ウルトラマンシンデレラガールズS   作:びーふじゃきーex

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お久しぶりです
遅れてすみませんorz

内容はなんのひねりもないメンバー紹介のはずなのに文字数がえらい事に……

それでは、シンデレラ達の熱い?心意気をご覧あれ!


♯9 プロジェクトメンバー突撃訪問!

あれから約一週間後、卯月がこの前のステージの映像を見ていると

「貴方達に…動画を撮ってきてほしいのです…」

と未央がプロデューサーのモノマネをしながら置いてあるカメラに話し出す

「動画って、何の動画ですか〜?」

未央に対し凛があからさまに言わされてる様な棒読みで聞き、卯月もテレビを消し未央の方を向く

「この、シンデレラのPR動画です…これにより、貴方達は世界デビューを果たし!」

「えっ?いや、そんな事言ってなかったじゃん」

「良いの良いの、こういうのはノリだから〜」

未央はそう言って、置いてあるカメラを持ち

「と、いう訳で!第一回!事務所メンバー突撃訪問、始めまーす!未来の輝くアイドル達の熱い心意気をご覧あれ!!」

(お腹空いた……)

(えっ、今ですか?)

そんなこんなで、シンデレラプロジェクトのメンバー14人のPR動画の撮影が始まった

 

 

 

「しまむー、なんかコメントあった方が良くない?」

「えーと…それではここがシンデレラプロジェクトの部屋です」

卯月は言って、そのあと何をすれば良いのかわからずそのまま固まっている

「部屋の中も撮る?」

凛が2人に聞くがヒカルの

(ん?)

という声と共に部屋の扉の開く音が聞こえた

「早速、誰か来ました!」

扉が開くと

「おはよ〜う」

と言いながら眠そうな顔をした、みくが入ってくる

「最初のアイドルはみくにゃんだー!」

みくは、眠そうに欠伸をしながら

「何撮ってるの〜?」

と聞く

「ふっふっふっ、油断してるね〜?みくにゃん」

「プロデューサーさんが言ってたPR動画ですよ」

それを聞くとみくは慌てて自分のバッグを漁り、猫耳を取り出し頭に装着して

「にゃん!」

と、ビックリするくらい早く猫になる

(おおー)

「猫になった」

「いつも、猫耳持ってるんですか?」

卯月が聞くと

「当然!いつでもお仕事できるように、準備してるにゃ!」

「以外と真面目…?」

そんな会話をして、みくはカメラにアピールする

「画面の前のそこの貴方?前川みくはいつでもお仕事ウェルカムにゃ!ネコちゃんみたいに頑張るから、応援よろしくにゃん!」

 

「はい!オッケー!…とりあえずこんな感じで撮っていけばいいのかな?」

未央がそう言って、2人に聞く

「1人、どれくらい必要なんでしょう?」

そんな会話をしていると、みくが

「えっ?!これだけ?これじゃあ、全然みくの魅力が伝わらないよ!」

と拗ねるが、未央が

「あっ、カメラまだ回ってた」

と再びみくにカメラを向ける

すると、みくも慌てて猫のポーズをとりながら

「みんなの前で活躍できるように、これからレッスンにゃ」

「「「おー」」」

卯月達3人は感心し、ヒカルは

(これが、猫をかぶるってやつか……にゃん?)

(どうしてそういう事は知ってるんですか〜?)

 

 

 

場所は変わって

「レッスン場にやってきました!早速行って見ましょーう!!」

カメラを持つのが卯月に変わり、未央が先導してレッスン場に入る

 

「どう?どう?できてたでしょ?」

「いいじゃん、この時ちょっと上目遣いにすると、ポイント高いって感じ?」

「うわめづかい…こう?」

レッスン場では、『城ヶ崎莉嘉』と『赤城みりあ』が何やらポーズの練習をしているようであった

「他には〜こーんな感じとか」

そう言いながら、莉嘉は所謂セクシーポーズのように床へ寝そべる

その様子を見てみくは、頬を赤らめながら

「なっ、何してるにゃ!カメラストップ!にゃあ!」

「あっ、はい」

みくに言われ卯月は一旦カメラを止める

「莉嘉ちゃん!みりあちゃんになんてこと教えてるの?!」

「えー、こうゆうのウケるとおもうのに〜」

「ダメにゃ、ダメにゃ!」

そう言われると莉嘉はむくれる

「あっ!カメラ、撮影なの〜?」

卯月が持っているカメラを見つけて、みりあが3人の所へ駆け寄る

「あっ、あたしも気になってたんだよねー」

そう言って莉嘉も駆け寄る

「ちゃんと話を聞くにゃ!」

(みくはネコキャラ?に隠れてるけど、案外世話焼きかな?)

ヒカルは卯月周りの人たちのことを覚えようと、そんな事を考えていた

「PR動画、撮りに来ました」

卯月が2人にそう伝える

「今日撮るんだっけ?」

莉嘉はそう答え、みりあは

「ねえねえ、PR動画って何したら良いのかな?」

と聞く

「もう、知らないの?あたしがお手本見せて、あ・げ・る」

そう言うと莉嘉は、両手を頭の後ろに持っていきセクシーポーズをする

「それなら私も出来るよ!」

と言ってみりあも、莉嘉の真似をする

「おっ!良いね、良いねぇー」

と未央は茶化すが

「さすがに駄目でしょ」

と言って、カメラを手で塞ぐ

「「なんで、なんで〜?」」

(なんで?)

ヒカルは疑問に思うが、心の中の声なので誰も答えてはくれない

そして、カメラが再び映されるとネコポーズをしたみくが映っていた

「子供には早いにゃ、そんなのより可愛いネコのポーズ!」

みくが言うと莉嘉は不満気に

「え〜?なんか子供っぽい」

と言って、続けて

「こっちのが良くない?ライオン!ガオー!」

「ね、ネコより強そうにゃ…」

その様子を見て、未央が

「そのままアピールする?」

と聞くが

「ネコ科はみくと被るからダメにゃー!」

と、手でバッテンを作りながらみくが言う

「えー、じゃあ…お姉ちゃんみたいなの!」

 

「はい、スタート!」

その未央の声と共に録画が再開され、莉嘉が美嘉の曲を歌いながら踊る

「すーごーい!私もやりた〜い!!」

そう言いながらみりあが莉嘉に駆け寄る

「美嘉ちゃんの曲ですね!」

 

莉嘉がカメラにピースした所でみりあが横から勢い良く入ってくる

「今良い所だったのに〜!」

そう言いながら、みりあとじゃれた後に再びカメラに向き直り

「あたしだって踊れるんだから!ばんばんライブ出してよね〜!」

「私もライブ、やってみた〜い!」

2人はそう言いながら、どんどんカメラに迫ってくる

「そんなに近いと撮れませんよ〜」

卯月はどんどん2人に追い詰められるが、そこで未央がすかさず

「あっ、えっと!まずは莉嘉ちゃんから!」

 

「さん、にー、いち」

その声の後に再びカメラに莉嘉が映される

「城ヶ崎莉嘉だよ!夢はお姉ちゃんみたいになる事、あとはねえ…シール集めが好きで、珍しい虫見つけるの得意だよ!」

莉嘉がそこまで言うと、みりあが画面下から飛び出してくる

「はいはーい!!赤城みりあです!私は踊ったり、可愛い衣装を着たり〜、えーっと色々な事がしたいなぁ〜」

中断させられた莉嘉は

「もう〜、だから1人ずつだってばー」

と言って、2人はどんどんカメラに近づく

「はーい順番!そこに並べいー!!」

そんなこんなで、2人のパワーに振り回されながらも、なんとか撮影を終えた

 

 

 

 

 

(莉嘉とみりあ…か、元気だったなぁ)

(そうですね〜)

「いやあ、若いってすごいわ〜」

「未央、年寄りくさいよ」

それぞれそんな会話をしながら、他のメンバーを探し歩いていると、背後から

「た、助けて……」

という声が聞こえる

「おっ?次は杏ちゃんかな?」

と言う未央と共に3人が振り返ると、『双葉杏』がそこにいる……と3人は考えていたはずだが、そこには怪獣がいた

(ジラース?…いや襟巻きが無いな、てか抱えられてる…)

それを見て未央は凛の右後ろに隠れ、卯月は立ったまま気絶して後ろに倒れそうになるが凛が左腕で背中を支える

(卯月……お前、1番怪獣見慣れてるだろ!?)

「怪獣?」

凛がそう言うと

「にょーわー!」

と、怪獣の顔の下から『諸星きらり』の顔が出てくる

「なんだ、きらりんか〜…」

未央が安心したように言う

「びっくりしました〜」

「ごめんねぇ〜?これから撮影のお手伝いで、杏ちゃんを輸送中なの!」

そんな話をしている間、杏はきらりの腕から抜け出そうと動いているがビクともしていない

「だからー、仕事なんてしたく無いってばー」

「だーめ、お仕事は大事だにぃ」

凛はきらりの着ぐるみ姿を見ながら

「色んな仕事があるんだね」

と言うと

「凛ちゃんもやってみゆぅ〜?」

と、きらりが聞き返す

「凛ちゃんの着ぐるみ…」

「あっははは!想像できないー!」

「ちょっと聞いてみただけじゃん…」

「きっと、可愛いにぃー!」

話していると杏がきらりに言う

「はあ…全く良くそんなの着てられるよねー」

それに対してきらりは

「超楽しいよぉ〜、怪獣さん可愛いにぃ〜」

と言うが杏は

「可愛いより、印税貰える仕事が良い!」

と言い返す

「むぇ〜?一緒にハピハピお仕事しようよぉ」

そんな2人に未央がカメラを向けながら

「まあまあ、その思いカメラに向かって言ってみない?」

「にょわー!きらりんから良い?」

きらりはそう言いながら杏を置き、カメラの方に向く

「きらり、みーんなでハピハピしたいにぃ〜、だからお仕事いっぱい!おねーしゃーす!!」

そう言って、後ろを向いて

「次、杏ちゃん!」

と言うが杏の姿が無い

「あれ?ありゃりゃ?杏ちゃーん?」

そして近くではなく後ろを広く見渡すと杏がダバダバと走りながら

「仕事なんてやってられるかー!」

と言い逃げていく姿が見えた

「待ってー!杏ちゃん!きらり怪獣ダッーシュ!ガオー!」

と言ってきらりも走り去ってしまった

「杏ちゃん、撮れませんでした…」

「後で撮れば良いよ」

 

 

 

 

 

「ここいらで今後の傾向と対策を…」

そう未央が言った所で未央のお腹がなる

「お腹すいたの?」

「じゃあ、カフェで休憩とかどうですか?」

(ん?…3人とも、あれ)

「「「え?」」」

ヒカルに言われ3人が周りを見渡すと智絵理とかな子の姿を見つける

かな子も卯月達に気がついたのか、3人に手を振る

 

 

「三村かな子です、今は智絵理ちゃんとお茶してまーす」

かな子は智絵理の方を見るが、智絵理はカメラを避けるように見切れてしまう

かな子はカメラに向き直り

「今日は…」

と言って、お菓子が入ったバスケットをカメラに見えるように持ち

「じゃーん、お菓子作りが趣味なのでクッキーを作ってきました」

(お腹すいた…)

(そういえば言ってましたね…)

「一個、ちょうだい?」

と未央が言うと、かな子はクッキーを1枚取って未央の口へ運ぶ

「ん!美味しい!」

その様子を見てかな子は微笑みながら

「お茶もあるよ〜」

と言い、それを聞いて未央は

「おお!ありがとー、気がきくねー」

と言いながら、カメラを雑に置きお茶を受け取る

「こっちのマフィンもどうぞ〜」

「わぁ〜、いただきます」

「あ、ありがとう」

3人はお茶を飲んだり、お菓子を食べたりしながら

「いやあ、和むわぁ〜」

「幸せです〜」

「美味しい…」

「みんなで食べると美味しいな〜」

そんなこんなしばらく会話していると、凛が何か気がついたように卯月と未央に言う

「あのさ、何しに来たか忘れてない?」

「「ん?」」

少しの沈黙のあと未央が

「わ、忘れてなんか無いし!」

と言って、慌ててカメラを持つ

「ごめんなさい!えーとえーと、次は智絵理ちゃんどうぞ!」

卯月がそう言うと智絵理にカメラが向けられる

「あっ、あの…緒方智絵理、高校二年です、えっと私は…」

話しながら智絵理は下を向いていってしまい、手に持ったメモを見ている

「智絵理ちゃん!目線、こっちこっち!」

未央にそう言われると智絵理はカメラに向き直るが、突然強風が吹きメモが飛んでいってしまう

「あぁ!待って!」

智絵理は立ち上がって追いかけようとする

「ちょ、待って!あっ」

慌て過ぎたのか、智絵理がこけてしまう

 

その後、メモを探すも

「メモ…何処かにいっちゃった…」

智絵理は落ち込んだ声でそう言った

「智絵理ちゃん、こんな時こそお菓子食べて元気出そう?」

そう言ってかな子は、智絵理に四つ葉のクローバーを模したクッキーを差し出す

「あ、クローバー…良いことあるかも」

そう言って智絵理は可愛らしい笑顔を見せる

「おお!智絵理ちゃんの良い笑顔、頂きました!」

「え?」

「撮ってたんだね」

そう言われ智絵理は恥ずかしそうに下を向いてしまう

(クローバーか……)

(ヒカルくん、クローバーに思い出とかあるんですか?)

(俺じゃ無いけど)

(??)

(気にすんな)

ヒカルと卯月がそんな会話をしていると、かな子が思い出した様に

「あっ、そういえば」

と言ってなにかを取り出す

「蘭子ちゃんから預かってたんだ、これ」

そう言うとかな子は、黒い紙を卯月に渡す

「メッセージカード?」

「ん?何々?黄昏に天使の声響く時、聖なる泉の前にて待つ、我の姿を収め魂を封じ込める器を持って訪れよ。神崎蘭子?」

 

 

 

 

 

3人はかな子と智絵理と別れ歩きながら、メッセージカードに書かれてる意味を考えていた

「天使の声響く時って、どういう意味?」

「聖なる泉ってのが場所じゃない?」

(日本語ってこんな難解だったのか…)

「器って、なんのことでしょうか?」

何もわからないまま歩いていると、未央が美波とアーニャを見つける

「次のターゲット発見!」

「未央ちゃん?!蘭子ちゃんのお手紙は?」

卯月が慌てて聞くも

「あとあと〜」

と言いながら2人に駆け寄っていく

「突撃インタビューです!」

その未央の声に2人は振り返り、美波はカメラを見て

「新田美波、大学生です。どうぞよろしくお願いします」

そう言ってお辞儀をすると、アーニャに目配せをする

それを見ると、アーニャもカメラに向き

「Меня зовут Анастасия、私の名前はアナスタシアです」

と言ってお辞儀をする

「ん〜…」

「えっ?駄目なの?」

「お二人とも素敵だったと思いますけど…」

未央は不満気に

「だってぇ、もっとビックリ!オロオロ〜みたいなのが良かった〜!」

そんな未央に美波は少し困った顔をしながら

「えっと…なんかごめんね」

と言う

「ん?それ、何?」

未央は美波の背中に背負われている物を指差しながら聞く

「えっ?これ?ラクロスのラケットだけど…」

「閃いた!」

 

 

 

「新田!美波!大学生です!よろしくお願いします!」

美波はラクロスのラケットを振りながら、カメラに取られていた

「良いよ、良いよ!名付けて、エアラクロス!」

美波は息を切らしながら

「ねえ、これってPRなのかな?」

と聞くが未央は

「もちろん!これでプロジェクト人気、急上昇間違い無し!!」

と答える

美波は少し恥ずかしそうにしながらも

「美波、いきます!」

と言う

「アーニャちゃんも、ポンポン振ってくださーい!」

そう言われるとアーニャも

「Желаю удачи, Минами」

と言いながら、ポンポンを振る

「大学では、ラクロスサークルに入ってます!新しいことにチャレンジするの大好きです!!」

美城プロの入り口付近でやっているためか、門の所に人だかりができているが、未央はそんなこと御構い無しに

「良いねぇ!そのまま、アーニャちゃんもどうぞ!」

PRを促す

「アナスタシアです、パパがロシア、ママがニホンジンです!星を見るのが、大好きです!」

「はーい!オッケーイ!!2人ともビジュアルばっちりだよ〜!」

未央の声と共に外側から見ている人達から拍手が上がる

「こ、こんなに人が…」

美波はそう言って、恥ずかしそうに顔を伏せる

「ミナミ、大丈夫?」

「う、うん…でもこんなことするなんて、思っても見なくって」

「凄くカッコ良かったですよ!」

卯月が言うとアーニャは

「はい、アイドル色々できます、とてもステキです」

と答える

「そうですね!私もそう思います!」

「ライブ、みんな頑張ってました、だから私もアイドル、頑張れると思います」

アーニャにそう言われ、3人は喜びの笑顔を見せる

「あっ、それ!」

凛が気がついて、蘭子の手紙を指差す

「「あっ!」」

「みなみん、ちょっと相談が…」

 

 

 

 

 

3人は走っていた、目的の場所へ向けて

 

《5時になりました、良い子の皆さんはお家に帰る時間です。車などに気をつけて帰りましょう》

 

その放送が流れるなか、3人が目的の場所へ着くと

「ふっふっふ、よく来たな」

そう言って、『神崎蘭子』は3人を出迎える

「みなみん、ビンゴ!」

「確かに、泉ですね!」

卯月は噴水の縁に座っている蘭子を見て言う

「天使の声って…これの事だったの?」

凛も放送を聞きながら言う

そんな3人に構わず蘭子は立ち上がりながら、PRを始める

「運命に導かれ、この世界に降り立った…我が名は神崎蘭子、選ばれし偶像として終焉の幕が上が」「ちょ!ちょっと待って!」「ごめんなさい!」

だが、蘭子の言葉は未央と卯月に遮られる

「あの、魂を封じ込める器の事なんですけど…これでも大丈夫でしょうか?」

卯月はラクロスのラケットを差し出しながら聞く

「これも、多分違うと思うけど…」

凛もそう言いながら、花瓶を差し出す

それに対して蘭子は

「器なら、既に手にしているではないか?」

と言い、未央の持っている物を指差す

「えっ?」

「もしかして…カメラの事じゃない?」

(なるほど〜)

3人に言葉の意味が伝わると蘭子は

「いかにも!さあ、早く我が魂を封じ込めるがよい!」

と言う

「「「あっ、はい!」」」

 

 

「黄昏の時、私は赤き瞳でこの世界を憂いている…時は来た、共にこの世界の終焉を始めましょう!」

「カット、カーット!」

「ん?」

「らんらん、言葉が難しいよ〜」

蘭子は未央に言われると、困惑した顔で

「ら、らんらんとは?!」

と聞き返すが、未央はスルーして

「後で解説よろしくね〜」

と軽く言う

「我が名を未知なる響きで呼ぶとは、中々の強者…」

そこで、夕方の鐘が鳴る

「今宵の宴はここまでにしましょう?…さらなる進化を遂げる時!闇に飲まれよ!!」

そう言って蘭子は、高笑いを上げながら立ち去る…はずだったが

(傘……)

「あっ」

数歩歩いたところで傘を忘れた事に気づき、取りに戻ってから立ち去るというなんとも締まらない立ち去り方をした

 

 

 

 

 

 

3人は一度プロジェクトルームに戻ってきていた

「ふい〜働いた働いた〜、しまむーパース」

そう言って未央は卯月にカメラを投げ渡す

「ちょっと休憩〜」

「えっと、後は誰を撮れば…?」

「李衣菜と杏じゃない?」

卯月は凛にそう言われると周りを見渡す

「あっ」

すると窓の所に座っている『多田李衣菜』を見つける

「李衣菜ちゃんです」

「うん、でも音楽聴いてるみたいだね」

李衣菜はヘッドホンをつけていて、声をかけずらい雰囲気であった

「邪魔しちゃうかもしれません…」

「後にする?」

2人が相談をしていると

「はあ〜、この感じ!良いロックだったなぁ〜」

そう言いながらヘッドホンを外して、歩き出す

「やっぱロックだよなぁ、うん」

卯月はそれを見て李衣菜の元に駆け寄り

「李衣菜ちゃん!PR動画です!」

と声をかける

すると李衣菜は

「ああ、そんなのあったね」

と忘れていた様子でそう答える

「李衣菜ちゃんは、何をしていたんですか?」

卯月は李衣菜にカメラを向けながら聞く

「気づいたらロックに身を任せちゃってたっていうか…やっぱ、ロックなアイドルの性ってやつかな」

「へぇー」

「カッコイイです!」

そう言われると、自信満々な様子で話し続ける

「まあ、私がデビューしたらスターになっちゃうから…この動画、お宝ものだね!」

「ほっほ〜う、大きく出ましたな?」

そう言って未央は茶化すが、それを気にせず続ける

「目指すはクールでロックなアイドル!武道館とか満員で…そして、ライブで伝説を残す!!まっ、まあそういう訳だから…私の事、注目しといた方が良いかもね」

話し終わったタイミングで凛が

「おすすめの曲とかあるの?」

と李衣菜に聞くと、李衣菜はやや慌てながら答える

「えっ?ロ、ロックっていうのは人に聞くもんじゃないっていうか……そう!自分がロックだって思ったらロックなんだよ!」

 

ガチャン!!

 

「ひゃっ!」

「きゃっ!」

「何?何ー?」

その場に居た全員が音のした方を見ると少し怒った様子のきらりと、その後ろからみりあが入ってくる

「杏ちゃーん!もう、何処?みりあちゃんが変わりに、撮影のお手伝いしてくれたんだよ〜?」

「私は楽しかったよ?」

「うーん、まだ見つかってないのかー」

「撮影、残るは杏ちゃんだけですよね」

「早いとこ見つけないと、今日中に終わらないよ」

するときらりが、バッグに手を入れて

「よ〜し、こうなったら…最終、兵器!スーパーハピハピ!キャンディーシャワー!」

と言いながら飴をばら撒く

「飴だ!!」

そう叫びながら杏はソファの下から現れた

「こんな所に居た!?」

未央が驚いていると

「あ〜ん〜ずちゃ〜ん、ゲット!!」

と言い、きらりが杏を捕まえた

「しっ、しまったー!」

 

 

 

「もう一度、PRお願いします」

卯月はそう言ってカメラを向けているが

「えー?杏、仕事とか欲しくないし」

「そこをなんとか」

未央が言うが

「そんなこと言われてもなー、あんず週休8日希望だしー、今日はもうへいてーん」

未央は困った顔をしながら

「さすがにこれじゃあPRにはならないよねー」

その様子に杏を抱えているきらりが

「あんまり困らせちゃ、メッ!だよぉ〜」

と言いながら杏の手をとり、杏の頭にコツンとぶつける

「杏ちゃんのこと、みんな見たいにぃ」

「飴…貰っちゃったしなぁ」

きらりに言われ、杏がついに折れてくれる

「ありがとうございます!」

「これでやっと全員分だね!」

「なんとか終わりそう…」

3人はそれぞれ安心した表情になる

「せっかく撮ってもらうなら、オシャレしなきゃ!杏もアイドルの端くれ、着替えるからちょっと一人にして!」

杏にそう言われると

「もう!恥ずかしがり屋さん!」

ときらりが

「着替えなら応接室でも…」

と卯月が言いつつも

「良いから、良いから」

と杏に言われ全員が外に出る

「じゃあ、お待ちして…」

と卯月が言いかけた時に、杏によってガシャン!と扉が勢いよく閉じられ、中からカチャンと鍵の閉められる音が聞こえた

「え?」

《かかったな!ここは杏が占拠した!もう此処から一歩も動かないぞ〜!》

部屋の中からそう言われるとその場いた、みりあと李衣菜以外のメンバーが慌て出す

みりあは「これって隠れんぼ?」と楽しそうにしており

李衣菜は「鍵、借りてきた方が良いのかな?」と現実的な解決方をボソッとつぶやいていた

 

そんな騒ぎの中、みく、智絵理、莉嘉、かな子の四人が歩いて来て莉嘉が

「みんな、何やってんの?」

と聞き

「入れないのかな?」

とかな子が言うと、みくが慌てて

「たっ!大変にゃあ!みくのカバンが中にあるにゃ!このままじゃ、帰れないにゃあ〜!」

そして智絵理も

「わ、私も…!」

と言って困っている

 

そして、みんなが騒ぎ凛が

「今日中に、撮影できるかなぁ…」

と半ば諦めた様なトーンで言っている中、この場にいる内の3人しか存在を知らない人物がこの状況を一瞬で解決する言葉を放つ

(…………ウルトラ念力)

ヒカルが言うと鍵は開き、扉が開く……だが

「扉が勝手に…」

「ゆ、幽霊?」

(あっ、そうなるの?)

 

 

なんだかんだで撮影は終わったが幽霊騒ぎで結局大変だったとさ

 

 





大変だった所・ロリ組が動きすぎ
戦闘を入れるわけでもないので地味に大変だった今回の話……
次回は今回のオマケとしてNO MAKEとしてヒカル視点でのメンバー印象などをひたすら話させます
つまり今回のまとめです
NO MAKEとして書く話は台本形式とさせていただきます
表情などの描写はほぼ入れません

では感想、指摘など是非お願いします!!

次回《♯NO MAKE 1 みんなの印象は?》お楽しみに!


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