THE IDOLM@STER  二つの星   作:IMBEL

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総合評価11000pt突破ありがとうございます。
ここからまた、本編エピソードを進めつつ、オリジナルも挟んでいこうと思います。


第39話 お盆騒動 その1 竜宮始動

現実は想像を凌駕する。こんな言葉を何処かで聞いた気がする。

 

どんな物事であれ、始める前は、誰しも覚悟をしているつもりだ。そんな現実にも自分だけは何とかなるだろうという根拠のない自信を、人間は持ちながら物事に挑戦していく。

だが、現実は常に予想の上をいく。偶然や運命の悪戯かは分からないが、人の立てた予想などを現実は軽々と超えていく。そんな現実を前に、人間が立てた甘い自信と想像は三枚におろされていくのだ。

 

そしてそれは765プロも同じだった。

 

慰安旅行から数週間ほど経ち、暦は8月。朱里達学生組もいよいよ夏休みへと突入した。

慰安旅行が終わってからすぐ、律子は全員に新プロジェクトである竜宮小町結成の件を伝えると共に、メンバーの発表を行った。選ばれたのはリーダーの伊織を筆頭に、あずさと亜美の3人だった。

朱里もその人選に驚きつつも採用の理由に納得もした。

 

まず、この3人、声が良いのだ。

 

伊織は可愛らしいだけでなく演技が入ったような声色を、あずさはおっとりとした声とノビを、亜美は最年少とは思えない程効いたコブシを・・・3人とも声にかなり特徴があり、一人でもそれは武器となっていたが、組ませることで面白い反応を出すことが出来る。

 

ダンスの方も最年長のあずさがいることで表現にも幅が出るようになり、小柄な伊織や亜美の課題であった身体の小ささによるダンスの表現の限界にもある程度のカバーが出来るようになった。

 

ビジュアル面も伊織と亜美の年少組は言わずもがなの可愛らしさだが、あずさもソロ時に見せていた大人っぽさではなくあえて茶目っ気さを全面に出すことで、大人の可愛らしさを引き出して良いアクセントになっている。しかもその可愛らしさを追求するために本人たっての希望で腰まで伸びていた髪をバッサリとカットしたのだから驚きだ。本人は自分の表現の幅が広がるのなら、とあっけらかんとしていたが、あれだけ伸ばした髪を切るのは並大抵の覚悟ではないはずだ。

 

全体的にバランス良く、そして纏まった良いユニットだと思う。律子が前々から温めていたと豪語するだけはあった。そこに自分が入っていないことを悔しく思ったりもしたが・・・顔には出さずに素直に祝福した。

 

竜宮小町は活動に際し、ユニット用のレッスンを受ける傍ら、幾つかのオーディションへと応募した。その殆どが書類選考で落とされてしまったが、その内の一つは無事に通過した。

 

書類選考に通ったのは『ソングステーション』という番組だ。朱里が小学生の頃から続いている音楽番組で全盛期より人気は落ちているが、まだまだ固定のファンが多い、ゴールデン枠で放送されている長寿番組だ。扱うジャンルもアイドルだけでなく、アーティストや懐メロなど幅広い。

その番組が夏の特番スペシャルに人材発掘も兼ねて新人アイドルユニットの特集を組むことになった。尺の都合もあって採用枠は2枠という狭い門であったが、これで良い結果を残せれば今後の活動にも良い影響が出せる。

 

書類選考を通った時点でそれなりにいい結果は残せるんだろうな、という大方の予想を裏切り、なんとその特集枠の一つを竜宮小町は勝ち取ったのだ。

いきなりのゴールデン地上波デビューという大躍進に事務所中が沸き立ったが、残されたメンバーはそうも喜んでもいられないということにすぐ気づき始めた。

 

全員が売れていない状況と誰かだけが売れ始めた状況。この違いとそれが及ぼす現実は予想以上の格差を生み出していく。

先を行く立場も結果を残さないといけない為つらいかもしれないが、残される立場の方もまたつらい。

 

メンバーのスケジュールを書き示すホワイトボードも今は一本の線が引かれ、上段が竜宮小町のものに、下段がその他という分け方がされている。日が経つことに上段部分に挨拶回りや衣装合わせや収録だの黒い文字が埋まっていくのに対し、下段はそれなりという差。

竜宮小町の3人とその他10人でも、竜宮の方が黒く埋まっているスペースが多いという光景。ホワイトボードの上に引かれたたった一本の線は、まるでマリアナ海溝のごとき深さと、売れ始めた者とそうでない者という差をまざまざと見せつけてくれた。

 

ついこの間まで同じくらいの立場だった仲間が、遠くに行こうとしている。

学校の成績の差よりも分かりやすく、かつ残酷なくらいに残された者達へと知らしめてくる。皆まだ子どもなのだ。年少者は言わずもがなだが、その他メンバー内での年長者の貴音ですらまだ19歳・・・たった数週間でここまで変わってしまったことに動揺していない者の方が少ないであろう。

朱里だって冷静を装っているが、その内心は穏やかじゃなかった。受験や就活時特有のあの何かに急かされるような感覚を身に受けながら過ごしていた。誰かが上へと進んでいくのに、それに取り残されていく・・・その怖さは男時代の頃から人一倍理解しているつもりだったが、改めてやられるとつらかった。実力的には竜宮にも負けていないのに、と思うと尚のことだった。

 

この世は平等じゃない。上へと上がれるスピードとチャンスだって平等じゃない。実力があったって、上へと行けるわけじゃない。デビューしてすぐ上に行ける者もいれば、年単位でくすぶる者もいる・・・下手をすれば一度も売れないまま引退していくことも珍しくはない世界だ。

芸能界という華やかさの裏にある無情さと、一発当てれば仕事が増えていく博打さ加減を皆へと感じさせた。

 

 

 

 

 

 

挨拶を済ませた朱里は撮影スタジオから出ると、周囲の喧噪を避けるように近くの公園へと逃げ、少しでも涼める大木の木陰に身を潜めた。

 

―――手応えがない。今日の仕事の感想はその一言に過ぎる。

 

今日の朱里の仕事はファッション雑誌の撮影だった。雑誌のスペース埋めの為、事務所から指定の人数のアイドルをこっちに寄越して下さいという内容で、上手くいけばそのまま雑誌に載るかもしれなかった。

 

それは良いのだが、撮影内容とプロデューサーの人選のチョイスに些か問題があった。

今回の撮影内容はジーンズやラフな上着など、所謂ボーイッシュ系の服装であり、朱里には合わないタイプの撮影だったのだ。元男の経験からそれらしい振る舞いを取れるものの、それが似合うかと言えば話は別になるわけで。

 

・・・春頃、美希が自分のチョイスしたコーディネートが似合わないと言っていた理由が今なら分かる。小学生頃ならともかく、女性らしい身体のラインが出ている今ならばボーイッシュ系の服装は些かアンバランスなものになるのだ。

撮影に合わせる為にこっそり持ってきたテーピング用の包帯をサラシ代わりに巻き付け、バスト80を超える自分の胸部を無理矢理潰して撮影したが、それでも胸の強調は抑えられなかった。

 

あれじゃあ、採用はされないだろうな、と落胆しながら幹へと身体を預け、目を閉じる。

 

もし美希がこの仕事に来ていたらどういう風に・・・と思わず夢想してしまうが、たとえ美希でもこの状況はどうすることもできないだろうな、と思ってしまう。むしろ、撮影に嫌気がさしてしまい、逃げてしまう可能性すらあった。

最近は落ち着いてはいるが、元来の美希の性格は気まぐれで自分が嫌なことは徹底的にやらないタイプなのだ。才能はあるのにその性格が災いして、ほっぽり投げて終わってしまう光景を幼い頃から何度も見てきた。

だから現在、無理矢理入れられた夏期講習に通わされており、1週間は事務所に顔を出せないでいる状況は美希にとって相当不本意だろう。朝早く家を出ては机に向かい、夜にヘロヘロになって帰ってくる日々を過ごしている。

家に帰ってくる度に勉強ばかりなんて、とブーブー文句を言ってくるが、こっちもこっちで大変なのだ。夏期講習は今日で3日目、あと4日の辛抱なのだから向こうも頑張って欲しい。

 

色々タイミングが悪かったな、と思う。折角髪をカットしてあずさ程ではないものの髪型を変えてきたのに、撮影にそぐわないものになってしまうし……。

 

(髪切るタイミング、もう少し遅れさせた方が良かったかな)

 

慰安旅行から帰ってきてすぐ、朱里は行きつけの美容院に行った。いつもだったら伸びた髪をショートボブの長さまで切って貰うのだが、朱里は事務所に許可を取った上で、いつもと違った髪型にしてもらった。

あの時、律子に綺麗な髪と言われたことでちょっとした冒険をしたくなったのだ。そこまで奇抜な髪型にするつもりもなかったし、駄目だったら後日また来ていつものにしてもらえばいいやと少しネガティブなことをポジティブに考えてはいたが。

一番下の長さの髪を残して、そこから上の毛や枝毛など伸びていた所を上手い具合に切ってもらい・・・いつもより少し長めのボブカットにしてもらった。

綺麗に整えられた自分の髪を見たとき、下の髪の長さが違うだけで印象って変わるものだなとちょっと驚いた。このまま伸ばすかはまだ決めていないが、しばらくはこのままでいようと思ったのだが・・・いつもの髪型にしとけば良かったかも、と少しだけ後悔してしまいそうになる。

 

(・・・なんだかなぁ)

 

プロデューサーも仕事を取ってきてくれるのは嬉しいしありがたいのだが、こういった人選ミスが最近は目立つ気がする。今日の撮影だって、朱里ではなく真や響辺りを向かわせれば良いのに、2人は別の仕事が入っているせいで行けなかった。

この間も高身長の貴音に似合わないゴスロリ系の撮影をさせたり、高所恐怖症のやよいに高いところで行われるエキストラ役の撮影に向かわせたりなど・・・もう少し、メンバーの人選を考えれば上手くいきそうなのだが、上手く噛み合わない。

空回りしているのだ、色々と。

プロデューサーもつらい立場なのは分かるが、心配だ。

今はまだ致命的なミスを犯してはいないが、そのうち何かやらかしてしまうのでは・・・とも思ってしまう。余裕がないのか朱里が煎れたコーヒーも飲まないまま放置されていることも多く、最近は冷めたコーヒーをシンクに流してばかりだ。

 

(今頃竜宮は名指しでの仕事・・・新曲のレコーディングだっけ?)

 

朝、事務所を出てくる前に確認したスケジュールを思い出す。確か曲名は・・・『SMOKY THRILL』とかだっけ?

 

向こうはレコーディングで、こっちは誰でも良い仕事、か。

誰かが勝ち上がれば、その他は割を食う。食うか食われるか。そこら辺の学校やバイト先や会社や役所でも……何処でも果てしなく繰り広げられている争いで、世の中でもありふれた光景。その中の一つでしかない。分かってはいるのだが、つらい。

自分達がやっているのはサークル活動でも仲良しごっこでもない。向こうは結果を出したからこそ、今の状況がある。それを妬んだりしても何も変わらないし、嘆いている暇などないことも理解している。

 

・・・でも、もし、もしこのままの立場ならば、自分はどうなるのだろうか・・・。

 

何者にもなれず、ただ埋もれていき、その他大勢へと落ちぶれていく。何も得られず、何も選ばれず、ただただ時間だけを消費し、気がつけばどうにもならない所まで追い込まれている。

そして自分は・・・どうなるのだ?

夢破れて事務所を辞めて、周りの人間と同じように結婚するのだろうか。そしてテレビに映るアイドルを見ながら、私もああいう時代があったなと思うのだろうか。輝きとは縁の無い人生、男時代の自分と変わらない生き方……。

 

(・・・それだけは、嫌だ・・・!)

 

そんな未来を想像して、自分の身体を抱きしめる。記憶の奥底に閉じ込めていた、男時代の自分を思い出してしまい、身震いしてしまう。

 

・・・昔はどんどん女になっていく自分の身体が嫌だった。意思とは関係なく大きくなっていく乳房と尻、自分の意思と反比例する形で成長し続ける身体に、性別を受け入れろと身体にまで強要されているようでしんどかった。髪だけはせめてもの抵抗で短くし続けていたこともあった。

けれども、徐々に自分の性別を受け入れ始めたここ数ヶ月、ラブレターやナンパなど、女という目線で見られることに気づくことが多く、それを意識することも増えたが、別のことも自覚するようになっていた。

 

―――自分は相当、恵まれている、と。

 

体つきも顔も声も、人並み以上であるのだと最近自覚できた。家系も裕福であるし、複雑な家庭環境でもない。好きな事をやらせて貰えている、という事はどれだけ幸せなのか、ということ、そして―――死んだはずの自分が、また人生を過ごせていることも含めてだ。

・・・とても、男時代の自分では考えられない程の境遇だ。恵まれている、そして、今の自分を失いたくなかった。

自らにある人並み以上の才能も努力したことで得られた結果も、何かに全力で挑むことも、この数ヶ月間で何もかもが朱里にとって初めての経験だったのだから。

だから、過ちは繰り返さない、繰り返してはいけない。

 

周りの期待もそれなりにある。少なくとも、律子に信頼されるくらいにはあることを自覚できた。後はそれらをどう活かし、どれだけ応えられるかだ。

手元に転がってきたチャンスを逃さず、捕まえ、結果を残す。結局の所、それしか出来ないのだ。そしてそれを絶対に見逃してはいけない。

 

そして、そのチャンスは意外にもすぐ来てくれた。朱里はスカートのポケットから折りたたまれた用紙を取り出した。

 

・・・中規模クラスの音楽フェスのオーディションの書類通過の知らせだった。丁度この前結果が来ており、まずは第一関門突破とホッと胸をなで下ろしていた。

無論、メインではなくあくまでも前座というポジションでのオーディションではあるが、春頃に受けたものとは規模と時期も違う。確定している出演者も比較的名前が売れている者が多く、開催時期も8月下旬とまだ夏休みシーズンの中なので、普段以上に大勢の人に見られる良い機会だ。

 

オーディション本番まで後6日。現在、朱里はオーディションにむけての対策に励んでいた。

今回のオーディションではある程度の基礎部分が固まってきていることから、朱里の得意面であるボーカル面がより求められる曲で挑むこととなった。

色々候補はあったが、最終的には千早の持ち歌である『蒼い鳥』を使わせてもらうことにした。あずさの『隣に・・・』や貴音の『風花』なども良い曲ではあるのだが、『蒼い鳥』の歌詞にビビッとくるものを感じたのが採用理由だ。

 

『蒼い鳥』は童話の「青い鳥」をモチーフにした歌であり、孤独な哀しさの中にも力強さを秘めたバラード曲だ。童話の方では幸せの青い鳥を求めて子供が旅をするという内容だったが、この歌にはその幸せや夢を追うために降りかかる痛みや決意、そして抱いた恋心を捨てる様を1羽の鳥に喩えたフレーズで鏤められている。

 

『泣くことならたやすいけれど 悲しみには流されない』

『蒼い鳥 もし幸せ 近くにあっても あの空へ 私は飛ぶ 未来を信じて』

『あなたを忘れない でもきのうにはかえれない』

 

どこか悲しい、でも力強さを感じさせる歌詞は今の朱里に不思議な共感を覚えさせてくれた。

童話の方では幸せの青い鳥は自分のすぐ近くにあったという結末で終わっている。

でも、現実は童話のように単純じゃない。幸せの形は人それぞれだし、近くに転がっているものばかりじゃない。時には自分の本当の幸せのために、近くにある幸せを振り切ってまで動かなければならない事だってあるだろう。

 

「本当に、自分の存在を周りに認めて欲しかったら・・・結果を残すしかないんだよな・・・」

 

そして、自分もその幸せを求めるために動かなければならないと感じている。本当に欲しいものがあるのなら、それは自分で向かって手に入れるしかない。

待っているだけじゃどうにもならないことの方が多い。何もせずに待っていたり、神様に祈ったりするのは、全部やりきって気休め程度にやるくらいで十分だ。

何もせずに神様に祈るようになってしまったら・・・人間は終わりだ。

 

午後からの予定は何も入ってはいなかったが、朱里はその時間を自主練習に使う予定でいた。以前のようにカラオケボックスでボイトレを行い、自分なりに改善を行おうと考えていた。

『蒼い鳥』は基本音階が低めの短調の曲で、これまで歌ってきた長調の曲とは違う技術が求められる。千早は自分の癖やアドリブを入れず、譜面通りにしっかりと歌う傾向が多いため、かなり参考になる。元々千早は歌手志望だったことから、そこら辺の技術はかなり高く、信頼は出来た。

過去『蒼い鳥』を歌った事のあるアイドルの音源も一緒に借りているため、他との比較も行える。何故かやよいが歌った音源もその中に交じっており、この曲のイメージに合わないと苦笑したが・・・まあ、やよいの舌っ足らず気味な歌い方も何か参考に出来る所はあるかもしれない。

 

音楽プレイヤーとノートを取りだそうと肩に提げていたショルダーバッグの中をまさぐると、コツンと小さなバンダナの小包が指に当たった。それを見て、朱里は少しだけ顔をしかめた。

 

(・・・やっぱり食べなきゃ駄目だよなぁ)

 

バッグの奥底へと押しやっていたそれは、母が家を出る時に持たせてくれた弁当箱だった。

朱里は適当に外で食べてくるからと言ったのだが、無理矢理持たせられたそれを朱里はそのまま持ってきてしまった。夏休みで色々と外に出ることが多いとはいえ、一々弁当を持たせなくてもと思うし、忙しい母の負担にもなるのだからと断ったのだが・・・。

 

流石に中身全部を捨てるなど罰当たりなことはしない。夏場だし、あまり長い間放置してしまっては腐らせてしまう。地面に置いてバンダナを解き、蓋を開けた。

 

小さな弁当箱の中にはぎっしりと中身が詰まっていた。

副菜の定番の卵焼きにかまぼこ、きんぴらごぼうにブロッコリー、メインのおかずはコロッケ2枚。ご飯の上には梅干しと黒ごまが載っかっている。

 

美味しそうだ。そう思うけれども、喉を通りそうになかった。

 

……最近、食欲が湧かないのだ。飲み物は飲めるのだが、固形物がうまくお腹へと入っていかない。入っても少しの量で満足してしまう。そのことをプロデューサーに相談しようとしたのだが、忙しそうで中々タイミングが噛み合わず、それを言うことが出来ていない。

 

でも歌うことは出来るし、踊ることも出来る。パフォーマンス自体に問題はなさそうだった。

念のために熱を測ってみたが問題なしの平熱。少しお腹が緩い感覚はするが、身体に何か致命的な不備は見当たらない。

やはり、色々考えることが増えたせいでの心労なのだろうか、プレッシャーで食が細くなるように、ここ最近の緊張や不安のせいなのだろうか?

 

正直、お腹はすいていない。だが何かお腹に入れておかないと午後の自主練にも差し支える。時間は限られており、なるべくは高いパフォーマンスをしたまま自主練を迎えたい。

意を決して朱里は「いただきます」と手を合わせ、無理矢理でも弁当を食べ始めた。中々入っていかなかったが、飲み物で押し流すようにしてお腹へとたたき入れた。

 

・・・でも、全部は食べきることが出来ず、結局3割ほど残してしまった。




殆ど会話がないエピソードですが・・・、まあ次回のつなぎだと思って下さい。
竜宮の件はダイジェスト気味になってしまいましたが・・・まあ、これくらいしないとアニメでもあそこまで人気にはなっていないよなぁ・・・と。まあ、尺の都合とかもあると思うのですが・・・。

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