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“――これはまだ内密の話なのだが……パーンダヴァの連中は近々とある街に赴く。
あの五人兄弟に、母親であるクンティー妃を有した大所帯だ。
どいつもこいつも王宮で蝶よ花よと育てられてきた連中だ。
当然、人手を必要とするだろう――そこに潜り込め”
――そう、ドゥリーヨダナが口にして数日。
ドゥリーヨダナの宣言通り、パーンダヴァの五兄弟とその母親であるクンティー妃が、クル王国の外れにある風光明媚な都・ヴァーラナーヴァタへと向かうことが王宮中の人間に通告された。
そんな訳なので、真夜中の打ち合わせ通りに随行の侍女の一人に選ばれた俺は、宮殿の外の庭で、他の者達と一緒になって、積み荷などの最終点検を行なっていた。
「――う〜ん、どうやら気のせいではないようだ」
朝方から散々動き回っていたせいで、ほつれてきた横髪をいじりながら、軽く肩を竦める。
困ったことに、準備されていた荷物一覧表に記されていた筈の小箱が一つ、見当たらない。
気づいたその足で、まっすぐクンティー妃の部屋に向かったが、件の小箱とはどうやら行き違いになってしまったと教えられて、肩を落とす。
つい先ほど別の侍女の手で外へと運び出されたと聞いて、来た道を元に戻ることにする。
道中に考えることは、無論、俺の腕輪だと思わしきアルジュナ王子の銀の腕輪のことである。
ここ数日間、侍女たちに混ざって働きながらアルジュナ王子の身辺をそれとなく観察していたのだが、あの王子が腕輪を外しているところを一度たりとて見かけなかった。
アルジュナ王子の纏う衣服やそれ以外の装飾品は毎日のように変わるのだが、あの腕輪だけは頑としてつけ続けているのだ。
――なんなんだろう、決して外さないようにと誰かに言い含まれでもしたのかね?
そこまで固執しているとすれば、穏便に譲ってもらうという選択肢は他になさそうだし……。
こっそり盗み出そうにも、その隙がない。こりゃあ、強奪か窃盗しか手段がなさそうだ。
でもなぁ、カルナ並みの武術の天才相手に俺如きが強奪なんてできるわけないし。
そうなると、何か騒動のどさくさに紛れて盗み出す以外に方法がなさそうなんだよなぁ。
俺の腕輪だと思う反面、そうでもない可能性も決してないわけではないし……。そのためにも、一度は外された状態の腕輪を手にする他ないんだよねぇ。いやはや、どうするべきか……。
「――ねぇ、君。ひょっとして、パーンダヴァの侍女じゃないかな?」
「――……!」
そんなふうに考え込んでいた俺の元へと、声がかけられる。
するり、と耳朶に滑り込み、知らず知らずのうちに相手の意識を自らの元へと惹きつける――そんな魅力的な響きを宿した声音に、びくりと飛び上がった。
「君と同じ服の侍女が先ほど荷物を運んでいた時に、この小箱を落としていってしまったようなのだけど……。どうだろう? 心当たりがないかい?」
――おっと、いけない。考え事のしすぎで上の空になっていたようだ。
仮にも神霊の端くれたる俺が他者に不意をつかれるなんて……思っていた以上に平和ボケしているのかもしれない。これはいかん。
内心で自分自身に叱咤して、慌てて表情を取り繕う。
淑やかな侍女のふりをしつつ、声の聞こえてきた方を見やると、柱の陰に誰かが佇んでいた。
「……申し訳有りません。念のために確認させていただけますか?」
「もちろんだとも」
柱の陰にいるせいで、声をかけてきた相手の表情はよく見えないが、その手の中に探していた小箱らしきものがあるのに気づき、一言断りを入れてから走りよった。
渡された小箱の外見を観察して、確かにそれが探していたものと同じ小箱であったことを中身を見て確認を済ませ、ホッと一息をつく。
――嗚呼、よかった。
この小箱の中身はクンティー妃のお気に入りの装身具や宝石を集めた物らしく、くれぐれも忘れないようにと念押しされていた物だったから、見つかって余計に安心した。
「――確かに、先王妃様のものです。どなたかは存じあげませんが、ありがとうございました」
小箱を手にしている状態なので、手を合わせられないが、代わりに軽く黙礼をする。
そうして、それまで相手の顔を見ないままだったとことに気づき、そっと目線を持ち上げた。
「――それならよかった。なに、君のような美人とこうして声を交わすことができて、こちらこそ役得というものだよ」
ちょうど逆光を背に立っているせいで、柱の陰に隠れた相手の顔を伺うことができない。
ただ、声の主が年若い青年であること、思わず聞いた相手が耳を赤くせずにはいられない、艶めいた美声の持ち主ということはわかった。なんとなくだが、この青年、さぞかし異性にモテるのだろうな――というか、自分が普通の女性にとってさぞかし魅力的な外見の持ち主であることに鼻を掛けるような輩の気配がして、知らず識らずのうちに目が半眼になる。
「それでは、私はここで。失礼させ――」
こういう、自分の外見に自信のある男は厄介だ。ロティカ状態であるならばなおのこと。
さっさと小箱を持って退散しようと思い、礼を述べつつもう一度軽く首を下げる。
その時に、下げた視界の先で目の前の青年が、腰帯に横笛を挟んでいるのが見えた。
なので、王宮に雇われている楽人の一人なのだろうか? と首を傾げた――その、瞬間。
――そっと、俺の耳朶に、人間の生暖かい吐息がかかる。
一息遅れて、目の前の男に距離を詰められたのだと察する。
と同時に、妙に艶を感じさせるその動作に、本能的な忌避感が湧いてしまったのも仕方あるまい。反射的に相手を殴りたくなるが、今の俺はただの侍女……! と必死に我慢する。
さてはこいつ、善人の皮を被った軟派男の類か。
――――と思って睨みつけるよりも先に、肩にずっしりとした手のひらの重みが乗せられる。
「――……
「…………は?」
あまりにも不可解な言葉に、今の自分の立場も忘れて相手の顔を確かめようと視線を持ち上げたが、俺の視界に飛び込んできたのは男の後ろ姿だけだ。
その背中を暫く睨みつけて見たが、一向に振り返る気配すらなかった。そのことに、軽く溜息をついて、俺もまた仕事場へと戻ることにした。
――ただ、どうにもそこらの軟派男とも思えず、後ろ髪を引かれる思いだった。
……それにしても、誰だったんだろう? あの胡散臭い色男は。
――あと、
*
*
*
――それから、さらに数日が経過して。
宮廷中が、この度のパーンダヴァの五人兄弟とその母親が、今度向かうことになるヴァーラナーヴァタに関する噂話で持ちきりだった。
なんでも、ヴァーラナーヴァタの都では近いうちにシヴァ神を讃える大祭があり、パーンダヴァの者達はその祭りに出席するために向かうらしい――というのが
侍女仕事の休憩時間、俺はといえば、人気のない中庭の木陰にカルナと並んで座りながら、今回の件に関する弟の率直な意見を求めていた。
「……対外的には外遊という理由になっているが、実際のところは違うのだろうな」
「――カルナはその辺について、どう考えているの?」
正式にドゥリーヨダナの腹心、そして将軍として引き立てられて以降、忙しい日々を送るカルナとこうやって他愛もない時間を過ごすのは久しぶりだった。
カルナが忙しくなる前は、俺の方が腕輪の件であちこち出歩いていたから、なおさらのこと。
おまけに数日前の、思い起こすたびになんか無性に嫌悪感を抱かざるを得なかった、胡散臭い色男との邂逅の一件もある。
――正直なところ、俺が遠出する前に、弟の空気に癒されたい気分だったのである。
「あくまで私見に過ぎないが……。パーンダヴァの者達がこの時期にヴァーラナーヴァタへ向かうということは、この王都から追放されるに等しい処遇を受けたことになる」
「――なかなか穏やかではない話だね」
「全くだ」
――なぜなら、
パーンダヴァ陣営の者達とって、あの競技大会の最大の目的は自陣営の優位を衆目の目に明らかにすることだったと推測できる。けれどもそこに、誰にとっても予想外のことが起きた――そう、俺の隣でもぐもぐと果実をかじっているカルナの飛び込み参加である。
おまけに、アルジュナ王子に匹敵する武術の腕を見せつけた無礼極まる挑戦者は、最大の対抗馬であったドゥリーヨダナ陣営に引き抜かれてしまう始末。
ユディシュティラ王子を次期国王に擁する人々は大層焦ったはずだ。
――なんせ、それまで財と知に優れながらも、武に欠けていたカウラヴァの陣営が、カルナという決して看過できぬ戦力を自陣に引き込むことに成功してしまったのだから。
とは言え、その状況をひっくり返す方法はまだ存在した。
というのも、パーンダヴァ陣営だけではなくカウラヴァの者達もまた、彼らの既得権益を揺るがしかねないカルナが、ドゥリーヨダナに従って王宮を闊歩することに難色を示していたからだ。
これは俺の予想でしかないが、両陣営共に、なんらかの方法を使ってカルナを宮廷外へと追い出そうとしたことは想像に難くない。彼らにとって誤算だったのはドゥリーヨダナが彼らの想像以上にカルナに対して好意的だった上に、それに対してもさっさと手を打ってしまったことだった。
――それが、この間のマガダ王・ジャラーサンダ征伐の一件である。
これまでに幾人ものクシャトリヤ出身の勇者たちがあの武王と戦い、破れ、虜囚の身となった。
ところが、人の身でマガダ王に敵う者なし、とまで呼ばれていた無双の武王を討伐してこい、と命じられたカルナは
それに難癖つけようにも、カルナとマガダ王の決闘の一件は虜囚の王たちを中心に、この広いバーラタの大地に瞬く間に広がり、身の程知らずの武芸者が打ち立てた功績に誰もが口を噤まざるを得なくなった……というわけだ。
その結果、これまでパーンダヴァ陣営に対して、一歩引かざるを得なかったドゥリーヨダナ陣営が継承権争いに本格的に参戦することが可能になってしまったというわけだ。
「――なぁ、カルナ。もしもの話だけど、お前があの王子様と誰に邪魔されることなく二人きりで戦った場合、その勝敗ってどうなると思う?」
「……そうだな。オレのような者がこのような物言いをすること自体、おこがましいことだとは思うが……。今のアルジュナ王子相手に負けることはないだろう」
一瞬だけ、カルナの涼しげな双眸に炎が宿る。
なんの気負いもなく告げられたその言葉に、俺としても成る程と頷かざるを得ない。
まあ自動回復効果持ちの上に、外からの攻撃に対して無敵状態の鎧がある限り、あの王子様がカルナに瀕死の重傷を負わせることは至難の技だろう。
「――武術の腕前自体は、オレとあの王子に大した差はない。だが、お前に教わった魔力操作に匹敵する術をアルジュナ王子が有さない限り、全身全霊の闘いなど望めない」
すい、と頭上に広がる青空を見上げながら、少しばかりカルナはその表情を翳らせる。
そうやって、心底口惜しそうに、生まれて初めて見出した好敵手に対する心情を吐露した。
「――それを少し、物足りなく思うのも確かだ」
「お前は……あの王子様と戦いたいの?」
そのように尋ねると、カルナは恥じらうように顔を伏せる。
長い前髪の影に隠れた蒼氷色の双眸が、一際その色を濃いものとした。
「――何故ここまであの男に拘るのか、正直なところ、今でもわからない。……だが、オレは最高の状態のあの王子と戦ってみたいと、そう思っている」
俺としては相手が弱いうちに叩き潰しちゃってもいいんじゃないかなぁ、と思わなくもないが、カルナのような武芸者にはまた別の理屈があるのだろう。まだ村で静かな暮らしを過ごしていた時も、村人やカルナの腕前を聞きつけた人々から魔性退治を頼まれると、相手が強敵であればあるほど嬉々とした表情で戦いを挑んでいたからなぁ……。
――――あれ? 静かな暮らしってなんだっけ?
まあ、アルジュナ王子のことはこの際、傍に置いておこう。
カルナの願いを叶えたくも、俺のような何処の馬の骨ともわからぬ奴が王子の教育係に手を上げたところで、門前払いをされるのがオチだしな。
問題は今度行われるであろうパーンダヴァの行啓についてだ。
ジャラーサンダ王を降したカルナに対して、パーンダヴァ兄弟の中でも最優の武芸者として知られるアルジュナ王子でさえ確実な勝利を狙えない以上、水面下の継承者争いを制したのはドゥリーヨダナ一派ということになる。
とはいえ、いくら息子が可愛いとはいえ、国王も亡き弟の忘れ形見で、国民からの人気の高い彼らを害するようなことを本心から望むことはないだろう。
なにせ、ドリタラーシュトラ国王は、時々こっちが唖然とするほど楽観的なものの見方をするという欠点こそあるものの、基本的には善良な人物である。
それに、王宮の金庫番たるドゥリーヨダナであったとしても、その無尽蔵の金銭で心を動かすことの出来ない人々が王宮内に一定数いるのは確かだ。
代表的なのが、クル族の長老として名高いビーシュマ老や国王の末弟に当たるヴィドゥラ。彼らは宮廷内にも、現国王に対しても強い影響力を有する上に、元々、呪いの子として悪名高いドゥリーヨダナにクル王国の王位を継承させることを渋っている面々だ。
――となれば、対立するパーンダヴァを一旦は王都の外に出して、その間に堅実な足場固め及び王位をさっさと譲ってもらうことこそが得策だとドゥリーヨダナならば考えるはず。
「――成る程、それで追放だとお前も考えたわけか……」
「そうだな。……ただ、少しばかり思うところがない訳でもない」
じっ、とカルナの双眸が俺を凝視する。
何かを伝えようとするその真剣な表情に、弁当箱を包もうとしていた手を休ませて、俺もまたカルナを見つめ返した。
「――……ヴァーラナーヴァタの都には、お前も随行すると聞いた」
「そうだね。あの腕輪の件がある以上、放っては置けないし」
「……俺がこのようなことを口にするのはドゥリーヨダナへの不忠になるのかもしれないが、敢えて警告しておく」
隣に座るカルナは俺から目をそらすことなく、はっきりと断言する。
「――
悪辣極まりないドゥリーヨダナの行為に関しても、それもまた良しとして受け入れるカルナにしては珍しい言葉だった。
滅多に見ない剣呑な表情を浮かべるカルナの、黄金の籠手に包まれた手をそっと覆う。金属で出来ている防具に包まれているというのに、触れた手は温かった。
「……わかった。お前の言った通りにしておく。決して油断しない、気をつけるよ」
空いているもう一つの手で、そっとカルナの頭を抱き寄せる。
抵抗一つなく収まったカルナの背中を労いを込めて優しく叩けば、懐かしい思い出が蘇る。
――それにしても、小さい頃のカルナと比べて随分と大きくなったものだ。
女の体って、男の時よりも小さくて脆くて繊細すぎてなんだか色々と不便だけど、こうやって柔らかい体で相手を抱きしめることができるのはとてもいいなぁ、と思う。
「――ドゥリーヨダナは、お前に対してすぐにカタをつけることができると言ったが……あの言葉は決して正しくないだろう。あの王子の性格からして、友人からもらったというほどのものを、簡単に手放すようなところに放置するとは考えにくい。ましてや、直接的な戦闘においてお前は役に立たないからな」
「……なんだろう、至極当然のことなんだけども、その言い方は腹が立つ」
仮に王子の部屋に侵入して腕輪を盗み出そうとしても、気配で気付かれると言いたいのか。
くっつけていた身を離して、カルナの秀でた額を指で弾いたが、なんら痛痒を感じていないようなので、軽くため息をついた。
「――そんなに容易くは行かないってこと? 俺の腕輪よりも、むしろなぁ……」
それよりも俺がいない間のお前のことの方が心配で仕方ないよ、と率直に告げれば、心外であると言わんばかりにカルナは憮然とした表情を浮かべる。
こういうところがなぁ、俺としては心配なんだよなぁ。
俺がちょっと目を離した隙に、その人の良さに付け込まれて身ぐるみ一式剥がされそうなところとかさ――うぅ、久しぶりになんか胃が痛くなってきた……。
「うーん、そう考えると心配になってきた。――はい、カルナにこれを渡しておくよ」
「……だが、これは……お前にとっても大事なものだろう?」
俺に残されたもう片方の腕輪を外して、カルナへと差し出す。
半神であるカルナであれば、災いを招くことなく腕輪の恩恵を浴びることができる。
僅かでも、俺の見ていない所で不運に見舞われる可能性を下げたい、と思っての行動だった。
「大事なものだからこそ、お前に持たせるんじゃないか。特に、俺が側にいない時に招かれる厄災を退けるためにさ」
「だが……」
なおも躊躇うカルナの手のひらに強引に腕輪を押し付ける。
まあ、単なる装飾品などではなく、封印具を兼ねていることを知っているからこその躊躇いの仕草であることは、俺とて百も承知である。
大丈夫だよ、とカルナに対して少しでも不安を薄めるために、笑った。
あと二、三日もしないうちに、侍女として行動している俺は、パーンダヴァ御一行に従って、この都を旅立たねばならない――だけれども。
「大丈夫、大丈夫。それほど長く預けるわけじゃないから、安心してくれ――すぐ、帰るよ」
そう口にして、心優しい弟を安心させるべく、微笑む。
――何せ、この言葉が嘘になるなんて、その時の俺はこれっぽっちも想像していなかったのだ。
(*ヴァーラナーヴァタ行きは原典にも書かれている一大イベントです。王位継承権を争っているパーンダヴァが、この時期に王都の外へと出されることに対して長兄・ユディシュティラが親しい人々へ嘆くような言葉をつぶやいている描写がることから、おそらくこれは外遊という名の一時的な追放のようなものだったのではないか、と筆者は思いました*)
(*武術の腕前、才能自体はカルナ・アルジュナはさほど力量が引き離されているわけではありません。総合的に見て、武器や防具の性能・魔術に関する腕前の差からカルナの方が上回っているのは確かですが。
というか、インドラ神のヴァジュラでさえ破壊できないスーリヤの鎧ってなんなの……? 最終的に立っている方が勝ち、みたいな戦場において、反則級のアイテムやないけ……こりゃあ、何としてでも取り上げないといかんよね。これの攻略法を身につけない限り、正攻法でアルジュナ勝てないわ〜と。
とりあえず、第三章はアルジュナのそれ以外のポテンシャル上げの話になります*)
(*次回、アディティナンダ最大の苦難発生。彼は無事に王都へと帰還し、最愛の弟に再開することが叶うのか……!? といった感じです。導入編が長かったから、サクサク進めてしまおう*)