バカとテストと召喚獣~響き渡るバカ達の絆~   作:shin-Ex-

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第115話!

今回はユーリさんとアリスさんがメインです。

「どっちかというとアリスの方が目立ってるけどな」

「そうだね」

では本編に参りましょう。

「本編どうぞ」


第115話

 

科目 英語

大上勇陸 523点

アリス・マーガトロイド 637点

 

その他モブ 平均200点

 

 

「オラオラオラ!その程度か!」

 

「ぐっ・・・・・クソッ!!」

 

「なんだアイツ・・・・・強すぎる!!」

 

英語科目の防衛線にて・・・・・覗き一派をユーリがほぼ一人で蹂躙していた。

 

襲いかかってくる覗き犯の召喚獣を、剣をジャグリングのように振り回して一体一体撃破していくユーリの召喚獣。こと剣の扱いに限定すればユーリの召喚獣にかなう者はいないといってもいいであろう。

 

「ユーリ・・・・・あなたどれだけ気合入ってるのよ?」

 

隣で戦いぶりを見ていたアリスは、ジト目をユーリに向けていた。

 

なお、ユーリが派手に暴れているせいでアリスを始めとした防衛側の生徒達は召喚はしたもののただ立ち尽くすだけであった。

 

「久しぶりの召喚獣バトルだからな。存分に楽しまないと損だろ?」

 

「わからなくはないけど・・・・・これは覗き防止のための戦いだっていうことは忘れないでね?」

 

「当然だ。こいつらアリスを覗こうとしてたって考えると・・・・・・・殺る気がでるからな」

 

「「「ひっ!?」」」

 

ニヤリと凄むような笑みを浮かべると、覗き犯達は悲鳴をあげて震え上がった。

 

中学時代は『長月の狂狼』と呼ばれて恐れられていたユーリの気迫は、一般人には少々恐ろしすぎたようだ。

 

「あなたそれ絶対ダメな方の字使ってるでしょ?まあ・・・・・・確かに覗きをするような人達には慈悲なんて必要ないけど」

 

ユーリの物言いに呆れるアリスであったが、覗きをするような輩に慈悲など必要ない。アリスは冷ややかな目を覗き犯の連中に向けていた。

 

「アリス・・・・・お前少し俺に似てきてないか?」

 

「私がユーリに?だとしたら・・・・・・いえ、なんでもないわ。忘れて」

 

「・・・・へえ」

 

だとしたら嬉しい・・・・・と言いかけて、アリスは誤魔化すようにそっぽを向いてしまった。しかし、その頬がほんのりと紅く染まっていることから、何を言おうとしたのかユーリは察して、いたずらっぽく笑ってみせた。

 

「な、なによ?」

 

「いいや、なんでもねえよ。それよりもとっととこいつら片付けるぞ」

 

「わ、わかってるわよ・・・・・」

 

ひとまず話を終えて、二人は覗き犯達を相手どることに集中した。

 

そうして覗き犯達を戦死させていき、残りが半数を切った頃・・・・・

 

「くくくっ・・・・・そこまでだ、大上!」

 

「あん?」

 

意気揚々と前に躍り出てくる生徒が三人・・・・・その生徒に、ユーリは見覚えがあった。

 

「お前ら・・・・・誰だっけ?」

 

「「「おい!!」」」

 

といっても、あくまでも見覚えがあるだけ。それが誰なのかはちゃんと覚えてはいなかったようだ。

 

ちなみに彼等、以前まで事あるごとにアリスに言い寄っていたAクラスのクズ三人衆である。

 

「大上・・・・まさか僕達の事を覚えていないとはやはり僕達と同じAクラスにふさわしくない愚か者のようだな」

 

「ああ、お前らAクラスの連中なのか・・・・・悪いな、お前らの言うとおりAクラス不相応な俺はどうでもいい奴の事をしっかりと覚えてられるほど記憶容量は多くねえんだよ」

 

「貴様・・・・・随分とふざけてくれるな」

 

「何とでも言えよ。覚えてもいねえ奴に何言われても知ったこっちゃねえ。というかお前達本当に誰・・・・ああ、やっぱ言わなくていいわ。覚えるつもりねえし」

 

「「「この・・・・」」」

 

ユーリの挑発とも言える発言に、男子生徒三人はぐぬぬと歯しりする。

 

「もういい・・・・こうなったら貴様を戦死させてマーガトロイドさんの前で恥をかかせてやる!」

 

「というかなんでマーガトロイドさんがここに?」

 

「これじゃあ参加した意味がないじゃないか・・・・」

 

「あ?なんだお前ら・・・・・・ひょっとしてアリスが狙いなのか?」

 

アリスの名が出て、ユーリの表情が、一際険しくなった。

 

「そうだ!マーガトロイドさんに振られた僕達には、マーガトロイドさんの入浴姿を見る権利がある!」

 

「それぐらい許されないと割に合わない!」

 

「というわけでマーガトロイドさん!今からでも遅くないから浴場に行くんだ!」

 

「こいつら本当にAクラスかよ・・・・・勉強しすぎて変な病気でもこじらせちまったのか?まあなんでもいい」

 

あまりにも勝手かつ、支離滅裂な理論を展開する三人にユーリは頭が痛くなるのを感じる。まあ確かにこれはひどすぎる。少し前までのFFF団を遜色ないほどの馬鹿と言ってもいいであろう。

 

もっとも、彼等は既に更生しているのでもはやそれ以下であるが。

 

「まあなんでもいい。俺の前で嬉々としてアリスを覗こうだなんて馬鹿言う奴らは・・・・・・容赦なく潰してやるよ」

 

「はっ、やってみろよこの馬鹿が」

 

「さっきまでの戦闘で疲れてるんだろ?そんなお前如き僕達がひとひねりしてやるさ」

 

「せいぜい無様にやられる姿をマーガトロイドさんに見せてやるんだな」

 

目に見える、まるでオーラのような怒気を纏わせながら言い放つユーリ。対して余裕層に薄ら笑みを浮かべる三人。

 

ユーリの怒気を前にして怯まないのはある意味凄いといえば凄いのだが・・・・・彼等に勝ち目など到底あるようには思えない。

 

そして、今まさに戦いが始まろうとしたその時・・・・

 

「待ってユーリ」

 

先程まで黙って話を聞いていたアリスが待ったをかけた。

 

「ん?どうしたアリス?」

 

「こいつら・・・・・私が倒すわ」

 

それはアリスにしては珍しく好戦的な発言であった。まあ確かに先程から自分のことで好き勝手な発言をしていたから怒るのは当然であるのだが・・・・・・

 

それ以上に・・・・・アリスが腹を立てることがあった。

 

それはユーリを侮辱された事。アリスにとって誰よりも大切で愛おしいユーリが侮辱されるのは・・・・・アリスにとってはただひたすらに我慢ならなかった。

 

「・・・・・大丈夫なのか?」

 

「愚問ね。私だってあなたほどじゃないけど召喚獣バトルは得意な方なのよ?こんな奴らに負ける気がしないわ。なんなら無傷で倒してあげるわよ」

 

「・・・・ははっ!そいつは大きく出たな。それじゃあ任せるわ」

 

その場をアリスに任せ、ユーリは退いた。そしてアリスは三人の前に立ちはだかる。

 

「というわけで私が相手よ・・・・・覚悟しなさい」

 

「ちょ・・・・待ってよマーガトロイドさん。僕達は君と「黙りなさい」・・・・・え?」

 

「私はね・・・・・今凄く不機嫌なのよ。これ以上私にその不快な声を聞かせないで!『人形召喚』!」

 

 

アリス 607点

 

 

アリスは腕輪の能力を発動させた。30点を消費して発動するその能力は・・・・・戦闘用の人形を召喚する力。

 

元々召喚獣に伴っていたものを含めて、合計7体の人形がアリスの召喚獣の周りにふよふよと浮いていた。

 

「やりなさい」

 

アリスの命令を受け、人形達は三人の召喚獣に襲いかかった。

 

ある召喚獣は剣で切り裂き、ある召喚獣は槍で突き刺し、ある召喚獣はメイスで叩き潰す。その戦いはさながら人形劇を思わせるようだった。

 

「な、何だこいつら・・・・ちょこまかと!!」

 

「くそっ!小さすぎて攻撃が当たらない・・・・・!!」

 

「こ、このままじゃ・・・・・」

 

一体一体は小さく、そこまで攻撃力が高いというわけではないが、その多彩な攻撃の前にどんどんと弱っていく三人の召喚獣。このままではまずいと、三人の表情は強張っていく。

 

「やめさせてくれマーガトロイドさん!僕達は君の敵じゃないよ!」

 

「敵じゃない?いいえ、あなた達は私の敵よ。私の大切な・・・・大好きなユーリを侮辱する・・・・・私の大嫌いな敵よ!これで終わりよ!」

 

止めとばかりに一斉攻撃を仕掛ける人形達。それによって・・・・・三人の召喚獣は戦死してしまった。

 

「「「そ、そんな・・・・・」」」

 

「勝負は付いたわ。最後に一つ言っておくけれど・・・・・・二度と私に関わらないで」

 

「あぁ・・・・」

 

「うぅ・・・・」

 

「・・・・・」

 

アリスは凍りつくのではないかと思うほどに冷徹な目で三人を睨む。今の三人には・・・・・アリスはまるで魔王にでも見えたのだろうか、恐怖によってその場に膝から崩れ落ちてしまった。

 

「おつかれさん、アリス」

 

「ユーリ・・・・・ええ。本当に疲れたわ」

 

三人との戦いを終えたアリスを労うユーリ。対してアリスは気疲れから表情が優れなかった。

 

「そうか。まあ気持ちはわかるぜ。でもまあ・・・・・あれだな」

 

「なに?」

 

「・・・・アリスが俺のために戦ってくれたっていうのは嬉しいもんだな。何よりアリスに大切だ大好きなって言われるのもグッときた」

 

「え?・・・・・ッ!?」

 

一瞬、ユーリが何を言ってるのかわからなかったアリスであったが、先程自分が叫んだことを思い出し、頭から湯気が出そうなほどに顔が熱くなるのを感じた。

 

「あ、あれは違うの!あれはその・・・・」

 

「違う?じゃあ俺はアリスにとって大切でもないし大好きでもないってことか?」

 

「そうじゃなくて・・・・ああもうっ!ユーリのバカァ!!」

 

「はいはい。バカで結構だよ」

 

顔を真っ赤にさせて抗議するアリスの頭を、ユーリは優しく撫でた宥める。どう見ても恋人同士がじゃれあっているようにしか見えない。

 

そして・・・・・

 

「「「・・・・・他所でやってくれ」」」

 

そんな光景を目の前で見た防衛側、覗き側の両生徒が戦うのも忘れて呆れ返っていたのはもはや当然のことであった。




あとがき座談会のコーナー!INバカテス!

今回はユーリさんとアリスさんをゲストにお招きいたしました!

「よろしくな」

「よろしく」

はいよろしくお願いします!それでは進めてまいりましょう!

「今回はユーリとアリスのターンか・・・・」

「登場主要キャラが俺とアリスっていうのは少なくねえか?」

いやぁ・・・・ぶっちゃけね?本当は別の所でのシーンもやろうとしたんだけど・・・・

「文字数の関係?」

・・・・・その通りでございます。

「まあそのおかげで私とユーリがメインになれたから私としてはいいけれどね」

「だな。それにしても・・・・くくっ」

「ユーリ!今あなた変なこと思い出したでしょ!」

「変なことじゃねえよ。ただお前が俺のこと大切だ大好きだって言ってくれたことを思い出しただけだ」

「や、やめてよ!あれはその・・・・・ああもうっ!」

顔真っ赤にして可愛いですね~アリスさん。

「否定はしないが・・・・・弄ってやんなよ主」

「あはは・・・・それにしてもアリス凄いね。あれだけの人形を同時に操れるなんて。僕なんてダブルで精一杯なのに」

「俺は一体だけで手一杯だよ・・・・・アリスチートじゃないか?」

当小説のアリスさんは作中屈指の並列思考の持ち主です。

「とってつけたような設定だな・・・・でもまあ原作が人形遣いだったからおかしくはないか」

「ところで操る人形が合計7体なのって・・・・・」

そこはあれですよ。東方のアリスさんの二つ名からね。

「やっぱりか」

さて、今回はここまでにしましょう。

それでは・・・・・





「「「「「次回もまたきてくれ(きてください)(きなさい)!!」」」」」

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