ジャンヌ・オルタが帰ってきた!〜700万DLに寄せて 作:餌屋
絵師界隈のオカルト「描けば出る」ならぬ、「書けば出る」に全てを掛けようと思ったんです。
ちなみにマスターの名前は自分のマスターネームほぼそのままです。
つまり...妄想垂れ流し。
それでも宜しければ続きをどうぞ。
※この短編には召喚システムやフレンド設定など、ご都合主義的な独自設定がありますが多めに見てください。
<ビーッ!ビーッ!>
時刻は昼12時。
突如鳴り響くサイレンの音に、絶賛開催中第二回ネロ祭で日々溜まった疲れを癒そうとマイルームで寝ていた俺は飛び起きた。
何が起こった?まさか侵入者?こんな時に?
確かにネロ祭でカルデア中が浮かれているが、それでも万が一に備え警戒は怠っていない。
手の空いているサーヴァントの皆も警備に当たっていて攻め入る隙など無いはず。
それでもやってくるとなると...まさか魔術王が!?
すると放送でロマンの声が聞こえてくる。
<侵入者発生!侵入場所は召喚ルーム!ナギ君の所に向かっているぞ!!くそっ!間に合わない!>
ここに!?
くっ...いつもならすぐに令呪でサーヴァントを転移させて迎撃するのに生憎今俺の右手は空。
何だよ全力闘技って。
令呪3画切っても勝ち目が見出せないってどんな出来レースだよ赤ぁぁぁ!!!
白薔薇礼装凸らせて頼光さんに持たせてるけど全然勝てる気しねえよ!!
アッハイ他のサポート用サーヴァントとか殆ど育ててなかった俺が悪いです。
マスターレベルも115でコスト足りないのも俺のせいです。
ちくしょおおおおおおお!他はクリアしたのに!!!
<ダメだ!ナギ君!逃げるんだ!>
あっ、敵襲なの忘れてた。
バンッッッ!!!
そして勢いよくマイルームの扉が開かれ俺は反射的に臨戦態勢を取る。
そして。
「へ?」
目の前の光景に頭が追いつかず気の抜けた声を上げた。
「あんた!やっと私がガチャに再実装されるわよ!」
そこには満面の笑みを浮かべたアヴェンジャー、ウチのカルデアには居ないはずのジャンヌ・オルタが立っていた。
***
「全く失礼ねあいつら!私が侵入者だなんて!」
「いやどう考えても侵入者だよね?」
「あ"?」
「何でもないです...」
俺はジャンヌ・オルタ(面倒くさいのでこれからは邪ンヌと呼ぶ)の鋭い視線に口を紡ぐ。
マルタがキレた時みたいにこええ...
しかしこういっては怒られそうだが邪ンヌが怒っている姿は非常に...
さて状況を説明しよう。
どうやら邪ンヌは英霊召喚機能に自分がもう一度入り込めた事を報告しに来たようで、敵意が無いと判断した俺はロマンと他のサーヴァントを説得し夕方には帰る事を条件に邪ンヌを滞在させる事にした。
「それもこれもあんたが悪いのよ!折角縁を結んであげれるチャンスだったっていうのにやってきたのはサーヴァントだけ!あんたは現れずガチャも一向に引こうとせず結局ピックアップ期間終わるまで引かなかったんだもの!!」
あの邪ンヌさんさっきからメタすぎるんですが。
しかしまあ、うん。そうなのだ。贋作英霊の時丁度体調を崩していた俺は事態の収拾を皆に任せて休んでいた為実際には彼女と対面していない。
後で顛末を知り、でも平行世界の俺が縁を結べばこちらの召喚システムにも影響及ぼすだろうと思っていたらいつの間にか邪ンヌが召喚できなくなっていた。
邪ンヌは元々「存在しない英霊」だ。
その為非常に霊基が不安定で召喚システムに影響が及ぶのは一時的な物となってしまう。
そうダヴィンチちゃんから聞いた時には平行世界の俺が続々邪ンヌを実戦投入し戦果を上げていた。
俺は血の涙を流したものだ。
そんな邪ンヌを呼び出すチャンスが遂に来た。
嬉しくない訳がない。
しかしここであまりはしゃいでも邪ンヌを困らせるだけか。いやそれはそれで見てみたいが。
そんな事を考えながら俺は努めて冷静に感想を述べた。
「そうか。そりゃ良かった」
そんな俺の言葉に邪ンヌは怒った顔を...いや拗ねた顔を更に強くする。
「何よそのあっさりした反応...興味なさげにして...馬鹿...(小声)」
「ん?なんか言った?」
「何でもないわよ!」
また怒った声を上げる。しかしその声からは少し元気が無くなったように思える。
「......」
そして邪ンヌは顔を背けたまま立ち上がった。
「もう帰るわ」
「え、まだ約束の時間まで...」
「私が帰るって言うんだから別に良いでしょっ!!!さよなら!!!」
そして邪ンヌはドアをこれでもかと勢いよく開け飛び出していった。
***
「何よ何よっ...!折角来てあげたのに...!」
私は今、本来自分が存在しないカルデアの通路を早足で歩きながら召喚ルームへ向かっていた。
折角、煉獄の管理者である現代風の服装で若い黒縁眼鏡の男の力で何とかカルデアへ一時的に現界し会いに行ったというのにあの男は!
確かに平行世界のあいつかも知れないけど、確かにあの時私という存在を認めてくれたのだ。
そして縁を結び、召喚してくれたあいつだっているのだ。
そして私は煉獄から見ていた。
私を呼べなくて悔んだあいつを。
嬉しかった。
ああこの世界のあいつも私を必要としているのだと。
そして私は霊基の固定化に力を注ぎ、ようやく準備が整ったのだ。
それを...彼は求めていなかったのだろうか。
召喚ルームに辿り着く。
目の前の召喚陣へ一歩足を踏み込めば私は煉獄へ帰る事になる。
そして二度と出てくる事はないのだろう。
この世界の私は...もう...
「彼ともっと...一緒にいたかったな...」
だがもう良い。
諦めよう。
そうして私は召喚陣へ進んでいく。
「待った!!!」
突然聞こえた声に私は足を止める。
振り向かないでも分かる。
煉獄で聞き焦がれた声、彼の声だ。
「...な、何?帰るって言ったでしょ?もう放っといてよ」
私は振り向かず言葉を絞り出す。
違う。
こんな事を言いたいんじゃない。
心のどこかで追いかけてきて欲しいと思っていた。
呼び止めて欲しいと思っていた。
嬉しい...なのに憎まれ口しか出てこない。
「伝え忘れた事があったんだ」
そうして彼は私の肩を掴み強引に振り向かせる。
そうして彼の目に私の涙を堪える顔が映し出される。
「っ!...聞いてくれ。ジャンヌ」
「な、何よ...」
「正直に言う。お前がまた召喚出来るって聞いてすっごく嬉しい。でもあんまり言うと困るかもと思って抑えた。それが気に食わなかったならごめん」
「...ふ、ふん」
うっわあああああ図星つかれたああああ!
何こいつ!天性の王子様才能でもあるんじゃないの!?それ位の察し力なんですけどおおお!!
「だからもう全部包み隠さず話す。俺は、お前が、欲しい!(戦力的な意味でも)」
「ふぇっ!?」
「ずっと後悔していた!あの時何で召喚システムを動かさなかったのか!何で俺はお前を呼んであげられなかったのか!(居たらネロ祭もっと楽だったかもしれないし)」
「え?えええ?」
「正直、今のカルデアに召喚システムをずっと動かし続けるだけの資源はない(この間ジャック欲しさに殆ど使い果たしたから。そういや結局ジャンヌの方が2体出てきちゃったんだよなあ)」
「うぅ...そうよね...それじゃあ引けなくても...」
「でも俺は絶対お前を召喚してみせる!(出来れば第7特異点連れて行きたいし)」
「で!でも!それでも召喚出来なかったら!私次いつチャンスが来るか分からないのよ!!!」
「安心しろ。もし今回会えなくても大丈夫さ。どれだけ時間を掛けてでも、お前が世界中のどこにいても、必ず会いに行くさ」
「た...TAKI君がいる...興行収入130億おめでとうございます...」
「だから...待っててくれ」
「...わ、分かったわよ!そんなに言うならあんたが召喚するまでずっと待っててやるわ!だから絶対召喚しなさいよね!!!」
「ああ!」
***
こうして邪ンヌは顔を真っ赤にしながら、でも笑顔で帰っていった。
俺に残された石は少ない。
でも...絶対、必ず呼んでやるさ。
「にしても、やっぱり邪ンヌはかわいいなあ!」
今日の昼1時間で書き上げました。
やってやりました。
劇中の話はほぼウチのカルデアの現状そのまんまです。
丁度贋作英霊の時、FGOから離れていまして戻ってきて贋作英霊の動画を見たりしてたら邪ンヌ超強いし、可愛いし何この堕天使欲しい。
ってなりました。
そして今まで引けてないっていう。
今回のガチャに100連分しかどうしても用意できなかったんですが、それも結局ジャックで大爆死しかけたのが原因です。
まさかジャンヌ2回も当たるとは思わなかった。
さて17時から邪ンヌ再実装です。
邪ンヌ持ってない同志の皆様頑張りましょう。
そして既に持ってる方々は宝具レベル上げ...如何です?(ゲス顏
結果はエピローグとして改めて更新します。
それではこの辺で。
マジで全力闘技どうやってクリアするんだ状態の餌屋でした。
※結果報告を次話として投稿しました。