インフィニット・ストラトス ただあの空を自由に飛びたくて   作:如月ユウ

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アーキタイプ・ブレイカーのキャラが登場します
一部のキャラは原作設定を変更してます


79話 未来の後輩達、IS学園に立つ

『ガンダムSEED』の再放送が開始して次の日。

月曜日になると教室では昨日放送された一話である『偽りの平和』の話で盛り上がっている。

 

「カガリがガンダムを見てお父さんに裏切り者って言ったけど、あれってどういう意味なの? お父さんがザフトに情報を渡した?」

「オーブの理念とは別に連合にガンダムの開発に協力してたからだよ」

「いかなる事態が起ころうとも、独立、 中立を貫き、他国を侵略しない、他国の侵略を許さない、他国の争いに介入しないを理念にしているの」

「それとガンダムの写真はオーブではなく、ザフトのスパイが暴いたのが原因でヘリオポリスは戦地になったのだ」

 

中立を宣言しながら連合に加担していたからザフトにも襲撃されたり、マスドライバーを強奪しようと連合に襲撃されたりと中立国の立場も大変な事だ。

 

「はーい、席に座ってSHRを始めるわよ」

 

エドワース先生が教室に来て、クラスメイトは自分の席に戻っていく。

 

「みんなは知ってると思うけど今日から来年入学する後輩達がIS学園に来るわ。それと同時に各国企業の専用機持ちもやって来てISを使った授業にも参加するからわからない事や聞くこと。いいね?」

 

はーいと返事をして、SHRが終わると僕は教室を出て更衣室に向かう。

一時限目は三組と合同でISを使った授業なので急いでISスーツに着替えてアリーナに行く。

 

「あっ! お兄ちゃんだ!」

「ちょっと、オニール」

 

アリーナのグラウンドに着くと各国企業の専用機持ちや来年から通う代表候補生達も並んでいてオニールちゃんが僕を見付けて近付いて、列を乱したオニールちゃんをファニールちゃんが追いかける。

 

「二人のISスーツは変わってるね」

「オーダーメイドした特注品なの」

 

二人も授業に参加するのでISスーツを着ているが肩周りが露出していて二の腕から手首まであるISスーツを着用している。

 

「お兄ちゃんのはそんな格好なんだ」

「フリーダムは全身装甲だからISスーツ姿は見せてなかったね」

「先生が号令するから戻るわよ」

「はーい」

 

ファニールちゃんに注意されてオニールちゃんは列に戻っていく。

 

「今日の授業は各国企業の専用機持ちとの模擬戦をやるわよ」

 

エドワース先生とリア先生が号令して今日の授業の内容を話していく。

代表候補生以外に国家代表もいて、自国を代表する人物なのか威厳や風格があり、その視線は僕を突き刺すように見ている。

 

「最初にやる人は……山田君、誰とやるか選んで」

「ぼ、僕がですか」

「クラス代表が先陣切ってみんなを引っ張るのが仕事でしょう?」

「三組の代表もいるですのがそれは」

「専用機持ってないから無理でしょう?」

 

全く持って正論ですね。

対戦する相手を誰にするか各国企業から来た人達を見ると──

 

(目が血走ってすごく怖いよ……)

 

意味深に笑みを浮かべている人もいれば目で殺しそうな人もいて、まるで自分を選べと語っている。

 

(えっと……あの子がクーリェか)

 

殺意に似た視線をしている狐目をした国家代表の隣にはクーリェがスーツは標準的な物で二の腕はオニールちゃんやファニールちゃんと似ていて手の全体が包まれている物を着けている。

身長も二人と同じくらいで周りを不安そうに見ている。

 

「ロシアの代表の人をお願いします」

「私ね、元ロシア代表のログナー・カリーニチェよ。よろしくね山田悠人クン?」

 

元ロシア代表……今は刀奈さんが代表だったね。隣にいるクーリェにも挨拶しようと彼女と同じ視線までしゃがむ。

 

「はじめてまして僕は山田悠人。一年四組のクラスだをしてるんだ」

「クーリェ・クルルシェフカ……ロシアの予備代表候補生、です」

「うん、よろしく」

「こ、こちらこそ! よろしく、お願い、します!」

 

怖がらせないように優しく声をかけるが余計に緊張させてしまったのか、はね上がった声で返事をしてしまう。

試合をするためにカタパルト射出場に行き、専用機を展開して装着。カタパルトに脚を固定してフィールドに飛んでいく。

後から来たカリーニチェさんの専用機は外見はミステリアス・レイディに似ていて装甲が多い。

 

『それでは……試合開始!』

 

カリーニチェさんの機体から水蒸気のような霧が散布されると爆発した。

 

清き情熱(クリア・パッション)!?その技はもしかして」

「この機体はモスクワの深い霧(グストーイ・トゥマン・モスクヴェ)零号機(プロトタイプ)サ!」

 

手にはロケットランチャーを担いでいて弾頭が発射される。

直進する弾頭を回避すると捨てて、サーベルを持って接近、ラミネートアンチビームシールドで防ぐ。

 

『よくも……よくも私のお姉さまを!』

『お、おね……さま?』

『ロシア代表の楯無お姉さまよ!』

 

プライベートチャンネルを使って何を言い出すと思えば刀奈さんはまだ学生でカリーニチェさんは大人な筈なのになぜお姉さま?

 

『夏休みにロシアに来たと思えば彼氏が出来て、しかもお姉さまの妹ちゃんと他の女を侍らせて』

 

知らないうちに逆恨み?をされてサーベルの連撃が加速する。

 

『あ、あれは先輩から迫られて』

『知ったこっちゃねぇ!ここで死ねよぉぉぉぉ!』

 

同意とは言え五股している僕も悪いが刀奈さんは知っているかどうかわからないが嫌そうにしているとは思う。

そうだ。

 

『あぁ~夏休みになってロシアから日本に帰ってきたとき、何したか知ってます?』

『あぁ?』

『お祭りやデートに行って、二学期の学園祭も一緒にまわって……あ、先輩の初めては美味しく頂きましたよ。あと、簪もついでに姉妹丼とかやりまして、一昨日も先輩は僕の上で──』

『むきぃぃぃぃ!殺す!ここで今、殺してやる!』

 

よし、食い付いた。

刀奈さんを無茶苦茶にして好き勝手している僕に対して怒り、周りが見えていない。好機を狙って今は待つ。

 

「貰った!」

「くぅ……!」

 

サーベルをラミネートアンチビームシールドで反らして回し蹴りをして踏み込んで後退、ピクウス76mm近接防御機関砲を撃つ。

 

「実弾程度では通らないよ」

 

水のヴェールを展開して実弾が水中に捕らえられて防がれるがそこで終わらず次はラケルタ・ビームサーベルを抜いて、前進して突きつける。

 

「何をして」

 

ビームサーベルは世界観よっては様々だが共有しているのは溶解して斬り付ける事で溶かして切断する。

つまり水に高熱を加えれば──

 

「水蒸気……!」

 

水蒸気の霧がお互いの姿を隠して見えなくなる。

 

(チャンス!)

 

直ぐに移動してルプス・ビームライフルを持ち、クスフィア・レール砲とバラエーナプラズマ収束ビーム砲を展開。

 

「相手が見えなくてもいる場所くらいは!」

 

マシンガンを呼び出して両手に持ち、回転しながら撃ち続ける。銃弾が水蒸気をかき消して霧が晴れる。

 

「いない……もしかして!」

 

辺りを見渡すが見えないのは当然だ。

人は前後左右は勿論、警戒心が強い人は上からからの襲撃に備えるが下からは警戒は薄い。

感情を誘発させて判断力を鈍らせてまともな考えが出来なくなった隙を狙って僕は真下に避難した。

 

「これで終わりだ!」

 

一斉射撃して武器を破壊、そして機体にもダメージを与える。

まだシールドエネルギーがゼロになっていないのに試合終了のアラームが鳴る。

 

『時間切れ。シールドエネルギーの最大値から多く与えたのは山田君だから勝者は4組クラス代表、山田悠人』

 

 

フィールドからカタパルト射出場まで移動すると後ろからカリーニチェさんの怒り狂った声が聞こえたが無視。今日のは普通の模擬戦よりも疲れてしまった。

目の敵にされているが刀奈さんから告白されたし、僕にどうしろと。

待機状態にすると代表候補生達が僕に寄ってきた。

 

「元ロシア代表とはいえ対等に戦っていたとは相当の実力持ちなのね」

「ありがとうございます。えーと」

「ベルベット・ヘル。ギリシャ出身のテストパイロットよ」

「ギリシャ……サファイア先輩と同じ」

「えぇ、彼女とは同期なの」

 

サファイア先輩と同じ出身国のヘルさんは燃えるような赤い長髪に眼鏡をかけている。スーツは特注品なのか豊かな胸の窮屈さを軽減するためか上の一部に穴を開けている。

 

「いや~すごかったよ。予想を裏切る戦いをしてたね。あ、私はグリフィン・レッドラム。ブラジル代表候補生よ」

「山田悠人です。僕は裏をかく戦いしか出来ないので」

「でも、それも戦術の一つなんだよね? なら使ってないおかないと」

 

簪や刀奈さんよりも濃い水色の髪をしたレッドラムさんは長髪を結んでいてヘルさんと同じように胸部の上に穴を開けているISスーツを着ている。

 

「今の戦い、相手の攻撃を反らしてからの回し蹴りは素晴らしかったです」

「ありがとう。名前は確か……」

「ヴィシュヌ・イサ・ギャラクシーです。タイ代表候補生で来年から生徒として通います」

 

緑髪のおかっぱをした彼女は褐色肌で豊かな胸をしていて脚線美が眩しい。

彼女もISスーツは特注品なのか胸部の下に穴を空いている。

 

「ロランツィーネ・ローランディフィルネィと申します!オランダ出身の代表候補生で専用機を持ってます!」

「は、はあ……」

 

銀髪ショートカットで癖っ毛が外側に跳ねており、他の人とは違い、気迫があって距離を置かずに食い込むように攻めてインパクトが強かった。

 

「それと出会ってからまだはやいと承知の上で言います──私と付き合ってください!」

「……えっ?」

 

付き合う……付き合うってまさか出掛けるとかの意味じゃないよね?そんな風に考えるのは一夏だけだが今は同じ考えをしてしまう。

 

「言い方が悪かったですね。私と恋人同士になりましょう先輩!」

 

はい、告白されました。

鈴達は過ごしていたのでその過程で好きになったからわかるが一目惚れはさすがに体験しないだろうと思っていた。

というかもう恋人……恋人達は出来てるのでここは断らないと。

 

「ローランディフィルネィさん……その、ですね」

「あぁ、そんな他人行儀にならず。呼びづらいと思うので親しみを込めてロランと呼んでください!」

 

手をしっかり握られてさらに迫っていく。なんか、この人は積極的過ぎる。

 

「どうして告白したかをここで伝えたいのですがまだ授業中なのでランチの時にでも」

「あー!私もお兄ちゃんと一緒にお昼食べる!」

「はははっ、いいだろう。食事は大勢で食べるほうが良い」

 

この場合だと鈴達は対抗して反論をするのが当たり前であるが反論どころか一緒にお昼を食べるのを許可している。

オニールちゃんの言葉に賛同するところは心が広いと言うべきなのか。

 

「そうだ、ここは候補生同士でお昼を摂るのはどうだろう? お互い来年から通う同じ同級生だ、ここで親睦を深め合おう。いかがです、先輩?」

「……好きにしてください」

 

先ほどの模擬戦とロランの気迫ある会話に疲れてどうでも良いやと思い始めた。

 

『悠人』

 

プライベートチャンネルからシャルロットの通信が入ると冷やかな口調であった。

 

『私達、恋人同士だよね?』

『う、うん』

『なら、一緒でも問題ないよね?』

『……そうだね』

 

ブツリとプライベートチャンネルが切られる。

 

 

 

 

午前中の授業を終えて今は昼休み。

食堂では生徒や教師以外に各国企業の代表や来年通う候補生達も食べている。

今日のお昼は大人数なので丸型のテーブル席を確保した。

 

「恋人が99人……どうしてそんな人数になったの?」

「告白されれば拒まず受け入れる。それが私の流儀でね、彼女達のことは『百合の蕾』と呼んでいる。そういう先輩も複数の女性を彼女にしているところはハーレムキングというものかな?」

 

ロランが言った人数は彼ではなく彼女だ、男の子ではなく女の子。百合やキマシ……つまり同性愛者なのだ。

最近になって日本も同性婚が採用されたがオランダのほうが先に採用している。

 

「先月のキャノンボールファストで先輩の専用機を拝見したとき身体中に稲妻が走り。今日、会って確信したのです。私の恋人100人目は先輩に相応しいと思い、告白しました」

 

ストレートのような発言と勢いある行動はある意味ラウラに似ているが一度も会ったことないのに出会い頭に告白とか反応に困る。

 

「男の子はきみと織斑一夏君しかいないからモテモテなんだね」

「恋愛は人それぞれと言うけど大変そうね」

 

年上であるレッドラムさんはからかって、ヘルさんは同情のような眼差しで見られる。

 

「いいな。お兄ちゃんと恋人同士ならお姉ちゃん達はずっと一緒にいるんだよね?」

「オニール、それとはちょっと違う事情なのよ」

「好きな人だから一緒にいるんでしょう?」

「そうだけどね、それとは別の──」

 

ファニールちゃんが説明しているが首を傾げるオニールちゃんはいまいち理解していない。

 

「複数の女性を恋人に……悪い人ではないのはわかりますが、その……」

 

ギャラクシーさんは良識人なのか、鈴達と付き合っているのに抵抗を感じている。その反応は間違いじゃないからね。

 

「ロラン、告白してくれたのは嬉しいけど僕には」

「悪いが嫁には私達という女がいる」

「悠人には私達がいるから、ごめんね」

「これ以上は無理。だから諦めて」

 

ラウラ、シャルロット、簪の順番で遠回しに諦めろと言っているがロランは反論する。

 

「最初に告白したのは誰ですか?」

「鈴……僕には幼馴染がいて最初に好きって告白したんだ。だけど保留中にしたからシャルロット達も後から……」

「なるほど、悠人先輩の幼馴染が告白したのは別に構いません、最初に告白しましたから。ですが、後から告白した先輩方が良くて私が駄目なのは少しおかしいのではないです?」

 

的確な指摘にシャルロット達はぐうの音も出ず、黙ってしまう。

 

「戸惑う気持ちはわかりますが私は諦めたりはしません。一ヶ月の間に先輩の心を掴みます」

 

鈴達の中の誰か一人を彼女にしていればハッキリ断れたが合意で五股しているから上手く断ることが出来ない。

告白されて嬉しいかどうかと言えば嬉しいけど複雑な気持ちだ。

 

 

 

 

生徒会の仕事を終えて鈴と一緒に部屋に戻ろうとしたが従妹(いとこ)……乱音も連れてくるからと言ってきたので先に自分の部屋に戻る。

 

コンコンコン。

 

「……っと、来たようだね」

 

制服から『自由』と書かれたシャツと短パンに着替えているとノックされたので扉を開ける。

 

「鈴と……従妹(いとこ)の乱音だね」

「ど、どうも。鳳乱音(ファンランイン)です」

 

私服姿の鈴に同じ服装をしている乱音。

容姿も鈴と瓜二つで唯一、違うのが髪の結び方くらいで初めて見た人は双子と間違えるほど似ている。

 

「大丈夫よ、悠人は一夏と違うから安心して」

「一夏……織斑一夏……」

 

一夏の名前に不機嫌そうな表情をしている乱音。出会って早々なにかやらかしたのか?

 

「今日の昼休みに紹介しようと思ったけどあんたの席は囲まれていたからなかなか入れなくてね。今日はアタシの日だからちょうど良いタイミングだったわ」

「鈴のところの合同授業は誰が来たの?」

「イタリア代表のアリーシャ・ジョセスターフだったわ。去年のモンド・グロッソ優勝者なのよね? 模擬戦の相手はもちろん一夏だけど」

 

千冬さんの弟だから合同訓練の相手も豪勢だな。

IS学園に居るうちに一度でいいから試合をしてみたい。

ふと、乱音を見ると話の輪に入らず仏頂面でいる。

 

「体調悪いの?」

「い、いえ。織斑一夏の事を考えるとムカムカして」

「まだ引き摺ってるの?あいつも悪気あって言ったんじゃないんだから」

「だけどアタシの事を『鈴二号機』って言い出したのよ!」

 

二号機?なにそのガンダムMk.Ⅱやガンダム試作二号機みたいな呼び名。

 

「まあ、二人は似てるから」

「あんたもアタシは鈴の二号機だと言いたいの!?」

「ちょっと乱!」

「いや? 乱音は乱音じゃないか。髪色も違うし」

「へっ?」

「二人とも茶髪だけど乱音は少しだけ黄緑色がはいって、目の色素も鈴が濃くて、乱音は明るい。いとこ同士とはいえ、顔つきが若干違うからね」

 

一見すれば似てるが目を凝らして見れば、ほんの少しだけ違う。

鈴と乱音の見た目の違いをそのまま伝えると怒った本人は空いた口が塞がらず硬直している。

 

「ほら、悠人は違うって言ったでしょう?」

「う、うん。その……怒ってごめんなさい」

「別に気にしてないよ。さっきのはコンプレックスみたいなもの?」

「気に障る事じゃないけどいきなり二号機とか失礼だと思うでしょう?」

「姉妹や双子だと言われたら信じちゃいそうだけど二号機は言わないかな」

「でしょう?本当、失礼しちゃうわ」

 

嫌な事を言われると怒ったりする部分は似ているな。

話していくうちに夕食の時間帯になっていき、鈴が作ってくれた中華料理を食べて食後のお茶を飲んでいる。

 

「先輩もお姉ちゃんと同じように専用機持っているんですよね?」

「うん、ここだと見せれないからガンプラでいいか。ちょっと待って」

 

僕の専用機であるストライクとフリーダムのガンプラを置く。

 

「これが先輩の専用機?」

「違うわ。機体のモデルと言えばいいかしらね?」

「なぜか分からないけど僕の専用機はガンダムなんだよね」

「でも、あれってアニメの中の話じゃあ……」

「それはそうだけどストライク……今はフリーダムだけど、僕の専用機がガンダムである以上は現実なんだよ」

 

最初は誰もが思う。

アニメやゲームの中にしかない機体が実現したら疑ってしまうのは当たり前だ。

 

「だけど理論的には可能な武器もあるんだ。例えば、ストライクの固定装備のアーマーシュナイダーは高周波振動によって切れ味を上げてるから今の技術でも開発出来るし、プラモ用の超振動カッターもあるよ」

「ここにあるプラモデルは全部、先輩が作ったのですか?」

「うん。作ったガンプラは沢山あるけどここにはないから展示用に置いてあるお店を紹介するよ」

 

ガンプラに興味を持ってくれたらガンダムのアニメやゲームを教えておこう。

 

 

 

 

深夜になりそうな時間になっていたのでアタシが泊まる部屋まで行こうとしたらお姉ちゃんが送ってあげると言ってついて来た。

 

「お姉ちゃん」

「なに?」

「どうして山田先輩のことが好きになったの? 悪い言い方だけどパッとしない感じだから」

「その反応で合ってるわ。一夏に比べれば見劣りするのは事実よ」

 

上辺だけ見れば織斑一夏のほうが良いかもしれないがアタシは絶対に嫌だ。

アタシを見ていきなり『鈴二号機』とか言い出して嫌悪感しかない。

 

「でも、アタシは悠人が好き。悲しいときも嬉しいときも悠人が側にいてくれた。アタシが今こうして居るのも悠人のおかげよ」

 

今日、山田先輩と話してみると温和な雰囲気で優しく、相手のペースに合わせてくれる。

 

「悠人とIS学園で再会して過ごしていくうちに時々、怖くなることがあるの」

「怖い?」

「あいつ、色んな事件に巻き込まれて辛そうなことが合っても顔色一つ変えずに平然としてて、本当は苦しいのに誰にも助けを借りずに独りで……」

 

何に巻き込まれたか、わからないがとても苦しそうにしている。本当に好きなのがよく解る。

 

「あいつの事だから自分から言うことはないし、無理矢理、聞き出すのも抵抗あるから」

「アタシが代わりに聞いてみようか?」

「多分、無理よ。悠人は口が堅いから簡単に話してはくれないわ」

「どうしてそう思うの?」

「勘かしらね」

 

勘……それだけだわかるのだろうか。

お姉ちゃんには悪いけど、個人的に気になるから二人きりになれたときに聞いてみよう。




私の小説のロランは箒ラブではなく悠人ラブです
乱は悠人に対して興味があります
あと一夏とは仲直りはさせますよ


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