設定があと少しで出来ます。それまではこの訳の分からんであろう文章で勘弁してください...
突然の音に雅也もウェンデも驚いた。
シリアスな雰囲気をぶち壊すような音が雅也の携帯端末から出ていることに気付き慌てて携帯を手に取る。
電話の着信画面が表示されており、「非通知」となっていたが雅也はこの相手に心当たりがあるので迷わず応答を押した。
「...俺なんかに電話してる暇があんのか?シルヴィア」
『こんな時間にしか君は電話に出てくれないでしょ?王竜星武祭の会場で会ったとき以来忙しくて連絡出来なかったからね」
雅也の端末からは《戦慄の魔女》シルヴィア・リューネハイムの声が聞こえた。
『それにこの時間なら例のあの場所で調べ物とかしてると思ったんだ』
「まぁ確かにしてたけどさぁ。んで、要件は?」
淡々と返事をする雅也に少し拗ねた様子でシルヴィアは続けた、
『なんか冷たいなぁ。まぁいつもの事なんだけど...えっと、それでね?例の件なんだけど...何かわかったかな?』
シルヴィアが声のトーンを下げて少し落ち込んだ様子で雅也に問いかけた。
「...すまん、その件は俺の方でも何も掴めてないんだ...」
『そっか...ごめんね?雅也君にも目的があるのに手伝ってもらって』
「いや、気にすんな。俺もアスタリスクに来てから世話になったし...」
雅也が拠点を再開発エリアにして間もない頃。再開発エリアでシルヴィアと雅也は出会った2人は互いの素性や目的を知った。
すると雅也が
「このアスタリスクや再開発エリアについて教えてくれ。そしたらシルヴィアの目的を俺も手伝おう」
という取引を提案した。これが黒情報屋としての初仕事だった。
2人の間に重苦しい空気が流れる。
「えっと...雅也さん、大丈夫ですか?」
その空気を心配したのかウェンディが雅也に声をかける。
「あ、あぁ。大丈夫だよ。ありがとうな」
雅也が返事をすると電話から
『あれ、その声はウェンディちゃん?ちょっと雅也君代わって代わって!』
先程とは真反対に明るい声で雅也に電話を代わるように声が響く。シルヴィアはウェンディを妹のように可愛がっているで久しぶりに声を聞いてテンションが上がっているようだ。
「お、おう。わかったから。ほらウェンディ、シルヴィアが代われってさ」
雅也はその元気さに少し押されながらウェンディに携帯を渡した。
『もしもしウェンディちゃん?久しぶりだね!』
「ひゃ、ひゃい!おひしゃしぶりでしゅ!」
と噛みまくりながら代わったウェンディが応える。
数ヶ月前、王竜星武祭の会場で直接会った時にはウェンディは嬉しさのあまり倒れてしまった。つまりウェンディはシルヴィアの大ファンなのだ。
「この前の新曲聴きました!すごく興奮しました!」
『ありがとう〜。そう言われると凄いやる気出てくるなぁ』
こんなに元気なウェンディを見るのも珍しいなと内心苦笑いしながら雅也はパソコンの電源を切る。
「あと、えっと...あ!王竜星武祭準優勝おめでとうございます!」
緊張の中、必死に話の種を探し出したウェンディ。
『うん、ありがとう。本当は優勝したかったけどね...』
「す、すみません!私そんなつもりじゃ...」
『え、あ!全然気にしてないよ!凄い嬉しいよ!こっちこそ応援してくれてありがとうだよ!』
「...」
『...』
再びの静寂。
半泣きで無言になっってしまったウェンディを見た雅也が携帯のスピーカーをオンにするように伝えた。
「あ〜、えっと。...大丈夫か?」
「大丈夫だよ(です)!」
「 ここまで大丈夫じゃない状況は初めて見たぞ!」
ツッコミを入れる雅也。
『そ、そうだ!今度の星武祭の事なんだけど!』
2人に否定され割と本気で心配になった雅也だったが、シルヴィアの無理矢理な話の切り替えによって一旦頭の片隅に追いやった。
『2人は今度の鳳凰星武祭はどうするの?』
「あぁ、そのことなんだが...ウェンディ」
「は、はい!」
雅也の呼びかけに涙を拭いながらウェンディが返事をする。
「次の鳳凰星武祭。俺と一緒に出てくれないか」
「え...え!?」
本日何度目かのウェンディの驚き。
『ということは雅也君、探し物は見つかったの?』
シルヴィアが少し心配そうな声で聞いてくる。
「まだ尻尾だけどな。鳳凰星武祭で優勝して決定打を手に入れる。その為にウェンディ、手伝ってくれるか?」
その問い掛けに
「も、勿論です!私は雅也さんに恩返しをする為にここに来ましたから!」
ウェンディはかつてないくらい元気な声で了承した。
やっと話が動く...そういう意味でのタイトル。ただ1話のペースが中々に遅いので一体全体何時になればバトル描写がでるのやら。
恐らくこの話と次の話あたりに設定も出します。今年もあと少ないことを噛み締めながらこれからも頑張ります...
ここまで読んでくれた方、ありがとうございました!