魔法少女&仮面ライダー育成計画 〜Episode of Mirror Rider〜   作:スターダストライダー

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今回、遂にあのシステム導入……! と言っても、本格的に発揮されるのはもう少し先になりますが。


64.新たなるレアアイテム

ファヴ:『えぇ〜。今日は、みんなが待ち望んでいた第2のレアアイテムを解放するぽん』

シロー:『なお、今回配布されるアイテムに関しては、同時に配信する事はない。成績トップ4組を、下位から順に日を置いて解放していく形になる』

ファヴ:『今度のアイテムは、インストールにたくさんの魔力を使うので、同時配信は難しいぽん。そこはご了承くださいだぽん』

シロー:『では、まず最初の獲得ペアを発表する』

ファヴ:『最初に見事に幸運を勝ち取ったのは……、『ナイト&リップルペア』だぽん!おめでとうぽん!』

シロー:『ナイトにはカードデッキに、リップルにはマジカルフォンに新機能として、パワーアップする為のものが送られている。どのようなものかは、自分の目で確かめると良い。ただし、注意してもらいたいのは、そのアイテムを一度使用すると、再度使うのに半日はかかる。使い所をよく見極める事だ』

ファヴ:『それじゃあ、2人の今後の進展を祝ったところで、ファヴ達からのメッセージは以上ぽん!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これが、新たに追加されたアイテムか」

「翼……?」

 

いち早くレアアイテムを手に入れた2人は、カードやマジカルフォンを手に取った。

ナイトが手に持っているカードには、右翼と青色の背景が描かれたカードが。それは、『疾風』をイメージさせるものだった。リップルの方には、同じく右翼の画像があった。今までに見た事のないアプリである事を考えると、これがレアアイテムのようだ。両方に共通しているのは、どちらも『SURVIVE』と表記されている事だった。

他の面々も、2人が手にしたアイテムを覗き込みながら口々に呟いた。

 

「なんか凄そうだな!」

「サバイブ……『絶対に生き残る』という意味か。随分と意味深なアイテムを解放してきたな」

「良いなぁ。俺も欲しいよ」

「まだ3組残ってますから、きっと手にできますよ。そのうち」

「なぁ、それ早速使ってみたらどうだ? 2人がどんだけ変わるか見てみたいし!」

「待ってください。シローの話じゃ、一度使ったらしばらく使えないって言ってましたから、やっぱりいざという時じゃないと……」

 

九尾の意見に、当事者達も同意する。

 

「それが良い。無闇に使っても、その時に使えないんじゃ、意味がないからな」

「チェ〜。ま、そん時のお楽しみってわけか。でも、早く見てみたいな!」

 

トップスピードは笑いながら、腕を背中に回して手すりに寄った。

 

「あ、だったらさ! ライアに万が一の事があったら、その時に使えばいいかも!」

「あぁ、なるほどな!」

 

トップスピードが納得する中、リップルは、新機能に胡散臭さを感じつつも、どれほどの能力が備わっているのか、気にはなりつつあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ〜あ。結局新アイテムも、キャンディー集めをバカみたいに必死こいてやってたあいつらが独占する事になるんでしょ? なんかつまんないなぁ」

「し、仕方ないよ……。向こうがそう決めた、ルールだから……」

 

一方、門前町付近のビルの屋上では、ガイとたまが腰を下ろして会話をしていた。

先日、ウィンタープリズンを葬ったまでは良かったが、その後現れた黒い龍騎の介入により、ユナエルが殺害され、それ以降、王結寺内ではギスギスした空気が漂っていた。妹を殺されたミナエルは、ずっとブツブツ呟いており、パートナーのタイガはそれを陰から見つめており、ベルデは表にみせる事はなかったが、明らかに気分を悪くしている。アビスとスイムスイムは相変わらず何を考えているのか分からず、居心地を悪く感じた2人は、時折こうして、皆と別行動をとるようになった。

 

「まぁ、ルールはルールだし、それにケチつけてもしょうがないんだけどさぁ。な〜んか物足りないっていうか」

「……え?」

 

ガイの言い方に疑問を持ったたまが首を傾げる。対するガイは、仮面の下で不敵な笑みを浮かべると、手を叩いてたまの方に顔を向けて呟いた。

 

「ねぇ、ここはさ。俺達でもっと盛り上げていこうよ。このまんまじゃつまんないし、折角ライダーになれたんだから、面白い事に有効的に使ってかなきゃね」

「……!」

 

何かを企むようなパートナーの様子に、たまは怖気づいているのか、何も言い返せなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どいつもこいつも、俺をイライラさせやがる……!」

 

N市の城南地区の一角にあるビルの屋上では、王蛇が手当たり次第にフェンスや機材などを異常なまでに殴りつけていた。

先日ハードゴア・アリスによって腹を刺され、しばらく眠り続けていた王蛇だが、ようやく暴れ回るほどにまで回復し、それまで内に溜め込んでいたイライラを、そこら中にぶつけていた。

彼としては真っ先にハードゴア・アリスと戦おうとも思っていたが、彼女がどこにいるのかは、目下のところ見当がついていない。否、彼をイライラさせる者は他にもいる。

 

「あいつら、全員潰す……!」

「おいおい。随分と暴れてるじゃないか」

 

そこへ、パートナーのカラミティ・メアリが姿を現した。荒れている屋上を一通り見渡すと、笑みがこぼれた。

 

「相当イライラが溜まってるようだね。そんなに誰かと戦いたいのかい?」

「当たり前だ。俺をイラつかせる奴らは全員敵だ」

「フフ。実を言うと、あたしもどうしても屈服させたい奴らがいるのさ」

「アァ?」

「リップルと龍騎だよ。あいつらここ最近随分と調子に乗ってるみたいだからさ。このカラミティ・メアリの目が行き届いているところでそんな事されちゃあ、あたしの面子が潰れるってもんよ」

 

さっさと跪かせたい。そう呟いた、その直後の事だった。

 

「でしたら、私達の要望に応えていただければ、ご協力させてあげますよ」

 

透き通るような女性の声が聞こえてきて、カラミティ・メアリと王蛇が辺りを見渡していると、2人の背後に、いつの間にか2人の人影が立っていた。

 

「突然連絡なしにお邪魔して申し訳ありません。ちょっと興味深い話を耳にしたものですから」

「お前達のその願い、叶えてやってもいい」

「……ほぉ。どういうつもりか知らないけど、何を企んでいるんだい……?」

 

カラミティ・メアリは、目の前に現れた2人を見て、静かにその名を呟く。

 

「……クラムベリー、オーディン」

 

 

 




ちょっと短い気もしますが、キリがいいので今回はこの辺で。

凶悪ペアに接触した、クラムベリーとオーディンのペア。果たして彼らの狙いとは……。

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