インフィニット・ストラトス ただあの空を自由に飛びたくて 作:如月ユウ
ネグリジェのセシリアを見たときあれは誘ってる以外なにもない。セシリアはエロいなぁ~
簪と刀奈のフィギュアでバニー以外に制服とISスーツ姿を造ってほしいな
畳が敷かれている道場で一夏君と組み手をしていたがふとした拍子に胸元が開かれてしまい、下着を見られてしまった。
すごい恥ずかしかったが顔を赤くして大きな隙を見せた一夏君に一気に畳み掛けて勝負を終わらせた。
「起こしたほうがいいのかしら……でも、悠人君はそのままにしろって言われたし」
本当は起こしたほうが良いけど悠人君が来るから待っていたほうが──
「先輩、一夏は寝てます?」
道場の出入口から悠人君がやって来た。
ここから生徒会室までそこそこ距離があるのに来るのが早すぎる。
「起きろ、一夏」
「う、う~ん……」
私を無視して一夏君を蹴ると目を開けて上半身を起こした。
「なんで悠人が道場に」
「一夏」
起きたのを確認するとものすごい殺気を出していて、正直に言うと怖かった。
あれは人が出すものじゃない。
「先輩から聞いたけどさ。人の彼女になにやってるの?」
「ま、待て悠人!俺が悪いのはわかってるが」
「言いたいことは沢山あるけど、とりあえず今は一言だけ」
立ち上がって後ずさりをする一夏君に悠人君は断頭台に拘束された罪人に断罪する処刑人のような雰囲気を出した。
「人の彼女に手を出す奴は彼氏に蹴られて地獄へ堕ちろ!」
「がっ、ふっ……!」
綺麗な回し蹴りを魅せて一夏君を吹き飛ばして自由落下のごとく、畳に激突してまた意識を手放した。
「悠人君、あの……」
「
「そう、なのね」
遠回しに何も言うなと言われたような感じがしたのでこれ以上は聞かないことにした。
「怪我してませんよね?脱がされたって聞いたとき居ても立っても居られなくて」
「大丈夫よ、お姉さんは学園最強だから」
「姉ちゃんのときもそうでしたが僕が見えない場所で何かしら問題を起こしていたので……」
そういえばISの合同授業のときに不可抗力とはいえ、山田先生の胸を触ってしまったらしいと鈴ちゃんから簪ちゃんを通して聞いた。
「でも、よかった。一夏は絶対にしないとわかってたけど刀奈さんに何かするとは思わなくて。本当に大丈夫ですよね?何もされませんでしたよね?」
一夏君に見せた殺気は無くなって落ち着かない様子で気に掛けている。
ふと、無意識に抱きついて背中をぽんぽんと叩いていた。
「あの、せんぱっ……なにを」
どうしてこんな事をしたのか分からないけど不安になっている悠人君を安心させたくて抱き締めたと思う。
「大丈夫よ。お姉さんは強いから」
生徒会長であり、学園最強であり、ロシア代表であり、更識家当主であり、悠人君の彼女だから。
◇
「速度が落ちてる。もっと速くして」
「は、はい!」
勝負に負けた俺は楯無さんのコーチで特訓をしている。
俺がやっているのは
名前の意味はよく知らないが回避しながら攻撃をするという解釈をしている。
その基礎を固めるために宙に上げられたバルーンを中心に速度を上げながら円状に移動している。
悠人に教えてもらったアドバイスを思い出しながら速度を上げていく。
『僕も最初は苦労したから大変な気持ちは分かるよ』
『でも、あんなのどうやってやればいいんだ?』
『あれだよ。エクバでやってることをISでやるみたいな』
『なんとなく分かるがそれを実際にやるのは難しいな』
『一夏の白式はエクシア寄りの機体だから機動力で翻弄しながら一気に近付いて連続斬りという戦法が安定してるよ。雪羅はあくまで牽制射撃にして、タイミングが合えば至近距離で撃つとか』
『なるほど、その手があったか』
『鈴にも言われたと思うけど自分のバトルスタイルをちゃんと決めて戦ったほうが良いよ?そうすればISも一夏の要望通りの機体になってくれるから』
上空では悠人とセシリアがシューター・フローで射撃をしている。
悠人も自分のスタイルで訓練しているんだな。
「速度が上がってきたわね。じゃあ、そのまま
「こ、この体勢を保つのが精一杯ですが」
「相手は待ってくれないのよ!失敗覚悟でやる!」
あぁ、もう!やるしかないか!
スラスターにエネルギーを貯めようとしたら──
「うぉ!」
案の定、姿勢制御が出来ずバランスを崩して地面に転がるように白式は墜落した。
「い、いってぇ……」
「一夏君、もう一度やるわよ」
「体勢を維持しながらやるのすごい難しいんですけど」
「泣き言は言わないの。箒ちゃん以外は完璧にこなしているんだから」
「悠人も出来るんですか」
「私が直々に教えたからね」
これは負けられないな。これじゃあ、千冬姉に『情けない』とか『その程度で悠人を守れるのか』とか言われそうだ。
「先輩、もう一度お願いします」
「うん、努力を怠らない生徒には何度でも教えるわ」
◇
「ありがとね。シューター・フローの訓練に付き合ってくれて」
「いえ、わたくしも
一夏が刀奈さんと訓練をしている間、僕はセシリアさんと一試合をしてアリーナのピットに戻った。
試合の結果だがブルー・ティアーズのビットを先に破壊したのが敗因となって射撃の精度が上がり、僕が負けてしまった。
「セシリアさんは射撃をメインでビットは補助に戦ったほうが良いと思うよ。遠くに配置するのは集中力が必要だし、機体の近くならそれほど労力も必要ないでしょう?」
「移動させるのに集中しますと射撃が疎かになるのでそれを克服するのが今後の課題ですわね」
「そうだ、ガンダムOOのDVD貸してあげるよ。ちょうどセシリアさんと同じ射撃に特化したガンダムが出てるし、参考になる場面もあるよ」
「貸して頂けるのは感謝しますが参考とはいったい」
「観れば分かるよ。それに僕のクラスはガンプラ……ガンダムの模型を展示するから時間があるときに見に来て。店番しているときだったら詳しく説明してあげる」
「そのときはぜひ、お願いしますわ」
◇
「森林のパーツは切れるからあとで買い足しとかないと」
外泊届けを出して家に帰り、ガンプラに使うジオラマを作っていた。
ジオラマは自作したものを幾つか作っていたが学園祭で使うには明らかに足りないので新しく作る必要があった。
「っと、メールかな?」
スマホの機械音が鳴ったので手を汚さないように付けていた塗装用の手袋を外して手に取る。
「鈴からだ。えっと……『今日、家に来るから』……いきなりだね」
メールを送った鈴が来るようなのでガンプラ製作部屋を出て、準備していたらインターホンが鳴った。
「来るのはやすぎるよ……」
◇
「ここが悠人の家……」
「これが日本の古き建物」
「最近あまり見ないけど近くに和風構造の家があったんだ」
「年期があるけど古くさくないわね」
シャルロット、ラウラ、簪、刀奈の順番で悠人の家を見た感想を言う。
言うまでもないが初めて彼氏の家に行くので緊張していたが鈴は何時も通りだった。
「鈴は緊張とかしないのか?」
「緊張もなにも何度も遊びに行ってるし」
インターホンを押して、しばらくすると引き戸が開かれて塗装で汚れているエプロンを付けた悠人が出てきた。
「またガンプラ作ってるの?」
「ちょっと違うかな。とりあえず入って」
悠人が家に入っていき、鈴達を案内するとリビングに招かれる。
「わぁ、すごい……畳だ」
「これが日本が敷いている床なのか」
シャルロットとラウラはリビングが敷かれている畳に興味津々で隣にあるキッチンからエプロンを外した悠人が人数のジュースを持ってくる。
「ガンプラ作ってないなら何を作ってたの?」
「ジオラマだよ。ガンプラだけ飾るのは味気ないからね」
「ジオラマって?」
「展示物と背景を立体的にさせる模型だよ。実物を見せたほうがはやいと思うから持ってくるよ」
ジュースを渡して廊下に出て、二階に上がる足音が聞こえる。
リビングに戻るとガンプラ2体とジオラマを持ってきた。
「ガンプラ単体でも見栄えは良いけどジオラマを使えば背景の雰囲気も出てきてより魅力的になる」
ジオングの頭部を外して、ジオラマにある頭部置きに乗せる。
次にファーストガンダムの頭部と左腕を外して右手にビームライフルを持たせて真上に突き出し、両足を大股にして開いた。
ビームライフルにはピンク色のエフェクトパーツが付けられている。
「ファーストのラストシューティング……」
『機動戦士ガンダム』の最終話であるラストシューティングを再現したガンプラを鈴達に見せた。
「ジオラマを使えば原作を再現したり、本来あり得ない組み合わせをすることだって出来る」
「悠人ってこんな風にすごい物が作れるんだ」
「簡単なものしか作れないよ。プロの人はLEDライトを付けたり、スイッチひとつでジオラマの一部を動かしたりするんだ」
「ジオラマってたくさん持っているのかしら?」
「共有する物しか作ってないので宇宙、森林、砂漠、市街地、工場内だけですね」
プラモデルやジオラマは製作するのに時間がかかる上に部屋が狭いと置ける場所も限られる。
「部屋にもガンプラを置いているのか?」
「置いてるけど数が多いから行きつけのお店に展示用として置いてもらってる」
「悠人君が作ってガンプラ見てみたい」
「いいけど、みんなは遊びに来たんだよね?」
来て早々、家を出て遊びに行くのは気が引けると思っている。
「別に構わないわよ。ジオラマ作らないといけないんでしょう?」
「悠人が作っているガンプラが気になるから」
「ガンダムがどれだけあるか興味を持った」
「そろそろガンプラにも手を出してみようかなって」
「悠人君がよく行くお店が気になるからね」
「じゃあ、すぐ着替えるから待ってて」
模型店に行くことになったので悠人は着替えるために自分の部屋に向かった。
◇
家に来てもらって悪いと思っているがジオラマのパーツ補充とガンプラを注文する話をしないといけなかったのでタイミング的には良かった。
「このお店が悠人君が通っている模型店?」
まず、目にするのは山のように積まれたプラモデルでそれが隙間なく置かれている。
「けっこうあるのね」
「うわぁ……これ全部プラモデルなんだ」
「戦車や戦闘機、兵士のプラモデルもあるのか」
「これ、新しくアニメ化したガンダムのプラモデル」
「似ているものばかりだけど細かい部分が違うのね」
最初の印象は予想通りの反応。プラモデル好きの人からすれば当たり前のような空間で見ているだけで時間を潰せる場所である。
「へぇ~、女の子が来るなんて珍しいね」
男性の声が聞こえてカウンターにいるのは金髪で少し癖っ毛がある男性。
「ムウ・ラ・フラガなのか?」
「でも、アニメの中の人だよね?」
「あれ、やっぱり? いや~周りからよく言われるんだよ」
似ていると言われて嬉しそうに笑うこの人はここの模型店の店長である
この模型店とは長い付き合いでガンプラをよく購入していた。
「どうも武士さん」
「よう、悠人。ここにいるのはみんな、彼女か~?」
「はい、そうです」
「おいおいマジかよ……」
冗談混じりで言ったつもりが本当のことだったので少し驚いていた。
「春斗はいますか?」
「いるぜ、おーい春斗! 悠人が呼んでる!」
カウンターの後ろにある扉を開けて大声を出すとドタドタと階段を降りる足音が聞こえてきた。
「お久しぶりです悠人さん!」
出て来たのは中学一年生の男の子で顔付きは武士さんと似ているが茶髪をしている。
この子は武士さんの息子である
ガンプラを購入するのに通い始めたときお守りをしていて僕や一夏、弾や数馬が遊び相手となっていた。
「俺に何か用があるんですか?」
「実は学園祭でガンプラを展示するからジオラマを貸してほしくて」
「ジオラマですか?」
「それは私が説明するわ」
刀奈さんが前に来て、代わりに説明してくれた。
「はじめまして。IS学園の生徒会長の更識楯無です。今回の要件は悠人君のクラスでプラモデルを展示するので注文についてお話がありまして」
「それで発注出来るかどうかって話かい?」
「理解がはやくて助かります。支払いはIS学園の方でしますが大丈夫でしょうか?」
「物によるな。店舗限定生産はともかく初回限定、雑誌にあるプラモデルとかは難しい」
初回限定や雑誌の付録のプラモデルは購入するのは難しく、それらはネットか中古品を扱っているお店じゃないと手に入れられない。
「まあ、それらをお客様に届けるのが仕事でね。俺って不可能を可能にする男だから」
発注が難しい物でもなんとかしてくれるそうだ。
「注文はあとで言いますが今、ここでガンプラも買います。春斗、頼める?」
「任せてください! じゃあ、ファースト世代のガンプラから紹介しますね」
春斗を先頭に鈴達は後ろについて、どのガンプラを購入するか決めに行く。
「それで、どうやっておとした?」
「おとしたって?」
「とぼけんなよ。あんな可愛い子ちゃん達がみんな彼女ってハーレムどころかに恋沙汰に縁がなかったんだ。何か秘策があるのか?」
「秘策もなにも相談に乗ったり手伝いをしただけですから」
「その程度で惹かれるわけないだろ。ほら、おっさんにどうやって攻略したか」
「お仕事サボってなにをしているのかしら~?」
カウンターの後ろから感じるオーラに武士さんがブリキ人形のように首を動かす。
ウェーブのかかった長い茶髪の女性は武士さんの奥さんである
「い、いやぁ……悠人に彼女が出来たらしくて、その極意を」
「私の前で堂々とナンパ発言なんて正直者ね?」
「痛い痛い痛いっ! 頭はマジで痛いっ!」
ニッコリと微笑みながらアイアンクローをして制裁している。
真莉愛さんは普段は慈愛に満ちた人だが怒らせると怖い人である。
「お父さん、ガンプラ決まった……ってお母さん。またやってるの?」
「お父さんのナンパ癖を直すにはこれが一番だから」
購入するガンプラが決まったのでカウンターに戻ってきた。
「今度はマリュー・ラミアスか」
「凄い……本当に似てる」
「私もよく言われるわ。お父さんと初めて会ったときも驚いた」
初めてこの模型店に行ったときは本当に驚いた。
架空のキャラクターなのに目の前にいて、声も似ていたから。
「はい、あなた。買う人がいるからしっかりやなさい」
「了解……」
アイアンクローから解放されて、鈴達が選んだガンプラと切らしたジオラマパーツを購入した。
◇
ガンプラと切らしたジオラマのパーツを購入して家に帰り、鈴達は自分が選んだガンプラを組んでいる。
「師匠の機体は本当に良いわね」
鈴が作ったマスターガンダムは腕を組み、後ろの風雲再起も前足を天高く上げ、威風堂々とした風格が漂う。
「色は違うけど悠人が使ってた機体と同じなんだよね」
シャルロットのストライクルージュはエールストライカーパックではなく、I.W.S.P.を装着している。
HGCEのストライクルージュも置いてあったが武装が豊富である旧式のストライクルージュを選んだ。
「原作は不遇だったが良い機体だ」
ラウラのデスティニーガンダムはアロンダイトを右手に持ち、左手には高エネルギー長射程ビーム砲を構えている。
背中のウイングは開いてクリアパーツを差し込み、ミラージュコロイドを展開させている。
「アトミックバズーカはロマン」
簪はガンダム試作二号機は見た目からして圧倒的な重量感を持ち、アトミックバズーカを肩に担いで使用するポーズを取っている。
「ミステリアス・レイディに似ているわね」
刀奈さんはキュベレイ・パピヨンは女性らしさがあり、右手にランサービットを装備して左手は腰に置いている。
「みんなって外泊届けは出したの?」
ガンプラを作っていて時間は4時を過ぎている。
寮長は千冬さんなので無断で外泊したら大変なことになる。
「寮には帰るけど晩ごはんは作るよ?」
「大丈夫だよ、シャルロット。自分で作るし」
「あんた1人にしたら、絶対カップラーメンで済ませるでしょう」
「しないって。今日は姉ちゃんが帰ってくるから」
メールを見せて、姉ちゃんが家に帰ってくる証拠を出した。
「真耶さん帰ってくるなら何もしないで帰るわけにはいかないわね」
「そうだね。せっかくだし、みんなでご飯作ろうよ」
「将来、義理の姉になる人だから、はやい内に料理の実力を見せておこう」
「私……頑張って山田先生に美味しい料理を食べさせる」
「ふふっ、こうなれば私も参加しないと」
余計なことだったのか姉ちゃんが帰ることを知ると頑なに帰るのを拒否して料理を作ると言い出した。
こうなれば止めることも出来ないので好きにやらせよう。
◇
「ただいま」
「お帰り、姉ちゃん」
玄関を開けると悠人の声がベランダから聞こえる。いつもなら当直以外は毎日家に帰るがIS学園に入学してから帰る理由が無くなったからこの家に帰るのも数ヶ月振りね。
「お邪魔してます真耶さん」
鈴ちゃん以外にシャルロットちゃん、ラウラちゃん、簪ちゃん、楯無さんがいた。
今日は日曜日だから遊びに来たようね。
「姉ちゃんが帰ってくるって言ったらご飯作るって言ってね。せっかくだから自分の国の料理を出そうって」
「アタシが作ったのはから揚げです。レモンソースはまだかけてません」
「私はフランスの家庭料理のアシ・パルマンティエを作りました」
「スープは我がドイツにありますグーラッシュでシチューと同じような物です」
「私は悠人君の要望でカボチャの煮付けを作りました」
「ハンバーグに似たコトレータは私が作りました。ロシアでも良く作ってましたので」
みんなが作った料理はどれも美味しそうで欧州とロシアの家庭料理は食べたことがないのでちょっと得した気分になる。
「家族以外でこんな風にご飯を作って食べたの初めてかも」
「私もお母さんとしかご飯は食べたことないから新鮮」
「こういうのは悪くないでしょう?」
「あぁ、心が暖かい気持ちになる」
「話すのはいいけど食べないと冷めちゃうわよ」
大勢で食べるのは久し振りで両親と千冬さんと束さんの家族と一緒に食べたあの頃を思い出して暖かな気持ちになった。
鈴の機体について説明するのを忘れてました
甲龍は追加装備として速盾(スゥードュン)という折り畳み式盾を夏休み中に受理しました
機体の全身を包むように展開されて盾にはスラスターが搭載されていて折り畳むとスラスターとして使えます
機動力と防御面が強化しました
見た目はマスターガンダムのウイングスラスターと思って構いません