バカとテストと召喚獣~響き渡るバカ達の絆~ 作:shin-Ex-
今回は意外な事実が二つ判明します!
「これは・・・・・意外すぎるだろうな」
「そうだね・・・・」
それでは本編にいきましょう。
「本編どうぞ」
休憩時間になり、先程まで響達と勉強していたメンバーは空いている部屋に集まっていた。
休憩時間まで待ったのは内容がないようなので流石に勉強の時間で話すわけにはいかないと判断したためだ。
「とりあえず涼香、君はどうして俺が脅迫されていることを知っているんだ?」
響は真剣な表情で涼香に尋ねる。
「その・・・・・実は私見ちゃったんです」
「見たって・・・・何をかしら?」
「・・・・・・響君と明久君の下駄箱に手紙を入れてる人を」
「「「!?」」」
涼香の発言に、一同は衝撃を受ける。
話が確かなら涼香は・・・・脅迫犯が誰なのかを知っているということになる。
「それでその・・・・・自分なりに色々と調べてみたら響君と明久君が脅迫されてるってわかって・・・・・だから犯人はその人だと思ったの」
「そうか・・・・それで?一体その人は誰なんだ?」
「それは・・・・」
そっと目を閉じ、口を閉ざす涼香。そしてしばらくして意を決したように目を見開き・・・・・その人物の名を口にした。
「脅迫犯は・・・・・・Aクラスの佐藤美穂さんです」
「「「・・・・・え?」」」
その名はあまりにも予想外であったようで、皆キョトンとした表情をする。
「ちょ、ちょっと待って。美穂が・・・・・・犯人?」
「おいおい・・・・マジかよ」
事実を受け入れられず、呟くアリスとユーリ。特にアリスは呼び捨てにしていることからある程度親交があるようだ。
「美穂さん・・・・・私何度か話をしたことがありますけど、とてもそんなことするような人では・・・」
「そうだね・・・・・僕も信じられないよ」
早苗も龍牙も同じく、信じられずにいた。
「あの・・・・・信じられないかもしれませんが本当なんです。脅迫犯は・・・・彼女なんです」
信じていない様子を見て、涼香は念押しするようにもう一度言う。
「・・・・・ええ。信じるわ。こういってはなんだけれど・・・・・正直納得がいったわ」
「そうですね。私も・・・・納得です」
「どういうことだ咲夜、トーマ?」
ただ二人、咲夜と融朝は納得しているようだ。その理由を響が尋ねる。
「佐藤さんと昨年同じクラスだったのですが・・・・・響のことを見つめている姿を頻繁に目撃しました。響に好意があることは間違いないでしょう」
「私は・・・・・・よく彼女に睨まれていたので。それも響様がいない時に限りますので。そのこととあの脅迫状の文面から考えて・・・・・・納得できてしまいました」
「・・・・・そうか」
融麻と咲夜の説明を聞いて響も納得した・・・・いや、せざるを得なかった。
目撃証言がある以上、佐藤が響を脅迫した犯人であることはもはや確定的であった。
「響様、お願いがあるのですが・・・・・」
「なんだ咲夜?」
「・・・・彼女の事は私に任せてもらえないでしょうか?」
「え?」
咲夜のお願いに響は首をかしげた。
「彼女が一番憎らしく思っているのはおそらく・・・・いえ、間違いなく私です。私がいなければ彼女があの脅迫状を出すことはなかった・・・・・ですから私が彼女と話して決着をつけたいのです」
「咲夜・・・・・気持ちはわかるが・・・・」
「お願いします響様。必ず解決して見せましので・・・・どうか・・・・」
渋る響であったがそれでも咲夜は引かなかない。主である響に対してここまで頑な態度を示すのは珍しいことであった。
「・・・・・わかった。このことは咲夜に任せる。頼んだぞ」
「はい。ありがとうございます」
とうとう響が折れて、佐藤のことは咲夜に一人することとなった。
「・・・・それじゃあ私はもう行くね。咲夜さん、佐藤さんのこと・・・頑張ってね」
話を終えたため、踵を返して部屋を出ていこうとする涼香。
しかし・・・・
「「ちょっと待って(まってください)」」
そんな涼香を、響と融麻が引き止めた。その表情は嫌に神妙だ。
「二人共どうしたの?」
響と融麻のただならぬ様子に疑問を抱いた龍牙が二人に尋ねた。
「まあちょっと・・・・まだ涼香に聞きたいことがあってな」
「私に聞きたいこと・・・・・ですか?」
「ええ。涼香、正直に答えてください。佐藤さんのこと・・・・・・あなたは誰から聞いたのですか?」
「ッ!?」
「その反応・・・・・やっぱりそういうことか」
突然の融麻からの問いかけにおおきく目を見開いて過剰な反応を示した涼香。そんな涼香を見て響はやはりとどこか納得したような表情を浮かべた。
「えっと・・・・一体どういうことですか?」
何が何やらわからないといった様子の早苗が尋ねる。
「ただの推測だったんだが・・・・・脅迫状の件、涼香は直接見ていたんじゃなく誰かから聞いたっていうことだよ」
「そ、それは・・・・・」
どうやらその推測は当たっているらしく、涼香は動揺して視線をそらす。
「涼香・・・・・いったい誰から聞いたのですか?」
「・・・・・答えてくれ」
涼香を問い詰める響と融麻。だがしかし・・・・・二人は既にわかっていた。涼香が誰から聞いたのかを。
「・・・・宮下くん」
「え?」
「・・・・涼香、お前今なんて・・・・?」
「私に教えてくれたのは・・・・・宮下要くんなの」
涼香の口から語られた名は先程の脅迫犯と同じぐらい・・・・・いや、ある意味ではそれ以上に予想外な人物の・・・・宮下要の名前であった。
「宮下が・・・・・だと?嘘だろ?響のこと馬鹿にしてるあいつがそんなことするはず・・・・・」
「宮下くんのこと悪く言わないで!」
宮下を非難する勇陸に、涼香は声を張り上げて言い放った。
「宮下くん・・・・宮下くんは悪い人なんかじゃない!本当は・・・・・本当は・・・・・」
「・・・・・わかっていますよ涼香」
「え?」
「あいつは・・・・・宮下さんは悪い人間なんかじゃないなんてことわかってる。誰よりも不器用で意地張ってるだけなんだってこともな。まあだからこそ気に食わないんだが」
「・・・・そうですね」
どこか複雑そうな表情で宮下を評する響と融麻。
「・・・・響君、融麻君。お願いがあるの」
「なんだ?」
「宮下くんを・・・・・助けてあげて。私は宮下くんが本当は誰よりも優しいことを知ってるから・・・・・
今の宮下くんのことを見ていられないの。だから・・・・お願いします」
涼香は頭を下げて二人に頼み込んだ。
「・・・・・わかった。あとで話をしてみるよ」
「ええ。本当は要様自身で乗り越えて欲しかったのですが・・・・その兆しがない以上。強引にでも矯正する必要がありますからね」
「二人共・・・・ありがとう」
涼香は頼みを了承した響と融麻に礼を述べた。
「あの・・・・・響様?つまりはどういう事なんですか?」
いまいちまだ要領をつかめていない咲夜が響に尋ねる。
「・・・・・あいつはある意味では俺と同類なんだ」
「響様と・・・・同類?」
「そうだ。ただあいつはそれを受け入れられない・・・・いや、受け入れた上で、一人でそれに抗おうとしてる。だから苦しんでるし、本心じゃないくせに俺のことを陥れようとしている。さっき俺を覗きの先導者だって言い放ったのだっておそらく・・・・」
「私に脅迫犯のことを話したのが自分だと悟らせないようにするため・・・・だね」
「でしょうね。一々面倒な気を配って裏目に出るあたりが要様らしいと言えばらしいですが」
要の行動に呆れかえる融麻。しかしその態度からはいつものような宮下への刺は一切感じさせなかった。
「未だ私にはよくわからないのですが・・・・・?」
話を聞いてもさっぱりな咲夜。他の者たちも同じらしく頭にハテナを浮かべている。
「それはまあ・・・・少し複雑でな。それに俺が気安く話すのも良くはないだろうし」
「そうですね・・・・・申し訳ありませんが私も要様の従者としてあまり話せません。あとできちんと本人の口から話させますので・・・・それで手を打ってください」
結局、詳しいことは本人の口から話させることとなったため、分からずじまいであった。
(さて、どうやって
響はどうやって要を説得させようかと思いを馳せていた。
少々スランプ気味なので座談会はお休みします。
この話でやらないとか結構アレな気がしますがどうかご容赦ください。
それでは失礼致します。
次回もお楽しみに!