インフィニット・ストラトス ただあの空を自由に飛びたくて 作:如月ユウ
翌日、放課後になると第1アリーナで鈴と更識先輩の決闘が行われる。
2年や3年の先輩方が興味を持ったらしく、僕以外に1年で来たのは一夏と箒、セシリアさんくらいだ。
「鈴……」
「大丈夫だって悠人、これでもアタシは1年で代表候補生になったんだから実力はあるよ」
彼女が身に纏っているISは第3世代
燃費と安全性を第一に考えたISで近接用に大型の青龍刀『双天牙月』、肩に浮遊しているのはザクやグフ等が着けているスパイクアーマーのような球体
空間自体に圧力をかけ砲身を作り、衝撃を砲弾として打ち出す衝撃砲で砲弾だけではなく、砲身すら目に見えないのが特徴らしく砲身の稼動限界角度はない。その2つをそれぞれ2機づつ装備している。
「鈴さん、気を付けてくださいね。更識先輩は本当にお強い方です」
「ありがとうセシリア、あんたの分まで勝ちにいくから」
「鈴、御武運を」
「うん」
カタパルトに足を付けて射出準備が完了する。
「凰鈴音、
カタパルトが射出され、アリーナに向かって鈴は飛んだ。
「来たわね」
更識先輩が着けているISは第3世代である『ミステリアス・レイディ』
上半身の装甲はあまりなく、下半身にはスカートらしき装甲があって後ろの部分が羽のように水色のなにかが出ている。周囲には宝石のようなキラキラした物体が複数浮遊している。
「鈴ちゃん、悠人君の部屋に住みたい気持ちは分かるけど……」
手には大型のランス『蒼流旋』を持っていて、それを鈴に向けた。
「彼は色んな人に狙われている以上、彼を守る実力が必要よ。あなたにはその力はあるかしら?」
「それは自分の目で確かめたら良いんじゃないでしょうか?」
双天牙月を持って二刀流に構える。
「いくわよ!」
ブザーが鳴ると同時に鈴が更識先輩に接近、双天牙月をクロスするように振り上げる。
更識先輩はその場から動かず、蒼流旋をうえにあげてクロスさせた双天牙月を防いだ。
「初手は近接武器を使って接近、何度も見た戦法ね」
「まだよ!」
双天牙月の端同士を連結させるとゲルググのビームナギナタのようにクルクル回転させる。
「はぁぁぁぁ!」
両手で双天牙月を持ち、流れるように連続で斬りつけるが更識先輩は避けたりせず、それらを蒼流旋で全て捌かれる。しかも更識先輩は片手で蒼流旋を持って防いでいる。
「そろそろ、私も攻めてみようかしら」
双天牙月を振るときの僅かな隙を見て、蒼流旋を甲龍の装甲を突いて傷を付けた。
蒼流旋から水のようなものが出てきて螺旋状に動き、ドリルのように回転している。
「安心して『まだ』ひと突きの攻撃しかしないわ」
連続攻撃は手数で攻撃して相手を翻弄しながらダメージを与えるが素早さが命なのでその分一撃、一撃は威力は低くなる。
一点集中の攻撃は数ではなく威力に集中させた攻撃でハイヒールに踏まれたのと同じように一撃が強い。
それから鈴は双天牙月の連続攻撃を続けるが更識先輩に防がれ、隙をつかれて蒼流旋の一撃が鈴にあたってしまう。
「…ッ!」
更識先輩の目が変わり、宝石が菱形のような陣形をとり、水のようなものがミステリアス・レイディを包むと水の中に空気のようなものがはいってくる。
「フィン・ファンネルのIフィールドみたいだ……」
思わずそう呟いてしまった。
「さすがに肝を冷やしたわ。まさか『衝撃砲』を接近戦でつかうとはね」
双天牙月の連撃をしながら龍砲の奇襲砲撃をしたが失敗に終わってしまうが鈴は慌てた様子はない。
「けど、これなら龍砲思いっきり使えるわね!」
更識先輩から離れると鈴は左右の龍砲を撃ち続け、更識先輩が避けると地面から砂ぼこりが発生している。
僕達から見て何も見えないのに更識先輩が龍砲の衝撃砲を避けている。
「私も反撃といこうかしら!」
蒼流旋を腰だめで構えると内蔵されている実弾のガトリングガンを発射させた。衝撃砲と実弾の雨がアリーナ全体に響き渡る。
「やあぁ!」
「せぇい!」
お互いに撃ち合いながら接近してまた青龍刀とランスが重なる。
「代表候補生だけあって、実力はあるようね」
「アタシは負けるつもりなんてない!悠人と会うためにアタシは!」
「ふぅん……好きな人のために代表候補生になったのね」
「す、好きだなんてアタシは」
急なことに鈴が隙を出してしまい、蒼流旋の重い一撃を食らう。
「戦いで惚気話をしてると死ぬわよ」
冷たい言葉が鈴に突き刺さり、蒼流旋が甲龍の装甲を破壊、それと同時にガトリングガンを食らいシールドエネルギーが一気に削られて0になった。
『勝者!更識楯無!』
一瞬の油断が命取りとなり、勝負は更識先輩の勝利で幕を閉じる。
箒が鈴に応援するシーンですがなぜかfateのセイバーと凛みたいになってしまった