スピリットが遊戯王モンスターになってた件   作:ドロイデン

38 / 39
コラボ 儀式使いの戦士⑤

 さて、手札は1枚、伏せカード1枚でライフは残り10という風前の灯、こりゃ次のカード次第で俺の命運が決まるよな。

 

「俺のターン、ドロー!!」

 

 引いたカードは……

 

「魔法カード『壷の中の魔導書』!!互いにデッキからカードを三枚ドロー!!」

 

 よし、来た!!

 

「伏せカードオープン!!『貪欲な瓶』!!墓地の『シシグイ・アスカ』、『神樹の切り株都市』、『聖者の樹の実』、『マジック・オブ・オズ』、『貪欲な壺』をデッキへ戻し1枚ドロー!!さらに魔法カード『強欲で貪欲な壷』!!デッキからカードを10枚除外し、デッキから二枚ドロー」

 

 これで手札は合計六枚!!ここで一気に決める!!

 

「手札から魔法カード『融合準備』!!エクストラデッキから『紅陽鳥』を相手に見せることで、デッキから『セイントバード』と『融合』を手札に加え、そのまま発動!!手札の『ソニックバード』と『ゴクラクチョー』を融合!!現れろ!!『シシグイ・アスカ』!!」

 

『シシグイ・アスカ』 A2000

 

「『シシグイ・アスカ』が融合召喚に成功したときの効果で、墓地から『シシグイ』二体を特殊召喚!!」

 

『シシグイ・アスカ』 A2000→3600

『シシグイ』×2 A500→2100

 

「俺は速攻魔法『融合解除』を発動!!『シシグイ・アスカ』をエクストラデッキへ戻し、墓地から『ソニックバード』と『ゴクラクチョー』を特殊召喚!!」

 

『シシグイ』 A2100→2500

『ソニックバード』 ☆4 A1400→3400

『ゴクラクチョー』 ☆4 A1000→3000

 

「『ゴクラクチョー』は特殊召喚に成功したとき、デッキから風属性鳥獣族モンスターを手札に加える。俺は『シシグイ』を手札に加える!!そして墓地の『飛翔融合』の効果発動!!手札の『シシグイ』を墓地へ送り、『飛翔融合』を手札に戻し、発動!!『ソニックバード』と『ゴクラクチョー』を融合!!三度現れろ!!『鳥武姫神シシグイ・アスカ』!!」

 

『鳥武姫神シシグイ・アスカ』 A2000

 

「『シシグイ・アスカ』の効果で、墓地の『シシグイ』と『マッハホウオウガ』を特殊召喚!!」

 

『シシグイ・アスカ』 A2000→5600

『シシグイ』×3 A2500→4100

『マッハホウオウガ』 A2000→5600

 

 いくら攻撃力収束はできないとしても、そもそも攻撃力をあげてしまえば問題ない!!

 

「バトル!!」

 

「バトルフェイズ開始時『ブレイジング・ドラゴニス』の効果!手札の再炎カードを捨てる事で再炎モンスターの攻撃力を800アップ!」

 

『断罪の烈再炎滅龍ブレイジング・ドラゴニス』 A3400→4200

『再炎滅龍ブレイズ・ガイ・アスラ』×2 A3000→3800

 

『シシグイ・アスカ』で『ブレイジング・ドラゴニス』を攻撃!!烈風のスクラム・ブラスター!!」

 

「俺は『再炎起動』の効果発動!!互いのプレイヤーに500ポイントのダメージを与える!!」

 

「チェーンして速攻魔法『サイクロン』!!『再炎起動』を破壊する!!これによりフィールドから離れたことで、『再炎起動』のバーンダメージは発生しない!!」

 

 やっぱり相討ち狙いをしてくるとは思ったが、まさかこのタイミングで使ってくるとはな。だがこれでもう!!

 

「俺は墓地からトラップカード”再炎起動”の効果を発動!」

 

 このタイミングでまだあるのか!?

 

「このカードを除外して自分のライフを500回復し、500のダメージを受ける!」

 

ユーキ:100→600→100

 

「態々回復してからのバーンダメージ……?」

 

 そんなことをして伏せカードも無い状況でなんの意味が……

 

「……このターン効果ダメージを受けた事でこのカードは相手ターンに手札から発動できる……」

 

「……オイオイオイ、まさかお前そのカードは!?」

 

「手札から速攻魔法発動!<再炎ブースト>!ブレイジング・ドラゴティスの攻撃力を1500アップする!」

 

『断罪の烈再炎滅龍ブレイジング・ドラゴニス 』A4200→5700

 

『グオオオオオオオオオオオオ!!!!』

 

 ドラゴニスに攻撃を仕掛けたシシグイ・アスカであったが、突如としてブレイジング・ドラゴティスの全身を炎に包まれると雄たけびを上げた。その雄たけびはフィールドを震わせシシグイ・アスカは体制を保てず、後方へと吹き飛ばされた。

 

「けど、確かその効果のデメリットは……」

 

「そして俺は再炎ブーストの効果で1000ポイントのダメージを受ける」

 

 

ユーキ:100→0

 

 

 

 

「幾ら負けるのが分かってるからって自爆するか普通」

 

 デュエルが終わった直後、思わず思ったことが口に出てしまった。

 

「しかも俺のエースがかっこ良く決める場面であんなの……デュエルに勝って勝負に負けたってのはこんな気分なのかよ」

 

 正直、俺とユーキのさっきのデュエルは多分拮抗していた。お互いの引き、プレイタクティクス、どこを取っても他人から見たら互角と言える。

 

(けど、それじゃダメなんだ)

 

 そう言いながら俺はふと思った。そういえばこいつって自分の切り札……エースモンスターを使ったのか?

 

「なぁ、お前のデッキのエースって……」

 

 俺がそう言おうとして顔をあげてみると、まるで何もなかったというように誰もおらず、ただ風だけが吹き去っていた。

 

「……ま、いっか。デュエルしていればそのうちまた戦うこともあるだろうしな」

 

 俺はよっこらせと立ち上がると、体を少し伸ばして屋上から出ていく。後に残ったのは、燃えたような焦げ痕と、まるで旋風にでもあったような小さく細い傷痕だけだった。

 

 

 

 

 

 

 翌日、なんの気なくテレビを付け、ニュースを見ていたときだった。

 

『次のニュースです。昨夜『○○グランドホテル』の周辺から黒い炎の火事が数ヶ所発生しました。当時刻ではデュエルが行われていた模様で、ソリッドヴィジョンが現実化していたと思われ――』

 

「…………」ピッ

 

 俺は何も見なかった事にしてテレビを消すのだった。

 

「俺は関係ない……俺は関係ない……」


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。