大切な探し物   作:八代の地面

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年内にはなんたら~って言ってましたが、無理でした(殴
もし、こんな物を読んでくれている方がいらっしゃったらどうぞ、Twitterにでも感想にでもクレームを入れちゃってください...
こんだけ期間が空いて何も成長しない中身は健在ですので、お読みの際はお気を付けて
それではどうぞぉ


熱戦

「綾斗!」

 

氷壁の向こう側で、パートナーの身に想定外の事態が起きていた。

 

ユリスは氷壁へ近づくが、その道を阻むように雅也の雷球が数弾飛来する。

 

「この壁より先に行きたければ、俺を倒してから行けってヤツだねぇ」

 

「...さっきの『綾斗が勝てないように出来ている』というのはどういう事だ」

 

雷球を身軽に躱したユリスは、瞬時に冷静さを取り戻し雅也へ問う。

 

「この氷壁には二つの意味があってねぇ。一つ目はさっき言った通り、俺たちを分断する為さ。そして二つ目は...ウェンディ、あの子に秘密がある」

 

「ウェンディと氷壁...」

 

自身に問いかけるように呟くユリスは、視線を雅也の更に先、壁の向こう側の戦況を観察する。

 

 

この作戦は雅也ではなくウェンディが中心の作戦

 

 

 

彼女が突然パワーアップしたのは何故

 

 

 

綾斗があそこまで苦しそうにしているのは──

 

 

ふと、ユリスは小さな異変を感じる。

 

星辰量の上がったというだけの相手と戦うだけで、果たして綾斗の息があそこまで上がるだろうか?あれは──

 

「綾斗、呼吸が...乱れている?」

「いいとこに目を付けたね。流石ユリス」

 

 

まだ答えには辿り着いていないユリスの思考を遮るように雅也が感嘆の声を上げる。

 

 

「呼吸、そう呼吸だ。確かにそれが俺たちの作戦の重要なポイントだねぇ。でも、そのに至るまで出してこそ百点の答えさ」

 

 

そう言うと雅也は片手を挙げ、頭上に三つの特大雷球を作り出す。

 

 

「まず一つ目。俺たち滅竜魔導師はある特定のものを食べることにより、パワーアップが出来る。ウェンディの場合は天空の滅竜魔導士、空気を喰らうことによってパワーアップ出来るんだぁ、よッ!」

 

 

答え合わせと言わんばかりに雅也は頭上の一つ目の雷球を振りかざした手に合わせ発射する。

それに対抗し、ユリスも炎の花を三つ展開し、一つを雷球へとぶつけ相殺した。

 

 

「次に二つ目。この氷壁で隔たれた空間で、あれだけ空気を吸収すればいずれは『酸素』は無くなるだろ?」

 

その問いかけと共に、二つ目の雷球は槍の如く鋭いフォルムに変化しユリスへ放たれ、

それを同じく形状を変え、ユリスは迎え撃つ。

 

 

「いくら星脈世代とはいえ酸素の無い空間での戦いなど、持って五分...か。だがそれはお前のパートナーも同じ事だ。まさか相打ち狙いの作戦ではあるまいな」

 

「勿論さ。滅竜魔導士の肺はちょっと特殊でねぇ。普通の星脈世代よりも長時間呼吸をしなくてもいいみたいなんだよ」

 

「酸素が無くなってからは、最低限の力で綾斗を凌げば...成程、確かにそれでは分が悪い。つまり...」

 

 

少しユリスの口元が緩んだかと思うと、星辰力のギアを一つ上げ、残っていた炎の花をあっという間に数倍もの大きさへと変化させた。

 

 

「私が一色を退け氷壁を壊し、酸素を流し込む。一色、お前はそれを阻止する、という図だな」

 

 

「そ、そうだけどまだ三つ目が...」

 

 

話の途中に攻撃用意をされ驚いている雅也。それをお構い無しにユリスの炎の花は、熱とその大きさをより強大にし──

 

「フッ!」

 

 

雅也目掛け炎の大輪が放たれ爆発音を上げながら着弾した。

今日一の、渾身の一撃だった。

 

だが──

 

 

「まだ話の途中なのに...まぁ俺の長話は今に始まったことじゃないけどもさぁ」

 

「!?」

 

着弾点は熱気と煙で揺らぎ霞んでいるが、確かに雅也の声がしている。

 

──ユリスはその中に、周りの「炎を食べる」雅也姿を見た。

 

 

「炎を...喰らっているだと!?」

 

 

雅也が辺りの空気を吸い込むと、炎がみるみる雅也へ吸収される。ユリスは目の前の肉食獣の捕食シーンと錯覚するような豪快さを唖然と眺めていた。

 

それと同時にユリスは雅也の言いかけた「三つ目」の言葉を理解した。

 

 

(ウェンディが天空の滅竜魔導士、空気を喰らうなら、一色は火の滅竜魔導士、炎を喰らうもの...か)

 

 

ならば綾斗とウェンディよりも、こちらの戦況の方が分が悪いなんてものでは無い。

ユリスの炎を操る攻撃は雅也に対して効かないという事になる。

 

 

「っぷはー!ごちそうさまぁ。ユリスの炎は上質だねぇ」

 

 

と、呑気なトーンな雅也。

その星辰量は綾斗に匹敵するものに膨れ上がっていた。

 

 

「さてさて...さすがに分かったと思うけど、ユリス。君では俺に勝てないよ」

 

 

一変、冷たく突き刺さるような雅也の一言。

事実、ユリスの攻撃は雅也には通用しない。

圧倒的な星辰量を前に、観客含め、その場の全員が雅也の勝ちだと悟っていた。

 

しかし、ユリスの目はまだ諦めていなかった。

 

 

 

「生憎、まだ負けていないならば...私は諦めることは決して出来ない!」

 

 

数十の戦輪が現れ、雅也の後ろ──ステージを分断している氷壁へ攻撃を仕掛ける。

 

 

(一色を倒せずとも氷壁に穴さえ開けば、少しでも可能性があるならば──)

 

まだ負けていない

 

綾斗が戦っている

 

あの状況で諦めずに抗っている

 

ならば自分が、パートナーが諦めていいはずがない!

 

 

「咲き誇れ──赤円の灼斬花!」

 

 

 

祈るような思いの戦輪は、雅也を躱し氷壁目掛けて飛び交う。

 

 

 

その目を、諦めない闘志を感じ取った雅也も、雷球を展開し自身に炎を纏わせる。

 

 

「それでこそ、だねぇ。君の覚悟に応えようユリス!」

 

 

 

 

 

そして氷壁の片側の『熱戦』は、最終局面へと向かう──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




長い月日は私をFateの沼に引き釣り込むには十分でしたチャンチャン
他にも持病のサボり癖が発病してですね、えぇ(言い訳
そして今更ですが、スマホからの投稿ですので何かと誤字脱字でお見苦しいかと思います。そもそも文章が間違ってたりとか...
この前も誤字が見つかり罪悪感で全部消そうかと本気で迷いました
基本的に見直してはいるのですが、自分の文章力の無さに悲しくなるだけなのであまり見つけれません(涙で)
何かミスが見つかりましたらクレームとご一緒に宜しくお願いします┏○┓
それではここまで読んでくれた方、ありがとうございました!

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