フラっぴーです!
今回は分けることにしました!
それではどうぞ!
7月……
青い空、白い砂浜、眩しい太陽、そして……
「「「いらっしゃいませー!」」」
「「「あ……暑い」」」
海辺の少年少女たち。帝人たちはある海の家でアルバイトをしていた。何故こんなことになったのかは2日前にさかのぼる。
2日前……
帝人たちはいつものように教室で雪染が来るのを待っていた。けど今日は中々こなかった。
「先生何かあったのかな?」
「さあ?けどこれだけ遅かったら何かあったんじゃないか。例えば寝坊とか」
帝人と七海は教室の後ろにある自分の席でゲームをやりながら話していた。その時、丁度雪染が息を切らながら入ってきた。
「はあ……はあ……はあ……み、みんなおはよう!」
(((何かあったんだな)))
雪染の格好を見てみると、崩れたエプロンに頭にはタコのぬいぐるみ、腕にはどこから持ってきたのかわからないがイカが絡まっていた。どうやら雪染は自分の格好に気づいていないみたいだったから七海が教えた。
「あ、あの先生。とりあえず格好をどうにかしたほうがいい……と思うよ」
「え?ああほんとだ。……よいしょっと」
頭のタコのぬいぐるみを外し、それを教卓の上に置き、腕に絡まっているイカは足を縛り、天井にぶら下げた。
「おい花村!あとであのイカ調理してくれよ!」
「もちろんだよ!その代わり君のそのおっ「ふん!!」へぼお!!」
「………またつまらぬものを切ってしまった」
(((か……かっこいい)))
変態発言をしようとした花村を竹刀で吹っ飛ばした辺古山を見て全員がかっこいいと思った。
そのあと小泉が先生何があったのか聞いた。
「何かあったんですか?」
「まあ……うん。実は朝寝坊しちゃって急いで行く準備をしていたの。そしたら知り合いから電話がきてね、1日だけバイトして欲しいってきたの。あと人数が足りてないからいっぱい連れてきてって。しかも私は何も言ってないのに切っちゃったのよ。そして時間を見たらやばい!と思って急いで来たの」
「先生、もしかして」
「まさか俺らにも手伝って欲しいとか」
「お願い!あなたたちしかいないの!」
「うーん。まあ俺は構わないけど。みんなはどうする?」
帝人がみんなに問いかけると全員が首を縦に振った。
「ありがとう!」
「そのバイトって何のバイトなんですか?
「えっと確か海の家だったかなぁ。もう夏だから海の家を始めるとか言ってたし」
「海の家ってことはやっぱり水着なのか!!」
「え?まあそうなるわね」
「よっしゃー!!ってことはソニアさんの水着姿を見ることが出来る!!」
水着姿のソニアを見るのが嬉しすぎて暴走寸前まで来た左右田を見て全員が呆れていた。その中で小泉が動いた。
「うるさい!!ちょっと黙ってなさい!!」
「へぶ!!」
小泉は左右田に目掛けて拳骨を下した。よほど痛かったのか左右田は気絶してしまった。
「と、とにかくアルバイトは明後日だから、バイト先の海まではバスで行くわよ」
雪染はそう言って気絶した左右田を放ったらかしにしながら授業に入っていった。
2日後……
帝人たちは海まで雪染が運転する希望ヶ峰学園専用のバスで向かっていた。
「海に来るの久しぶりだな」
「私も久しぶりかな」
バスの中で帝人は七海と話していた。帝人はずっと外の景色を見ていたが一度隣に座っている七海を見た。
「お前バスの中でゲームやっててよく酔わないな」
「お父さんの運転する車の中でゲームしてたからもう慣れちゃった」
「そ、そうなのか」
「お父さんの運転凄いんだよ。私は酔ったことないけど他の人が乗ったら必ず酔うんだ」
「それってある意味才能なんじゃ」
「超高校級の車酔いさせる運転手だったりして」
「いや、それは無理があるだろ」
「やっぱり無理があったかー」
「だあー!また負けたー!」
「こいつの運に勝てる気がしない」
「僕も降参」
「坊ちゃん、諦めないでください」
「あはははは」
一番後ろの席では左右田と九頭龍と御手洗と狛枝の四人でトランプをしていた。辺古山は九頭龍の応援をしていた。
席順は
狛枝○左右田○御手洗○九頭龍○ 辺古山
澪田○花村○○○○○○弐大○○終里
帝人○七海○○○○○○ソニア○ 罪木
小泉○西園寺○○○○○田中
雪染
である。
「あともうちょっとかもしれないけど寝ようかな」
帝人が眠りに着こうとした時、バスが左に急カーブした。その勢いに抵抗できず帝人は七海の膝の上に倒れてしまった。
「「あ」」
「す、すまん!すぐに退くよ!」
「紫藤君眠たいでしょ。だからこのまま寝てもいいよ。椅子で寝たら疲れると思うし」
「いいいや!それは悪いよ」
「私は平気だから!」
「ちょっ!頭抑えるなよ!わかった!わかったから!お言葉に甘えさせてもらうよ」
「うん!それでよろしい」
帝人は七海の膝の上で目を瞑るとすぐに眠った。その様子を見た七海は微笑んだ。
「いつもはしっかりしてるけど、眠ってる時は凄く可愛いな」
帝人の頭を撫でながら七海は小さく囁いた。
「ペ、ペコ!すまん!」
「い、いえ!これくらい平気ですよ!」
後ろの席ではさっきの急カーブで九頭龍は不可効力で辺古山の胸を軽く触れてしまったみたいだった。
「帝人や日向に続いて次はお前かよ!!」
「僕の幸運が吸い寄せられちゃったかな」
「あはは」
そのせいで二人は顔を赤くしていた。
数十分後……
「弐大のおっさん!海に着いたら早速勝負しようぜ!!」
「今日はアルバイトだからダメじゃ!」
「ちぇー」
「田中さん。ハムスターさんは元気ですか?」
「俺様の僕、破壊神暗黒四天王はエネルギー補給のため眠りについている」
「可愛いですわ!」
「すぅ……すぅ……」
「小泉おねえの水着姿早く見たいなー」
「着いたらみんなの水着姿が見れるわよ」
「海はまだっすかねー!」
「海の家で最高の料理を作ってあげるよ!」
「早くソニアさんの水着姿見てぇ」
「海でどんなことが起こるのかな」
「お腹空いた」
「すぅ……すぅ……」
「坊ちゃんの寝顔……可愛い」
「紫藤君の寝顔可愛いな。ちょっとイタズラしてみようかな」
「みんなー!もうすぐで着くから寝てる人を起こしておいてー!
「紫藤君。もうすぐ着くよ」
「うううん……あ、ごめんすぐに退くよ……」
「坊ちゃん。もうすぐで着きますよ」
「うん?ああ悪い」
数分後……
雪染がバスを海の近くの駐車場に停めると、雪染の知り合いらしき人物が駐車場の出口で待っていた。
「彩!久しぶり!」
「ちさも久しぶり!!」
「みんなー!紹介するわ。この人は私の高校時代の同級生の仙堂彩。で、こっちが私のクラスの生徒たち」
雪染が仙堂に帝人たちのことを紹介すると、帝人たちは一人一人自己紹介をした。全員がやり終えると、仙堂が自己紹介をした。
「仙堂彩です。超高校級の商売人よ!」
「この才能のせいで私はいろんなものを買ってしまったわ……」
(((だからたまに変なものを持ってきてるのか)))
雪染が遅刻しそうになって慌てて来た時に持ってきているものは全て仙堂の商品である。
「今日はみんなよろしくね!早速だけどあそこの更衣室で水着に着替えてきて!」
更衣室まで来ると男子と女子に分かれていった。途中、花村がどさくさに紛れて女子更衣室に入ろうとしたが弐大が縄で縛り付けて男子更衣室に連れていった。
男子更衣室……
「おお!紫藤君凄い体だね!鍛えてるの?」
「父さんが道場の師匠をやってるんだ。俺もたまに行って鍛えてるんだ」
「ソニアさんの水着に早く見たいぜ」
「…………」
「弐大君。この縄を解いてよー」
「おお!すまんすまん!忘れとったわい」
「俺様の封印されし肉体を解き放つ時が来た!」
「ちょっとは痩せようかな」
女子更衣室………
「おお!これ動きやすいな!!」
「どうっすか!似合ってるっすか!」
「とても似合ってますわ!」
「また胸がおおきくなったのかなぁ」
「うっさいわよゲロブタ!それは私に対する嫌味か!」
「ちょっと胸が苦しいかな」
「この水着、布の面積が少なくないか」
「大丈夫よ!とっても似合ってるわ」
「相変わらずちさは大きいわね」
「そ、そんなことないわよ〜」
数分後……
男子たちは早くに着替え終えたので外で女子たちを待っていた。
待つこと5分……。女子たちはやってきた。
それじゃあグループ分けをしましょうか」
グループは接客と食材の買い出しや調達の二つのグループをさらに二つに分けることにした。女子は接客、男子は食材の調達に分けた。(花村料理係、終里は花村の代わりに調達組、仙堂は店の主人なので例外)
接客組
一班
小泉
澪田
西園寺
ソニア
2班
七海
雪染
罪木
辺古山
調達組
一班
左右田
弐大
田中
御手洗
2班
帝人
狛枝
九頭龍
終里
このグループに分かれた。グループを分けた後、今ある食材を確認すると大きなダンボールが10箱あった。中を見るとぎっしりと詰まった食材があった。
「今は食材はこれだけあるけど、無くなる前に調達お願いね」
「今はまだ9時だから開店まであと2時間あるわね。それじゃあ10時半まで自由行動にしましょうか」
雪染の話を聞き終えると全員が喜んだ。その中には海に走る者もいれば砂浜でゆっくりしてる者がいた。
帝人たちのアルバイトが始まるまであと少しだ。
帝人たちのバイトはまだ始まっていません!
77期生はどれだけ稼ぐことができるのでしょうか!
次回第18話お楽しみに!