ジパング×艦これ ~次元を超えし護衛艦~   作:秩父快急

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 無事に新年を迎えた護衛艦みらい。新年初任務は、敵の通商破壊作戦となった。その為みらいは一路、佐世保へ向かう。


敵通商破壊作戦
航跡71:佐世保へ


 

1月7日

 

護衛艦みらいは、同行する あまぎり ちくま と共に任務に当たる艦娘達を乗せ横須賀を出港した。今回も第六駆逐隊のメンバーは護衛艦みらいに乗船している。まるで遠足に出掛けるかのような様子に、見ていたみらい乗組員はヒヤヒヤする。今回の作戦は自国の補給ルートの確保と、敵の通商破壊が目的だ。紀伊半島沖合に差し掛かった頃、空は綺麗な夕焼けになり日没を迎えた。艦橋に射し込む夕焼けの光。護衛艦みらい以下、3隻は西に向かい進行する。その頃横須賀鎮守府では…。

 

 1730 横須賀鎮守府 執務室

 

 柏木提督が本部からの資料をまとめていた。今日の秘書艦は飛龍だ。

 「提督、お疲れ様。お茶淹れたよ。」

 「おっ、ありがとう。」

 飛龍が淹れたお茶を飲む。昼食後から書類と向き合っていたので流石に目が疲れた。ふと、飛龍が机の上にある資料に気づく。赤い[緊急事項]という印が付けられた資料の表には、[敵深海棲艦 夜間空襲未遂事件について]と書かれていた。

 「提督?これって…。」

 「ああ、その資料か。空母の君なら読んで構わないよ。」

 と、柏木に言われて執務室のソファーに座り読み始める。それから大体、20分位たった頃…。飛龍が呟いた。

 

 「…これって、私たち正規空母じゃ対処できないかもしれないし。夜間空襲となると、危機感が上がったよね。」と、話す。

 「うちの鎮守府だと、夜偵はあるけど数は少ない。夜間の空中戦が出来る いぶき が居るが、搭載できる機体には限度がある。我々よりも深海の戦闘能力が上がるペースが早いかもしれない。」柏木は飛龍にこう話した。

 

 陸海空合同の幹部会議が明日、国防省で開かれる。先日の空襲に対応した柏木は重要参考人として出席予定だ。飛龍が話を聞くと、

 「提督も大変だね。昼間は私たちが対処できるけど…夜間のことも考えないといけないね。」

 「ああ、横須賀は首都防衛の要だ。敵を見逃す何てことはできない。」と、柏木はお茶を飲みながら話した。

 

 1月8日

 

 みらい以下、護衛艦3隻は瀬戸内海から関門海峡を通過し夜遅く佐世保鎮守府に到着した。

 

 「ふぅ、やっと着いたな。」

 と、尾栗が呟く。明日は佐世保鎮守府にて作戦会議を行い、10日に出撃予定だ。角松や岸を始めとする各艦長は艦から降りて佐世保鎮守府の提督の元に向かっていた。

 「今度の作戦は対潜戦闘になるとお聞きしましたが、航海長はどう思いますか?」ふと、片桐が話しかけてきた。

 「大丈夫さ、みらいには最新式ソナーが付いているし…。元々、海自は対潜重視の戦闘対策を立てていたからな。駆逐艦娘達も居るし大丈夫だろ。」と、尾栗は笑顔で話した。

 

 2130 佐世保鎮守府 執務室

 

 「はるばるご苦労。我が佐世保鎮守府の提督。名原だ。」眼鏡を掛けたやせ形の男性が自己紹介をする。勿論、同行している艦娘達も挨拶に来ている。

 「簡単だが、我が佐世保鎮守府はおもに東シナ海と日本海西部を始めとする九州・沖縄地方の海域防衛を行っている。横須賀の柏木君から聞いているだろうが…。最近、対馬沖付近で敵潜水艦が目撃されている。現時点で大きな被害は出ていないが…。今のうちに叩いておかないと大変なことになる。それで、あなた方に協力を求めました。」と、名原提督はこう話した。今の佐世保鎮守府の運営は沖縄地方や台湾沖合での敵勢力の駆逐に手一杯の状況。その為、横須賀から角松達が派遣されたのだった。

 

 2230

 

 会議が終わり、各艦に戻る。

 「ふぁ~。名原提督の話長かったぁ。」

 と雷が呟く。第六駆逐隊のメンバーは皆、眠そうな顔をしている。(暁はもう半分寝ていて意識朦朧…。)第六駆逐隊のメンバーは帰艦し自室に戻ったあとすぐに寝てしまった。一方、あまぎりに戻った せとぎり と ゆうぎり は、あまぎりの後部甲板で夜間発着艦訓練をしていた。艤装の甲板から艦娘サイズのSH-60Jが離発着を繰り返す。

 「よし、夜間の離発着もOK!これで大丈夫だね。」と、ゆうぎり が せとぎり に声をかける。時刻は0030。艤装を外して赤く照らされた艦内を歩き自室に戻る。

 

 「せとぎり、先に寝るよ。」

 と、ベットでゆうぎりが話す。

 「うん。おやすみ~。」

 せとぎりは自身のSH-60Jの調整を妖精さんに頼んでいた。少し、レーダーの映りが悪かったからだ。作戦開始は10日。各艦娘達は戦いに備えて休息を取っていた。

 

 


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