この素晴らしき骸骨に祝福を   作:とし3

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短いです。


よんでますよ、モモンガさん。

 「素晴らしい、実に素晴らしいですよ!見ましたか、カズマ?

  まさか我々の名乗りを完璧に返してくれる者が居るとは思いませんでした。

  このアンデッドの人は生前は紅魔族だったのかもしれません!

  …まぁナザリックとやらは知りませんが」

 

 モモンガのステキ自己紹介は緑服の青年に微妙な顔をされたが、魔女っ子には大受けだった。

 支配者に相応しいポーズを決めたまま、ドヤ顔で二人を見ていたモモンガは、現在置かれている状況を思い出して慌てて2人に問いかけた。

 

 「いかんいかん、ロールプレイを楽しんでる場合じゃない。ログアウト機能が使えなくなってしまって、GMコールも通じない状態なんだ。そちらから運営の方に連絡して貰えないだろうか?」

 

 「ログアウト?魔法ですか?」魔女っ子の方は何を言ってるのだろう?と隣の青年を見る。

 「ログアウトにGMコールって、また、そんなネトゲみたいなことを…ん?ってまさか」

 

 変な不死者の発言から何かおかしいと感じたカズマは、現在のお互いの状況を確認する。

 ネトゲの中ではないこと、勇者と女神の部屋の事、異世界に飛ばされていると言う事。

 

 (…あれ?俺、勇者とか言われなかったうえに、魔王とか邪神とか言われてたような)

 

 最初は冗談かと思っていたモモンガも、DMMORPGではありえない違和感から現実なのだと実感する。臭いを感じたり、キャラの動きが滑らかすぎたり…爆裂魔法を使って倒れていた魔法少女のパンツが見えたり。…ユグドラシルでは18禁に触れるような行為は厳禁とされている、まあ、この辺の規約罰則はオバロ本編で以下略としておこう、WEB版でもいいよ。

 

 カズマの提案で一度アクセルの街へ向かうことにする。

 モモンガも落ち着いて気持ちを整理する時間が欲しかったし、活動拠点も必要だと考えていた。何よりこの世界の生物の強さがどの程度の強さか把握しておきたかった。

 

 第9位階 《エクスプロージョン/爆裂》を使ったこの魔法少女のレベルは、何と1桁だと言う。

 この世界の生物は今の自分と比較して格段に強いのかもしれない…その辺の情報を得るためにも友好的な人間の仲介はとても重要であり、この2人と最初に出会えたのは実に幸運だっただろう。

 

 だが懸念もあった、「私は異形種キャラだが…街には普通に入れるものなのか?」と。

 

 それを聞いた2人は微妙な表情をする。(あ、やっぱダメなんだ…)と悟ったモモンガは、

 《クリエイト・グレーター・アイテム/上位道具創造》を使い漆黒の鎧と剣を作り装着する。

 

 「そうだな、今の姿の私はモモン・ザ・ダークウォーリ…」言いかけモモンガは言葉を止める。

 ネトゲの中でやっているロールプレイではなく、ここが現実世界だと認識したせいで厨二なノリに羞恥心が出て来たのだ。…ううっ、死にたいと思うが今の自分はアンデッドだ。

 

 「なら我が名を知るがよい。我こそがダークウォーリアーか‥(ボソッ」

 

 「止めて!そっちで呼ばないで!クソァ……!俺、俺はどうしてあんなバカな事を……!」

 

 カズマの呟いた発言が、モモンガの精神に大ダメージ!

 両手で顔を覆い、肉体があれば激しく赤面していただろう状態となり。

 思わず感情抑制がスゥーッと働き、急に冷静になる。

 

 …その不思議な現象にモモンガは今の自分が人間ではないのだと実感しつつあった。

 

 

 




…つ、続くと思います。

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