バカとテストと召喚獣~響き渡るバカ達の絆~   作:shin-Ex-

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第97話!

今回は男子二組目のレースと罰ゲームのお話です!

「それでこのプール編は終わりだな」

「かなり長かったよね・・・・・」

・・・・・ですね。

それでは本編にいきましょう。

「本編どうぞ」


第97話

「用意・・・・・・スタートです!」

 

ザバン!

 

葉月の合図とともに最終レースが開始され、響、ユーリ、霖之助、蒼牙、康太はプールに飛び込む。

 

スタートダッシュを決めたのは・・・・・響、ユーリであった。二人は上手く飛び込みを成功させ、他のメンバーから頭一つ分抜きに出ている。

 

「さすがはユーリね。泳ぐのも上手だわ」

 

ユーリのスタートが上手くいったのを見て、アリスがどこか誇らしげに言う。

 

「響様・・・・どうかその調子で」

 

それに対して咲夜はどこか心配そうに響を見ている。

 

というのも響は基本的にはスポーツは万能であるが元々あまり泳ぎが上手くはないのだ。

 

「霖之助さん・・・・・思ったよりも泳ぐの上手なんだ」

 

優子は霖之助の泳ぐ姿を見ながらそう呟く。霖之助は現在響、ユーリの後ろにぴったりと付いており、予想外の活躍を見せている。

 

そして残る康太と蒼牙は・・・・3人から大きく離されていた。

 

「康太くん!しっかり!」

 

「蒼牙さん!無理はしないでくださいね!」

 

スタートダッシュに失敗してしまった康太に愛子は激励の言葉を投げかけ、そして美鈴は蒼牙への心配を顕にする。

 

実はこの2名は現在体調が芳しくなかった。

 

康太は愛子の水着姿に興奮しすぎて鼻血を出しすぎて体力が落ちてしまっており、蒼牙は前日に空手の試合に参加しており、その時に体を痛めてしまっていたのだ。

 

しかしレースはまだ始まったばかり。

 

はたして中盤以降どうなるのか・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レースが中盤に差し掛かると戦局に変化が訪れた。

 

「響様・・・・・」

 

先程までトップを泳いでいた響であったがスピードが落ちてしまい、ユーリにリードを許してしまっていた。そんな響を不安そうに見つめる咲夜。

 

一方でユーリもペースを若干落としてしまっていたが響程ではなく、現在は先頭を泳いでいる。

 

しかし・・・・・今まさにそのユーリに並ぼうとしている者がいた。

 

「霖之助さん!もう少しです!」

 

その人物は霖之助であった。霖之助はスタートの勢いを一切落とすことなくユーリに迫っていく。

 

そんな霖之助の快進撃を多くの者は予想できていなかったらしく、驚きを顕にしていた。

 

その一方でスタートで出遅れてしまっていた康太と蒼牙はこの中盤にスピードを上げていた。特に康太の追い上げは凄まじく、速さだけで言えば現在レースに参加している者の中では最も速い。

 

現在の順位はユーリと霖之助が並んで1位。3位に響がついており、響に康太、蒼牙の順で続くといった形だ。

 

ユーリ、霖之助と蒼牙の間には大きな差があるが逆転できないほどではない。

 

レースの結果がどうなるか・・・・・それは終盤次第となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レースは終盤戦、殆どのものがスタミナが尽きてスピードが落ちてしまっていた・・・・・・ただ一人を除いて。

 

その人物はむしろ終盤に差し掛かるとスピードをあげ、他者を大きく引き離していき、そのまま一番にゴールする。

 

その人物は・・・・・

 

「おめでとうございます霖之助さん!」

 

「ありがとう優子さん」

 

霖之助であった。笑顔を浮かべながら霖之助に駆け寄ってきた優子に霖之助は笑顔で応じる。

 

「全く・・・・本当に霖之助はスポーツ万能ね」

 

「そうだな。根っからのインドア派のくせして」

 

そんな霖之助を見て苦笑いを浮かべる永琳と慧音。二人は霖之助とは古い付き合いなので霖之助の運動神経の良さを知っていたようだ。

 

「あ~・・・・くっそ。いけると思ったんだけどな」

 

霖之助から少し遅れてゴールしたユーリは悔しそうに頭を掻きながらぼやいていた。よほど悔しかったようだ。

 

「でも2位なら十分に凄いわ。流石はユーリね」

 

「ははっ、サンキュなアリス」

 

悔しそうにするユーリにアリスは励ましの言葉を送る。そしてユーリはそんなアリスの頭を撫でながら感謝の言葉を述べた。

 

ちなみにこの時アリスの顔が赤くなっていたことは言うまでもないであろう。

 

「お疲れ様康太くん」

 

「・・・・・ああ。勝てなかったがな」

 

3番目にゴールしたのは康太に、愛子が声をかけると、康太は少し悔しそうにした。

 

「そうだね。でも中盤のあの追い上げは凄かったよ。その・・・・・かっこよかったしね///」

 

「・・・・・ありがとう///」

 

少し顔を赤くしながら恥ずかしそうに言う愛子。対して康太も照れたようで顔が赤くなっていた。

 

1位から3位が決まり残る2名は響と蒼牙。最下位になってしまったのは・・・・・

 

「はあ・・・・・・これじゃあ水泳部失格だな」

 

意外にも水泳部に所属していた蒼牙であった。

 

「蒼牙は体を炒めていたので仕方がありません。もしも万全な状態でしたら絶対に蒼牙が優勝していました」

 

明らかに落ち込んでいる蒼牙を美鈴は優しい声色で慰める。

 

「美鈴・・・・・ありがとうな」

 

自分の想い人である美鈴に慰められたことにより、蒼牙は元気を取り戻した。

 

「危なかった・・・・・もう少しで最下位だったな」

 

危うく最下位になりかけた響がほっととため息を吐きながら肩を落とした。

 

「お疲れ様です響様。どうぞ」

 

咲夜は泳ぎ着かれている響にタオルとスポーツドリンクを渡した。

 

「ありがとう咲夜」

 

「いえ。それにしても・・・・響様が蓬莱汁の被害に遭わずに済んで良かったです」

 

「そうだな。輝夜の話じゃあ相当ヤバイ飲み物らしいし・・・・飲むことになったあいつらには本当に同情する」

 

「同感です」

 

響と咲夜は蓬莱汁を飲むことになってしまった4人に深く同情した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これが蓬莱汁よ。遠慮せずに一気に飲み干してちょうだいね」

 

悍ましいほどに清々しい笑顔を浮かべながら永琳は雄二、蒼牙、妹紅、翔の4人に渡した。

 

「「「「・・・・・・」」」」

 

蓬莱汁を受け取った4人は一様に顔色を悪くしている。

 

まあ無理もないで。なにせ蓬莱汁は・・・・・・彼等が今までに見たことのない程重苦しい灰色のどろりとした液体だったのだから。そんなものがどんな味をするのか・・・・・想像するのも嫌になるだろう。

 

唯一救いがあるとしたら量が紙コップに半分しか注がれていないことであった。

 

「・・・・・妹紅」

 

「な、なんだよ輝夜?」

 

「・・・・・冥福を祈るわ」

 

輝夜は嫌に神妙な面持ちで妹紅に言う。その目には一筋の涙が流れていた。

 

「どう言う意味だよそれは!?というかお前なんで泣いてるんだ!?その涙には一体どんな意味があるんだ!?」

 

親友兼悪友の今までにない態度に妹紅は動揺を隠しきれていない。

 

「これってそんなにやばいのか?」

 

「・・・・・雄二。私達大丈夫なのかな?」

 

「健康にはかなり良いらしいからな。大丈夫・・・・・だと願いたい」

 

輝夜と妹紅のやりとりを見た蒼牙、翔子、雄二は不安を隠しきれないようでさらに顔色を悪くさせる。

 

「俺からはこんなものしか渡せないが・・・・・・4人共頑張れよ」

 

響はこの日のおやつにと自身が作ったクッキーを大量に4人に渡す。

 

そして他の者達は4人の様子を固唾を飲んで見守っていた。

 

「・・・・・ああもう!こうなったらヤケだ!3人共飲むぞ!」

 

「あ、ああ」

 

「・・・・・うん」

 

「覚悟を決めるしかないな・・・・・」

 

妹紅の一声を皮切りに、4人コップに口をつけ蓬莱汁を一気に飲み干した。

 

「「「「・・・・・・・」」」」

 

コップに口をつけたまま全く動かなくなった4人。

 

「も、妹紅?」

 

「蒼牙さん・・・・・どうしたんですか?」

 

明久が妹紅に、美鈴は蒼牙に声を掛ける。

 

だが・・・・・二人からの返事はない。

 

「こ、これはもしかして・・・・」

 

融麻が4人に近づいてそれぞれの目の前で手を振ってみる。

 

「・・・・・・やはりそうですか。4人共気を失っています」

 

「「「「ええっ!?」」」」

 

融麻の言葉に全員が驚きの声を上げる。

 

「ま、まさかリアクションをとる間を与えずに気絶させるとは・・・・・」

 

「恐ろしいにも程があります」

 

羽羅と華扇は蓬莱汁のあまりの恐ろしさに戦慄した。

 

「妹紅!しっかりして妹紅!」

 

「帰ってきてください蒼牙!」

 

明久は妹紅の、美鈴は蒼牙の肩を揺さぶってどうにか意識を覚醒させようとする。

 

「落ち着きなさい二人共。響様のクッキーを口に詰め込むのよ」

 

「わかった!ほら妹紅!これを食べて!」

 

「食べてください蒼牙さん!」

 

口に一杯のクッキーを押し込む明久と美鈴。傍から見れば酷い光景に見えるがそれほどまでに必死だということであろう。

 

ちなみに・・・・・

 

「蓬莱汁恐い蓬莱汁恐い蓬莱汁恐い蓬莱汁恐い・・・・・・」

 

「輝夜!気をしっかり持つのじゃ!」

 

4人の様子を見て蓬莱汁のトラウマが蘇ってしまったようで輝夜は頭を抱えながら震えていた。

 

「・・・・・まさかこれほどまでとはな。4人には悪いが飲むことにならなくて良かった」

 

「・・・・・全くですね」

 

雄二と翔子の口にクッキーを入れながら響と咲夜は自分が蓬莱汁の餌食にならなかったことに心から安堵する。

 

「永琳・・・・・お前とんでもない飲み物を作ったものだな」

 

「全くだね。一体何が入っているんだい?」

 

「それは企業秘密よ。まあ体にいいものが凝縮されているとだけいておくわ」

 

冷や汗を浮かべながら尋ねる慧音と霖之助に永琳は笑顔を浮かべながら答える。

 

「でもまあ・・・少なくともあの時の()()が作ったものよりはマシよ。あれは正直人間が摂取していいものではなかったし」

 

「「それは確かに」」

 

この場にいない昔の友人のことを思い出しながら言う永琳。そして霖之助と慧音は永琳の言うことに強く同意していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かくして、この日は皆に楽しさと多大な蓬莱汁への恐怖の思い出を刻み込むこととなった。

 




あとがき座談会のコーナー!INバカテス!

今回は響さん、明久さん、輝夜さんの3人と進めて行きます。

「とりあえずはじめはメタレース結果の発表だ」

男子二組目のレースはこのような感じになっていました。





1ターン目
響  6
康太 2
勇陸 6
蒼牙 2+1
霖之助 5



2ターン目
響  3 合計9
康太 6 合計8
勇陸 4 合計10
蒼牙 3+1 合計7
霖之助 5 合計10


3ターン目
響  1 合計10
康太 3 合計11
勇陸 3 合計13
蒼牙 1+1 合計9
霖之助 6 合計16


「正直蒼牙が圧勝すると思ったんだけど・・・・・まさかの結果だったよね」

「そうね。もっと言うと森近さんが一位になるとも思わなかったし」

しかもなにげに今回の参加者全員の中でも霖之助さんがトップなんですよね。

「うちの霖之助さん半端ないな・・・・・」

ですね。そして蓬莱汁についてですが・・・・・

「蓬莱汁恐い蓬莱汁恐い蓬莱汁恐い蓬莱汁恐い・・・・・・」

「あ~・・・・・輝夜のトラウマが再び蘇ってしまったな」

まあ蓬莱汁は破壊力だけなら姫路さんの料理以上ですから仕方がないでしょう。

「そんなものを妹紅は飲んだんだ・・・・・」

もはや哀れとしか言えないですね。とりあえず輝夜は秀吉さんのところに送り届けておきましょう。

「まあヒデなら何とかしてくれるだろう」

さて、今回でプール編のお話は終わりです。いや~長かったしきつかった。

「そんなになのか?」

はい。今までで一番やりづらかったですね。

「次からは何の話なの?」

以前活動報告で読者の方提案していただいた中から選んだものをやる予定です。それとそれが終わったら王様ゲームの話をやろうかなと思ってます。

「そうか」

では今回はこれで締めにしましょう。

それでは・・・・・








「「「次回もまたきてくれ(きてください)!!」」」

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