絶望依存症の彼女は希望を求める   作:二次元ラブ100%

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私の決意は絶望的に固い

6時限目も終わり、放課後となった。

雨は通り雨だったらしく、雨は止み、屋上にはさんさんと太陽が照りつけていた。

 

「…………さてと」

 

奉仕部へいこう。私にはそれしかない。寒いし。

奉仕部に行きづらいけど、でも、比企谷くんは何かしようとしてくれている。絶望の私にすら何かしてくれている。

それが、ちょっぴり嬉しかった。

 

そして、奉仕部前。

私が考え抜いた結果、私は、部室にいく。

決着を、今からつけにいく。

 

「ふぅ……」

 

一つ深呼吸をして、ドアを開けた。

中には由比ヶ浜さん、雪ノ下さん、比企谷くんがいて、三人とも違うことをしていた。

そして、前と違うのは生徒会長さんがいることだった。

一色いろはが、部室にいた。

 

「来たか」

「誰ですか?先輩この女」

「一色。とりあえずでていけ」

「えーなんでですかー?」

「部外者のお前がいたらこいつに悪いだろ」

「別にいいと思いますけど。結衣先輩どう思います?」

「あはは……。あまりいない方がいいと思うけど」

「そう、ですか……」

「…………本人がいたいというのなら、居させてあげればいいんじゃないかしら」

「そ、そうです!私はまだいたいし、もしかしたら私にも手伝える事あるかもですし、まだちょっといさせてもらいますー」

「あ、そ」

「…………座りなさい、神谷さん」

「…………」

 

席にまで向かい、座る。目の前には由比ヶ浜さんが、私から少し離れて座っていた。

いや、離れているというより引かれているのだろう。

 

「神谷。お前はなぜここに来た」

「…………」

 

私は変わろう。そんなことを決意した。

屋上で考えていて、どう足掻いても私は希望を求めている。自分は絶望から抜け出したい、そう思っている。

 

「…………もう一つ、依頼がしたい」

 

言葉を必死に探し出す。

それでも言葉は見つからず、私の目があちらこちら見るばかりだった。

 

「私を見つけると共に、私を絶望から抜け出させてほしい」

 

これが私の依頼。絶望すんのはもう疲れた。

自分は変われる、なんで思ってはいないし、救われるに値しないのはわかってるんだ。それでも、変わりたい。希望までは行かずとも絶望からは抜け出したい。

 

「…………お前が今まで何をして来たのかわかってるのか」

「わかってるよ。それは謝る」

 

席から立ち上がり、地面に膝をつける。そして、頭を地面に擦り合わせた。

 

「ごめんなさい」

 

これは奉仕部に向けて。私が初めて変わろうと決意した瞬間だった。

 

「…………私はまだ怒っているのよ」

「わかってる。許されないし、自分はそういうことをしたと思ってる。あなたが望むなら今ここで死んでもいい」

「その考えはやめなさい。あなたに死を望んでいるわけではないわ」

「そ、そうだよ……。私たちは別に……」

「由比ヶ浜。優しさはいい。自分が思ってることを素直にぶつけるんだ」

「えーと、状況が飲み込めないんですけど……」

 

どんな言葉も真摯に受け止める。

それが私の受けるべき罪科であり、罰だ。

 

「えーと……私は別に」

「由比ヶ浜さんは優しいんだ……」

 

優しい由比ヶ浜さんは、私を糾弾しない。それは情けだ。同情だ。私はそんなものいらない。

私は優しい人は嫌いだ。

 

「はあ……」

「比企谷くんは言いたいことないのかしら」

「まあ、俺はねえよ。俺も、理解はできるしな」

「そうね、思考回路がまるでおんなじだものね」

「ちょっと?俺絶望堕ちしてないからね?」

「ナチュラルにディスられてる……。なんて絶望……」

「おい」

「あ」

 

自然と口から絶望という言葉がでてきた。

 

「まあ、あれだ。こいつと俺は似てんだよ。ぼっちで、捻くれてる」

「この人は捻くれてるというレベルではないのだけれど……」

「まあ、違うとこといやあこいつは救いを求めてんだよ」

「そう。それで、神谷さんはどうしたいのかしら?」

「私の更生をしてほしい」

「そう。なら、奉仕部に入部することね。平塚先生から許可証を貰ってくるわ」

 

雪ノ下さんが、部室から出て行った。

 

「あのー……私忘れてませんか?」

 

 




いろはす空気っ

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