ジパング×艦これ ~次元を超えし護衛艦~   作:秩父快急

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航跡53:システム改修工事

 

 9月30日

 

 新たに国防海軍の護衛艦として運用が始まった元海上自衛隊イージス護衛艦 みらい は停泊していた埠頭から湾内のドックへ移動していた。今日から11月15日までの日程で、イージスシステムのアップデート工事が行われるのだ。CICではイージスシステムの電源を落とす作業が行われていた。

 「よし。機密データの保存完了。システムの電源落としますぜ。」

 青梅が防衛省向け機密データの保存を行っていた。これは、仮に元の世界に戻ったときに防衛省へ提出するためのものだ。そして、遂に護衛艦みらいの心臓部であるCICの電源が落とされる。

 

 ヒュュュュンンンン…。

 

 遂に海上自衛隊時代から使い続けていたイージスシステム ベースライン4-J1型の灯火が消えた。モニターの画面が消えててCICの中は非常灯だけになる。

 

 パチッ!

 

 普段は一切、使用しなかった通常の蛍光灯の明かりが点く。モニターだらけで機械的なCICが明るく灯される。

 (こんな中で俺たちは戦闘していたんだな…。)

 と、室内を見ながら菊池は心の中で思っていた。

 

 1300 横須賀鎮守府ドック

 

 みらいが入ったドックの水が抜かれていく。CICのイージスシステムのアップデートと共に、船体の大規模改修工事が行われることになったからだ。調べると、前回のキスカ島沖合での戦闘で至近距離で敵弾が爆発した影響なのか…。僅かながら、船体に軽微な歪みが発生していた。また、いままで使ってきた艦積機の海鳥とSH-60Jも大がかりなオーバーホールを受けることになった。護衛艦みらい艦内では各隊員達が交替で修繕作業に当たり始めた。船体のあちこちから修繕作業による火花が飛び散る。一部は塗装を剥がしてフレームの修繕を行うなど大がかりな工事だ。勿論、みらいの乗組員達だけでは修繕出来ない箇所もある。狭くて入れない場所やイージスシステム内部の配線作業はなんと、妖精さん達の力も借りて行われる。他にもエンジンの修繕作業には夕張や明石が協力し、作業が行われた。

 

 10月1日 1230 横須賀鎮守府 食堂

 

 今日から3日間、護衛艦みらい艦内の食堂は設備点検の為に使えない。その為、乗組員の大半は鎮守府内部の食堂へやって来ていた。

 

 「あっ、尾栗さん。こんにちは。」

 「おっ、吹雪じゃねーか。お前も昼飯か?」見ると、吹雪は姉妹の白雪 深雪 と一緒にお盆を持っていた。

 「あの…。よかったらご一緒しませんか?」

 

 「あのあとのキスカ島撤退作戦…。大変だったんですね…。」

 「あぁ、ル級が2隻も居たからな。運良く1隻からは逃げ切ったけどよ。1隻とは真っ向勝負になってな。なんとか無力化したけど梅津艦長が大怪我して艦長が洋介…。じゃなくて、角松に変わったんだ。」

 「梅津艦長…。怪我の具合はどうなんですか?」と、吹雪が心配げな声で訊ねる。尾栗は命には別状ないから大丈夫だと伝えた。

 「っかさー。あたしらもなんか手伝えないものかなぁー?」

 と、深雪が嘆く。流石の艦娘達もCICには限られた艦娘(海上自衛隊艦娘等の現代艦)のみしか許可を得ないとCICには立ち入れないからだ。「それには艦長の許可を得るしか無いだろうなぁー。」と、苦笑する尾栗。後日聞いた話だが、どうやら深雪は前回乗艦したときに食べたカレーをまた食べたかったらしい。

 

 その頃、明石と夕張が管理している工場では…。

 「えーと、追加のミサイルは…。ハープーンミサイルが10機にシースパローが25機 トマホークが10機にアスロックが15機…。うわぁ…。資材の消費凄いなぁ()」と、搭載予定のミサイルを表で見た夕張が驚いていた。最終的には国から下りるとはいえ、既に数億円単位の金額だ。ボーキサイトや燃料の消費も正規空母 赤城 並みの消費の悪さである。護衛艦みらいのオーバーホールのお陰で一気に貯蔵していた資材が減る。それには柏木も苦笑いだった。

 

 




イージス護衛艦…。元々、燃費が良くないというのは聞いてましたが。その上対空ミサイルとかも結構使っていたので、ボーキサイトや鋼材の消費が凄そうですね( ; ゚Д゚)…。これには流石の柏木提督も苦笑いのようで、大淀さん達経理担当が大変なことになりそうです(笑)

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