インフィニット・ストラトス ただあの空を自由に飛びたくて   作:如月ユウ

22 / 85
ストライカーパックの開発ですがIS版エールストライカーパックはなんとか完成しました。
現在ランチャーとソード、ライトニング、I.W.S.P.のストライカーパックを製作中です。
こういうストライカーパックを開発してほしいと言う人は活動報告にてコメントお願いします。



22話 みんなでお出かけ ラウラの私服&水着編

「ふぁ……」

 

朝の光を感じて身体を起こす。

学年別トーナメント以降、シャルロットは女子として学園生活をしているので今のこの部屋には──

 

「すぅ……」

 

部屋に……は……。

 

「いや、今の僕の声じゃない」

 

この部屋は僕しかいない。寝る前に誰もいないのを確認した。夜、トイレに行ったときも部屋には誰もいなかった。

 

「あ……んんっ……」

 

この声の主は……。

 

「まさか!」

 

ベットに敷いている布団を引っ剥がしたら──

 

「すぅ……すぅ……」

 

「お、お……」

 

親方!ベットのなかにマッパの女の子が!

じゃなくて!

 

「ぼ、ぼぼ、ボーデヴィッヒさん!?」

 

なんでボーデヴィッヒさんがいるんだよ!?

しかも服どころか下着すら付けていないの!?1万歩譲って下着なら……いや、良くないけど今はいい。下着ならまだわかる。でも、なんで素っ裸なんだよ!?

 

「朝か……」

 

寝ぼけたボーデヴィッヒさんはむくりと起きて目をこする。

 

「嫁か……おはよう」

「朝起きてはおはようだけど今はそうじゃない。なんで君は僕の部屋にいるの?なんで服着てないの?」

「夫婦というのは包み隠さぬものだと聞いたぞ」

「包み隠さないってのは隠し事をしないって意味で裸になることじゃないから」

 

後で包み隠さないという言葉を日本語辞書で引こうボーデヴィッヒさん。

 

「それと身体隠して。その……ボーデヴィッヒさん裸なんだから…」

 

目を逸らして布団を渡す。

ボーデヴィッヒさんの身体はシャルロットと違ってスラッとして、まるで彫刻のような美しさがある……って、なに言ってんだ僕……。

 

「嫁、私達は夫婦なんだ。私のことはラウラと呼べ」

「いや、あのねボーデヴィッヒさん。今は──」

 

ボーデヴィッヒさんの顔が僕に近付き。

 

「んっ……」

 

目の前がボーデヴィッヒさんでいっぱいになる……って──

 

「な、なんでキスするんだよ!?」

 

バッ!と身体を後ろにさげて唇を腕で隠す。

 

「私のことをラウラと呼ばないからだ」

「だからねボーデヴィッヒさん」

「んっ………」

 

またキスをされる。

 

「ラウラと呼べ」

「ぼ……ラウラ……さん」

「んっ……」

 

3回目のキスをされる。

 

「今、名前で呼んだでしょ!?」

「ラウラ、だ。さんはいらん」

「ラウ……ラ」

「うん、よくぞ言った。ご褒美をやろう」

 

そして4回目のキス。

満足そうな顔をしているボーデヴィッヒさ……ではなくラウラ。

何度もキスをして恥ずかしいがもう驚く気力はない。

 

「ラウラ」

「なんだ?」

「服、着て」

「なぜだ?」

「女の子が男の前で裸になるのは教育上とても良くないんだよ」

 

シャルロットの裸が頭に焼き付いて離れないんだよ……夢の中でも裸のシャルロットが僕の目の前に……何考えるているんだ僕!

 

「嫁?」

 

僕がシャルロットのスケベな妄想をしているのを知らずラウラは僕の顔を見て不思議そうにしている。

 

「まあ、ラウラの裸は僕の教育にはよろしくないから服を」

「制服しか持ってないぞ」

「は……?」

 

いやいやいや、ちょっと待ってこの子なんて言った?

制服、しか、持って、ない、と?

 

「ラウラ、寝るときはどうしてる?」

「裸だ」

 

ただ一言そう答えた。

 

「はぁぁぁぁ……」

 

このため息は今まで一番深くついた、ため息かもしれない。

 

「ラウラ、裸は駄目だよ……」

「なぜだ?」

「なぜって……その……」

「……?」

 

この子は本当に女の子なのか?

軍人といえど私服のひとつやふたつは持っていて当然、ましてラウラは女の子。服の多さは女の子の嗜みのひとつなんだから

 

「ラウラ……休みの日、服買いに行くよ」

「おっ? デートというやつか?」

「それでいいよ……」

「そうか、嫁とデートか……」

 

もう突っ込む気力がない……。

 

 

 

 

食堂が開く時間になると制服に着替えて食堂に行った。

 

「元気ないわね。疲れてんの?」

「悠人、大丈夫?」

 

鈴とシャルロットも僕と一緒に朝食をとっている。

普段なら簪も一緒だがシャルロットのことで現在も話せない状態である。はやく仲直りしないと。

 

「まあ……寝不足かな」

「ガンダムの見すぎなんじゃないの?」

「それは否定出来ないかな……」

 

昨日の夜もシャルロットと一緒に見てたし。

 

「嫁、前に私とガンダムを一緒に見ようと言ったな」

 

そして僕の隣に座っているのはラウラ。俺の嫁宣言からラウラは僕の側に離れない、風呂に乱入する、今朝みたいに布団に侵入する……のははじめてだけど、このままだとエスカレートしそうだ。

 

「そうだったね。シャルロット、SEEDから見直ししても」

「ちょっと待ちなさい。なんでSEEDを見せるつもりなのよ。見せるならGガンダムでしょ」

「Gガンダム家なんだけど」

「休みの日に持って来なさいよ」

「残念だが休みの日は私とデートをすることになっている」

「は、はぁ!?」

 

バンッ!とテーブルを叩いて立ち上がった。

 

「なんで悠人とデートなのよ!」

「嫁から誘われたからな」

「どういうことよ悠人!」

「いや、それは……」

 

ラウラが寝るとき裸だから服を買いに行くと口が裂けても言えない。

 

「え、えっと……ラウラが……」

「ラウラがなによ」

「えっと……」

 

なんて答えればいいんだよ…って!

 

「ヤバイよ鈴、はやく食べないと時間が!」

「時間……ってヤバッ!」

 

もう少しでSHRの時間になりそうな時間になっていた。僕達はあまり噛まずに食べて汁物を胃に流し込む。

 

「そういえば今日のSHRは教官だった」

 

ラウラも焦っていた。

僕達は千冬さんのクラスじゃないからそれほど大変ではないがSHRに遅れたら大変なことになる。

 

「それじゃあ休み時間に会おう!」

 

寮を出て、僕達はそれぞれのクラスまで全速力で走った。

 

 

 

 

そして休みの日。

 

「今日は晴れて良かったね」

「そうだな……」

 

僕は黒のジーパンに『自由』と書かれたTシャツを着ていて、ラウラは私服がないので制服を着ている。なぜか元気がない様子だが多分。

 

「臨海学校もあるし、水着とか新調したほうがいいわよね」

「そうだね。せっかくの臨海学校なんだから」

 

前にSHRで来週から臨海学校があると言っていたので鈴とシャルロットも新しい水着を買うらしく、どうせなら一緒にラウラの水着も買おうと提案した。

僕からして女子の服を選ぶのは気が引けるし、2人が来てくれるならありがたい。

 

「嫁との……デート……」

 

ごめんラウラ、君の服だが僕の判断で決めるのは無理なんだ。女の子である鈴とシャルロットに選んでもらってほしい。

そんなこんなで駅前のショッピングモールについた。

 

「それじゃあ、男子と女子の水着売り場は別々だからここは」

「待つんだ嫁」

 

別行動をしようとしたらラウラが呼び止める。

 

「服は嫁が選ぶんだろ。なら私と来い」

「鈴とシャルロットがいるから僕はいなくても」

「悠人って変なとこで一夏に似てるんだから」

「それは僕も同じ意見かな」

 

いや、なんで僕も一緒なの?女の子同士で選んでもいいじゃん。

 

「アタシが言うのもあれ……というかすごく不満なんだけどラウラも悠人のことが好きなんだし」

「僕と鈴がライバルになると思ったらラウラまで参戦して……悠人って本当モテるよね」

そう、僕はシャルロットの告白に続いてラウラからも告白された。(ラウラは嫁と言っているが僕は告白されたと言う意味で考えている)

シャルロットは僕に告白したあと鈴に宣戦布告をするはずだったがラウラの乱入により三つ巴ということになってしまった。

 

「だから悠人が好む服を悠人自身が選んで」

「それをラウラに着せるのが僕達ってこと」

「わかった僕も行くよ」

 

両手を上げて降参のポーズをする。

 

 

 

 

「とりあえずスカートはロングとミニどっちにする?」

「ラウラからしてロングのほうが良いんじゃないかな?」

 

水着の前にラウラが着る私服を鈴とシャルロットは選んでいる。

 

「嫁はどういう服が好きなんだ?」

「僕?」

 

僕とラウラだが完全に蚊帳の外と化していた。

 

「2人は私のためと言っているが嫁が好む服を選んでいる。嫁の意見が聞きたい」

 

そうだな……ラウラの身体はスレンダー系だから身体つきを強調した服じゃなくてスラッとした服がいいかな。

 

「ラウラが着る服ならこう……フワッとした服じゃなくてスラッとした格好が良いというか」

「なるほど。早速、2人に嫁の意見を伝える」

「えっ、あ……」

 

思っていたこと口にしていたのをラウラが聞くとスタスタとシャルロット達のところに行ってしまう。

 

「なるほどね。悠人からして良い判断じゃん」

「なら、その意見で服を選ぼうか。ラウラも一緒ね」

「わ、私は……」

「ほらほら、悠人が惚れそうな格好にしてあげるからさ」

「そうそう」

「待て、引っ張るな!」

 

腕を掴まれたラウラはそのまま引き摺られるように店の奥まで行ってしまった。

 

 

 

 

20分ぐらい経ったかな。

鈴が奥に来てと言われたので奥に行くとシャルロットは更衣室のカーテンを持って待機していた。

 

「それじゃあ、お披露目っと。シャルロット」

「じゃ~ん」

 

カーテンを開くと制服から2人がコーディネートした服装へと変わっていた。

オレンジのシャツに黒のジャケット、ジーンズのホットパンツ。頭にはハンチング帽子を被っている。

 

「ど、どうだ。似合うか?」

 

思わず見惚れてしまっていた。ラウラもちゃんと服を着れば女の子なんだな。

 

「その……似合うよラウラ」

「そ、そうか。それは良かった」

 

ここは言ってみるか?ラウラが僕のために着てくれるなら

 

「ラウラ、その……」

「なんだ?」

「だ、大胆にいってみないかな? 露出増やしたりとか」

「露出って嫁、あのときの私の」

「あぁぁぁぁ! 違う違う違う! せっかく2人がコーディネートしてくれるからここは露出が多い服とかどうかなって! うん!」

 

僕はけっしてラウラの裸がみたいとは一言も言っていない!あれは僕の教育によろしくないから!

 

「嫁は露出が多い服を着た私の格好がみたいのか?」

 

頬を赤くして恥ずかしそうな顔をして聞いてくる。

 

「見たいか見たくないと言えば見たい……かな」

「う、うむ。嫁の要望に応えるのも私の努めだ。鈴、シャルロット、頼む」

「僕達に任せて!」

「昔の悠人は大冒険とかしない主義だったのにここまで大胆に行動するとは」

 

ラウラを更衣室に隠して、また2人はラウラの服装をコーディネートするためまた服を選ぶ。

 

 

 

 

そして10分経った。

さっきの時間と合わせればアニメ1話分は見れたね。

今度は鈴がカーテンを開く。

 

「…………」

 

言葉が出なかった。いや、言葉に出来ないと言ったほうが良い。

ラウラの服だが僕なんかが見ても良いのか?と思っていいくらい綺麗だった。

肩を露出させた黒いワンピース。スカートは膝よりうえで太ももがちらりと見える。手首にはアクセサリーなのか、金のブレスレットを付けていた

 

「可愛い……」

 

無意識に可愛いと言っていた。

 

「よ、嫁……私は女の子らしいか?」

「うん……」

「そ、そうか……そうか」

 

嬉しそうに何度も頷いている。

 

「ほら、ミュールも履いてみよ」

「靴まで用意したのか」

「その格好しているんだからブーツじゃなくてハイヒール履かないと」

「そうか……なら」

 

ヒールがある靴を履いたことのないラウラは姿勢を崩す。

 

「おっと、大丈夫ラウラ?」

 

バランスを崩して転びそうだったが僕のほうに来ていたのでなんとか受け止めた。

 

「あ……」

 

ラウラとの視線が合う。

海外の女の子だからやっぱり目は黒くないんだ。ラウラって綺麗な目してる。こんな可愛い女の子が僕みたいな普通な男を好きになるなんて……。

どうして……僕なんかを……。

 

「嫁?」

 

思考を深くいき過ぎてラウラの言葉に反応が遅れた。

 

「あ、足は大丈夫?挫いてない?」

「問題ない。嫁が私を受け止めてくれたからな」

「ヒールは危ないからサンダルのような靴にしようか」

「そうだな」

 

ヒールのある靴はやめてラウラが着ているワンピースに似合いそうなサンダルを選んだ。

 

 

 

 

「さすがに水着は無理だね」

 

ということで僕は鈴達とは別行動をとっている。

水着も僕に選んでほしいと言われたが臨海学校まで楽しみにしたいと言ったら渋々引き下がってくれた。

ラウラの服装だが最初にコーディネートしてもらったシャツ、ジャケット、ホットパンツの格好に着替えて制服は紙袋に入れて持っている。ラウラだけ制服だとかなり目立つからね。

 

「水着は適当に良さそうなものにしたから時間まで本屋とゲームショップをまわろう」

 

手には新しく購入した水着のはいった袋を持っている。

本屋とゲームショップは何時間いても飽きない僕にとっては憩いの場である。

 

「あ、そういえば前に雑誌で見た新しいゲームが発売する日だったな一応視察に」

「あの……やめてください」

 

今の声は……。

 

「いいじゃん。君、一人でしょ?」

「いえ、連れとはぐれて……」

「なら、その連れも一緒に探すからさ」

「大丈夫ですから……」

 

ナンパ男にまとわりつかれているのは簪じゃないか。

もしかして水着を買いに来たのかな?連れがいるか分からないけどここは助けよう。

 

「ここにいたんだ簪」

「ゆ、悠人君」

「なに、あんた?」

 

突然の部外者&男子でナンパ男は不機嫌そうにしている。

 

「彼女の連れです。ほら、行こ」

 

簪の手を掴んでその場から離れようとしたら

 

「待てよ、俺が連れを探すって言ってんだ」

「その連れが僕ですのでけっこうです」

「調子に乗るなよガキ」

「いえ、調子に乗る以前に彼女と行動していましたので」

「ふざけんなよっ!」

 

僕に殴りかかろうとして拳を振りかざすが──

 

「ふっ……」

 

振り上げた拳を手のひらで避けて──

 

「はぁ!」

 

顎にめがけて掌底を放つ。

 

「がはっ……」

 

掌底が綺麗に顎にあたり、ナンパ男は後ろに倒れる。更識先輩に護身程度だが合気道を習って良かった。

 

「大丈夫ですよ。手加減はしましたし、軽い脳震盪ですからしばらくすれば揺れは収まります」

 

通路の邪魔にならないように壁の端に移動させた。

 

「大丈夫、簪?」

「あれぐらい私一人で解決出来た」

 

まだ怒ってるね。シャルロットのことは鈴しか先に明かしてなかったから。

 

「簪、その……ごめん。シャルロットのことを隠していて」

「別に気にしてない」

 

簪と一緒に居てわかったことは今みたいに気にしていないと言うとすごく怒っているということ。

 

「簪も臨海学校で着る水着を買いに来たの?」

「悠人君には関係ない」

「まあ、関係ないけどさ。簪はどういう水着を着るのか気になってね」

「どうせラウラって子に着せるために意見を聞くためでしょ」

 

俺の嫁宣言とキスだが簪も見ていたらしく。あのとき簪に火に油ではなく、ガソリンを注いだと感じた。

 

「ラウラは関係ないよ」

「前まで名字だったのに名前で呼んでるんだ」

「簪のときと同じだよ。ラウラから名前で呼べって言われてね」

「ふーん……」

 

あまりよろしくない感じに見える。僕が離れたらさっきみたいな人がまた簪にちょっかい出しそうだから本当は離れたくないんだが……。

 

「かんちゃーん」

 

誰かが簪のこと見つけると簪の名前?を呼んで近付いてきた。

 

「良かった~美味しそうなたい焼き見つけて買ってたらかんちゃんとはぐれたから」

「本音といえば本音らしいね。私とはぐれた理由が……」

 

連れの人の手にはたい焼きがはいったビニール袋を持っていて簪は呆れていた。

 

「かんちゃん、この人はかんちゃんの彼氏?」

「ち、違う! 同じクラスの人の」

「あ~かんちゃんが気になってる人なんだね」

「それも違うから!」

 

ぶんぶんと腕を振って否定している。

 

「簪、その子が連れの人?」

「う、うん……更識家に仕えてる」

「布仏本音と言います」

 

ペコリと僕に頭をさげた。そういえば更識先輩から更識家には代々仕えてる家系があるって聞いたな。

 

「山田悠人です。簪とは同じクラスメイトです」

「山ぴーと同じ名字だね~」

「山ぴー?」

「えっと、悠人君のお姉さんのことだと」

「あぁ、姉ちゃんのことね。僕は真耶先生の弟だから同じ名字なんだ」

「山ぴーの弟君なんだ。ん~ならヤマトだね」

「ヤマト?」

「山田悠人だからヤマトだよ~」

 

チャットでもヤマトの名前で活動しているし、それでもいいか。

最近、弾達とチャットしてないからたまに顔見せよう。

 

「それでいいよ。布仏さん」

「他人行儀はあまり好きじゃないから本音でいいよ」

「わかった、本音さんって呼ぶね。2人はこれから水着を買いに行くんだよね?」

「おぉ……ヤマト、どうしてわかったの?」

 

鈴達と一緒に買い物に行ったとは言えないのでここは適当に誤魔化そう。

 

「女子達がもう少しで臨海学校だから水着を買おうと話しているのを小耳に挟んでね」

「実は山ぴー1人で先に現地視察に行ったんだよ。ズルいよね~」

「仕事なんだからね」

「ヤマトも織斑先生と同じこと言う」

「織斑先生……ってことは一夏と同じクラス?」

「うん、おりむーと同じ1組だよ」

 

織斑だからかおりむー、ね。なるほど

 

「もしかしてヤマトも水着を買いに?」

「僕は本屋とゲームショップに行こうとしてる」

「私達も一緒にいいかな? ね? かんちゃん」

「わ、私はいいよ……」

「ヤマトと同じ趣味なんだからここは一緒に行かないと~」

「あ、ちょっと本音」

 

本音さんが簪の手を引っ張って僕は2人と一緒に行動することになった。

 

 

 

 

「それで? 成り行きで一緒にここまで来たと」

 

「……はい」

 

欲しい漫画を購入して新しいゲームの視察を終えた僕は簪と本音さんも連れて@クルーズでお昼を摂っていた。

鈴は腕を組んでいて僕は買ったものを足元に置いて膝に手を置いて顔を伏せていた。

 

「まあ、簪を狙った男の人が近付かないように悠人が守っていたんだからこれは仕方ないと思うよ」

 

ありがとうシャルロット。そう言ってくれるだけで僕の心にある罪悪感が癒されるよ。

 

「だが、私というのものが居ながら他の女といるのはどうかと思うぞ嫁よ?」

 

ラウラも不満そうにして僕を見ている。

 

「嫁は男の人に言うことじゃなくて女の人に言うこと。そして悠人君はあなたの嫁じゃない」

 

簪が正しい言葉の意味を教えるがラウラのことを一方的に敵視している感じがする。

 

「悠人は私の嫁だ」

「それは違う。嫁は私達のことを指す」

「なら、悠人は私のものだ」

 

言葉を変えているが結局、僕はラウラのものらしい。僕はものじゃないのに……。

 

「…………」

「…………」

 

この2人だがすごく仲が悪い。

簪からして後から現れた部外者でラウラからすると僕との時間を邪魔する人だと思っている。

 

「まあまあ、みんなお腹空いてるからここはご飯を食べよ~」

 

ゆるふわな雰囲気を出している本音さんが険悪な2人の仲裁にはいる。

 

「……そうだね」

「一理あるな」

「ヤマトもはやく食べないと冷めちゃうよ?」

「う、うん」

 

各々自分が注文したメニューを食べるが今まで食べた中で一番息苦しい食事だった。




シャルロットの裸の妄想をしている悠人ですが男の子だから仕方ないよね
逆に忘れろと言うのが無理かと

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。