インフィニット・ストラトス ただあの空を自由に飛びたくて   作:如月ユウ

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最初は各国代表の会談からはじまります
原作6巻開始です


68話 動き出す静寂に

某所某日。

世界各国の代表が国際IS委員会による会議を行っていた。

 

「さて、今回の議題は織斑一夏及び山田悠人の国籍について問いたいと思います」

 

議長らしき人が会議の司会をつとめる。

 

「まず、はじめに織斑一夏についてから。彼の場合は専用機が倉持技研所属のため日本の国籍となるが意見がある者は?」

 

手を上げた人がいたのでその人を名指しする。

 

「はい、織斑一夏の場合は彼個人が日本の代表になると仰ったなら問題はないのですが拒否をして無理矢理、代表にした場合について危険視があると」

「確かに彼には織斑千冬と篠ノ之束がついている。もし、代表を断る場合は彼の意思に尊重しよう。他には?」

 

質問をした代表以外は特に言うことがなく、一夏についての議題は終わった。

 

「では、次に山田悠人の国籍についてを議論を」

「彼の国籍については必要ない」

「そうだな。彼の場合は『例の機体』と関わりがある」

 

アメリカとイスラエルの代表が国籍について議論は必要ないと申し出た。

 

「なぜ、山田悠人の議題は必要ないのか理由を聞こう」

「アメリカとイスラエルが合同で開発したシルバリオ・ゴスペルを奇襲したあの機体共と関係があるに違いない」

「報告によると試験運用中に被害が遭ったとありましたな」

「あの忌々しい全身装甲の機体が4機も現れて、パイロットであるナターシャ・ファイルス中佐も負傷した」

「それに奇襲したあの機体は山田悠人の専用機である機体と多少であるが似ている部分があります」

 

イスラエル代表が悠人の専用機であるストライクのデータを中央の投影ディスプレイに映した。

 

「数少ないレーザー及びビーム兵器を所持していて、それを使用するエネルギーは機体内部に蓄えております。現在実用化しているのはEパック式のイギリスのスターライトシリーズと腕部にエネルギーを蓄えたドイツのシュヴァルツェ・レーゲンのプラズマ手刀、武装本体にエネルギーを備えている倉持技研の春雷のみです。次に第二形態(セカンド・シフト)した機体をご覧ください」

 

今度はフリーダムの機体が映される。

 

「機体の内部には核エンジンが搭載されていてこれは今の技術でも不可能な物です。そのうえ、ビーム兵器も他の物より数倍の出力を持ち、シールドエネルギーを貫通させる程の威力があります」

「これはISを装着した相手を殺害することが出来る代物です。直ぐ様、機体を剥奪して他の機体に乗り換えるべきだ」

「しかし、織斑千冬によるとリミッターをかけているとの報告が」

「そんなことをしても危険な代物なのは変わりない」

「みなさん、お忘れではないはず。数年前に起きたあの事件……ISコア強奪事件を」

 

各国の代表が表情を曇らせる。

第1世代が主力になり始めたとき各国のISコアが強奪される事件があった。

犯人の素顔や肉声は不明で唯一、分かることは全身装甲の機体であることだけである。

 

「まだ第2世代の機体が開発途中だった頃に現れた全身装甲の機体。あれのせいでどれだけ被害と損害があったか!」

「最近になってようやくコアは回収され始めたが未だに強奪されたコアも存在している」

 

臨海学校とIS学園に現れたガンダムを破壊して合計8つのコアが無事に回収されてそれぞれの国に返却された。

もちろん束によってデータは初期化されているので復元は不可能。

 

「ひとつ疑問があります」

「なにかね? 日本代表」

「山田悠人の専用機ですが設計者は篠ノ之束と書いておりリミッターは彼女がかけているとあります。それと山田悠人も織斑一夏と篠ノ之箒とは幼馴染と書いてあります。もし、彼女が機体を提供したのであれば逆鱗に触れることだと思います」

「ぐっ……」

「うっ、むぅ……」

 

悠人の機体を剥奪すれば束を怒らせる事となり、どれだけの報復が待っているか想像もしたくない。

 

「この議題とは関係のない話ですがお知らせしたい事があります。よろしいですか?」

「何を話したいのかね?フランス代表」

「実はフランスも第3世代の機体を着手しまして。これをご覧ください」

 

デュノア社の第3世代であるラファール・リベルテの機体が投影される。

 

「この機体はフランスの大企業デュノア社が開発した機体であります。現在は最終段階をクリアして調整を終えた後はフランス代表候補生であり、デュノア社の社長令嬢であるシャルロット・デュノア候補生に受理するのみです」

「これでフランスもイグニッションプランの参加は可能ということか」

「はい、お互いに良い結果を出せるよう全力を尽くしましょう」

「我がドイツも負けていないぞ。AICを防御特化したレーゲン以外に攻撃特化したツヴァイグも完成した。この2機の攻防を合わせた改良型の機体も開発中だ」

「テンペスタⅡを甘くみないで欲しい。第二回モンド・グロッソ優勝者であるイタリア代表のアリーシャ・ジョセスターフ代表が使っているテンペスタの改良型だ。そう易々と落とされるはずがない」

 

イギリス、フランス、ドイツ、イタリアは欧州連合統合防衛計画『イグニッション・プラン』に対抗心を燃やしている。

 

「ドイツからも報告がありますがよろしいですか?」

「よかろう。ドイツ代表よ、報告とは何かな?」

「我が国はVTシステムにより彼に膨大な迷惑をかけた。その償いとして大金を支払い、シュヴァルツェ・ハーゼ隊を彼の護衛任務を課せた。さらに在学中であるラウラ・ボーヴィッヒ少佐は身辺警護の任務を就かせている」

「それはどういう意味だ! ISを配備している部隊を全て山田悠人に使わせただと!?」

「我が最強部隊を全て彼の保身のために使うのに問題があると?」

「大有りだ! 部隊を全て護衛に使うなど」

「アメリカ代表よ、これに関してはドイツは自国で決着をつけた。野暮な話はつつかないでおこう」

「イギリスでも同じような事をしますね。仮にイギリスもドイツのように多大は迷惑をかけたらセシリア・オルコット代表候補生に彼の身辺警護任務を就かせます」

「イギリス代表と同意見。中国も同じように凰鈴音代表候補生を護衛に就かせる」

「彼の出身国である我が日本も更識簪代表候補生以外に彼女の家系である更識家を護衛に就かせる」

 

他の国もドイツのように代表候補生を護衛任務に就かせるようだ。

 

「山田悠人に関してはこれ以外の答えが出ないようですので保留ということで今回の議題は終了します。みなさま、お疲れ様です」

 

会議が終わり、それぞれが退出するとフランス代表が部屋を出ず、耳に付けられた通信機に指をあてる。

 

「どうした。デュノア社が!? 少し待て、イギリス代表に問い合わせる」

 

通信を切ると急いでイギリス代表に近付いた。

 

「イギリス代表、少しお話が」

「何かな、フランス代表」

 

他の人に聞こえないように手で口元を隠して耳元に小声で話す。

 

「実はイギリスのティアーズ型二号機がデュノア社を襲撃したと」

「二号機……強奪されたサイレント・ゼフィルスのことか!」

 

強奪された自国の機体がフランスを襲ったことに耳を疑った。

 

「強奪とはもしや『例の機体』との関係が?」

「公には発表していないがサイレント・ゼフィルスを強奪したのは亡国機業(ファントムタスク)だ」

 

イギリス代表の言葉にフランス代表も焦りを生じる。

 

「不味いな。デュノア社の機体も強奪されたのであれば」

「とにかく緊急会議を開こう。これは二国の争いの火種となりかねない」

 

欧州の国同士が争いになるのを避けるべく、イギリスとフランスは緊急会議を開く準備をする。

 

 

 

 

「一夏さんの誕生日は今月ですの!?」

 

学園祭を終えて数日が経ったある日。

いつものメンバーとでお昼を食べて話していたらセシリアさんが大きな声を出して立ち上がっていた。

 

「あぁ、9月27日だけど……って、落ち着けセシリア」

「あ、申し訳ありません」

 

セシリアさんは落ち着きを取り戻して座った。

 

「誕生日はどこでやるのですか」

「その日は一夏の家でやる予定なんだ」

「どうしてそんな大事なことを教えてくださらなかったのです」

「別に言わなくても良いかと思って」

「それはそうと幼馴染ですから一夏さんの誕生日は知っていましたわよね……箒さん?」

 

意味深な笑みを浮かべて、箒はその視線を見ないようにそっぽ向く。

 

「別に何も隠していた訳ではない。聞かれなかったしな」

「ということは抜け駆けをしようとしてましたわよね?」

「…………」

 

セシリアさんの問いには返答せずそのままご飯を食べる。

これは確定だね。

 

「そういえば悠人の誕生日はいつなの?」

「僕は5月18日。そのときは一夏と箒とセシリアさんと鈴と更識先輩、姉ちゃんと千冬さんがお祝いしてくれた」

「お姉ちゃん、抜け駆けしてたんだ」

「あ、あの頃はまだ悠人君のことはただの後輩にしか見てなくて」

「それでもお祝いしたのは事実、卑怯者」

「ぐふっ……」

 

冷徹な言葉に胸を突き刺されたような表情をする。

 

「5月って私とラウラはまだIS学園に来る前じゃない……」

「くっ、納期が間に合えば入学式に来れたのに……」

 

誕生日をお祝いしたかったのか悔しそうにしているが国の事情があるから仕方ないよ。

 

「それはそうとキャノンボール・ファストはみんな、どういう装備でいくの?」

 

一夏の誕生日であるその日にはISの高速バトルレース『キャノンボール・ファスト』が開催される。

本来は国際大会でやるのだがIS学園では市の特別イベントとしてISアリーナを使って一般公開される。

ISアリーナの二万人以上を収容できて、前に海外から来たアイドルがこのアリーナを使ったが満員にすることが出来ず、それ以降はライヴなどの使用申請はない。

 

「わたくしには高機動パッケージ『ストライク・ガンナー』がありますわ」

「アタシの国はなにやってるのよ。最悪、速盾(スゥードゥン)で対応するしかないけど」

 

夏休みに受理した装備のおかげで甲龍は機動力は上がっているから問題はないだろう。

 

「私は『シュヴァルツェア・ツヴァイグ』の高機動パッケージを使う予定だ」

「クラリッサさんが使ってた機体だよね?共有装備なの?」

「姉妹機だからな。ある程度調整すれば使えるようになっている」

 

埋め込み式装備のミーティアみたいな物か。

あれは核エンジンを使用している機体なら装備出来るからそんな感じだろう。

 

「パッケージで思い出したけどリベルテはいつ来るのシャルロット?」

「キャノンボール・ファストが始まる前には来るってお父さんが言ってた」

「ついに来るか、フランスの最新鋭機体が」

「うん、悠人のおかげで私もやっと第3世代の機体になるよ」

 

そう言ってラファール・リヴァイヴの待機状態であるネックレス・トップを弄る。

 

「もう少しでリヴァイヴとはお別れなんだよね」

「寂しくなるのはわかるよ。僕もストライクからフリーダムに変わったとき感謝の気持ちを込めてストライクのガンプラを組んだ」

「私もロゼンタさんに頼んでリヴァイヴの模型を部屋に飾ってみようかな」

「かつて使った機体を模型にして飾る……使った物は別の物に変わっていくのは良いわね」

 

扇子を開くと『風流』と書かれていた。

 

「おりむーとしののんとヤマトはパッケージはないから機体の調整をするんだよね?」

「まあ、そうなるな」

「『繝燗舞踏』が扱えるようになればシールドエネルギーを気にせず闘えるのだが……」

「フリーダムは元々、高機動型の機体で高機動空戦(ハイマット)モードにすればいいからパッケージは必要ないよ」

 

一夏と箒は悩んでいるが僕のフリーダムは核エンジンをエネルギーにしているからシールドエネルギーを利用せずともビーム兵器を使える。

それに今のフリーダムはリミッターを掛けている状態なので機動力を少しだけ解除すれば今よりも高速に移動できる。

 

「そう言えば一夏と悠人が部活の貸し出しされるけどあんた達は何部にしたの?」

「私は言うまでもなく剣道部だ」

 

小学生の頃からずっと続けていたから最初から決まっていたようだ。

 

「わたくしは悠人さんの助言でフェンシング部に入りましたわ」

「接近戦が苦手だからどうすればいいかって相談されてね。ISの訓練では長所を伸ばして、部活で短所を補おうってアドバイスしたんだ」

「嗜む程度でしたが本格的に練習しようと思いまして」

 

射撃と接近戦が両立すれば今まで以上に強くなれるからね。

 

「私は日本の和食を学ぼうと料理部にしたの」

「ラウラは千冬さんがいる茶道部にしたの?」

「いや、実は私もシャルロットと同じ料理部に入部した」

 

これは予想外だ。

千冬さんを敬服していたから茶道部にはいるかと思っていたから。

 

「教官から料理のレパートリーを増やせと言われてな。前に嫁に料理を振る舞ったが大したものを出せずもてなすことが出来なかった」

「それでラウラも料理を上手くなりたいって言って料理部にはいることにしたの」

 

料理は女の武器とも言えるし、ラウラも女の子らしいことを学ぶならいいかもしれない。

 

「それはそうと今日は私の日だよね」

「あぁ、今日は火曜日か」

 

彼女がいるが五股ということなので二人っきりにいられるよう曜日ごとに分けることになった。

月曜日は鈴。火曜日はシャルロット。水曜日はラウラ。木曜日は簪。金曜日は刀奈さん。土曜日は全員で日曜日は休みだが気分によって誰かと一緒に過ごすこともある。

つまり日曜日は僕が好きに過ごせる日ということ。

 

「とは言うものの前にシャルロットとラウラは2日連続で過ごしたわよね」

 

鈴の言うとおり、学園祭のチケットを貰うために僕はシャルロットとラウラの部屋で過ごしたこともあったがこれはお互い、合意して成立するものである。

例えば簪と刀奈さんが合意して姉妹で過ごすのも問題はなく、僕もとくに言うことはないので好きにさせている。

 

「簪ちゃん、もし良かった簪ちゃんの部屋で悠人君と」

「お姉ちゃんはまだ謹慎期間だよね?」

「うぅ……」

 

学園祭で観客参加型劇(馬鹿なこと)をした刀奈さんには償いとして一ヶ月間セクハラ及び部屋に来るのを禁止……簡単に言えば業務以外は接触禁止を発令した。

もし、破った場合はさらに期間を伸ばすことも考えている。

 

「お姉ちゃん、ありがとね。お姉ちゃんがポカやらかしたおかげで悠人君と一緒にいられる時間が増えたから」

「ぐはっ……!」

 

過去にない最高の笑顔を見せた簪に刀奈さんはテーブルに頭を叩きつけて動かなくなった。

可愛い笑顔が見れたからか、それとも残酷な現実に倒れたか。

多分、後者だろう。

 

 

 

 

放課後になり、生徒会の仕事を終えてシャルロットと一緒に僕の部屋に行くが。

 

「部屋に入ったら好きなだけくっついていいから今は」

「みんなにはバレてるから気にする必要なんてないよ」

 

周囲に見せつけるように抱きついて制服越しから伝わる柔らかいものが形を変えながら身体につたわる。

 

「いいなデュノアさん。山田君とあんな風にイチャイチャしてて」

「五股って聞いてるけど山田君なら仕方ないよね」

「うん、包容力があって優しいから惚れちゃったんだよ」

「でも、織斑君はノーマークだからワンチャンあるって」

「だけど前に篠ノ之さんが重箱持って部屋に行ってたよ。部屋を出たときは嬉しそうな顔してた」

「なにそれ無理ゲーじゃん」

 

クラスの催し物を決めるときにシャルロットの爆弾発言でクラスから同学年、別学年と拡大して合意の中で複数の女の子と付き合っていると学園中に広まった。

それがきっかけなのか、誰かが見ている場所でも甘えてくるようになった。

もちろん、ラウラも同じように抱きついてきて対抗しているのか胸を押し当てたりする。

鈴はクラスと合同授業は別なので生徒会室では積極的になりやすく、部屋ではわざとなのか露出が多めの薄着で過ごして服の間から大事な部分が見えてしまうこともあった。

簪は学園祭でおでこにキスしたのが駄目だったらしく、誰もいない場所でキスを求めてきたりして部屋ではほとんどキスして一日が終わることもあって大変である。

刀奈さんは生徒会長と更識家当主としてかなりストレスを溜めていて、ガス抜きをしないと潰れると思って部屋にいるときは頭を撫でたり抱き付いたりリラックスさせようとしたのがいけなかったのか、枷が外れて凄い甘えん坊になってしまった。

簪と違って公私をちゃんと分けているのは評価出来るがそのギャップが激しい。

 

「ただいま、おかえり」

「おかえり、ただいま」

 

部屋に戻ってお互いにおかえりとただいまを言う。

 

「すぐ、ご飯を作るから待っててね」

 

制服の上からエプロンを付けると冷蔵庫から食材を出した。

僕と一緒にいる人は朝と晩を作ると決めたらしく、土曜日は午前授業なので全員でお昼を作っている。

 

「ふ~んふんふんふ~ふふ~ん♪」

 

momentを鼻歌で唄いながらトントンと包丁で食材を切って、熱したフライパンに入れて焼ける音が部屋中に響く。

 

「でーきたっと」

 

オーブンに入れた耐熱皿を出すとテーブルに置いた。

 

「グラタン?」

「これはタルティフルットと言うの。生クリームがいっぱい入っていてチーズを乗せて焼くの」

「身体が暖まりそうだね」

 

ほくほくのジャガイモとチーズの相性が良く、生クリームが口の中に広がっていく。

フランスの家庭料理を食べ終えて、食器を洗おうとしたが作った人が最後までやると言ったので先にシャワーを浴びている。

 

「悠人、はいるね」

 

食器を洗い終わったのかシャルロットがシャワールームに入ってきた。

髪は解いて裸でタオルを巻いている。

 

「背中洗ってあげるね」

「ありがとう」

 

ボディタオルにボディソープを付けて泡立てて洗ってくれる。

最初はやらなくても良いと言ったが毎日、代わる代わるされているのでもう慣れた。

背中を洗ってくれる手が止まると抱きついてきた。

 

「シャルロット?」

「ううん、悠人の背中は安心するなって」

「そうかな?」

「うん……暖かくて、すごい落ち着く」

「でも、僕はこっちのほうが好きかな」

 

抱きついている手を離してもらい今度は僕がシャルロットを抱きしめる。

 

「やんっ、駄目だよぉ……そこは」

「いやーボディソープのぬるぬる感があって、おぉっと」

「あんっ♪も~えっちなんだから~♪」

 

棒読みして身体を触っているが口では否定していても嫌がっている様子はなく、交互に抱き合いながら洗っていく。

 

 

 

 

身体を綺麗にてパジャマを着ると同じベッドに入っている。

 

「日曜日って予定は空いてる?」

「やることないから暇だね」

「なら、その日は一緒に出かけようよ」

「いいけど、なにか欲しいものがあるの?」

「うん……最近、胸がきつくなって下着の代わりにISスーツを着てるの」

「下着をISスーツに……?」

 

着替えるのに時間がかかるからISスーツを着る授業では下着に着替えずそのまま制服を着る人もいる。

それならまだわかるけど下着がないからISスーツを代用って。

 

「悠人がいけないんだよ。私のおっぱいをいっぱい触るから大きくなっちゃったの……」

「えっ、それはその」

「だから……責任取って私の下着を選んでよ」

 

これは言い逃れはできない。シャルロットと刀奈さんの胸は大きいから触っていて、ときには揉み比べもして楽しんだりもした。

僕だって男だし、女の子の身体を好きに触っていいと言われたら触るに決まっているじゃないか。

 

「……わかった。シャルロットの下着を探す手伝いをするよ」

「約束だよ?」

「時間も遅いし、もう疲れたから寝るけど」

「けど?」

「胸が苦しいからパジャマのボタンを外しているのはいいけど、その……肌が直に見えてますがもしかして」

「なにも着けてるないよ。下のほうも……ね♪」

 

手を掴み太ももを触らせるとパジャマの内側には布の感触がなかった。

 

「だって今日は私の日だもん。どうせシちゃうだし」

 

パジャマを脱ぐと案の定、下着を付けてませんでした。

 

「こんな格好されたら興奮しちゃう?」

「シャルロット!」

「きゃあ~♪」

 

今日もオオカミに変貌して押し倒し、夜の営みを始めた。




俺の嫁はこんなビッチじゃない!とか俺のシャルロットはもっと清らかだ!と言いたい読書様もいると思ってます
ホントすいません。他の作者様みたいに糖尿病待ったなしのような甘々な展開をつくる技量がないのです

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