バカとテストと召喚獣~響き渡るバカ達の絆~   作:shin-Ex-

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第104話!

今回は咲夜さんが激情をあらわにします。

「あれはあれで怖いよね・・・・・」

「まあ・・・・そうだな」

それでは本編にいきましょう。

「本編どうぞ」


第104話

「もう一度聞くわよ・・・・・あなた達一体何をしているの?」

 

咲夜は再び女子達を威圧しながら尋ねた。

 

「こ、こいつらが覗きをしたからお仕置きにきたのよ!」

 

咲夜の問いかけに島田が怯えながらも答える。

 

「覗きですか・・・・・それは由々しきことね。一応聞くけれど・・・・・もちろん証拠はあるのよね?」

 

「あ、あります!これがお風呂の脱衣所に仕掛けてあったんです!」

 

姫路が咲夜に仕掛けられていた盗聴器とカメラを見せながら言う。

 

「そう、それが証拠なの・・・・・ふざけないで」

 

「「「ヒッ!!」」」

 

咲夜が先ほどよりも威圧を強め、殺気を込めながら睨むと、女子達は恐怖により震え上がる。

 

「それはあくまで覗きがあったという証拠・・・・・響様達が犯人だという証拠ではないわ」

 

「で、でもこんなことするのこいつら以外に考えられ「本気で言っているのかしら?」・・・・・え?」

 

「それは・・・・本気で言っているのかしら?だとしたら・・・・・あなた達の目は腐っているわね」

 

「ど、どういうことですか?」

 

「普段の響様達を見ればそんなことしないということは容易にわかるのに・・・・・それなのに響様達以外考えられない?馬鹿げているわね。元々あなた達の事は好きではなかったけれど・・・・・完全に失望したわ」

 

咲夜はつまらないものを見るかのような目で姫路と島田を見る。

 

「失望って・・・・なんでウチ達があんたに・・・・」

 

「黙りなさい。悪いけど・・・・・これ以上一言も言葉を発しないでもらえるかしら?もう不愉快でしかないわ」

 

「「ッ!?」」

 

殺気に気圧された島田と姫路は、咲夜の言うとおりそれ以上言葉を発することはなかった。

 

正確には喋りたくても恐怖で喋れなくなっているからであるが。

 

「それと・・・・・あなた達」

 

「「「は、はい!」」」

 

島田と姫路以外の女子達は怯えきっているようで反射的に返事を返した。

 

「あなた達はどうして響様達を疑っているのかしら?」

 

「し、島田さんと姫路さんが犯人はこいつらに間違いないって言うから・・・・」

 

「具体的な証拠もないのに?」

 

「それは・・・・その・・・・・」

 

女子達は言いにくそうに言い淀み、咲夜から顔を逸した。

 

「・・・・・まさかとは思うけれど響様達がFクラスの生徒だからなんて理由じゃないでしょうね?」

 

「「「ッ!!」」」

 

咲夜が問うと、女子達は顔を強ばらせた。明らかに図星だとわかる。

 

「・・・・・呆れてものも言えないわね。聞くけどあなた達は響様達に何か迷惑をかけられたことがあるの?響様達が悪事を働くところを見たことがあるの?あるのだったら・・・・・教えてくれないかしら?」

 

「「「・・・・・」」」

 

女子達は黙して語らなかった。当然だ。そんな光景一度たりとも見たことがないのだから。

 

「どうやら無いようね。勝手な憶測だけで決め付けて響様達を疑ってこともあろうにお仕置きしようとするなんてあなた達は何様なの?そもそもそんなことをあなた達の独断でしていいと思っているの?はっきり言ってあなた達は浅はかだとしか・・・・・」

 

「咲夜」

 

まるで言葉を遮るかのように、響は咲夜の名を呼びながら抱きしめた。

 

「もういいよ。もういいから・・・・・これ以上はやめてやれ」

 

響は先程まで抱いていた激情が嘘のように優しい声色で咲夜を諭した。

 

「響様・・・・ですが」

 

「彼女達ももうわかってるだろうから。咲夜に言われてきちんと反省している」

 

響の言うとおりであった。響達を疑っていた女子達は咲夜の説教によって既に自らの過ちを反省している。

 

・・・・・若干二名を除くが。

 

「それに何より・・・・・これ以上は流石に酷だ」

 

苦笑いを浮かべながら女子達を見る響。女子達は咲夜の威圧感で怯えきって顔色を悪くさせながら震えている。

 

「俺達のために怒ってくれたっていうのはわかってるけど・・・・もう十分だ。だから・・・・な?」

 

「・・・・・わかりました」

 

他ならぬ自分の主である響の頼みを咲夜が拒否するはずもなく、咲夜は女子達を威圧するのをやめた。

 

「君達もさ・・・・・もう用はないだろ?だったら悪いけど出て行ってくれないか?こんなこと言いたくないけど・・・・・これ以上君達の顔を見ていたくないんだ」

 

「それと一応言っておくけれど・・・・今回の件は私の友人が西村先生に報告しているわ。後で何らかの処罰がくだされるかもしれないから覚悟しておきなさい」

 

響と咲夜は穏やかだがきっぱりとした口調で言い放つ。

 

「・・・・・わかったわ」

 

「疑って・・・・・ごめん」

 

「・・・・・失礼します」

 

女子達は本当に申し訳なさそうな表情をしながら部屋から退出し始める。

 

ただ・・・・・

 

「「・・・・・」」

 

姫路、島田の二人は無言で響達を睨んでいた。どうやら未だに彼らが犯人だと疑って・・・・というより決め付けているようだ。

 

「姫路さん、島田さん・・・・・まだ何かあるの?」

 

そんな二人に響が声を掛けた。

 

すると二人はバツの悪そうな表情で部屋から出て行った。

 

「全く・・・・・勘弁してくれよ」

 

女子が全員退室し終えると、雄二はやれやれといった様子で肩をすくめた。

 

「確かにそうだね。いくら僕達がFクラスだからって・・・・・それだけで疑われるなんてね」

 

「・・・・・俺は覗き目的でカメラなんて仕掛けない」

 

「というかなぜか儂は被害者側として扱われておったきがするのじゃが?」

 

明久、康太、秀吉の3人も思い思いのことを口にする。

 

「本当に・・・・・正直嫌になるな。咲夜もすまなかったな、なんか変なことに巻き込んじゃって。でもどうしてここに?」

 

「はい。カメラの件で響様達の部屋に彼女達が向かったと聞いていてもたってもいられなくなったものですから・・・・・迷惑だったでしょうか?」

 

「いいや・・・・咲夜が来て俺達の為に怒ってくれて嬉しかったよ。ありがとう」

 

「いえ、そんな・・・・・」

 

響がニッコリと笑顔を浮かべて礼を言うと、咲夜は恥ずかしそうに顔を赤らめた。

 

その一方で・・・・・

 

(でも・・・・・彼女達下手したらトラウマになったよね?)

 

(今の咲夜は・・・・・かなり恐ろしかったからの)

 

(だがあそこで咲夜が来なかったら・・・・)

 

(多分響がキレてただろうね。凄く不機嫌そうにしてたから)

 

(・・・・・どちらにしてもいたたまれない)

 

明久達4人はアイコンタクトでこのようなやりとりをしていた。

 

その時・・・・

 

「明久!大丈夫か!」

 

「・・・・・雄二、平気?」

 

「康太くん!なにもされなかった?」

 

「無事秀吉?」

 

血相を変えた妹紅、翔子、愛子、輝夜が部屋に入ってきて、それぞれ想い人のところに駆け寄る。

 

「うん。平気だよ」

 

「何かされる前に事なきを得たからな」

 

「・・・・・咲夜が来てくれたおかげで助かった」

 

「儂達はなにもされておらぬから大丈夫じゃよ」

 

「「「「よかった・・・・」」」」

 

無事を確認すると4人は安心したようにほっと肩を撫で下ろした。

 

「というより咲夜・・・・・私達を置いていかないで欲しかったんだけど?」

 

輝夜が咲夜に言う。どうやら途中までは一緒だったようだが咲夜が一人で先走ってしまったようだ。

 

「ごめんなさい。一刻も早く響様を助けなければと思ったら気が気でなくて」

 

「だからってあれは早すぎるだろ・・・・」

 

「あはは・・・・・人間業じゃないよね」

 

「・・・・・さすがは咲夜」

 

咲夜の忠誠心による人間離れしたスペックに妹紅、愛子、翔子は感心していた。

 

「それにしても・・・・・姫路と島田には困ったものじゃの」

 

「だな。あの二人は本当に・・・・・」

 

秀吉と雄二はことの元凶とも言える姫路と島田対して呆れ返っていた。

 

「姫路さんも島田さんも・・・・なんで僕達を目の敵にするんだろう?二人に何かした覚えはないのに・・・・」

 

「・・・・原因は明久だ」

 

二人の行動の真意をつかめないでいる明久に響が言う。

 

「僕が原因?」

 

明久はわけがわからないといった様子で首を傾げる。

 

「響様・・・・・話すのですか?」

 

「ああ・・・・理不尽とは言えこのままじゃあなにも変わらない。だったら・・・・明久に知ってもらっておたほうがいい。このままじゃ一生気がつかない可能性もあるしな」

 

「でも・・・・」

 

輝夜はチラっと妹紅の方を見る。

 

「・・・・・私も響に同感だ。このままじゃ・・・・・あの二人のためにならないと思う」

 

「妹紅まで何言ってるの?僕にはわけがわからないんだけど・・・・・」

 

「あのなアキ・・・・・姫路さんと島田さんはお前のことが好きなんだよ」

 

「・・・・・え?」

 

明久は信じられないといったように呆けた声を出す。

 

「あの二人が僕のことを?だって二人共いつも僕に暴力を・・・・」

 

「それは行為の裏返しだ。好きだからこそああいうことをしてしまうんだろう。まあ正直気持ちはわからないが」

 

「僕が好きだから暴力を?だったら僕はどうすれば・・・・・・」

 

「・・・・・明久。これは私の勝手な考えだけどさ・・・・あの二人といつかちゃんと話をして欲しい」

 

「妹紅?」

 

「私がこんなこというのもなんだけど・・・・・このままじゃあの二人はずっとお前に囚われて・・・・ずっとあのままなような気がするんだ。だから・・・・・ちゃんと話をしてあの二人を・・・・救ってあげて欲しい」

 

妹紅は明久をまっすぐに見つめながら訴え掛ける。

 

姫路と島田が今まで明久にしてきたことは許せない。だが二人共自分と同じで明久に行為を寄せている。

 

それ故に妹紅は・・・・・姫路と島田を何とかしてあげたいと思っているのだろう。

 

「妹紅・・・・・わかった。いつかきちんと話をするよ」

 

妹紅の説得により、明久は姫路、島田ときちんと話をすることを決めた。

 

ある程度話が纏まったその時・・・・

 

「皆大変よ!」

 

今度はアリスが部屋に駆け込んできた。

 

「どうしたのアリス?あなた確か西村先生に覗きの件を知らせに行っていたはずよね?」

 

ただならぬ様子のアリスに咲夜が尋ねる。

 

「それが・・・・・今度はカメラじゃなくて一部の男子が直接女子風呂を覗こうと押し寄せてきてるの!」

 

「「「「はあ!?」」」」

 

あまりのことに一同は驚きを隠せずにいた。

 

「今ユーリ達が食い止めてるけど数が多すぎて止めきれそうにないの!皆の力を貸して!」

 

「次から次へと全く・・・・・わかった。皆、すぐに行くぞ」

 

響が言うと、一同は対処の為に部屋から飛び出していった。

 

 

 

 

 




あとがき座談会のコーナー!INバカテス!

今回のゲストは咲夜さんです!

「よろしくね」

はいよろしくお願いします!

それにしても・・・・・咲夜さん恐い(汗)

「咲夜は怒るとああやって威圧するんだ」

「絶対に手は出さないんだけど・・・・・恐すぎてトラウマになる人もいるしね」

あれで中学時代に響さんに嫌がらせした人にトラウマを植え付けたんですね。

「そんなに恐いかしら?」

それはもう。あそこで響さんが止めなかったら彼女達あなたに恐怖心を抱いていましたよ。

「まあ今回は多分ギリギリセーフだけどな」

「それにしても・・・・姫路さんと島田さんって僕のこと好きだったんだ」

「まあだからってあの態度と暴力はないけどな」

よくよく考えたら明久さんじゃなくても普通は気がつかないような気もします。

「言われてみればそうね・・・・・」

「否定はできないな」

「それ考えると僕って鈍くはないんじゃ?」

「「「それはない」」」

「まさかの全員一致!?」

何を言ってるんですか。あなたの鈍さは某女性しか動かせない兵器を動かしちゃった男と同レベルなんですよ。

「ラノベキャラ鈍さランキングがあったらトップ3に堂々入る程だな」

「人類史上ではトップ10に入るわね」

「そこまでなの!?」

「「「そこまでなの」」」

「・・・・・軽く凹むんだけど」

まあもっと凹めばいいんじゃないですかね?

「・・・・今日の主なんか酷くない?」

明久さん・・・・・鈍すぎるのは罪なんですよ?

「・・・・胸に刻んでおきます」

「とりあえず今回はここまでか?」

「そうですね」

それでは・・・・




「「「「次回もまたきてくれ(きなさい)(きてください)!!」」」」

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