スピリットが遊戯王モンスターになってた件   作:ドロイデン

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第十九羽 闇招く獄の者達

「お疲れさまっす、先輩方」

 

 試合が終わった直後、俺らは先輩たちと合流していた。

 

「おおすまないな。それで、そちらの見立てはどうだった?」

 

「う~ん微妙っすかね?単純にシングルだけなら負けるほどのもんじゃあないって感じで」

 

「そうか。たしか次はシングル、ダブル、シングルの順番だったが……どうする?」

 

 先輩がそう聞くと、

 

「う~ん、まぁ僕ら三人は確定として……ついでにまだ試合してない亮を組み込もうかな?」

 

「まぁそれが妥当ね。なら蓮のデッキは闇で亮とのダブルス、先鋒は蘭、大将に裕介が入りなさい」

 

 ……なんかトントン拍子に決まっていくな。

 

「ていうか、今日闇デッキ持ってきてないっすよ?」

 

「んな!!アンタあれ予備のデッキじゃないの!!他になんか「代わりに亮とのタッグ用に組んだデッキはありますけど」……それなら別に良いわよ」

 

「すんません、あ、亮今回なんだけど『スキドレ』の枚数一枚減らしてくれない?」

 

「兄貴がそういうなら……というか、どんなデッキ組んだんすか?」

 

「……それは試合でのお楽しみだ」

 

 

 

「バトル!!『えん魔竜レッド・デーモン』で攻撃!!」

 

「ぬぁぁぁぁぁ!!」

 

「そこまで!!先鋒戦は聖奏学園の勝利!!」

 

 正しく瞬殺というように蘭が相手に勝つと、周りから歓声が沸き上がる。何故かキングコールもなってるが、それを蘭は

 

「キングは一人!!この私だ!!」

 

 というある意味ではお約束なキング芸で答えている。

 

「さて、次は俺らだぜ、亮」

 

「うっす!!」

 

 俺達はそう気合いを入れ直すと、デッキをセットしてフィールドに上がる。

 

「くそ、ここまで全敗してんだ!!ここは無理でも勝つぞ!!」

 

「おうっす!!」

 

 どうやら相手の方も気合い十分といったようだった。

 

「それでは中堅戦タッグデュエル、開始です!!」

 

「「「「デュエル!!」」」」

 

敵タッグA&B LIFE8000

蓮&亮 LIFE8000

 

「先行は俺だ!!俺は『ナチュル・パンプキン』を通常召喚!!」

 

『ナチュル・パンプキン』 ☆4 A1400

 

(なるほど、【ナチュルロック】か)

 

「『パンプキン』の効果発動!!手札から『ナチュル』モンスターを特殊召喚できる!!俺は『ナチュル・チェリー』を特殊召喚!!」

 

『ナチュル・チェリー』 ☆1 A200

 

「俺はレベル4の『ナチュル・パンプキン』にレベル1の『ナチュル・チェリー』をチューニング!!シンクロ召喚!!現れろ!!『ナチュル・ビースト』!!」

 

『ナチュル・ビースト』 ☆5 A2200

 

「いきなりビーストかよ!!」

 

「まだだ!!手札から魔法カード『暗黒界の取引』を発動!!これで俺と、そっちのエンドプレイヤーの鳥使いは互いに一枚引いてその後捨てる!!」

 

A 手札2→3→2

蓮 手札5→6→5

 

「そして、手札から墓地へ送られた『ナチュルの神星樹』の効果で、デッキから『ナチュル・アントジョー』を手札に加え、さらに魔法カード『二重召喚』!!これにより手札の『アントジョー』を通常召喚!!」

 

『ナチュル・アントジョー』 ☆2 A400

 

「俺はカードを一枚伏せて、ターンエンド!!(『ナチュル・ビースト』が居る限り、相手が魔法カードを使えることはない!!これでほとんどなにもできまい!!)」

 

 

タッグA&B 手札0:5 LIFE8000

フィールド

『ナチュル・ビースト』

『ナチュル・アントジョー』

伏せカード一枚

 

 

「俺のターン!!……よし、俺は『シャドール・リザード』を通常召喚!!」

 

『シャドール・リザード』 ☆3 A800

 

「そして速攻魔法『超融合』を発動!!」

 

「バカめ!!『ナチュル・ビースト』の効果を」

 

「『超融合』に対して、互いはいかなるカードも発動できない!!よって『ビースト』の効果も発動できない!!」

 

「ナイスだ!!亮!!」

 

 『ナチュル・ビースト』の効果の弱点、それは罠カードや火力とあるが、開始ターンでそんなことはまず難しい、だが『超融合』なら『ビースト』の効果も使えず、なおかつ除去できる。

 

「手札の『暗黒界の狩人 ブラウ』を捨て、フィールドの『ナチュル・リザード』と『シャドール・リザード』を融合!!現れろ!!『エルシャドール・シェキナーガ』!!」

 

『エルシャドール・シェキナーガ』 ☆10 A2600

 

「『リザード』、『ブラウ』の順で効果発動!!」

 

「そのあとにチェーンして『アントジョー』の効果をチェーンする!!チェーン処理に入って、俺はデッキから『ナチュル・モスキート』を守備表示で特殊召喚!!」

 

『ナチュル・モスキート』 ☆1 D300

 

「なら『ブラウ』の効果で一枚ドロー!!『リザード』の効果で『シャドール・ビースト』を墓地へ送る!!そして墓地へ送られた『ビースト』の効果で一枚ドロー!!」

 

 

亮 手札5→3→4→5

 

 

「そして魔法カード『手札抹殺』を発動!!互いに手札を全て墓地へ捨てて、その枚数分ドロー!!俺は四枚ドロー」

 

「お、俺には手札がない……よってドローはない」

 

「墓地へ捨てた『グラファ』と『スノウ』の効果を発動!!デッキから『暗黒界の門』を手札に加え、その伏せカードを破壊する!!」

 

「罠カード『威嚇する咆哮』!!このターン攻撃宣言できない!!」

 

 ち、ここでそれを使ってきたか……。

 

「……ならフィールド魔法『暗黒界の門』を発動し、効果発動!!墓地の『ブラウ』を除外し、手札の『ページ』を墓地へ捨てて一枚ドロー!!『ページ』の効果で墓地から特殊召喚!!」

 

『暗黒界の尖兵 ページ』 ☆4 A1700

 

「この瞬間!!『アントジョー』の効果でデッキから『ナチュル・スティングバグ』を守備表示で特殊召喚!!」

 

「な!?1ターン1制限無いのかよ!?」

 

『ナチュル・スティングバグ』 ☆3 D500

 

「(くそ、『グラファ』出しても余計に展開されて面倒なことになっちまう)……俺はカードを二枚伏せてターンエンド。すみません兄貴」

 

蓮&亮 手札5:2 LIFE8000

フィールド

『暗黒界の尖兵ページ』 A1700

『エルシャドール・シェキナーガ』 A2600

 

「いや、大丈夫だ。とりあえずこのターン凌ぐぞ」

 

「了解っす!!」

 

「キヒヒ、凌げるかな?俺のターン!!俺は『トリオンの蟲惑魔』を召喚!!」

 

『トリオンの蟲惑魔』 ☆4 A1700

 

「『トリオンの蟲惑魔』の効果!!デッキから『奈落の落とし穴』を手札に加える!!」

 

「【ナチュル蟲惑魔】……コンビでそう来るか」

 

 これはかなり厳しくなってきたぞ……。

 

「そして俺は永続魔法『ナチュルの神星樹』を発動し、『トリオンの蟲惑魔』をリリースして、デッキから『ローンファイア・ブロッサム』を特殊召喚!!」

 

『ローンファイア・ブロッサム』 D 1400

 

「『ローンファイア・ブロッサム』の効果発動!!このカードをリリースして、デッキから『ギガプラント』を特殊召喚!!」

 

『ギガプラント』 A2200

 

「さらにレベル 1『ナチュル・モスキート』とレベル2『ナチュル・アントジョー』にレベル3の『ナチュル・スティングバグ』をチューニング!!シンクロ召喚!!現れろ!!『ナチュル・パルキオン』!!」

 

『ナチュル・パルキオン』 A2500

 

「さらに手札から『死者蘇生』を発動!!墓地の『ビースト』を復活!!」

 

「罠カード『奈落の落とし穴』を発動!!」

 

「させるか!!『ナチュル・パルキオン』の効果発動!!墓地の『ナチュルの神星樹』と『二重召喚』を除外してその効果を無効に」

 

「『エルシャドール・シェキナーガ』の効果発動!!特殊召喚されたモンスターの発動を無効にして破壊する!!そして手札の『シャドール・ヘッジホッグ』を墓地へ送る!!よって『パルキオン』の発動は無効になりは破壊され、『ビースト』は『奈落の落とし穴』の効果で除外する!!そして『ヘッジホッグ』を墓地へ送った事で、『リザード』を手札に加える」

 

「ぐ、まだだ!!俺は『異次元からの埋葬』を発動して、『ビースト』を戻す!!そして、『ミラクルシンクロフュージョン』を発動!?」

 

 ……なんか自棄になってるような言い方だな……。

 

「墓地の『ビースト』と『パルキオン』を除外融合!!現れろ!!『ナチュル・エクストリオ』!!」

 

『ナチュル・エクストリオ』 ☆10 A2800

 

「バトルだ!!『ギガプラント』で『ページ』を攻撃!!」

 

「ぬぅ……!!」

 

蓮&亮 LIFE8000→7500

 

「『エクストリオ』で『エルシャドール・シェキナーガ』を攻撃!!」

 

「ぬぁぁぁ!?」

 

蓮&亮 LIFE7500→7300

 

「『シェキナーガ』が破壊されたことにより、墓地の『影衣融合』を手札に加える」

 

「『手札抹殺』で捨てたカードか……まぁいい、俺はカードを一枚伏せてターンエンド!!(伏せカードはさっき加えた『奈落の落とし穴』、これで1500以上のを出そうが一網打尽だ!!)」

 

 

敵タッグA&B 手札0:0 LIFE8000

フィールド

『ナチュル・エクストリオ』 A2800

『ギガプラント』 A2200

伏せカード(奈落)

 

 

「俺のターン!!……よし、俺のフィールドにモンスターが存在しないとき、『LL-ターコイズ・ワーブラー』を特殊召喚!!」

 

『LL-ターコイズ・ワーブラー』 ☆1 A100

 

「な!?『LL』だと」

 

「(三神さん、早速使わせてもらいます)『LL-ターコイズ・ワーブラー』が特殊召喚に成功したとき、手札または墓地から『LL』を特殊召喚できる!!俺は墓地の『コバルト・スパロー』を特殊召喚!!」

 

『LL-コバルト・スパロー』 ☆1 A0

 

「な!?何時の間にそんなカードを!?」

 

「(お前の相方の『取引』のおかげさ)『コバルト・スパロー』の効果で、デッキから『LL-サファイア・スワロー』を手札に加え、『森林のセッコーキジ』と共に特殊召喚!!」

 

『LL-サファイア・スワロー』 ☆1 A100

『森林のセッコーキジ』 ☆1 A800

 

「速攻魔法『サイクロン』を発動して伏せカードを破壊!!そして『簡易融合』を発動!!」

 

「バカめ!!『エクストリオ』の「伏せカードオープン!!『デモンズ・チェーン』!!これで『エクストリオ』の効果を無効にする」くそが!!」

 

「エクストラデッキから来い!!小夜鳴き鳥の女王よ!!『LL-インディペンデント・ナイチンゲール』!!」

 

『LL-インディペンデント・ナイチンゲール』 A1000

 

「『インディペンデント・ナイチンゲール』の攻撃力はレベル1につき500アップする。が、もう一つ、このモンスターのレベル分のダメージを与える!!よって500ポイントのダメージを与える!!」

 

「こ、こんなもの!!」

 

A&B LIFE8000→7500

 

「まだだ!!俺は『インディペンデント・ナイチンゲール』と『セッコーキジ』をリリースしてアドバンス召喚!!現れろ!!暴虐の巨竜!!『The tyrant NEPTUNE』!!」

 

『The tyrant NEPTUNE』 ☆10 A?

 

「このモンスターの攻撃力はリリースしたモンスターの攻撃力の合計となり、さらに自身の効果で『インディペンデント・ナイチンゲール』を選択、よってその効果をコピーすることで攻撃力アップ!!」

 

『The tyrant NEPTUNE』 A0→1800→6800

 

「そして効果をコピーした『NEPTUNE』の効果で、レベル×500……5000のダメージを与える!!」

 

「ウアァァァァ!?」

 

A&B LIFE7500→2500

 

「まだだぜ、俺はフィールドの『LL』三体でオーバーレイ!!エクシーズ召喚!!現れろ!!小夜鳴き鳥の象徴!!『LL-アセンブリー・ナイチンゲール』!!」

 

『LL-アセンブリー・ナイチンゲール』 ★1 A0

 

「『アセンブリー・ナイチンゲール』の攻撃力はORUの数×200となる。そしてORUとなった『サファイア・スワロー』の効果で、墓地の『インディペンデント・ナイチンゲール』をORUにする!!」

 

『LL-アセンブリー・ナイチンゲール』 A0→800

 

「バトルだ!!『アセンブリー・ナイチンゲール』で攻撃力!!」

 

「バカな!!攻撃力800のモンスターで!?」

 

「『アセンブリー・ナイチンゲール』は、ORUの数×1回の攻撃とダイレクトアタックができる!!ソニックスマッシャーヨンレンダァ!!」

 

「「グァァァァァ!?」」

 

A&B LIFE2500→1700→900→100→0

 

 

「そこまで!!中堅戦は聖奏学園の勝利!!よって0:2でマッチウィン!!」

 

 審判のその言葉と共に、観客席から歓声が鳴り響く。

 

「くそ~鳥獣の予想はしてたんだが、まさか『LL』を使うなんて」

 

「俺も組んだばかりのデッキだったからな。もし『NEPTUNE』が手札に来なかったらもう少し時間が掛かってたさ」

 

 実際、三神さんから譲り受けたこれはまだそこまで改良してなく、レベル1だった『セッコーキジ』を数枚入れただけの、デッキバランスも危ないようなデッキだった。

 

「来年は勝たせてもらうぜ鳥使い(バードマスター)

 

「厨二臭いから止めてくれ……」

 

 こうして、俺達は地区予選のブロック突破は確実となった。

 

 

 

 

 

 剱菜視点

 

 信じられない。次の相手のデータを採ろうと来たは良いものの、個人的にそういいたくなるだけの光景が広がっていた。

 

「嘘……でしょ?」

 

 隣に居る椿姫でさえ、驚愕で体が震えている。周りの観客も、同じように恐怖してるのが見てとれる。

 

 それもそうだろう。フィールドは先程までまるで新品だったのに、今では半分……負けた方のフィールドだけがボロボロになっていたのだ。

 

 負けた方の……初戦で戦った闇光字学園のプレイヤーも悲惨だった。大怪我ならばまだ軽い方、酷い奴では精神崩壊をきたしてる者までいた。

 

「……ねぇ、剱菜」

 

「ああ……もしやすれば次の試合……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――負けるだけでは済まないかもしれない

 

『し、勝者……獄将学園』

 

 


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