魔法少女&仮面ライダー育成計画 〜Episode of Mirror Rider〜   作:スターダストライダー

120 / 144
今季アニメで個人的にWIXOSSと同じくらい、推しの『魔法少女サイト』の泥沼感がハンパないんですが……。
『魔法少女育成計画』と組み合わせたら『ベストマッチ!』どころか『エボリューション!』まで言ってしまうかも(困惑)


116.タイムリミット

N市の大病院内の、とある待合室で城戸 正史は1人、眉間にしわを寄せて座り、壁にもたれかかっていた。近くに『産婦人科』と表記された部屋がある。そこにいる彼女が出てくるのを待つ間、時折ため息をつくその表情からは、普段の彼からは似つかわしくないものを感じさせる。

やがて病室の扉が開き、膨らんだお腹に手を当てながら正史に向かって手を振る女性……室田 つばめが姿を現した。

 

「お待たせ〜! ……って、どしたの?」

「! あ、いや何でも……」

「の割にはイカつい顔してたぞ?」

「そ、そう……? あ、ところで検査の方はどうだった?」

「順調そのものだってさ! ……ただ」

「ただ?」

「ちょっとストレスが溜まってるみたいだって言われてさ。赤ん坊に影響するかもしれないから、なるべく発散するように心掛けろ、だってさ」

「……」

 

2人同時に黙り込んでしまうのも無理はない。ストレスが蓄積された原因を、彼らは知っている。理由は言わずと知れた、数日前に起きた、同じ魔法少女である『たま』の死にある。それも目の前でその最期を看取った事もあり、トップスピードにとってそのショックは計り知れないものがある。事実、たまの死から一夜明けた頃は、休暇を利用してつばめの側に寄り添い、お腹の中の赤ん坊共々、安心させる事に徹していた正史。気分は優れなかったが、それでも子供の事を気遣ってか、ご飯だけはしっかり食べるようにしていた。正史のケアや、本人の持ち前の性格が功を奏し、つばめの機嫌もすぐに良くなった。たまから託された犬の首輪は現在、昇一の写真の隣に飾られており、毎晩必ずご飯を装って置いてある。

ようやく普段通りの調子に戻り、定期検診に出かけるつばめを心配し、動向した正史だが、本人はもう吹っ切れたかのように話しかけてくる。

 

「……けどな、オレだってこのまま引き下がるわけにはいかないんだ。たまがオレらに遺してくれたもんは、絶対に守ってみせるんだ。生き残って、夢を叶えてやるのさ。……そう考えると、オレも悪運強いよなぁ。何だかんだでここまで残れた訳だし、お前やみんなに感謝だな」

 

ハハハ、と自嘲するつばめを見て、少しばかり安心する正史。どうやら思っていた以上に引きずっている気配はなさそうだ。

無論正史も、悔しがってばかりいるつもりはない。たまがそうしたように、自分も他者の幸せを願い、人々を脅威から守る。その為に仮面ライダーになった事を、改めて確認する正史であった。

 

「もう後1ヶ月くらいしたらこっちに移った方が良いって話だから、そろそろ準備しとかないとな」

「そっか。……ッシャア! 俺も張り切って仕事片付けて、育休取れるように頑張るぞ!」

 

魔法少女や仮面ライダー同士の戦いに決着をつける事も大切だが、日常の事も忘れてはならないと言わんばかりに気合いを入れる正史だが、ふと目の前を、見知った人物が通り過ぎた事に気付いて足を止めた。

院内であるにもかかわらず、ニット帽を被っているその少女は缶ジュースを片手に、どこかへ向かっている途中だった。

 

「ん?」

「どうしたんだ正史?」

「今の子……。真琴ちゃん?」

「真琴? 誰だそれ?」

「安藤 真琴ちゃん。マジカロイド44の変身者だよ。北岡さんの所にアルバイトしてる子」

「マジ⁉︎ 北岡ってゾルダだったろ? あいつらペア同士でいつもオレ達みたいに行動してたのか」

「でも、何でこんな所に……?」

 

気になった2人は、気づかれないように、且つ周りに怪しまれないように真琴の後を追いかける。

やがて真琴は、1つの病室に滑り込むのが見えた。

 

「あの部屋だな」

「誰かの見舞いかな?」

 

2人が真琴の入った病室をジッと眺めていると、偶然近くを通りかかった2人の看護婦が、声をかけてきた。

 

「あの……。面会のご希望でしたら受付の方で」

「! あ、いや。ちょっと知り合いがあの部屋に入ってくのを見かけて……」

「あの部屋って……。確か急に倒れて、他の男性によって担ぎ込まれた人が入院している部屋よね?」

「えぇ。本人は単なる疲労だって言い張ってるけど……」

「? どういう事ですか?」

 

看護婦の言い方が気になった正史が尋ねると、周りを見渡して他に人がいない事を確かめてから、正史とつばめにだけ聞こえるように話しかけた。

 

「実はあそこの患者さん、もう助からないって診断されてるのよ」

「「えっ」」

「度々ここの病院に搬送されてて、最近は頻度が高くなってるらしいの。病気の侵攻が早まって、今の医学じゃ、どうしようもないらしいの」

「そ、その事本人は知ってるんですか?」

 

声をうわずらせながら尋ねる正史。看護婦は静かに首を縦に振る。

 

「……でも、不思議な人よね。もうすぐ死ぬかもっていうのに、全然普通で……」

「そうそう。それでもって、弁護士(・・・)の仕事してるわけでしょ? テレビで何度か見かけたし。何だか、死ぬのが怖くないみたいな感じよね」

 

看護婦の、この何気ない一言は、2人に衝撃を与える事となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

安藤 真琴が病室に入り、真っ先に購買で買った缶ジュースを、ベッドに横たわっている北岡に渡した。

 

「サンキュー真琴」

「いえいえ。これくらいバイトの身として当然です」

 

そう言って自身も丸椅子に座って、缶ジュースを開ける。他にもベッドはあるが、2人以外誰もいない為、個室同然だった。

 

「……そういや、最近令子さんと連絡取れてないな」

「事務所には何度か押しかけてますよ。その度に本人は不在だってお返ししてますが。取材したい事が山ほどあるけどってボヤいてましたよ」

「そりゃあ悪い事したな。退院したら、お詫びに食事に誘おうか」

「それがいいですね。あ、もちろん例の事は内密にしてあります」

「サンキュー。令子さんを同情でオトしたくないもんな」

 

封の開いていない缶ジュースの側面をつつきながらそうボヤく北岡。真琴が何かを言いかけて喉の手前まで詰まらせていたその時、扉をノックする音が。2人は目を合わせる。看護婦が様子を見にきたのだろうか。

真琴は立ち上がり、返事をしてから扉を開けると、見知った顔の男性が、見ず知らずの妊婦を連れて扉の前に立っていた。真琴が声をかけるよりも早く、2人はやや急ぎ足で入室する。真琴が呼び止めるも、正史は勢いよく仕切られていたカーテンを開けて、そこに横たわる人物の名を呟いた。

 

「北岡さん……!」

「お前か……。見舞いなら間に合ってるけど? っていうより、妊婦なんか連れてきて、どうしたのお前?」

「そりゃあお前、オレもあんたと同じ世界にいるからな。因みにオレの名は室田 つばめな」

 

そう言ってつばめは、懐からマジカルフォンを取り出し、北岡と真琴に見せた。それを見て瞬時に、目の前の妊婦の正体に気づく北岡。

 

「……へぇ。ますますファヴの事が分からなくなってきたな。子供とや年増の女だけかと思ったら、今度は妊婦と来たか。どんな基準で選抜したのやら」

「そんな事よりも……! 北岡さん。病気の話、本当なのか……」

 

真っ直ぐと見つめながら真剣に問いかける正史の姿が面白おかしく見えたのか、フッと笑みを浮かべながら口を開く。

 

「別に、お前らが気にする事じゃない。蓮二の奴も言ってたぞ。ライダーや魔法少女の世界に同情なんてない。戦って生き残るのに、病気なんて理由にならないんだよ」

「そんなわけないだろ……! っていうか、蓮二も知ってたのか、北岡さんの事」

「はい。前に先生が倒れた時、九尾とナイトに手伝ってもらってここまで運んでもらいましたよ。今回はライアに手伝ってもらいましたけど」

「大地君に、手塚も……」

「そういう事。でもお前らのチームは、お人好しばかりだな」

 

北岡の秘密を知る者は他にもいると分かり、複雑な心境の正史とつばめ。それを見て北岡は鼻を鳴らす。

 

「だからお前らが気に病む事じゃないって。ま、もって後数週間が限界だろうって話だけどさ。命が尽きるまでは、まだ現役で頑張るつもりだよ」

「そんな体で、どうやってこの先……!」

「それが、今の俺だからな。……前にも言ったよな。俺は、自分の欲望だけを愛している。体の事だけが全てじゃない。だから俺は、強くなれた」

「北岡さん……」

 

死が刻々と近づいているにもかかわらず、全くもって恐れる様子のない北岡を見て、息を呑む正史。つばめも、北岡同様に、生きたいという意思だけは誰にも負けないという点では似ていると評価する。

例えその選択が、同じ魔法少女や仮面ライダーの命を奪う事になったとしても、彼は止まらない。生きる事を、諦めない。

 

「そんな凄い覚悟で、北岡さんは……」

「こいつは参ったな。オレにも止められそうにないや。リップルと同じだな」

「別に褒められる事じゃないけどな。じゃないと、ゴロちゃんにも申し訳立たないだろうよ」

「……? そういえば、いつも一緒にいる秘書はどこに? 前から全然会ってない気がするけど……」

 

正史は、秘書である吾郎の姿がない事に気づく。その事を指摘されるやいなや、2人の表情が曇る。

 

「! まさか……!」

 

嫌な予感を察した正史が問いかけようとした瞬間、病室にマジカルフォンから発せられた音が鳴り響く。モンスターが近くに現れたようだ。それもすぐ近くだ。

気配を察して周囲を見渡すと、近くの窓ガラスに素早く走り抜けるモンスターの影が映った。レイヨウ型のモンスター『マガゼール』と『ネガゼール』だ。

 

「正史!」

「! あ、あぁ」

 

つばめに呼ばれ、正史は準備を始める。北岡も変身するべく、起き上がろうとするが、真琴に止められる。

 

「こいつらは私達に任せて、先生は休んでてください。後でキャンディーをお裾分けしますから」

「……なら、そうさせてもらおうか」

 

流石に万全とは言い難いのを北岡も周知していたので、3人に一任する事に。

正史は窓ガラスに向かってカードデッキをかざし、腰にVバックルを展開。つばめと真琴はその両隣に立ってマジカルフォンをタップする。

 

「「「変身!」」」

 

それぞれ龍騎、トップスピード、マジカロイド44に変身した一同は、窓ガラスからミラーワールドへと突入した。

しんと静まり返った病室にただ1人、北岡は腕を後ろに組んでくつろぐ。ベッドの上での生活は暇だと思いつつ、

 

「(……そういや、俺だけじゃなくてあのつばめってやつ、身籠ってるけど、戦いとか大丈夫なのか? ま、本人がそれでいいってんならいいけどさ)」

 

と、相手が女性だからか、それとも同業者だからか、少しばかり他人である魔法少女を気にかける様子を見せる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミラーワールドに突入し、病院を出て、2体のモンスターを追いかけていた3人だが、姿が見えなくなり、立ち止まってしまう。

 

「逃げたのでしょうカ?」

「いや、あのタイプのモンスターとは、前に戦った事がある。だよな、トップスピード?」

「そういやそうだったな。初めてお前と会った時に戦ったやつだ。九尾ともな。思えばあの頃は割と平和だったよなぁ」

 

トップスピードは当時の事を懐かしんでいる様子だ。

 

「とにかく、あいつらスッゲェ素早いからな。遠くから一気に攻撃してくるから、気をつけろよ!」

「ハハァ。先人の知恵ってやつデスね」

 

その後も警戒しながら前に進む3人。反応は、まだ途切れていない。

そしてその時は、いきなり訪れる。

 

「! 来たぞ!」

 

龍騎が叫んだ時には、マガゼールとネガゼールは屋根の上から飛び降りて奇襲を仕掛けてきた。横に飛んで回避する3人だが、向こうも素早く対応し、龍騎とマジカロイドに飛びかかり、地面に押し倒すと殴りつけた。

 

「龍騎! マジカロイド!」

 

トップスピードがマジカルフォンをタップし、ドラグセイバーを持ってラピッドスワローに跨り、高速で斬りつけて2人を助ける。

 

「た、助かった……!」

「また来るぞ!」

 

2体のモンスターが態勢を立て直して攻め上がってきたのを確認したトップスピードは、ラピッドスワローの力で振り切ろうとする。モンスター達はトップスピードの素早い攻撃を警戒しているからか、真っ先に倒そうと飛び上がり、ラピッドスワローにしがみついてバランスを崩そうとする。

 

「おわっ⁉︎」

「トップスピード!」

 

『ADVENT』

 

ドラグレッダーを召喚し、すぐさまトップスピードの救助に入る。どうにかして事なき事を得た2人の元へ、休む間も無く物理的な攻撃を仕掛けてくるネガゼールとマガゼール。マジカロイドもその華奢な体型を活かして飛び蹴りをくらわせたりするが、いかんせん攻撃力が高くなく、すぐに押し返されてしまい、地面を転がる。

 

「ったく! 本当に同じパターンだなこいつら!」

 

だが、ワンパターン戦法しかとってこないからこそ、動きも読みやすくなり、次第に龍騎とトップスピードの回避が上達していった。加えて、今の龍騎とトップスピードは、更なる力をその身に宿している。守りたい人を最後まで守り抜くという、炎のように強い意志を象徴する力が。

 

「ここが使い所だな! 龍騎!」

「あぁ!」

 

『『SURVIVE』』

 

龍騎はドラグバイザーツバイにサバイブのカードをベントインし、トップスピードはマジカルフォンをタップし、ホルダーに嵌め込む事により、それぞれ龍騎サバイブ、トップスピードサバイブへと進化。

龍騎サバイブは、依然として苦戦を強いられているマジカロイドを助けるべく、ドラグブレードを展開し、

 

『SWORD VENT』

 

「ハァッ!」

 

ドラグブレードから炎の刃を飛ばす『バーニングセイバー』がマガゼールに炸裂し、吹き飛ばされた。助けられた事に驚くマジカロイド44。龍騎サバイブは隣に立ち、口を開いた。

 

「北岡さんが、ゾルダが、今まで何を背負って戦ってきたのか、全然分からなかったけど、分かった今なら、あの人がここまで残れた理由も、その為の強さの秘訣も、分かる気がする」

「龍騎……」

「大切な人が、親しかった人が死ぬのは悲しいよな。俺も同じ気持ちになった事もあるし、こないだもそうだった」

 

でも……。

龍騎サバイブの右拳は強く握られている。

 

「だからって、立ち止まっていい理由になんかならない……! いなくなった人達の無念を背負ってでも、やらなきゃいけない時があるんだ……! 北岡さんがそうだったように、俺にだって……! 欲望みたいなものがある! それを叶える為に、俺は、最後まで戦う! 俺自身を、勝ち得る為に!」

 

[挿入歌:Revolution]

 

『FINAL VENT』

 

「そうこなくっちゃな! オレだって、託されたもんを粗末にする気はねぇんだ!」

 

トップスピードサバイブも同じように決意を固め、マジカルフォンをタップし、ドラグバイザーツバイを召喚する。ドラグランザーが迫ってきているのを見て、本能的に危険を察知したマガゼールは逃走を試みようとするが、

 

「! マグナギガ!」

 

マジカロイドがパートナーの契約モンスターを呼び出し、その巨体がマガゼールの行く手を遮る。現れたドラグランザーに尻尾で叩きつけられ、動きが鈍くなるマガゼール。そして今度は龍騎サバイブがドラグランザーの背中に乗り、ドラグランザーはバイクモードに変形。地面に降り立つと、トップスピードサバイブが龍騎サバイブの後ろに飛び乗る。そのままマジカルフォンをタップし、ドラグブレードに炎を宿す。狙いは、狼狽えているネガゼール。

一方、ある程度回復したマガゼールも起き上がって逃げようとするが、その前にマジカロイドが立ちはだかり、魔法を行使して未来のアイテム『超高性能ワイヤー』で縛り上げると、ギガランチャーを構えて照準を定める。

 

「どこへお逃げになるつもりデスか?」

 

これで終わりだ、と言わんばかりに引き金を強く引く。ギガランチャーから放たれた一撃は、一瞬でマガゼールを蒸発させた。

そして龍騎サバイブもウィリー走行をしてドラグランザーの口から火を放ち、ネガゼールの逃げ場をなくす。

 

「ウォォォォォォォォ!」

 

そこへ後方に乗っていたトップスピードサバイブがドラグブレードを振り回して、『バーニングセイバー』でダメージを与え、トドメは『ドラゴンファイヤーストーム』で踏み潰し、ネガゼールを撃破。

 

「ッシャア!」

「やったぜ!」

 

バイクから降りて、ハイタッチする龍騎とトップスピード。その様子を、マジカロイド44は静かに呆れつつ、されど羨ましそうな雰囲気で見つめていた。機械で出来た顔面では、表情の変化は読み取れないが……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうかい。あの後2人は帰ったか」

「はい。先生にはお大事に、と言伝を」

「あいつららしいな。おまけにマジカルキャンディーまでくれるなんてさ」

 

ジュースを口に含み、喉を潤す北岡と真琴。

戦いの後、正史とつばめはそのまま病院を後にし、知り合いが勤めている喫茶店で昼食を済ませると言って立ち去った。帰り際、2人は真琴のマジカルフォンに、獲得したキャンディーの半分を転送した。北岡に分け与える分だと彼らは言っていた。

 

「……ところで、真琴から見て、城戸はどうだった?」

「どうと言われましても……。最初に会った時と変わってない感じでしたね。アホみたいに前向きで、眩しいと言いますか……」

 

でも、それが彼らしいですけどね、と付け足す真琴。

 

「へぇ……。俺が休んでる間に3人も死んだから、それなりに堪えてるかもと思ってたが……。やっぱりバカは立ち直りが早いね」

「でも先生。確かに彼はバカですけど」

「俺やお前よりマシな人間、でしょ?」

 

真琴の心情を代弁する北岡。奇しくもそれは、蓮二が事あるごとに正史に対する評価と酷似していた。

 

「ま、ここまで来たんだし、ちょっとは認めてやっても良いかもな。奴がライダーだったのは、俺達にとって得だったのか、損だったのか……。真琴はどう思うよ?」

「私は……。よく分からないですね。あの人の考えは、浅倉以上に読めないと思いますよ、多分」

「それな」

 

互いに意見が一致したのが面白かったのか、病室に笑いが生まれた。多分、こうやって笑っていられる時間も、これが最後かもしれない。タイムリミットが迫る中、少しでも北岡が北岡らしくいられるよう、吾郎から託されたものを守ろう、と決意を新たにする真琴であった。

 

 




『リリカルなのはDetonation』の公開日が10月19日と発表されましたね! 前編の『Reflection』が凄かったので、どうなって行くのか、凄く待ち遠しいです!
また、それに際してpixivでも投稿しているリリカルなのはシリーズの新作を、ハーメルンでも活躍しているユーザーさんとコラボして投稿して行く所存ですので、そちらの方の応援もよろしくお願いいたします!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。