魔法少女&仮面ライダー育成計画 〜Episode of Mirror Rider〜   作:スターダストライダー

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言い忘れていましたが、先日「魔法少女育成計画」のキャラソンを買いました。どの曲も良かったです。皆さんはどの曲が好きですか? 教えていただけると嬉しいです。

今回は主に龍騎が活躍します。そして、あの人物も登場。


23.生死をかけたゲーム

翌朝、仮面ライダー龍騎こと、城戸 正史はいつものようにOREジャーナルへ出勤した。

生き残りをかけて、他の魔法少女や仮面ライダー達とキャンディーの数の多さで競い合う状況が続いてはいるものの、仕事の方を疎かにするわけにもいかない。昨晩はねむりんが脱落し、残された脱落枠は15個。特別仮面ライダーを続けたい理由はないが、人助けに役立てるこの力を手放すのも気がひけるので、出来るなら生き残りたい。

 

「……ッシャア! 今日もやるぞ!」

 

気持ちを切り替えようと、正史はビルの手前で気合いを入れてから、社内に繋がる扉を開けた。室内には大久保編集長が居座っていた。

 

「おはようございます!」

「おう、正史。随分張り切ってるな」

「ういっす!」

「ま、元気なのはいいこった。そんなテンションを下げるようで悪いが、早速働いてもらうぞ」

「? どういう事っすか?」

 

正史が首を傾げていると、大久保が一枚のメモを渡した。そこには住所が記載されていた。キョトンとする正史に大久保は説明した。

 

「昨晩、この街に住む若い女性の変死体が自宅で見つかった。詳細はまだ分かってない。てなわけで、お前にはそこに書いてある住所の所に向かってもらう。令子もすでに向かってるそうだから、現地集合って事だ」

「は、はい。分かりました……」

 

せっかくテンションを上げたばかりなのに、よもや転がり込んできたのは、死人が出た事件の調査。正史は言われた通りにしつつも、少し沈んだ気持ちで、現場に向かった。

メモに記された住所に従って現場に到着すると、一軒の民家の前にパトカーが停まっていた。野次馬の数はそれほどではないが、近所の住民らしき人々がヒソヒソと会話していた。

その野次馬から少し離れた所に、令子が見えたので、正史は声をかけた。

 

「令子さん!」

「来たわね。それじゃあ早速始めるわよ」

「ちょ、待ってください令子さん!」

 

正史と合流した令子は野次馬を押し退けて、被害者の自宅に入っていき、正史もそれを追いかけた。

玄関から入って早速、目の前に刑事らしき男性と、被害者の身内らしき両親と兄弟姉妹と出くわした。コートを着込んだ刑事は、近づいてくる令子と正史に訝しんだ。

 

「何ですかあなた達は。勝手に入ってきては困るんですが」

「突然失礼します。OREジャーナルの者です」

 

彼女の強みである、強気な姿勢を全面に出し、それを聞いて、男性は少しばかり反応を示した。

 

「あぁ、あなた達がそうですか。いつもおたくの記事は拝見させてもらっていますよ」

「あ、ありがとうございます! あ、これ名刺です」

 

目の前の刑事が好青年だと判断した正史は、名刺を刑事に渡した。

 

「これはどうも。私は今回の事件を担当する事になりました、須藤(すどう) (みつる)です」

 

そう言って須藤は警察手帳を見せて自己紹介した。

 

「それで、早速この事件に関する調査を行おうと思っていますが」

「構いませんが、捜査の邪魔になったり、被害者のご家族の方を侵害するような事だけは避けてくださいね」

「承知してます。では確認しますが、今回の事件の被害者は、この家に住む女性、三条 合歓さん24歳、という事でよろしいですか」

「はい……! 私達の娘です……!」

 

すすり泣きとともにそう答えたのは、被害者の母親らしき人物だった。続いて令子は正史が来る前に聞き込み調査をした結果を確認した。

 

「こちらの調べでは、昨晩被害者の息が止まっているのを確認した、第一発見者の母親が警察に通報した、との事ですが」

「えぇ。死亡推定時刻は午前0時。死因は心臓発作、との見解です」

 

須藤と令子の会話が続く中、正史は脳裏に引っかかる事があった。

 

「(三条、合歓……。合歓……、ねむ……。……ねむりん⁉︎)」

 

不意に思い浮かんだのは、昨晩脱落した魔法少女の名前。その名前と今回の被害者の名前が噛み合わさっている。おまけに死んだと思われる日時も、ちょうど彼女が魔法少女でなくなった時とほぼ同じ。単なる偶然とは思えない。取材どころではないと思った正史は、慌てて家の外へ飛び出した。

 

「ちょっと、城戸君⁉︎ どこに行くのよ⁉︎」

 

令子の叫び声も無視して、正史は走り去った。

その後聞きたい事を全て聞き終えた令子は、正史を探す為に退散し、須藤と合歓の家族は遺体発見現場へと足を運び、事情聴取をした。

 

「すると、あなたがこの部屋に入って合歓さんを起こそうとした時には、すでに息を引き取っていた、という事ですね」

「……はい。今日は合歓にとって大事な日だったので、風邪をひかないようにしようとしたのですが、まさかこんな事になるなんて……!」

 

泣き崩れる母親を、沈痛な面持ちで支える家族。それを見た須藤は優しく声をかけた。

 

「失礼ですが、娘さんに恨みを持つような方に心当たりはありませんか?」

「それは、ないはずです。合歓はほとんど外出する事なんてありませんでしたし、誰かと接点を持つような事は……」

「なるほど……」

 

合歓の父親がそう答えると、須藤は頷き、それからこういった。

 

「荒らされた形跡がないところから見て、殺人事件の線は低そうですね。自殺……にしては遺書らしきものも見つかってませんし、凶器らしきものも近辺に無かったと報告されてます。やはり、娘さんが過去に患っていた持病が再発して死に至った……と考えるのが妥当かと……」

「そう、ですか……」

「とにかく、引き続き捜査を進めて、もう少し詳しい事が分かり次第またご連絡いたします。後は我々が全力で捜査しますので、皆さんは別室で待機しておいてください」

 

そう言われて、合歓の家族は辛い気持ちを互いに支え合いながら、リビングへと戻っていった。

すでに合歓の遺体は外に運び出されており、彼女の自室には現在、須藤以外誰もいない。静まり返った室内を見渡しながら、須藤は口を開いた。

 

「……なるほど。これが彼らのやり方、という事ですか」

 

それから膝を曲げて、合歓の遺体があったであろう場所に手を置いた。

 

「まさか本当にお別れする事になるとは。……ですが、私は生き延びてみせますよ。あなたの魔法を受け継いだ私に任せて、あなたはゆっくりとお休みなさい。三条 合歓さん……いや、魔法少女、ねむりん」

 

そう呟く須藤が着込んでいるポケットから、黒いケースのようなものがはみ出ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間は少し遡り、正史は三条家を後にすると、路地裏に入り込み、ポケットから急いでマジカルフォンを取り出してシローに連絡を入れた。

 

「頼む……、出てくれ……!」

 

正史は周りに人がいないのを確認しながら懇願していると、ようやくシローと連絡が繋がり、立体映像として現れた。

 

『どうした。こんなに朝早くから』

「どうしたじゃねぇよ! シロー、お前に聞きたい事がある」

 

正史は表情をいつも以上に厳しくしながら、シローに尋ねた。

 

『ほう。何が聞きたい』

「昨日脱落したねむりんの事だ。ねむりんの正体って、もしかしてこの家で亡くなった三条 合歓なのか⁉︎ もしそうなら、昨日の一件とこれって関係あるのか⁉︎」

 

焦る気持ちになりながら正史が問い詰めると、シローから返ってきた返事はこうだった。

 

『あぁ。その通りだ。ねむりんの正体は三条 合歓だとファヴから聞いている。魔法少女に関する担当は彼が務めているからな。そして今回の脱落により、彼女の死は確立した』

「なっ……!」

 

告げられた真実に、正史は愕然とした。魔法少女の資格が剥奪された事で、合歓は死んだ。その事実が、正史に重くのしかかったが、同時に疑問が湧いた。

 

「何で……! 何で魔法少女じゃなくなったからって死ななきゃならないんだよ⁉︎」

『それが今回の決まりだからだ。魔法少女や仮面ライダーとしての力を失う事は、すなわち生物としての本質を失い、それこそが『死』というものだ』

「意味わかんねぇよ……! 大体、何でそんな大事な事教えてくれなかったんだよ!」

『聞かれなかっただけだ。我々は君達が今回の事態を、隅々まで認識したものと判断してここまで進行を進めていたにすぎない』

「な、お前ら……!」

 

不意に湧き上がったのは、理不尽にも合歓……もといねむりんを資格の剥奪と称して命を奪った事に対する怒り。そんな感情を読み取っていないのか、あるいは分かってて無視しているのか、シローは淡々と呟いた。

 

『聞きたい事はそれだけか? なら私はここで失礼させてもらう。私もファヴも個人にいつまでも付き合っていられるほど暇じゃないのでね』

「お、おい待てよ、お前……!」

「城戸く〜ん?」

 

正史が呼び止めようとした時、令子が路地から顔だけ覗かせてきたのを見て、慌ててマジカルフォンをポケットにしまった。令子は苛立ったように正史に詰め寄った。

 

「ちょっと城戸君。取材を放って勝手にどこかに行くなんて、ジャーナリストである以前に社会人としてどうかと思うわよ」

「す、すいません……。知り合いから急に連絡が来まして……」

 

どうにかしてその場を誤魔化した正史は令子と共に、OREジャーナルに戻った。後でマジカルフォンを確認してみたが、すでにシローはいなくなっていた。

これはもはや自分1人で抱える問題ではない。そう結論づけた正史は令子から詳しい事件の詳細を取りこぼす事なく聞き出し、空いた時間を使ってまとめ上げた後、夕方近くで仕事を早めに切り上げて、退社した後マジカルフォンを通じて、チームの一員であるトップスピード、ナイト、リップルを筆頭に、何度か交流のあるメンバーにチャットルームへの召集をかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後時間がかかり、時刻は午後7時を周った頃。チャットルーム内には、トップスピード、ナイト、リップル、九尾、スノーホワイト、ライア、ラ・ピュセル、シスターナナ、オルタナティブ、ヴェス・ウィンタープリズン、ファム、更には偶然ログインしていたマジカロイド44とゾルダ、そしてシザースが龍騎の話を聞こうと集まった。

 

トップスピード:『んでよ。俺らに話って何だよ? 今までお前から呼びかけるなんてなかったはずじゃ』

ライア:『確かにそうだな。何があった?』

龍騎:『……みんな、信じられないかもしれないけど、落ち着いて聞いてほしいんだ』

 

龍騎は皆に念を押すと、チャット内にあるデータを表示した。それは龍騎が社内で編集した記事だった。

 

龍騎:『ここにいる何人かは知ってると思うけど、俺、新聞記者の仕事してるんだ』

シスターナナ:『まぁ、そうでしたの』

龍騎:『で、この記事は今朝取材した事件を俺がまとめたものなんだけど……』

トップスピード:『ほぉほぉ。どんなもんだ……?』

 

皆がしばらく記事に目をやっていると、真っ先にコメントしたのは、普段からチャット内では無口のリップルだった。

 

リップル:『ねぇ。これってねむりんの事じゃない?』

スノーホワイト:『えっ⁉︎』

ラ・ピュセル:『何だって⁉︎』

九尾:『! おい、この被害者の名前……!』

 

リップルのコメントにより、チャット内に動揺が走った。そんな中で、ゾルダとライアは冷静に記事を見つめた。

 

ゾルダ:『三条 合歓……。あぁ。ねむりんの「ねむ」って、自分の本名をそのまま魔法少女姿の名前につけただけか。シャレてるね』

ライア:『そんな呑気な事を言ってる場合じゃないだろう。名前といい、死亡したと思われる日時といい、偶然とは思えないな』

 

すると今度はシスターナナがこうコメントした。

 

シスターナナ:『ごめんなさい。実はこの記事を読んで、思い出した事があるんです。ウィンタープリズン、申し訳ありませんが、あの事を……』

ウィンタープリズン:『分かった。ナナに代わって私が説明する』

オルタナティブ:『私も』

 

ウィンタープリズンやオルタナティブがコメントしたのは、次の内容だった。

 

ウィンタープリズン:『つい先ほど、ナナの頼みでねむりんのチャットでの会話の記録を抜き出そうとしたんだ』

 

よほどねむりんとの別れが辛かったのだろう。少しでも記憶の片隅に置いておけるように、これまでのねむりんのコメントを1つ残らず自身のマジカルフォンに記録しようとシスターナナが提案した。彼女の頼みを聞いて、ウィンタープリズンとオルタナティブが協力して過去のデータを見返しているうちに、ある記録が目に付いたそうだ。

 

オルタナティブ:『これは、その時のコメント欄です』

 

そしてオルタナティブが表示したのは、昨晩チャット会が終了した後、まだ残っていたクラムベリーとオーディンが、ファヴやシローと会話している時のログだった。チャット内でのやり取りは必ず残るようになっており、そのコメントを見て、何人かは背筋が凍りついた。

 

龍騎:『! こんな会話があの後あったなんて……!』

トップスピード:『おいおい、んな事アリかよ……!』

ウィンタープリズン:『内容が内容だけに、この事実を話してもいいかも分からなかった。そもそも確証がなかったから』

オルタナティブ:『ですが、先ほど見させてもらった龍騎の記事を読んで確信しました。これは紛れもない事実だという事を』

スノーホワイト:『そんな! それじゃあねむりんは……』

マジカロイド:『まぁ、この2つの内容を総合して見ても、死んでマスよね』

ナイト:『だろうな』

 

沈黙が辺りを支配する中、龍騎はこの事をこの場にいないメンバーも含む全員に知らせる必要があるとコメントし、全員の召集を提案した。誰も反対する者はおらず、早速チャットルームへの集合を呼びかけた。もちろんファヴやシローを呼び出すのも忘れずに。

しばらくして全員が集まったところで、龍騎が事の全てを包み隠さず話した。当然何人かの魔法少女や仮面ライダーは信じられないと言わんばかりにコメントし、疑問の矛先を先ほどから黙っているファヴやシローに向けた。

 

アビス:『これはどういう事だ』

ファヴ:『どうもこうもないぽん。つまりはそういう事だぽん』

シスターナナ:『脱落したら死ぬなんて、そんな事……!』

ウィンタープリズン:『ナナ……』

 

泣き崩れるシスターナナを、ウィンタープリズンは抱きしめた。

 

トップスピード:『で、どうなんだよファヴ、シロー! 魔法少女や仮面ライダーが脱落したら、本当に死ぬのかよ……!』

ファヴ:『そうだぽん』

シロー:『否定はしない。事実だからな』

インペラー:『マジか⁉︎』

たま:『う、嘘……⁉︎』

ミナエル:『じゃあねむりん死んだの?』

ユナエル:『の?』

カラミティ・メアリ:『……ほう』

 

カラミティ・メアリもこの時ばかりは興味をそそられたようだ。それだけ明かされた事実が皆にとって衝撃的だったのだろう。いとも簡単に事実を認めたファヴとシローはこうコメントした。

 

ファヴ:『みんなは魔法の力で強さを極限以上に引き出された魔法少女や仮面ライダーだぽん。その権利を失う事は、生き物としての本質を失くしてしまうって事だぽん』

シロー:『それに、魔法少女や仮面ライダーでなくなった者による情報漏えいは、魔法の国からして見ても、絶対に避けなければならない事態だ。特に脱落者を多く選出する今回の問題では、そういった事が起きやすい。それを防ぐ為の措置。それが脱落者への対価だ』

ファヴ:『つまりは、死んじゃうって事ぽん』

 

まるで自分達は何も間違った事はしていないというコメントに続いたのは、これまでに類を見ないほどの批判だった。

 

龍騎:『ふざけんな!』

トップスピード:『納得いかねぇ!』

ラ・ピュセル:『そんな……!』

スノーホワイト:『意味分かんないよ!』

タイガ:『本当に死ぬんだね……』

ミナエル:『死ぬぐらいなら魔法少女辞めるわ!』

ユナエル:『辞めるわ!』

ベルデ:『バカが。んな事したって結局口封じって言いくるめられて死ぬだけだろ』

ファヴ:『ベルデの言う通りぽん。同じ事ぽん』

シスターナナ:『そんな話聞いてません!』

ファヴ:『仕方ないぽん』

シロー:『これは確定事項だからな』

龍騎:『お前ら……!』

 

龍騎は怒りが爆発しそうになるが、すぐに思いとどまって、クラムベリーとオーディンに質問した。

 

龍騎:『なぁクラムベリー、オーディン。お前ら他に何か聞いてる事ってあるか⁉︎ 何でもいいから、このチャット以外であいつらと話した事とかさ!』

 

だが、2体のアバターは首を横に振るだけだった。

 

クラムベリー:『残念ですが、私達もそれ以上の事はお尋ねしておりません』

オーディン:『我々は知りたかった事実を確認したかっただけだからな』

 

どうやらこれ以上情報は聞き出せそうにないらしい。一同が消沈していると、不意にある人物がこうコメントした。

 

ガイ:『へぇ。脱落したら、死ぬって事か。……面白そうじゃん』

龍騎:『はっ⁉︎』

 

ガイは何故か判明した恐ろしい事実に対し、面白いと答えたのだ。

 

ラ・ピュセル:『面白いだと⁉︎ 一体これのどこがだ!』

ガイ:『だってさー。ぶっちゃけつまんねぇって思ってたんだ。単純にマジカルキャンディー稼いで魔法少女や仮面ライダーの数を減らしてくゲームなんて、幼稚園児のままごと程度だと思ってたけどさ。この話聞いて納得したんだ。そんなルールがあるんなら、良いよ。このゲームのった』

 

ガイがヘラヘラと笑いながら、ファヴとシローに賛同するように挙手した。当然納得しない者もいた。

 

龍騎:『おい! お前自分が何言ってるのか分かってんのか⁉︎ 人が死ぬんだぞ!』

ウィンタープリズン:『そうだ。君とて例外じゃない』

ガイ:『うん、知ってるよ。でもこっちの方がスリリングあって、ゲームっぽいじゃん。俺、こういうゲーム大好きなんだ』

ゾルダ:『やれやれ。相当の道楽息子って感じだな、お前』

ガイ:『なんか嫌味っぽい感じだけど、別に何言われても平気だし。きっとこれから面白くなるよ、こういうゲームはさ』

龍騎:『さっきからゲームゲームって、これはそういう事じゃ……!』

王蛇:『ハハハッ!』

 

不意に王蛇が珍しくコメントして、一同はコメントを止めた。

 

王蛇:『何をくだらん事ばっか話してるか知らねぇが、誰が死のうが知った事か。俺は今戦えればそれで良いんだよ』

ファム:『くだらないですって⁉︎ あんたね……!』

王蛇:『お? やるか、俺と』

 

今にも王蛇とファムの一触即発が起きそうになった時、九尾が、全員が集まってから初めてコメントした。

 

九尾:『やめておきなよ。こんな所で意地張ってどうするんすか』

シロー:『チャット内での喧嘩は禁止されているぞ』

 

2人は睨み合ったまま、距離を置いた。やがて締めの言葉としてファヴがコメントした。

 

ファヴ:『それじゃあ、君達が話したいのはここまでと判断して、ファヴとシローはここで帰らせてもらうぽん』

シロー:『それから諸連絡だ。この後マジカルフォンの機能をバージョンアップさせておく。どのような機能かはこれから確かめて、今後に大いに役立ててもらいたい』

ファヴ:『それではみんな、また来週ぽん!』

龍騎:『あ、おい!』

 

龍騎の呼び止めも無視して、ファヴとシローは退出し、それに続いて他の魔法少女や仮面ライダーも、どうする事も出来ずに退出した。

この時から事実上、今回の一件は『魔法少女や仮面ライダーとしての存続をかけた競争』から、『生死をかけた闇のゲーム』へと意味合いが変わったといっても過言ではないだろう。

 

 

 

 




いよいよファヴとシローのゲスい一面が出てきました。

次回はバージョンアップの詳細が明かされます。

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