 

「そんな・・・・・本当ですか?」

 

「本当だ。遊園地でデートした時に告白して・・・・・それ以来私と明久は恋人同士だ」

 

「「・・・・・・」」

 

明久と妹紅の表情は真剣そのもの。故に二人はそれが嘘ではなく、本当のことであるとわかってしまった。

 

「姫路さん、島田さん・・・・・・僕は二人の気持ちは知ってる。二人が僕の事を・・・・・想っていてくれていることを。その上で言わせてもらう・・・・・僕が好きなのは、一番大切にしたいと思う子は妹紅なんだ。だから・・・・・二人の気持ちは受け取れない。ごめん」

 

明久は島田と姫路の二人に対して頭を下げた。

 

これまでの島田と姫路の行いは、はっきりと言ってしまえば酷いの一言に尽きる。だが、それでもそうなった原因の一端は明久の鈍感さにあるというのも事実だ。

 

故に明久は・・・・・そうするべきだと思ったのだ。

 

「・・・・・・ッ!!」

 

「美波ちゃん!?」

 

明久から告げられた現実が耐えられなくなってしまったのか、島田はその場を走り去っていってしまう。姫路もまた、島田を追って走っていった。

 

「妹紅、これで良かったのかな?僕はあの二人を・・・・・」

 

「明久・・・・・正直私にはこれが最善だったのかはわからない。私はあの二人と違って明久に選ばれたから・・・・・・あの二人の気持ちを理解することはできない。でも・・・・・」

 

妹紅はそっと明久の手を両手で包み込む。

 

「私は・・・・・明久を信じてる。明久の選択を・・・・・それだけしかできないから」

 

ニコリと微笑みを浮かべながらいう妹紅。その笑顔は、明久にとって何よりも好きなものであった。

 

「ありがとう妹紅・・・・・そろそろ行こっか。他のところを援護しないと」

 

「そうだな」

 

明久と妹紅は別の防衛線の援護に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

明久は姫路と島田に現実を突きつけた

 

この選択は果たしてどのような結果を生むことになるのか・・・・・・

 




あとがき座談会のコーナー!INバカテス!!

今回は妹紅さんをゲストにお招きしております!

「よろしくな」

はいよろしくお願いします!それでは進めていきましょう!

「姫路さんと島田さん・・・・・ひとまずは一つ先に進んだといったところだな」

「そうだね。でも・・・・・あれで良かったのかな?」

「後悔してるのか?」

「してないよ。僕の鈍感さが招いたことといってもいいからね。でも・・・・」

まあ、気にするなといっても無駄でしょうね。でもまあ、もうあとには引けないのですからあとは成り行きに身を任せるしかないのでは?

「・・・・・うん。わかってるよ」

「それならいいです」

「妹紅としてはどうあって欲しいと思っている?」

「私は・・・・・あの二人もやってる事は酷くても明久を想う気持ちは本物だと思う。だから・・・・・勝手だけど和解したいと思う」

まあ・・・・・確かに勝手といえば勝手ですね。

「主・・・・・妹紅を否定するの?」

そんなつもりはないですよ。というか勝手=悪いだなんて思っていませんし。妹紅さんがそう思うならそれでいいんじゃないですか?

「コイツ・・・・・たまにこういうこと言うからな」

「いじられキャラの癖に」

・・・・・いいこと言ったのに辛辣な対応。

まあいいや・・・・・今回はここまでにしましょう。

それでは・・・・・








「「「「次回もまたきてくれ(きてください)!!」」」」

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