魔法少女&仮面ライダー育成計画 〜Episode of Mirror Rider〜   作:スターダストライダー

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特撮『仮面ライダー龍騎』が放送されてから10年。アニメ『魔法少女育成計画』が放送されてから5年……。

作者に大きな影響を与えてくれた2作品のクロスオーバーも、遂に最終回を迎える事となりました!

それでは、壮大な戦いを経て、彼らが歩んでいく道の断片を、どうぞご覧ください。


エピローグ.俺達は戦い続ける

 

〜死にたい〜

 

屈強で、酒やタバコの匂いにまみれた軍服の男達が、何がそんなに楽しいのか、ワイワイガヤガヤ騒ぐ室内でただ1人、ゴージャスなその部屋とは不釣り合いな、ボロボロの服に身を包んだ焦茶色の肌の少女の、切なる願いだった。

どうしてこんな所に監禁されてしまったのかは分からない。ただ、貧しい家族の為に、お金を稼ぐ為に山を降り、街へ入ってすぐに、装甲車から降りてきた軍人に罵倒され、痛めつけられ、気がつけばこんな所に連れてこられた。

中東に位置するこの国は異常だ。国を代表する大統領が貧困層の大量虐殺を軒並み支持しており、ロシアや中国を初めとした、国連所属国も手が出せなくなった今、この国は無法地帯そのものだった。こうして少女が捕まっているのも、公開処刑と称して、反政府派に対して見せしめに利用する為だろう。

最早取り残された弟や妹、そして病に苦しんでいる母の心配事など、とうの昔に消え失せていた。全てがどうでも良くなったのだ。しかしどうやって死のうか。舌を噛みちぎるか。でもそれを実行できる筋力がない。ならばテーブルの上……その少女が一生をかけてもありつけられないような豚の丸焼きを切る為のナイフ。隙を見てあれを手に取り、首元を掻っ切れば。

そんなこんなで、今死ぬ方法を模索していると、不意にある異変に気づいた。先ほどまで酒やトランプに興じていた軍人達がシンと静まり返り、辺りを訝しげに見回している。そこで少女は、耳鳴りのような音が部屋に響き渡っている事に気づいた。

誰かが悲鳴を上げた。部屋の隅に飾られていた、大きな鏡の中から何かあれば飛び出してきた。それも2つ。そしてその2つは人間だった。……否、人間のような姿をしていたというのが正しいだろう。

1人は、見ているだけで心臓が高鳴るような、アレンジの効いた学生服に程近い、アニメや漫画のキャラクターのコスプレに近いような、美しい少女。スカーフはフリルで縁取られ、プリーツスカートには白い花飾り、腕章、白いブーツ、輝くプラチナブロンド。全てが可憐だった。

もう片方は、狐の面をつけていた。白銀の袴のような装甲に覆われ、白い毛並みがその存在感を引き立たせている。左腕には狐を模したものが付けられており、腰には変わった形のベルトが。

その狐が、足元にあった豚の丸焼きを皿ごと蹴り上げ、近くにいた軍人にぶつけた事で均衡が崩れた。軍人が喚きながら指を指しているが、言葉を習う暇もなかった少女には何を言っているのか分からなかった。ただ、その声と共に軍人が銃火器を構え始めたのを見て、突然現れた2人を殺そうとしているのが分かった。

しかし、侵入者の方が早かった。素早く身を翻すと、1人、また1人と、近くにいた軍人から片っ端に地面に横たわらせていた。銃弾を乱射する音が少女の鼓膜に直撃する。弾は一つも当たらず、標的を外した攻撃が飾られていた模造品や窓ガラスに当たって割れる。そうして数が減っていくのを、少女は目を離せずにいた。まるで夢のような光景だ。他国からの救援が禁止されていたにも関わらず、2人は敵の勢力を削っていったのだ。

そんな中、少女は気づいた。物陰に隠れて、弾をリロードしつつ、銃口を学生服の少女に向けられているのを。このままでは、彼女が危ない。少女の行動は自分が思う以上に早かった。直前でその行動に目がいったのだろう。ハッと学生服の少女が振り向いた時には、銃火器が火を吹き、少女は横に飛んだ。銃弾が肩を掠めるが、血は出ていない。少女はその軍人の腕に掴みかかる形で阻止しようとしたが、力の差は圧倒的だった。すぐに引き剥がされ、地面に叩きつけられると、その額に銃口が向けられる。死を望んでいたにも関わらず、迫り来る死に恐怖する中、

 

『ADVENT』

 

どこからか電子音が鳴り響いたと思うと、軍人に向かって鏡から姿を現した新手が飛びかかった。その新手は、狐の姿をした怪物だった。先程の仮面の男のペットなのだろうか。銃弾は少女に向かわず、天井にばら撒かれ、やがて悲鳴と共に軍人の手が地面に垂れ下がった。

 

「大丈夫?」

 

先ほどまでの騒動が嘘のように静まり返った後、呆然としていた少女に声をかける者が。先程の学生服の少女だ。膝を曲げて、目線を合わせて、頭を撫でられた。初めての行為だ。

 

「さっきはありがとう。お陰で助かったよ」

 

そう少女は呟くが、聞き慣れない言語の為、理解はできない。ただ雰囲気的にお礼を言われているような気はした。

 

「とりあえずこいつを連中の所に置いといてやるか。こいつが位も高そうだし」

 

一方で、狐の仮面は、攻撃指示を出していた軍人の1人を担いでいた。気絶している。ふと見ると、周りで倒れていた軍人達も、微かにうめき声が聴こえてくる。誰も殺していないようだ。信じられなかった。あれだけ非道な連中を殺さずに全て仕留めたのだろう。まるで強者の余裕だ。

 

「じゃあ、もうすぐ迎えが来ると思うから。もう、安心していいよ。だから、生きるのを諦めないで」

 

そう少女が呟くと、仮面の男と、狐のモンスターを引き連れて、再び鏡の中へと吸い込まれるように入っていった。そして静寂。

少女は呆然と座り込んでいた。夢と現実の区別がつかないのかもしれない。お礼を言われたからか、気分が高ぶる感じはした。心臓の辺りが温かくなる。

一体どこの革命軍の所属なのだろうか。軍人を圧倒したあの力は一体どこで出に入れたのだろう。こんな私でも、もしかしたらあの2人みたいに強くなれるのだろうか。そうすれば、家族も誰も、苦しまずに済むのだろうか。

外が騒がしくなる中、ふと、今の自分から『死にたい』という気持ちが綺麗さっぱり消え失せている事に気づいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[挿入歌:inory]

 

 

「編集長!只今戻りました!」

「戻りました、じゃねぇよ!どこほっつき歩いてたんだよ!すぐそこにできた新しい店の調査を頼んだだけなのに、こんなに時間かかるかよ⁉︎」

「す、すみません!ちょっと帰り道で不良の喧嘩の仲裁してたらこんな事に……」

 

昼真っ盛りの、N市の一角に佇む会社『OREジャーナル』では、今日も新聞記者の1人、城戸正史が2年経った今もペコペコと頭を下げる様子が。その頬には湿布が貼られており、毎度の事というのもあって、大久保編集長も呆れ気味だ。

 

「ったくしょうがねぇ後輩だな。さっきもクレームの電話が来てよ。お前の書いた記事、表現が曖昧すぎてとても紹介出来ねぇとよ」

「ま、マジですか⁉︎」

「マジだよ。つーわけで今からその会社に謝りに行ってこい。んでもってついでに、こいつの情報でも掴んできな」

 

そう言って大久保はメモ用紙を正史に渡すが、途端に表情を一変させる。

 

「隻眼の黒忍者の目撃情報……って、編集長これ……!」

「文句は受け付けねーぞ。遅れた罰として、それに関する記事を明日までに書いて俺の所に持ってこい」

「いや、ですけどこのネタは……」

「バカヤロー!口ばっか動かさないで、足動かせってんだ!それに今日は大事な用があるんだろ?だったらさっさと済ませてきな」

「は、はい編集長!行ってきます!」

 

そうして踵を返すように、再びドアを勢いよく開けて、ドタドタを足音を立てて階段を降りていく正史。いつになく忙しない様子を見て、大久保や、隣で記事をまとめていた令子は肩を竦めるばかり。

 

「2年経っても、ああいう所は相変わらずなんですよね」

「やれやれだぜ。あいつと絡むと、何か肩が疲れるっつうか」

 

そうボヤきながら孫の手を使って肩を揉んでいると、令子の隣に座っていた女性が、子供を抱えながらケタケタと笑い出した。

 

「あいつはああいう所で可愛げがあるんだよ。騒がしいぐらいが似合ってるんだろうよ」

「呑気に言ってくれるなよ『つばめ』……。お前もお前で、よくあんな奴と籍入れようと思ったよな」

「オレはあいつの真っ直ぐな所に惚れたんだよ。それに、仕事はあんなだけど、家事とか息子の世話とか、あいつなりに頑張ってやってくれてるしな。なー、『隼助』」

「ねー」

 

産後、現在の夫である正史と同じ会社に勤める事となった旧性『室田つばめ』改め、『城戸つばめ』は、前の夫との間にできた一人息子『隼助』にそう話しかける。その溺愛ぶりに苦笑する他ない大久保であった。

 

「それじゃあ編集長。私も取材に出かけます。以前、北岡弁護士を雇った商事会社が使用していたとされる不正資金の出所が掴めそうなので、早速調査してきます」

「お、そっちは順調みたいだな」

「それと、明後日の職場体験についてですが、応募したのは亜子ちゃんの他にも何人かいるみたいなので、良さげなネタを幾つか仕入れておきます」

「おう、気をつけてな!」

「いってらしゃーい!」

 

つばめと隼助に手を振りながら見送られ、令子も笑顔で手を振り替えして部屋を後にする。

 

「……そういや、令子も北岡弁護士とデキてるって噂だったけど、そこん所ハッキリしてなかったな。ま、今度暇な時に真相を聞いてみるか」

「……そういえば、さっき城戸君が調べようとしてるやつ。確か、魔法少女の事でしたよね」

 

不意に、パソコンと向かい合ってホームページのレイアウトをしていた島田が、手を止めて思い出したように呟く。

 

「あぁ。ここしばらくは音沙汰なしって感じだったが、西洋の魔女風の奴の目撃情報が出回り始めてから、また姿を見るようになったって話だ。ま、2年前もそんな感じで追いかけ回してたからな。あのバカにはもってこいの取材だと思ってな。……ってどうしたつばめ。顔赤くねぇか?」

「ひぇ⁉︎だ、大丈夫だ心配すんな!ちょっと笑いすぎただけだ、ナハハ……」

 

何故か照れ笑いをするつばめ。そんな彼女も机の上を片付け終えたらしく、子供を抱えたまま席を立つ。

 

「んじゃ、お先失礼させてもらうから」

「おっと。そういやお前さんも今日は早退するって話だったな。何か用事でもあるのか?」

「まぁね。急な話だったけど、もうすぐ帰ってくる奴らがいてさ。そいつらもてなす為に、今のうちに下拵えを、ね」

 

そう呟いたつばめは、窓の外の景色に目をやる。清々しい青空が広がっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後の学生で混雑を極めるファーストフード店の中、高校生の少女が4人用の席で、隣並んで座っていた。頬杖をついていた少女が、もう片方の、慣れた手つきでスマホを操作している少女に話しかける。

 

「……で、さっきから何やってんの?」

「魔法少女とか、仮面ライダーとかの目撃情報をね」

「スゥーミー……、あんたまだ魔法少女とか仮面ライダーとかがどうこう言ってんの?あたしらもう高校生だよ?てか懐かしー」

「いや確かに目撃情報は減ったけどさ。でもちらほらと情報は入ってきてるしさ。小雪も魔法少女好きだったじゃん。だから今のうちに情報纏めとこうって思ってだね」

「思ってだね、じゃねーよ。何か、『魔法少女育成計画』と、『仮面ライダー育成計画』だっけ?あれも酷いバグあったとかで再開未定の休止中でしょ?あっこの会社の株価、スゲー下がったって、OREジャーナルの城戸さんって人が書いた記事にも載ってたし」

「でもほら、ここに載ってるでしょ?ドラゴン風の仮面ライダーとか、不思議な国のアリスの黒バージョンとか、片目の黒い魔法少女とか」

「魔法少女っていうか、死神みたいなルックスだな……」

 

愚痴りながらもまとめサイトに目を通す中、スミが思い出したようにこんな話題を。

 

「あ、そうそう!こないだニュースでやってたじゃん、中東の革命が成功したってやつ!」

「あぁ、あれ?ロシアとか中国が反対したから、他の国も直接手が出せなくなって、国内の虐殺止められないで、どーしよーってバカ騒ぎしてたやつ?」

「そうそれ!虐殺を指揮してた大統領を筆頭に、政府の要人や軍人らが軒並み反政府派に取っ捕まったっていうあれ。あれさ、噂じゃ白い服きた少女と、狐のお面をつけた人が、風のように颯爽と現れて、全部やったって話らしいよ。それって、うちの街にいた魔法少女と仮面ライダーじゃないかって、一部のコアなファンの中じゃ騒がれてるらしいよ」

 

遂にトップの座を勝ち取って、世界レベルに……、などと目を輝かせるスミに対し、芳子は肩を竦める。

 

「想像力豊かなのは結構な事だけど、勝手に人様の国に行って勝手に助けるってそれ、下手したらテロリストと変わんないでしょ?」

「うっ……、それは……」

「それにさぁ、魔法少女とか仮面ライダーとか、所詮は虚構なんだしさ。いい歳こいて本物になれるかもってバカみたいに騒ぐのもアレでしょ?」

「まぁ、ね……」

「それは違うぞ2人とも」

 

不意に、芳子の発言に物申す者が。

2人の少女と向かい合う形で座った2人は、店員に呼ばれて頼んだバーガーセットを持って、どこか真剣な表情で見つめた。

 

「魔法少女も、仮面ライダーも、確かに存在する。僕はそう信じてる。こうしてハンバーガーを食べてる今だって、僕達の知らない世界で、彼らは人知れず悪と戦ってる。中東の件が、何よりの証拠だよ」

「……それに、魔法少女も、仮面ライダーも、テロリストだと言ってましたけど、そうだったとしても、あの人達は、自分の正義を信じて、戦ってると思います。大統領が捕まって、救われた人達からしたら、魔法少女も仮面ライダーも、正義の味方なんですから」

 

芳子と同じ高校に通う男子学生、岸辺颯太の意見に同調するかのように、1つ歳下の少女、鳩田亜子は、以前のオドオドした性格からかけ離れたかのように、ハッキリと自分の意見を述べている。その2人の剣幕に圧倒されかける2人だったが、すぐにイヤイヤと苦笑する。

 

「またまた夢のあるご意見をいただきありがとうございまーす」

「さすが小雪の幼馴染みっていうか、あの子もそれなりに妄想ぶっ飛んでたけど、影響受けすぎでしょ。高校生男子が魔法少女とか口にして、恥ずかしくないの?」

「別に良いだろ。サッカーはサッカー、魔法少女は魔法少女だ。好きなものはとことん好きになるって、もう割り切ったからさ。な、亜子」

「はい」

 

2年前まで魔法少女愛好家である事をひた隠しにしてきた少年も、堂々とした姿勢で胸を張っている。そんな彼と親睦の深い亜子も、騎士に相応しい態度に惚れ惚れしている様子だ。

 

「ま、まぁとりあえずさ。魔法少女も仮面ライダーもまだ終わってないみたいだし、早いとこ小雪に紹介できるようにまとめとかないとね」

 

そう早口に結論つけたスミは、一度スマホに目を通すが、ふと思い出したように呟く。

 

「魔法少女って言えばさ……。小雪、どうしたんだろう」

「あぁ、確か明日だっけ?だいちゃんと一緒に帰ってくるの。メールで届いてたよ。2人のとこにも来てたでしょ?」

「あ、あぁ」

「書き置き一枚でフラリと居なくなって、もう半月……。中学の頃はまさか家出するようなキャラとは思わなかったわ。ホント、帰って来てくれてありがとうって感じ」

「そこはよっちゃんにマジ同感。高校デビューで悪になった……ってわけじゃないけどさ。なんか、ワイルドになったっていうか……」

「やっぱだいちゃんの影響もあったんじゃない?初めて会った時から一匹狼って感じがあって、あたしらとも全然会話してくれなかったじゃん。小雪が居なくなったって聞いた時は、2人で駆け落ちしたんじゃないかって思っちゃった」

「親御さん、心配してたからねぇ……。うちの家にも来てたし。あの子のせいで、キャラ変したのは間違いないかも」

 

2人の女子高生の話を聞いて、向かい合っている2人は思わず苦笑する。事情を知っているが故に、どうしても表情を隠しきれない。

本当は、自分達もあの2人についていこうとも提案したのだが、大親友に「俺達が留守にしている間、この街を守ってほしい」と言われては、大人しく引き下がる他なかった。

そんな2人とも、間もなく会える。それだけでも安心する2人はテーブルの下で手を繋ぎながら、窓の外に目をやる。清々しい青空が広がっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……それで、断ったのか?お前への取材」

「当たり前だ。魔法少女の事は秘匿なのは、お前が1番分かってる立場だろ?」

「相変わらずキレのある性格だ」

「あのバカに絡まれたら、ろくな事にならない」

 

喫茶『ATORI』にて、店自慢の紅茶を堪能していた手塚は、ようやく休憩に入った華乃と蓮二の2人と会話をしていた。元々客足はそれほど多くない喫茶店ではあったが、この2年で環境も随分と変わった。その大きな理由として挙げられるのは……。

 

「この街も、随分と有名になったもんだねぇ。行方不明事件に、中宿のテロ、それに商店街の怪物騒ぎ。それに巷じゃ、魔法少女や仮面ライダーとかも流行ってたって聞いたけど、結局単なる噂話だったってオチだったし。最初のうちは観光客も減って、どこの企業も大変だったそうだけど、2年も経つと、また活気が戻ってきたわけだし、世の中分からないわねぇ……」

 

そうボヤきながら厨房に戻っていく店長の話を聞きながら、華乃は小さく舌打ちする。

 

「増えたのは隣町のヤクザや暴力団絡みの連中だけどな」

「世間でいうテロの主犯格であるカラミティ・メアリも行方知れずとなり、王蛇……浅倉も死んだ今、この街はそういった連中にとって、格好の狩場に見えるんだろうな。それに釣られて、無法者のゴロツキも自分をアピールする為にこの街にやってくる」

 

その結果、街では暴力団絡みの事件が2年前と比べて横行している印象がある。そうなった時、力ずくで事態を沈静化するのが大抵の場合、N市の魔法少女や仮面ライダーであり、それ故に、目撃情報も増えてしまっているのだ。

 

「占いにも出てたよ。城戸の運勢は割と最悪だな。ガス欠で動かなくなったバイクを引っ張っていると、自転車とぶつかり、更には通りかかったヤクザに蹴飛ばされ、サイドミラーが破損。……まぁ、死なないから大丈夫だろ。それはそうと、今日は9時頃に帰国しそうだ」

「相変わらず占いか。さぞ儲かってるんだろうな、魔法の国では」

「まぁな。俺の占いは当たる。絶対だ。だが、運命は変えられる」

 

いつものように自信ありげな表情を見せる手塚は、窓の外に目をやる。清々しい青空が広がっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、子供達が眠りにつく頃。午後9時になる少し前。

海岸沿いにそびえ立つ、修復済みの鉄塔に、7人の人影が。西洋の魔女風の魔法少女は、黒いアリスと、ドラゴン風の仮面ライダーと共にレジャーシートを広げたり、手作りの料理を取り出したりしていた。エイ風の仮面ライダーとコウモリ風の仮面ライダーは座り込んでジッとしており、隻眼の忍者風の魔法少女は魔法騎士と共に端末に記載されていた内容に目を通していた。

そこに載っていたのは、何れも市外で、特定の人物達ばかり指している目撃情報だった。大統領の身柄拘束、マフィアの壊滅、通り魔の犯罪阻止etc……。どれも彼ららしい、と苦笑いする。

不意に風の流れが変わった、と感じた時には、その人物達は鉄塔に降り立っていた。開口一番、魔法騎士ラ・ピュセルが振り返る事なく呟く。

 

「来る頃だと思ってたよ。2人とも、お帰り」

「……うん、ただいま。そうちゃん、みんな」

「お、戻ってきたか!」

「お帰りなさい……!」

「来たきたぁ!」

 

他の面々も、学生服風の魔法少女スノーホワイトと、狐風の仮面ライダー九尾の帰還に湧き始める。スノーホワイトの首には、ウィンタープリズンが身につけていたマフラーが巻かれている。特別なアプリケーションのお陰で空の旅は快適なのだが、念の為にと、九尾が貸してくれたのだろう。

 

「しかし、随分と派手にやったものだな。中東の大統領の身柄拘束だけで済むんじゃなかったのか。ニュースで大騒ぎだったぞ」

「その道中で色々と絡まれてな。お陰で帰りが遅くなっちまったんですよ」

「誰も、信じないよね。私達魔法少女や仮面ライダーが関わってるなんて」

「魔法の国からメール来た?」

「……あぁ、あれか」

 

九尾がふと思い出したように立ち止まり、とある事件を経て手に入れた管理者用端末を手に取り、すぐに肩を竦める。

 

「ゴミに捨てたよ。どうせ見なくても分かるし」

「だと思った。君達らしい」

 

ラ・ピュセルもつられて肩を竦める。

 

「ひょっとしてみんなの所に……?」

「あぁ。担当地区外での勝手な行動は控えるように説得しろ、という内容だ」

 

魔法の国の名誉住人であるスノーホワイトが、新聞を読んで腹が立ち、自分の価値観だけを頼りに、生涯のパートナーである九尾と共に他国へ出向くような行為を、魔法の国が持て余しているに違いない。

ナイトはそう呟くが、本人としては、それに従う気は最初からないようだ。そしてそれは、当事者を含めてこの場にいる全員が、共通している認識だ。

スノーホワイトは、九尾は、ここにいる者達は知っている。小さな親切だけでは何も変わらない事。見ているだけでは、事は動かないこと。他人任せでは何一つ解決しない事。その全てが、2年前の試験で嫌というほど味合わされた。皆が傷つき、大切なものを失ってきた。

だからこそ、変わろうと思った。変わりたいと思った。変わらなければならないと思った。

 

「きっとあいつらも、同じ選択をしていたはずだ。死ぬまで……いや、死んでもそのエゴを貫くだろうからな」

 

そう呟く九尾の右手は、自然とカードデッキに当てられていた。そこには、多くの魂が刻まれている。その思いを背負って、これからも戦い続ける。そう、決めたのだ。

 

「じゃあリップル、ラ・ピュセル。早速だけど、ご飯の前に、お願い」

「おいおい。帰ってきたばかりなのに、大丈夫なのかい?」

「銃弾3発当てられた。助けがなかったら、もっと危なかったかも。今のままじゃまだまだ弱いから」

「……そう」

 

説得は無駄のようだ。

そう思ったリップルは、サッと身を翻すと、スノーホワイトの足元に滑るように急接近。スノーホワイトはスライディングを回避するが、隻眼のリップルはそれを予測して、飛び上がった足を掴んで叩きつけようとするが、スノーホワイトは受け身を取り、リップルに反撃する。互いに跳び上がり、鉄塔から離れた。

 

「じゃあ九尾。君の相手は僕だ」

「あぁ、遠慮はするなよ」

「そっちこそ、時差ボケで不調なんて言い訳は通用しないよ」

「強くなる為には、こうやって地道に鍛錬積むしかないからな。付き合ってくれてありがとよ、ラ・ピュセル」

「九尾にとって、それが自分らしい仮面ライダーになる為の一歩だというのなら、僕には止められないからね」

 

そうして互いに拳を固めて、ファイティングポーズを決めると、地面を駆けて拳と脚がぶつかると、瞬時に鉄塔下へ。鉄塔の上では狭すぎるし、折角準備してくれたもてなしの品に被害が及ぶかもしれない。そういった配慮のもと、4人は静まり返った街中で模擬戦を始める。その様子を、他の5人は鉄塔の上から見守っていた。

10分後。軽めの組み手を終えた4人は鉄塔に戻ってきた。結果はリップル、そして九尾に軍配が上がったようだ。互いに健闘を讃えながら、一同は変身を解き、トップスピードお手製の、いつもよりちょっと豪華な料理を囲んで腰を下ろした。小雪と大地にとっては、久方ぶりとなる、暖かい料理だった。

 

「……それで、ライア。俺達がいない間、何か変わった事は?」

 

中東での2人の活躍に関する話題も底をつきかけた頃、九尾はこの2年間で魔法の国の住民とコネを築いてきたライアに、自分達が留守の間の事を問いかける。

 

「あぁ。先ずもって、B7098試験場と、B7243試験場で、記録の改竄があったとの報告だ。どちらも事故扱いによる死亡者が多数。試験官はどちらも同じ。近々、同一試験官がB7511試験場で執り行う予定があるらしい」

「なら、手遅れにならないうちに、こっちからしかけるよ。みんなもそのつもりで」

 

スノーホワイトの決断は早かった。ただでさえ中東の一件で、魔法の国から監視の目が強化されようとしている中、彼女は躊躇わなかった。その理由はただ一つ。

 

「次は、選ばなかった事を後悔するんじゃない。後悔する前に、自分で選ぶ。そう決めたんだ」

「……そうだな」

 

そしてその想いは、九尾もまた然り。彼の今ある命は、スノーホワイトの願いが成就した事で吹き返したものである。それを聞かされた時から、九尾は決めていた。彼女が魔法少女として正義の為にしようとしている事を、全力で支援する、と。

 

「……それと、先日脱獄したとされるピティ・フレデリカの件だが、魔法の国の調査団も依然として捜索を続けているようだが、まだ足取りを掴めていない。ただ……、その脱獄を手引きしたとして、2人の存在が確認された」

 

そこでライアは口を閉じ、改まった口調で残酷な真実を告げる。

 

「エージェントの報告が正しければ、その2人の人相と……、大地の兄、そして、蓮二の妹が、一致したそうだ」

「「……」」

 

知らぬ間に拳を握る2人。

ずっと探していた2人が生きていた事は喜ばしいが、よりにもよって敵対している魔法少女の配下に収まっていたとは。数ヶ月前にとある事件を経て顔を見た時、電流が走ったような感覚に見舞われたのは、今でも鮮明に覚えている。

何れは、戦わなくてはならない。その上で手を差し伸べる。そうやって救うしかない。だからこそ、魔法少女を、仮面ライダーを続けよう、と心に誓ったのだ。

そうして重苦しい空気が払拭しかけていたその時、9人の端末から、耳鳴りのような音が鳴り響いた。スノーホワイトや九尾にとっては半月ぶりとなる警報だ。

 

『南西の繁華街でモンスターの反応を感知したぽん。どうやら鉄輪会の連中が狙われてるみたいだぽん』

 

九尾が持つ管理者用端末から飛び出してきたのは、2年前に魔法少女達を唆し、殺し合いへと発展させた元凶のマスコットキャラクター……ファヴに酷似した、電子妖精『ファル』。1年前のとある事件を解決した際、行動を共にするようになったわけだが、ここではその多くを語らない事とする。

 

「やれやれ、今日ぐらいは静かに過ごせると思ってたのに」

「んじゃ、腹ごなしにもう一運動しますか!隼助もイヤイヤ期卒業して大人しくなったから、遅くなっても安心だけどな!」

「でも、心配させちゃマズいからな。さっさと終わらせる!」

 

つばめと正史が奮起する中、他の面々も立ち上がり、9人全員が並び立つ。

 

「(自分の価値観に従って力を振るう。それはきっと、正義とは程遠いかもしれない。それでも私は……、私達は、誰かの望みのためではなく、自分の望みの為に、魔法少女で、仮面ライダーである事を選ぶ。どんな未来でも逃げたりしない。魔法少女として、仮面ライダーとして、これからも立ち向かっていくんだ)」

 

そうして、小雪を中心に、マジカルフォンを、カードデッキを掲げて、腰にVバックルを展開する。

 

「変身!」

 

マジカルフォンをタップした細波華乃は、腕と脚を忍装束に覆われ、口元をマスクで覆われ、下駄から草履に履き変わった、魔法少女『リップル』サバイブに。

 

「変身!」

 

秋山蓮二は、拳を固めた右腕を左に勢いよく持っていき、その反動でカードデッキを装填し、青と金で装飾された、西洋の鎧のようなものを纏い、背中にマントを靡かせている仮面ライダー『ナイト』サバイブに。

 

「変身!」

 

マジカルフォンをタップした岸辺颯太は、両手首にガントレットが付けられ、胸元を初め、腰回りにも鎧が付けられ、脚が龍そのものと化した魔法少女『ラ・ピュセル』サバイブに。

 

「変身!」

 

マジカルフォンをタップした鳩田亜子は、2年前と変わらず、両眼の下に隈を付け、黒い『不思議のの国のアリス』を彷彿とした魔法少女『ハードゴア・アリス』に。

 

「変身!」

 

手塚海森は、右手の親指、人差し指、中指を立ててから、カードデッキをバックルに装填し、仮面や弁髪が金色になり、頭部にはマンタの口ひれ、腕や膝には金色のエイの装飾品がある仮面ライダー『ライア』サバイブに。

 

「変身!」

 

マジカルフォンをタップした城戸つばめは、上腕と腹にアーマーが装着され、ブーツには膝当て、下半身はカボチャパンツ姿となり、首からお守り袋を提げてある魔法少女『トップスピード』サバイブに。

 

「変身!」

 

城戸正史は、右腕を左に突き出し、戻る反動でカードデッキを装填し、炎を現すかのような肩の鎧部分、仮面には龍の髭を模した触覚がある仮面ライダー『龍騎』サバイブに。

 

「変身!」

 

マジカルフォンをタップした姫河小雪は、強さを象徴する黒と、優しさを象徴する白を基調とした、彼女が最も影響を受けた魔法少女アニメのキャラクターを彷彿とさせる魔法少女『スノーホワイト』サバイブに。

 

「変身!」

 

そして、榊原大地は、右腕を後ろに引いてからカードデッキを装填し、白い毛並みの裃と、前の開いた裾、荒縄のように金色の太い腰帯。頬に隈取りが描かれた仮面ライダー『九尾』サバイブに。

彼らの周囲に、契約モンスターであるフォクスローダー、ドラグランザー、ダークレイダー、エクソダイバーが集まると、

 

「ッシャア!」

 

という龍騎サバイブの掛け声と共に、一同は各々の契約モンスターの上に乗り、目的地目掛けて前進する。尚、アリスはラ・ピュセルサバイブ、ライアサバイブと共にエクソダイバーに搭乗する。

向かい風などものともせず、彼らは今宵も、人助けの為に、人類の脅威が待つ戦場へと進んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔法少女。

仮面ライダー。

 

それは、子供達にとって、憧れの存在。

本気でなりたいと思う子達も、少なからずいたであろう。

 

時が経ち、社会のルールに揉まれていくうちに、彼らは気づいてしまうだろう。魔法少女など、仮面ライダーなど、虚構の存在であり、本当になれるものではない、と。

昔見たアニメや特撮の事を語り合う友達も、周りから消えてしまうだろう。魔法少女なんて、仮面ライダーなんて、それらを今でもいると信じるなんて幼稚だ、と嘲笑うに違いない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでも、私達は、夢見ている。

 

この世に、本当の意味で平和が訪れるその時まで、魔法少女は、仮面ライダーは、戦い続ける。

例え目に見えなくても、きっと、そばにいてくれる。支えてくれる。

そう、願うばかりである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜以上が、N市という架空の街で起こった事件の結末であり、『魔法少女』、『仮面ライダー』と呼ばれた人間達の、戦いの軌跡である〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜この戦いに、正義など、ない〜

 

〜そこにあるのは、純粋な、『生きる』という願いだけである〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜その是非を問える者は、果たして……〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜魔法少女&仮面ライダー育成計画 Episode of Miller Rider 〜

 

 

〜完〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





私、「スターダストライダー」が初めて『仮面ライダー』という作品と出会ったのは、『仮面ライダーウィザード』の初回を、ふと何気なく付けたテレビを観て、そのアクロバティックな戦闘、そして物語の緻密さに惹かれたのが全ての始まりでした。そうして仮面ライダーの魅力に惹かれその後も次々と誕生する仮面ライダーに見入り、CSやレンタルを介して過去作も見返すようになり、そうして3年後に出会った作品、それが仮面ライダー『龍騎』でした。9.11同時多発テロがきっかけとなって生み出されたその作品は、子供向け番組とは思えないストーリー展開で、衝撃を受けました。これが朝8時から放送されていたのかと思うと、今では考えられないような、日本政府の気の緩みが感じられました。
『魔法少女』との出会いは、高校の同級生に紹介してもらった、『魔法少女リリカルなのは』が始まりでした。当時は同じ魔法少女ものとして、プリキュアが世間で話題沸騰中だった頃、まだ深夜アニメというものに馴染みがなかった私は、そこで繰り広げられる、笑いとシリアスのマッチング、そしてストーリーの奥深さを肌で感じ取り、ドップリとハマっていきました。以降もまどか☆マギカ等、魔法少女絡みの作品は事細かにチェックしていきましたが、2016年にアニメ化が決定したという広告を見て、その存在を知った『魔法少女育成計画』。
原作を読み進めていくうちに、胸が苦しくなると同時に、『仮面ライダー龍騎』を視聴した時と同じ衝撃を受けている事に気づき、「この2つの世界観は何処となく似ている。もしオリジナル展開も含めて掛け合わせたら、それは途方もない、壮大なストーリーとなるのでは」と思い立ち、それまでハーメルンで執筆していた他シリーズの筆を置き、アニメ放送とほぼ同時に投稿を始めた結果、数多くの方々からコメントをもらい、高く評価してくださる方々が多く、嬉しさが込み上げてきたのは、私にとっての小さな誇りでもあります。

この5年間、スランプもありながらも、私としては連載してから初となる、シリーズ完結まで執筆できたのも、他ならぬ、飽きずに私の作品を読んで下さった方々の支えがあったからに他なりません。出来ればフォロワー登録してくださった方々にも1人ずつお礼を述べたい所ではありますが、文字数の関係上、ただ一言、最後まで応援ありがとう、というコメントで総括させていただきます。ただし、最終回投稿後にコメントしてくださった方々には個別でお礼の言葉を告げようと思います。シリーズは完結しましたが、まだまだご意見、ご感想をドシドシお待ちしております!

それでは、最後になりましたが、改めて5年間に渡ってこの作品を読んでいただいた皆様には、感謝の言葉以外思いつきません。本当にありがとうございました!

『魔法少女育成計画』×『仮面ライダー龍騎』はこれにて完結しますが、同じハーメルンでは、『結城友奈は勇者である』シリーズも連載してますし、pixivでは『リリカルなのは』×『仮面ライダーシリーズ』も執筆中ですので、宜しければ、そちらの作品も読んでもらえるとありがたいです。コメントしてくだされば尚嬉しいです!
また、もし今後魔法少女育成計画シリーズがアニメ化されるようで有れば、その際は正式に別の仮面ライダーシリーズとのクロスオーバーも作ろうと思いますので、続きが読みたい方は、続編が来る事を期待しましょう。

では、また他の作品で皆さんと、コメントのやり取りが出来る日を、夢見て……。


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