インフィニット・ストラトス ただあの空を自由に飛びたくて   作:如月ユウ

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アーキタイプブレイカーをプレイしてますが戦闘がむちゃくちゃ楽です
周回プレイもスキップという結果だけが見れる設定があるからアイテム収集がはかどる
FGOとまどマギレコードはプレイ動画して見てませんがアーキタイプブレイカーが一番、戦闘が簡単かと思います
一番驚いたのはオニール、ファニールが12歳という
ぶっちゃけた話をすると小学校、良くて中学校を高等学校に通わせるなよ
乱も同じですが飛び級という設定で片付けるな


71話 身勝手な自己完結

気が付いたら周りの風景は田舎のような雰囲気で木々が溢れている。

 

「ここは……お墓?」

 

開けた場所につくと地面に植えられた芝生の上に白い十字架が建てられていた。

石床に灰色の長方形の墓石ではないのでここは日本ではない。なら、ここは何処の国なんだ?

 

「女の子?」

 

お墓の前では同い年くらい少女が泣いていて素顔が見えない。

長い金髪で泣いている声と共に見覚えがあった。

 

「シャルロット?」

 

声に反応したのか泣き止んで顔を上げた。

 

「あなたのせいで……お父さんとロゼンタさんが……」

 

目は泣き腫らして憎しみが込めて睨んで今でも飛び掛かってきそうだ。

墓石の名前を見ると刻まれている文字はフランス語だがその名前に目を疑った。

 

「アルベール・デュノア……ロゼンタ・デュノア」

 

どうしてアルベールさんとロゼンタさんの名前が墓石に刻まれているんだ。

 

「あなたがデュノア社の機体を開発しなければお父さんとロゼンタさんは死なずにすんだのに!」

 

服を掴みかかり、叫ぶように声をあげる。

 

「返してよ! お父さんとロゼンタさんを返して!」

 

アルベールさんとロゼンタさんを返せと言いながら滑り落ちるように膝から地面にへたりこむ。

 

「あのとき、お父さんと話をしなければ……あなたを好きにならなければこんな事にならなかったのに!」

「しゃ、シャルロ……僕は……」

「私の家族を殺した人殺しのくせに! 力がないのに助けようとした偽善者のくせに!」

「僕は、ぼくは……」

 

シャルロットの家族が死んだことが信じられず息が詰まりカチカチと歯を鳴らして目の前が真っ白になっていく。

 

 

 

 

「ゆうと……ゆうとぉ!」

「あっ、はぁ……!」

 

強く揺すられて意識が覚醒した。今のは……夢?

 

「大丈夫?すごいうなされて苦しんでいたから」

「だい、じょうぶ……」

 

服を掴むように腕を交差して震える。暖かい格好をしているのに身体が凍えるよう感覚が襲ってくる。

良かった……今のが夢で……。

 

「もしかしてあの事を気にしてるの? 悠人はなにも」

「違う、僕が悪いんだ……僕が機体を開発したからデュノア社が狙われて……」

 

そう、僕が悪いんだ。全部、僕が悪い……僕のせいでデュノア社が……。

ふと、身体を包まれるような感覚と人肌の暖かさが全体に行き渡る。

 

「悠人はなにも悪くない。男性操縦者のデータを盗もうとした犯罪者の私を庇ってくれた。お父さんとロゼンタさんと家族のように生活出来るようにしてくれた。デュノア社の……私の専用機を開発してくれた」

 

抱きしめられたまま頭を撫でられていく。

 

「私が幸せなのは全部、悠人がいてくれたからだよ」

 

僕は誰かに抱きしめられる資格なんてない。

突き放そうとしても力が強いのかそれとも離れたくないのか拘束されたまま時間が過ぎていく。

 

 

 

 

月曜日から『生徒会執行部男子貸し切り期間』が始まり、僕と一夏はそれぞれ別の部活動に派遣される。

 

「野菜と鶏肉を切り終えたら鍋にゴボウをいれて炒める」

「油はしかないの?」

「最初にいれると油が跳ねて危ないからゴボウを先にいれると油が跳ねなく肉がこびりつかないんだ」

「そうなんだ」

「水分がなくなったら油をしいて鶏肉をいれる。その次はニンジン、レンコン、里芋などの土から育つ野菜。一口に切って茹でた、こんにゃくもいれて炒める」

 

放課後、一夏はフェンシング部、僕は料理部に派遣されて料理部の人達と一緒に今日のメニューは日本の家庭料理である『筑前煮』を作っている。

 

「まんべんなく炒めたらダシをいれて強火で煮込む」

 

蓋をしてあとは味が染みるまで待つだけだ。

 

「肉じゃがと筑前煮ってなにが違うの?」

「肉じゃが使う肉は豚で野菜は玉ねぎ、ジャガイモ、糸こんにゃく。筑前煮は鶏肉を使って野菜はレンコン、里芋、板こんにゃく。使うダシだけは同じだね」

「ニンジンは同じなの?」

「肉じゃがも筑前煮もニンジンはいれてるよ」

 

料理部と一緒に調理しているとドイツにいた頃にシュヴァルツ・ハーゼ隊に教えているような気分。

 

「山田君の教え方すごい上手だから手際よく出来たよ」

「料理っていつからやってたの?」

「姉ちゃんが高校を卒業してからだから……十歳のときから始めたかな」

「そんなにはやくから!? 私は中学校に通い始めてからようやく本格的な料理を作り始めたのに」

 

指折りをしながら数えていつから料理をするようになったか話したら驚かれたがそれほどなの?。

さっき驚いていた人は料理部のなかでは料理を始めたのは最年少らしい。

 

「織斑君と幼馴染なのは聞いてるけどいつから一緒にいるの?」

「幼稚園に通い初めてからずっとだよ」

「じゃあ10年以上も一緒にいるんだ」

「まあ、そうなるかな」

 

そう……僕が三歳の頃に一夏の両親が行方不明になって千冬さんと一緒に暮らすことになる。

まだ中学生だった千冬さんでは一夏を育てるのは無理に等しく、中学生になってから一夏と千冬さんは自分の家に戻っていった。

 

「もう、煮えたと思うから取り皿を出そう」

「火を止めて鍋を持ってくね」

「待って、鍋を持つときは」

「あっちゃ!」

 

鍋を持とうとしたら案の定、ヤケドして指をはなす。あ~もう、言わんこっちゃない。

鍋掴みを他の人に渡して蛇口から水を出してヤケドした手を冷やしていく。

 

「あ、あの」

「誰かボウルに水を入れて。他の人は取り皿とおたま、箸かフォークの用意。あと、鍋を掴むときは鍋掴みをちゃんと着けてから持つこと」

「了解した。ここは私に任せて薬を貰ってこい」

 

ラウラが代わりに指揮を取ってくれるようで医務室に行って事情を話して火傷用の塗り薬を貰って調理室に戻る。

 

「手を綺麗に拭いて、薬を塗ったらビニールを被せて30分くらい冷やしといて」

「あ、ありがとう山田君」

 

薬を塗り終えて、ビニールを被せてまたボウルに浸ける。

 

「色々あったけど、さっそく食べてみよう」

 

全員にいきわたるといただきますと言って筑前煮を食べてみる。

 

「野菜を煮ただけなのにダシの味が染みて美味しい」

「切ったときはかたかったのに煮ただけですごい柔らかくなってる」

「でも、レンコンは芯が感触が残ってるよ」

「噛んだときにシャキシャキ感を楽しむから、それが正解だよ」

「なるほど~」

 

話をしながら食べていくがヤケドした人は両手がふさがっていて食べることができない。

 

「両手、水に浸けてるから食べれないよね僕が」

「私が食べさせてやる。ほら」

 

ニンジンをフォークに突き刺してラウラが食べさせてあげた。

 

「ありがとうボーデヴィッヒさん」

「女の考えていることは大体わかっていたからな。両手が使えないから食べさせて貰おうという魂胆だろう」

 

動揺して気まずそうに僕から視線を反らしている。マジかよ。

 

「ということだ。手がふさがって食べれないから私にあーんしろ」

「あ、うん」

 

里芋を箸で掴んでラウラの口の中に入れると周りが一斉に叫び声を出す。

 

「あー!山田君にあーんされてる!」

「ふっ、私と悠人は夫婦だ。それなら問題はない」

「大有り、大有り!大問題!」

「私にもあーんを主張するー!」

 

自分にもしろと野次馬となって騒いでいく。

 

「ええい、嫁にして欲しいなら私を倒してみろ! IS学園の生徒ならISを使って戦え!」

 

どっからどうみても勝てるわけないじゃないか。

代表候補生にして専用機持ち。それに軍隊の特殊部隊の隊長だから、ただの一般人が訓練機で戦ったら火を見るより明らかだよ。

 

「私達が束になっても勝てるわけじゃない……」

「ボーデヴィッヒさんは代表候補生で専用機持ち。それに彼氏持ちなんて」

「ううっ……世の中って理不尽よね」

 

代表候補生で専用機を持っている事を羨ましそうにしているが鈴と簪を除けば専用機持ちって特殊な理由がある人ばかりだよね。

特に僕と一夏と箒は代表でも候補生でもないのに専用機持ちで一夏は第一形態(ファースト・シフト)の状態で単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)が使えて箒は世界で唯一の第四世代の機体。

そして僕は核エンジンを搭載してISの中では現段階で最強のフリーダムガンダム。

最初の頃はIS適正が低かったのに最近になって格段に上がったし、特殊な人しか高くないのかな?

 

 

 

 

使った物を元の場所に戻して派遣された料理部をあとにして自分の部屋に戻る。

月曜日は鈴と一緒に過ごす日なので鈴が作った夕食を食べて、食後のお茶を飲んで一息ついている。

 

「ねぇ、悠人。ラウラから聞いた話だけどシャルロットが部活を休んだらしいの。なにか知ってる?」

「……いや」

「昨日まではいつも通りだったのよ。朝から元気ないし、お昼も来なかった」

 

言えるはずがないだろ。僕のせいなんだから。

 

「言わないなら当ててあげるわ。シャルロットがあんな風になったのは自分の責任だと思ってるでしょう?」

「…………」

「あんたのことだろうし、どうせ馬鹿なことしか考えてないでしょう」

「ば、馬鹿ってなんだよ」

「だったら話なさいよ。話を聞いて馬鹿かどうか決めるわ」

 

頭に血がのぼって冷静にいられず、思った事や考えいる事を口にして開いた。

 

「昨日……外に出掛けて少し離れることがあって戻ったらシャルロットが急に不安になっていて。様子がおかしいと思ってIS学園に戻って僕の部屋に連れて落ち着かせて話を聞いたらデュノア社が亡国機業に襲われて、それで被害があってリベルテが奪われて。アルベールさんとロゼンタさんは奇跡的に大丈夫だったけど、会社を立て直すのに時間がかかってキャノンボール・ファウストに参加出来るかどうかわからないって」

 

考えが甘かった。新型の機体を開発する以上は別の企業や国が狙うのは必然。そのリスクがあることを配慮しないで対策も取らなかった。

 

「こんなことになったのは僕のせいなんだ。シャルロットの相談に乗らないで機体を造らなければデュノア社が襲撃されなかった。僕がいたせいで……」

 

あんなことになるなるなんて思わなかった。ただ純粋に助けたいという気持ちで自分がやれることをしたのが原因で逆にひとつの会社を壊すことになるなんて……。

 

「くだらない」

「はっ……?」

 

たった一言、吐き捨てるように言ったのがくだらない(・・・・・)……だと?

 

「やっぱりあんたが考えてることはくだらないわね。予想通りと言うか、あんたらしいと言うか」

「鈴に……鈴に何がわかるんだ! 僕の甘い考えがひとつの会社を駄目にして最悪、倒産するかもしれなかった! それの何処がくだらないんだよ!」

 

恋人同士とはいえ、僕だって人間だ。カッとなったり嫌なことをされたら怒ったりする。

 

「くだらないに決まってるでしょう。責任を感じるのはかまわないけど何でもかんでも全部、自分が悪いように仕立てて」

「仕立てるも何も実際、僕がデュノア社の機体を開発したのが原因だろ!」

「じゃあなに? ザフトがMSを開発したからそれに対抗して連合もMSを開発したけど、その機体がザフトに奪われたのは開発した連合が悪いの?」

「それはどっからどうみてもザフトが……」

 

あっ……。

 

「ザフトが、悪いに決まって……」

「やっと、わかってきたようね」

 

安心したかのように微笑んでいる。

 

「責任を感じるのは悪いことじゃないわ、むしろ良いことなの。デュノア社が襲われたのが悠人の責任であるのも仕方ないけど最大の原因は亡国機業よ。あいつらが襲撃しなきゃ機体も奪われずに済んだ。違う?」

「そう、だね……亡国機業が悪い。デュノア社を襲ったのは亡国機業だから」

 

熱くなった感情が消え失せて冷えたような感覚が心を落ち着せていく。

 

「前に言ったけどあんた一人で背負う必要なんてないわ。アタシだってデュノア社の機体開発を手伝った。アタシだけじゃない、ラウラも簪も刀奈さんも手伝ったの。あんたの罪もアタシ達に背負わせて」

「ごめん鈴……僕は」

「いいのよ。ちゃんと分かって反省したんだから許してあげる」

「でも、やっぱり迷惑かけたからお詫びとかしたいよ」

「なら、日曜日はアタシと二人っきりで外に出るわよ。シャルロットだけズルいし」

「ちょっと部屋で待ってて、謝りに行ってくる」

「はやく帰って来なさいよ」

 

鈴のおかげでなにが原因でどう謝罪すれば良いかわかった。もう大丈夫だと伝えないと。

 

 

 

 

「馬鹿よ。本当に……」

 

関わったことで不具合があると全部、自分のせいにして他人の罪まで背負ってしまう。

 

「ホント不器用よ、真面目に努力することしか出来なくて、サボったり、手を抜いたりしないんだから」

 

ときどき取り返しのつかない事も自分のせいにしてしまうんじゃないかと思って怖くなる。自分がしたことの責任に押し潰されてそのまま死んじゃうじゃないかって。

 

「そうならないように持ち上げて支えないと」

 

悠人だけ背負う必要なんてない。もし、そんな事があるならアタシもどんな罪だって被ってやる。

 

「さーて、今日はアタシの日だから取って置きの物を出そうっと」

 

鼻歌を唄いながら洗面所兼脱衣場に行く。

 

 

 

 

謝罪をするべく僕はシャルロットとラウラの部屋の前にいた。扉をノックするとラウラが出てきた。

 

「どうした嫁?」

「シャルロットはいる?」

「いると言えばいるが……」

 

同居人であるラウラにも話したのか本人は部屋に入れるのを渋っている。

 

「デュノア社のことだけどちょっと勘違いしてたんだ。そのことで謝りたくて、お願い」

「……わかった。はいれ」

 

ありがとうと言って、部屋へと入りるとシャルロットはベッドに横になって布団にくるまっていた。

 

「シャルロット」

「ゆう、と……」

 

顔をあげると目元はあかくなって涙の跡のしっかり残っている。

 

「その……デュノア社のことで」

「悠人はなにも悪くない。私が助けを求めたからなの。お父さんとロゼンタさんに迷惑をかけたのは私が悪いの」

「違うんだ。そのことで勘違いしてた」

「勘違い?」

「機体を開発したのは僕だけど亡国機業が襲わなければデュノア社も被害に遇わなかった。全部、僕が悪いと考えて自己完結してた」

 

膝と頭をを地面につけて土下座をする。

 

「ごめんシャルロット。僕の変な思い込みのせいで辛い思いをさせた」

 

身勝手な考えでシャルロットを傷付けてしまった。それは僕の責任であり、消えない罪だ。

だから僕はどんな罰だって受け入れる。

 

「私はもう大丈夫だから。いいよ、許してあげる」

「そんな……簡単に? 僕は勘違いをしてシャルロットを」

「なにが悪いかわかって反省したなら私が言うことはなにもないよ」

「でも……」

「じゃあ……ティータイムに付き合ってくれる? 今は悠人に甘えたい気分だから」

「わかった」

「顔、洗ってくるから待ってて」

 

ベッドから出ると洗面所兼脱衣場に行く。

 

「ごめんラウラ。シャルロットがあんな風になったのは」

「もう十分だ。嫁がどれだけ責任深いか理解した」

「うん……」

「ティータイムだが当然、私も参加するぞ?」

「ラウラだけのけ者にはしないよ」

 

脱衣場兼脱衣場を出たシャルロットはすっきりした表情をして気分を変えようと着替えるらしく僕は部屋を出よとしたが……。

 

「悠人が出る必要なんてないよ。お互いに裸を見せあったし、今さら恥ずかしくないよ」

「いやいやいやいや。そういう問題じゃなくて」

「ラウラ、逃げないよう捕まえておいて」

「了解」

 

両手を締め上げられて拘束されてしまう。なんとか解こうにも代表候補生にかなうはずもなく、脱出出来ない。

 

「どれにしようかな~?」

 

服を脱いで最初に見えたのは新しく購入した下着を着けて、わざとなのか胸やお尻が見せるように動いたり時間をかけて服を選んでいく。

 

(シャルロットの胸、大きくなったな……)

 

何度も触ったのか初めて会ったときよりも大きくなっていて抱き着いたりするとその柔らかさが増大してむちゃくちゃにしたいという気持ちが溢れるがシャルロットも拒んだりせずむしろ積極的で受け入れていたりする。

着替え終わると拘束から解放されて紅茶とクッキーでお茶会をする。

 

「はい、あーん。美味しい?」

「うん、美味しいよ。これって作ったの?」

「料理部で作ったんだ。いっぱいあるからどんどん食べて?」

「私もしてやろう。あーんだ」

 

クッキーを摘まんだラウラからも食べされられる。

自分で食べれるのだが腕はがっちり掴まれてシャルロットとラウラと一体化しているようなで抱かれているので手が使えない。

 

「悠人、実は少しだけ謝りたいことがあって」

「謝りたいこと?」

「今日、部活をサボったのはデュノア社が亡国機業に襲われた事を鈴達に話してて」

「じゃあ鈴は最初から」

「襲われたのはとっくに知ってたの。ごめんね」

 

なんだよ、知っていてあえて聞いてたのか。必死に隠してた自分が馬鹿みたいじゃないか。

 

「部屋に鈴を待たせてるからそろそろ戻らないと」

「もう少し居てもいいんじゃない?」

 

紅茶を一杯だけ飲んで出ようとしたがおかわりを淹れられて30分くらい居座ってしまった。

 

「謝ってすぐ戻るって言ったし、今日は鈴と過ごす日だからさ」

「わかってるけど……でも……」

「明日はシャルロットと一緒に過ごす日なんだし」

「それはそうだけど……」

 

部屋に待たせている鈴にも悪いんだよ。自分が悪いと思い込んでいなければシャルロットも鈴も余計な負担を背負う必要なんてなかった。

 

「だったら今週の日曜日にまた一緒に出かけるよう」

「私も同行するぞ。シャルロットだけ行かせるわけにはいかない」

 

えっと、その日は鈴と出かける予定なんだけど……どうする。

 

「もしかしてダメだった?」

「予定があるのか?」

「……大丈夫だよ。日曜日に出掛けようか」

「うん!」

「秋物の服も購入しようと思っていたから嫁の意見を参考にさせてもらうぞ」

 

ごめん鈴……。

 

 

 

 

なんとか解放されて二人の部屋を出た。鈴を待たせているので始めにすることはもちろん──

 

「すいませんでした!」

 

土下座である。

 

「で? 謝って許してもらえたけど、そのあとお茶会して日曜日に出かける約束したと」

 

頭を地面に擦り付けている僕に鈴はベッドに座って足を組んで怒り表情をしていて同時に呆れていた。

部屋に戻ると鈴の服装はチャイナドレスを着ている。なぜ着替えたのか気掛かりだが今は重要なことじゃない。

 

「あんたね、アタシとの約束もあったのよ? それを無下にしてシャルロットとラウラと出かけるってどういう神経してるの?」

「弁論の余地もありません」

 

これはどう見ても僕が悪いが言い訳するとシャルロットが悲しんだのは僕の責任だからちゃんと償いとかをしないと自分として許せないんだよ。

とはいってもそんな事は口が裂けても言えない。

 

「もう、いいわ。今さらだし」

「ほんと、ごめん」

「ただし、次の日曜日はアタシと二人っきりで行くのよ。絶対だからね、絶対、絶対、ぜっーたいだから」

 

頭をあげると顔に指を突き刺すほど近付けていた。最初に約束したし、ちゃんと守らないと。

 

「あと、買うものは全部奢ってもらうから」

「お金はあるけど物によっては」

「拒否権があると思ってる?」

 

全く持ってその通りですよね。

 

「それはそうとアタシのチャイナドレスはどう?」

「似合ってるけど、どうして着てるの?」

「普通にするのも悪くないけど……ほら、気分ってやつ? ISスーツ着てヤったこともあるじゃん」

 

部屋のなかでチャイナドレスとかISスーツを着ているとそういったお店にしか見えない。

 

「こういう格好されると興奮する?」

「そりゃあ……背中が見えてスカートとかエロいし」

「み、見てるだけじゃなくて触ったり抱きしめたり……あぁ、もう!こっち来なさい」

 

腕を引っ張られてベッドに寝転がる。お互いに緊張していたがしばらく抱き合っていくとリラックスしていき、自然と腰に手をおいていく。

ときどきスカート越しから撫でまわしても怒ったりせず気持ちよさそうな声を抑えている。

 

「いっぱい触ってる……アタシの身体で興奮してるんだ……」

「気のせいだと信じたいけど紐がないのはもしかして」

「う、上も下も履いてないの」

「じゃあ、チャイナドレス単体しか着てないの?」

 

抱いているとき人肌がダイレクトに伝わると思ったら納得。

ヤバい、ムラムラしてきた。

 

「下着を着ないでそんな格好してるからそういう意味だよね?」

 

真っ赤な顔でコクリと頷いた。

なら、もういいよね?

覆い被さるように鈴の上に乗っかり、逃げられないように手首を掴むと期待したかのような潤んだ目で見ている。

 

「アタシはあんたの女だから……この身体を貪るように求めて」

 

リボンを外して欲望が赴くまま身体を好きに扱った。




この作品ではシルバリオ・ゴスペルは凍結処分にはなってないので亡国機業はデュノア社をターゲットにしました
原作でも狙われてましたし、襲撃されるのがはやまった感じです

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