バカとテストと召喚獣~響き渡るバカ達の絆~   作:shin-Ex-

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第113話!

今回は響さんと佐藤さんのお話です!

「・・・・・シリアスだったりするのか?」

そんなことはないですよ・・・・・多分。

「そこ多分なんだ・・・・」

それでは本編に参りましょう

「本編どうぞ」




第113話

夕食前にレクリエーションルームに集まった教師陣と響達を始めとする主力メンバーは、覗き対策の作戦を練っていた。

 

「・・・・・・よし、まあ作戦はこんなところだろう」

 

西村教諭によって、覗き対策の作戦が一同に発表された。

 

「各教科に特化した生徒で班を組んで対処するか・・・・・シンプルだがそれが最良だろ。数で勝ってるうえ教師陣もこちら側についてるからこれでほぼ確実に防衛できる」

 

話し合いによって決まった作戦は雄二のお墨付きが得られる。

 

確かにシンプルではあるがそれ故に余計な混乱を招くこともなく、各自自分の役割に対処できるため、作戦としては問題ないことは明らかだ。

 

「それでは、各自女子の入浴時間の15分前には持ち場につくように。それまで解散だ」

 

西村の一言により、集まった一同はひとまず解散となった。

 

皆が部屋を出ていく中・・・・

 

「・・・・・はあ」

 

響は部屋の壁にもたれかかりながら溜息を吐いていた。

 

「どうしたの響?」

 

そんな響に、明久が声を掛ける。

 

「ん?まあちょっと考え事をな」

 

「ちょとって・・・・さっき話した作戦のことで何かあるの?僕は何も問題はないと思ったけど・・・・・」

 

「作戦については俺も異論ないさ。考えてたのは別のことだ」

 

「別のことって言うと?」

 

「・・・・・要のことだ」

 

どうやら響の考え事というのは宮下要のことらしい。

 

「要って・・・・・宮下くんのこと?というか今響、名前で・・・・・」

 

「昔は・・・・・そう呼んでたからな。宮下さんって呼ぶようになったのは確かに気に食わないからっていうのもあるが・・・・・・ある意味ではあてつけでもある。あいつは俺が苗字でさん付けするのがとういうことかわかってるからな」

 

「あてつけって・・・・・・どういうこと?」

 

明久には響が言ってうことの意味がさっぱりわからないようであった。

 

「それは・・・・わるい、やっぱり今は詳しくは話せない。ただ少しだけなら・・・・・あいつは普段から身勝手で横柄な態度をとるがあれはあいつの本心じゃない。あいつは元々・・・・・涼香の言うとおりいい奴なんだ。それに努力家でもあり・・・・・誰よりも劣等感を抱えている。だからこそああなっちまってるってのもあるんだけどな」

 

「えっと・・・・・よくわからないんだけど?」

 

響から簡単に説明された明久であったが、それでもいまいちよくわかっていないらしい。

 

まあ、宮下の普段が普段であるため、それはある種仕方がないことであるが・・・・

 

「・・・・決着がついたらちゃんと説明してやるよ。問題はそれがいつになるかなんだがな」

 

響は額に手を当てながら溜息を吐く。

 

というのも、実は防衛側の人員を確保するとき響は宮下にも声をかけようとしていたのだ。ただ、とうの宮下はそのことを察知しているのか、響が近づこうとするとすぐさまそそくさと離れていってしい話をすることはできなかったのだ。

 

「なんというか・・・・・僕には事情はよくわからないけど頑張ってね」

 

「ああ。それじゃあ俺達ももう行こうか。作戦について細かいところ皆と相談しておきたいし」

 

「そうだね。もうほとんど誰もいないし」

 

明久の言うとおり確かに、部屋にはもうほとんど人はいなかった。

 

話も人欄諾したので、響と明久も部屋を出ようとするが・・・・・

 

「あの・・・・仲渡くん、吉井くん」

 

その時に佐藤が響と明久に声をかけた。

 

「佐藤・・・・・」

 

「その・・・・・私あのことをお二人に謝りたくて」

 

どうやら佐藤が二人に声をかけたのは、例の脅迫状のことで謝罪したかったためのようであった。

 

「脅迫状のこと・・・・・・謝っても許されないことだということはわかっていますがそれでも謝らせてください。本当に・・・・・本当にすみませんでした」

 

佐藤は深々と頭を下げて響と明久に謝罪した。

 

「佐藤・・・・確かに今回のことに関して俺は怒ってる。俺だけじゃなくてアキ達まで巻き込んだ挙句、おおごとにしたんだからな。そのことに関しては反省すべきだ」

 

「そうだね。正直・・・・・佐藤さんには悪いけど僕も簡単には許すことはできないよ」

 

「・・・・・わかっています。私はそれだけのことをしましたから」

 

表情を暗くして、顔を伏せる佐藤。誰から見ても深く反省しているというのがよくわかる。

 

「その上で、俺はお前に一つの罰を与えようと思う」

 

「・・・・はい。なんでも言ってください。覚悟は出来ています」

 

そんな佐藤に対して、追い討ちをかけるように言う響。対して佐藤はその罰を受ける覚悟は出来ているようだ。

 

「佐藤・・・・・・お前への罰は・・・・・俺と友達になることだ」

 

フッと微笑みを浮かべながら、響は佐藤に手を差し伸べながら言う。

 

「・・・・・え?あの・・・・仲渡くん?」

 

響の言っている事の意味が分からずに混乱する佐藤。当然であろう。友達になることが罰だなんて普通は考えられない。

 

「あははっ。やっぱり、響ならそう言うと思ったよ」

 

ただ、響の幼馴染である明久は予測していたようで、笑みを浮かべていた。

 

「俺に対して申し訳ないと思ってるんだろ?だったら俺と友達になってくれ」

 

「どうして・・・・・?どうして友達になることが罰になるんですか?」

 

「これは俺の憶測なんだけど・・・・佐藤さ、謝った後はもう二度と俺達に関わらないようにしようって思ってただろ?」

 

「・・・・・はい。私には仲渡くん達と関わる資格なんてないから・・・・・」

 

「だからだよ」

 

「え?」

 

「だから・・・・・友達になることが罰になるんだ。それは佐藤が望まないことだから。だから・・・・・友達になってくれ」

 

佐藤が望まないから友達になることが罰になる・・・・・旗からすればめちゃくちゃな考えであった。

 

ただ・・・・・

 

(ああ、そうだ・・・・・そうだった。私が好きになった仲渡くんは・・・・こういう人だった)

 

佐藤はそんなめちゃくちゃな考えは実に響らしいと感じていた。

 

誰よりも絆を重んじ、誰よりも絆を紡ぐことに拘わる響らしいと。

 

「・・・・・いいんですか?私は皆に迷惑をかけました。仲渡くんがそれを望んでも他の方は・・・・特に吉井くんは・・・・・」

 

「僕は別に構わないと思ってるよ。響の言うとおり、それが罰になるわけだしね」

 

明久は佐藤が友達になっても構わないようだ。もっとも、明久のことであるため罰などという考えは一切ないであろうが。

 

・・・・・まあそれは響も同じだが。

 

「他の皆には俺から言っておく。皆ならきっと・・・・認めてくれるさ。というわけで・・・・・いいか佐藤?」

 

「・・・・・それはこちらのセリフです。本当に私なんかが・・・・いいのですか?」

 

もう一度確認をとる佐藤。

 

だが・・・・・その答えはわかりきっていた。

 

「良くなければこうし手を伸ばしたりはしないさ」

 

「・・・・・そうですね」

 

佐藤は・・・・差し出された響の手を掴んだ。

 

「よろしくお願いします」

 

「ああ、よろしく佐藤。それと・・・・・ありがとう」

 

「え?」

 

「俺のこと・・・・・救おうとしてくれてありがとう。俺のこと想ってくれてありがとう。そして・・・・・気がつくことができなくてごめん」

 

咲夜と出会うもっと前から自分の味方で在ろうとしてくれた佐藤に、響は感謝を、そして気がつくことができなかった謝の言葉を口にする。

 

「・・・・いえ、いいんです。その言葉で・・・・・もう報われました」

 

「・・・・そうか」

 

「それでは私はこれで。これから清水さんにも謝って来きます」

 

「ああ・・・・わかった」

 

響は清水に謝りに行った佐藤を見送った。

 

「・・・・・まったく、本当に響は・・・・」

 

「なんだよ?」

 

「いや、まあ・・・・・単純にそういうところは尊敬できるなと思っただけだよ」

 

「・・・・・バカなこと言ってないで俺たちも行くぞ」

 

響はぶっきらぼうにそう言い放つと、部屋から出て行った。明らかに照れ隠しであろう。

 

「・・・・・本当、僕も見習わないとね」

 

意味ありげにそう呟いた明久もまた、響を追って部屋を出た。




申し訳ないですが今回座談会はなしです。

・・・・・・座談会もね、結構時間がかかるんだ(遠い目)

次回はちゃんとやりますからどうかご容赦を。

それでは次回もまたきてくださいね!!

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