アニメ アイドルマスターシンデレラガールズ 3rd SEASON (完結) 作:栗ノ原草介@杏P
移転した美城グループ本社の会議室で、プロデューサーは美城常務と向き合っていた。
隣には今西部長がいて、後ろにちひろが控えている。
――君の企画について、今後の具体的な展望が聞きたい。
そう言われて、呼び出された。
期待されていると、同時に懸念を抱かれている。
そう思いつつ、プロデューサーは美城常務との面談にのぞんだ。
「率直に言おう。現状の美城グループの経営は、依然として予断を許さない状態だ。君の企画については、正式に認可されているが、しかし慎重にならざるを得ない」
美城グループの経営については、新しい本社ビルがその厳しさを物語っていた。
以前の本社ビルとは、比べようもない凡庸なビルで、美城グループの威容はどこにも見当らなかった。
「もし仮に、君の企画が失敗した場合、美城は致命的なダメージをこうむるかもしれない。少なくとも、アイドル事業部に関しては、存続できないと考えてもらいたい」
覚悟していたこととはいえ、実際に口に出して言われると、その重圧に、全身からじっとりと汗が出てきた。
プロデューサーは、膝の上につくったにぎりこぶしを固め、美城常務の威圧的な視線を受け止めて――
「かならず、成功させてみせます」
根拠は無いが、言い切った。
そうでもしないと、重圧に負けてしまいそうだった。
自分を信頼してくれたシンデレラ達に、大きな舞台を用意する。
そのためには、相応のリスクを背負わなくてはならない。
「まあ2人とも、そんな怖い顔をしないで。今のところは、順調なんだろう?」
今西部長の柔らかい口調に、プロデューサーは張りつめていたものをほぐすように息を吐いた。
そして、手帳を取り出して――
「今回の企画の
美城常務は、無言でうなずき、言葉をうながすようにプロデューサーを見据えた。
「今後の話ですが、今回と同じように、他の事務所との連携を強めるべく、ユニットを作ろうと考えています。346プロのアイドルと、元346プロのアイドルでユニットを組めば、アイドル同士の気心が知れているので、上手くいくのではないかと、思っています」
「……なるほど。それで、候補は決まっているのか?」
プロデューサーは、答える代わりにブリーフケースからプロフィールを取り出して、差し出した。
「彼女は、シンデレラプロジェクトで唯一ユニットを組んでいません。そして、本人はユニット活動に対して、意欲を持っています。適任かと思います」
美城常務は、プロフィールへ視線を落とし――
「相手の候補は、決めているのか?」
「それは、本人の意向を聞いてからにしようと、思っています」
「あくまでも、本人の意思を尊重する、ということか……」
「はい」
プロデューサーと美城常務の視線が鋭く交差した。
「私なら、相手もこちらで決めるな。どのような人材を組み合わせて、どのようなコンセプトで売り出すのが一番効果的なのか、考慮した上でパートナーを選定する。まあ、これはあくまで君の企画だ。口出しはしない」
美城常務は立ち上がり、プロフィールを差し出してきた。
「成果が出れば、文句は無い。君のやりたいように、やればいい」
プロデューサーは、真剣な顔でうなずいて、差し出されたプロフィールを受け取った。
書類に添付された写真の中で、神崎蘭子が勝気な笑みを浮かべていた。
オーディオコメンタリー(あとがき)
プロデューサーの皆様、明けましてやみのまでございます!
このたびは拙作にお付き合いいただき、まことにありがとうございますっ!
今回は、みんな大好きL.M.B.Gのお話を書かせていただきました。
デレマス内で、最大規模を誇るユニットであります。
ロリな――もとい、リトルなアイドルを集結させたこのユニットに、しかし莉嘉ちゃんの姿はありません。
何故だ……ッ! こんなにも模範的な〝妹〟である莉嘉ちゃんを加入させないとはどういうつもりだ運営ッ!
――という憤りを原動力に、今作を執筆いたしました。
そして、今年こそはマーチング衣装に身を包んだ莉嘉ちゃんを見られますようにと、初詣の際に神さまにお願いしてきました。
日本には神さまがたくさんいます。ハ百万の神さまです。
そんなに沢山いるのなら、一人くらいモバPの神様がいても不思議ではありません。
だから――
モバPでロリコンな神さま、よろしくお願いしますっ!
(まあ、そんな神さま、果てしなく邪神っぽい気もするわけですが……w
次の月末ガシャが終わる頃、次話を投稿する予定です。
次回は、らんらんが平行世界の扉を開ける話を予定しております。
またお付き合いいただけると、最高にハピハピでごぜーます!
――さて、話を現実にシフトしますが、
プロデューサーの皆様は、初夢を見ましたでしょうか?
私は、〝限定SSRアイドルをお迎えできるスペシャルスカウトチケットが10万円で販売される(デレステ)〟という夢をみました。
限定SSRが10万円……。
これを高いとみるか、安いとみるかは人それぞれだと思いますが――
夢の中の私は、迷うことなく購入していました!w
まあ、一度でも限定SSRで爆死した経験があれば、迷いませんよね……(遠い目w