如何せん五月病に飲まれてペースが狂いまして。皆さんも気をつけましょう(手遅れ)
さて、この話でやっと自分的な山場その1を越えました。
戦闘描写は言わずもがな、心情とか自分無理です。
そんな無理な私が無茶しやがってな力で書いた今回。
覚悟のある方だけどうぞぉ
『おぉっと!一色選手これもギリギリでかわしたァ!』
試合が始まって既に数十分が経っているのにも関わらず、会場の歓声や実況の興奮は下がらない。
雅也もまた、この状況を打破しようと一人で焦っていた。
(クソッ、避けるので精一杯だ...体力じゃなくて動きのキレが悪くなってやがる!)
試合開始直後は押していた雅也だが、今は相手の攻撃をかわすのが精一杯で攻撃に回れていなかった。
(どうにかしないと、このままじゃジリ貧だ──)
俺はこのまま負けるのか?
頭にそんな事が過る。試合前までは考えもしなかった事。
ここで終わる訳には...!
「はあぁぁ!」
綺凛と紗夜の攻撃を無理矢理躱しながら一気に星辰力を高める雅也。
「!?綺凛下がって!」
「紗夜さん、まさかあれを迎え撃つんですか!?」
この戦闘で一番の威力の攻撃が来ると察した紗夜も迎撃体勢をとる。
(俺が今出せる最高火力の攻撃だッ!)
そして──
「滅竜奥義 『紅蓮爆炎刃』!」
「出力最大、『フルバースト』!」
炎と光弾が真正面からぶつかり合う。その衝撃は会場の客席よりも更にその外、会場外まで振動が伝わった。
ステージはドーム状に爆煙に埋め尽くされ試合を中継していたカメラでさえ何も映し出せていなかった。
「ハァ、ハァ...」
ありったけの星辰力を使いきった雅也は激しい息切れを起こしながらも、紗夜達のいた方を睨みつけるように見ていた。
(炎魔法自体久しぶりだったけど、こんなに燃費が悪かったっけか...一発撃つだけでもう限界だ...)
思わず意識を手放しそうになったが何とか膝をつき耐える。
(おっと...でもこれで.....)
ふっと胸をなで下ろす雅也。
しかしその見つめる先には晴れた煙の中から二人の姿が現れた。
(まさかッあれを耐えたのか!?)
二人も決して無事ではない。制服の所々が焼け、紗夜の大砲のような銃ももはや使い物にはならないくらいに壊れていた。だが致命傷にはならなかったようだ。
咄嗟に立ち上がろうとした雅也だが既に星辰力も底を尽き、上手く立ち上がれない。
紗夜と綺凛がこちらへ向かってくる。あくまでも油断はせず確実に仕留めるつもりだ。
(クソッ、まだやれるだろ...相手が立ってるんだ...)
足がふらつき意識が朦朧とする。
「先には倒れられっかよぉぉ!」
自分を鼓舞するように叫び立ち上がった雅也も二人へ突っ込んでいく。
綺凛の刀を躱そうとする。だが先のようなキレなど微塵も見当たらず直撃とはいかずとも食らってしまう。
「ぐぅッ!?」
反撃をするが、その拳にはもう纏わせる炎も何かを創る氷も無く、キレの悪い攻撃が空を切る。
(また、だ。大技撃つ前と同じ...限界以前に魔法を使おうとすると、どんどん沼にハマったように動けなくなる...)
何とか綺凛の猛攻を凌ぐも、背後からの紗夜の煌式武装の攻撃を受ける。
(ぐぅッ...)
もはや声すら出せないような状態。意識があるのが奇跡だと会場の誰もが思っていた。
そこへ綺凛が目の前まで迫り、紗夜の光弾も雅也の校章を狙い寸分の狂いもなく放たれた。
(届かなかった...)
足がふらつく。
(必死に手を伸ばした...)
これが精一杯。
出来ることはやった──
だから悔いはない...。
「天竜の──咆哮!」
そんな考えごと吹き飛ばすような暴風が雅也の目の前を横切り、綺凛と光弾を吹き飛ばしていった。
自身の後ろを振り返る雅也。
あれは...誰だ...
ずっと俺の後ろに居た...
彼女は...あんなに強かったか?
あの子はもう...
「雅也さん!」
突然の出来事に会場や雅也すら呆気にとられていた。だがそんな事はお構い無しにウェンディが雅也に歩み寄る。
「あっ...」
何とも抜けた声を出してしまう雅也。
「何で一人で戦ってるんですか!」
一人?いや、お前はずっと...
「...?違う...俺は、お前を頼って」
ずっと俺の後ろに居て助けてくれたじゃないか
「違わないです!なら何で私に攻撃を手伝えと言わないんですか!」
「それはお前が戦うのが苦手で、お前まで俺の都合で傷ついて欲しくなかったから!」
本心だ。ここまで感情的になる事なんて数年ぶりだから
「そんなの頼られてない!本当に頼られてるなら私は、あなたの後ろになんか居ない!」
パリンッ
ガラスが割るような音が
自分の中でから聞こえた。
俺は──
自分の都合で──
本当は彼女の気持ちなんて考えてなかった──?
彼女が躊躇って言えないのを言い訳に勝手に決めつけて、自分に言い聞かせてただけ──
「私は!雅也さんの『隣』で恩返しがしたいんです!」
あぁ──そうか
逃げてきた結果がこのザマだ。
大切な存在ほど、黙って、騙して、利用して。
独りじゃない気になって、肝心なことは目を逸らしてた。
「...一人じゃ勝てない。心のどっかではわかってたよ。俺の我儘に付き合わせてるんだから。せめて大会はなんて...」
力が湧いてくる。不思議だ。
「でもダメっぽいんだ。だから...」
一人じゃない。
隣にこんな頼れるパートナーがいるんだ。
「もっと俺の我儘に付き合ってもらっていいかな?」
「っ!はいっ!」
紛れもない二人の本心。そこに遠慮など無かった。
次も今回ほどではないけど近いうちに出せればいいなぁ(願望)
でもFEとか見たい映画とかで休みもあまり作業が進まずに失踪が微レ存。
そんな訳で次も「こんな奴いたなぁ」くらいで待ってて頂けると幸いの極み。
それではここまで読んでくれた方、ありがとうございました!