フラっぴーです!
あけましておめでとうございます!
今年最初の投稿です!
あと今回はセリフが多いです。
七海side
帝人君がいなくなった次の日、やっぱり帝人君は学校には来なかった。
「やっぱり紫藤君は来ないか……」
「先生。私帝人君を探しに行きます!」
「勿論俺らも行くぜ!」
「先生もみんなにお願いしようと思っていたところよ。みんなで一緒に探しましょう」
みんなは立ち上がって帝人君を探しに行こうと教室を出ようとした時、一人の男性が入ってきた。
「今のお前らが紫藤君を探して何になる」
「黄桜先生!」
この人って確か私たちの担任の先生、黄桜先生。それよりも黄桜先生の行ったことはどういうことなんだろう。
「どういう意味ですか。いいからそこを通してください」
「紫藤君のところにいって気休めにもならないことを言いに行くのか」
「!?」
「黄桜!何が言いてえんだよ!!」
「紫藤君のことを何も知らないお前らが行っても意味ねえってことだ!」
帝人君のことを何も知らない。確かに私たちは出会って数ヶ月しか経ってたい。私も八年前に一週間だけしか一緒にいない。でも!
「じゃあこのまま帝人君を放っておけって言うんですか!!」
「そうは言ってねえ。紫藤君のところに行く前に紫藤君について知ってもらうんだ。そのためにこの人に来てもらった」
黄桜先生がそう言うと誰かを連れてきた。その人は南沢宏明先生だった。
「南沢先生」
「この子たちが紫藤君のクラスメイトですか」
「そうです。すみませんがみんなに紫藤君について教えてやってくれませんか?」
「教えてください、南沢先生。昔、紫藤君に何があったのか」
「みんな。これだけは約束してほしい。私の話を聞くなら彼を、紫藤君を絶対に嫌わないと」
「「「約束します」」」
「ありがとう。じゃあ話すよ。彼のことについて」
それから先生は1時間ぐらい話した。帝人君のお兄さんのような人、紀田邦光さんのこと。その人を事故で殺してしまったことを聞いた。先生の話を聞き終えると、私は帝人君のところに行きたいという気持ちでいっぱいだった。
「早く……早く帝人君のところに行かなきゃ」
「あ!待って千秋ちゃん!みんなと一緒に探そう!」
私はみんなの声を聞かずに教室を出て帝人君を探しに走り出した。校舎を出て、門を出て、街中を探しに出た。
「はあ……はあ……はあ……帝人君……どこにいるの」
どこを探しても帝人君は見つからない。一体どこにいるの。
「どうして何も言ってくれなかったの。つらい過去があるなら私たちみんなで支えてあげたいのに」
私は涙が止まらなかった。帝人を支えてあげられなかったことと帝人君がずっとつらい思いをしていたことに気付けなかったこと。私はそれを後悔していた。
その時、私はある場所を思い出した。あの場所はまだ探していない。あそこにいけばもしかしたらいるかもしれない!
「早く行こう」
私は走り出した。あの場所に向かって走った。走って走って走り続けた。数分経ってようやく到着した。
「海。邦光さんのお墓がある場所」
私は砂浜を歩いた。邦光さんのお墓がある場所を探して歩いた。数分歩き続けると、人の姿が見えた。近づいていくとその人が誰なのかすぐにわかった。絶対に忘れない。あれは、帝人君!
「帝人君!」
「!?」
私の声が届いたのか、帝人君は振り向いた。
「七海?」
「やっと……やっと見つけた」
「何で……」
「帝人君。貴方の過去を南沢先生から聞いたよ。そこに眠っている邦光さんのことも」
「!?なら……なら何で探したんだよ!!」
「!?」
「俺の過去を知ったんだろ!ならもうわかってんだろ!俺が人殺しだってことも!それが本当だってことも!普通は人殺しをここまで必死に探さないだろ。なのに何でお前はそうまでして俺を探したんだよ!」
「確かに帝人君は人を殺したかもしれない。けど、邦光さんを殺してしまったのは事故なんでしょ。帝人君が好きで人を殺すなんてありえない」
「なんでそう言い切れるんだよ。お前に俺の何がわかるんだよ!俺は本当は人を殺すのが好きかもしれねえだろ!」
「だったらなんで医者になってみんなの病気や怪我を治してるの!人を殺すのが好きなら、病気や怪我を治してほしい依頼も断ってるはずだよ!」
「そ、それは」
「帝人君にも悪いところはあるかもしれない。けど、それと同時にいいところがいっぱいある」
「俺にいいところなんか何もない!俺は……俺は!そんな自分が嫌いだ!」
「だったら、私が帝人君のいいところを言うよ。帝人君は誰にでも優しい。お人好しって言われるくらい。意外に料理が上手、この前のサンドイッチも美味しかった。みんなの病気や怪我を治してくれている。クラスのみんなや病院にいる人たち、たまたま道で会った人。その人たちを治してくれている」
「もうやめろ!!そんなの真実じゃない!!俺はみんなにずっとあのことを黙っていた。信頼できる友達がいたのに相談もしなかったクズ野郎なんだよ!!」
「帝人君は自分のことしか知らない!!私やみんなが思ってる帝人君を、帝人君はどれだけ知ってるの!!」
「!?」
「帝人君が自分のことをどんな風に思ってるとしても、私たちは帝人君のことを友達だって思ってるよ」
「何で、何でお前はそこまで俺のことを」
「私は……帝人君が好きだから」
「え?」
「ごめん、今のは忘れて。みんな帝人君を待ってるよ。帝人君がいなかったら私たちのクラスは一つにならない。みんなが揃うからクラスが一つになるんだよ」
帝人君は膝をついた。私はゆっくりと帝人君に近づいていった。そのまま帝人君を抱きしめた。
「もう一人で背負わなくてもいいんだよ。私たちがいるから」
「俺は、本当は恐かった。俺の罪を知られて、やっとできた大勢の友達に嫌われるのが恐かった!また一人になるのが恐かった!」
帝人君は今まで溜まっていたものを全て吐き出すように私の腕の中で泣いた。私はそんな帝人君を黙って抱きしめ続けた。数分経って帝人君は顔を上げた。
「ありがとう。こんな俺と友達でいてくれて」
「お礼なんていらないよ。私は当然のことをしただけ。私じゃなくてもみんなならこうしてるはずだよ」
「七海、あのさ」
「何?」
「八年前の約束、覚えてるか」
八年前の約束。確か再会してお互い覚えていたら伝えたいことがあるから聞いてくれるかだったかな。急にどうしたんだろう。
「七海、俺はお前のことが好きだ。世界中の誰よりも」
「え」
私は言葉を失った。好きな人から告白されたから。
「俺は一人じゃ何もできない。だから今日俺を支えてくれたみたいに、これからも俺のことを側で支えてくれないか」
気がついたら私は泣いていた。嬉しかったから。そうだ。返事をしなきゃ。私の答えはもう決まっている。
「はい!これからもあなたのことを支えさせてください!」
「な、なんかプロポーズみたいになったな」
「ふふ、いいんじゃないかな」
「ははは」
気がついたら外はもう暗くなっていた。早くみんなのところに帰らなきゃ。
「七海、これからもよろしくな」
「はい!」
私たちは立ち上がり、月が写った夜の海でお互いの唇を重ねた。
七海side out
帝人は一人じゃない。七海はそれを伝えたかったんですね。
二人はついにくっつきました!
めでたいですね!
あと少しリゼロの名言を使わせていただきました。
今年も『ダンガンロンパ 世界で一人だけの天才医師』をよろしくお願いします!