ジパング×艦これ ~次元を超えし護衛艦~   作:秩父快急

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遂に裏で動き始めた草加少佐…。草加のジパング計画を阻止するため角松とみらいは、中国大陸の新満州国へ向かう。一方、横須賀鎮守府では敵の動きについて気になることが起きていた。


航跡40:報告

 

 8月14日 1000 横須賀鎮守府提督執務室

 

 「提督。沖ノ鳥島沖合での海底構造物についての調査経過第一報が届きました。」柏木の元に大淀がやって来た。手元にはUSBと第一級極秘事項と書かれた書類があった。

 「すまんな大淀。」柏木は資料を受けとるとUSBをパソコンに繋ぎ資料を見始めた。

 

 「こ、これは…。」

 

 

 1130 みらい艦長室

 

 みらいと角松達三人の姿は艦長室にあった。

 「…やはり、みらいさんが言った通りになってしまったか。」菊池は先日の角松から受けた報告を聞いて呟いた。

「やはり、我々の世界とこの世界には接点が無さそうだ。今後、この解説本の通りに物事が動くかどうかも分からなくなった。」梅津は三人に伝えた。

「私が想定していたよりも物事が進むのが早いです。もしかしたら…。」

 

「あいつのせいか…。」

 

 角松はある確信を持っていた。それは戦死するはずだった草加少佐の動きだった。彼はこの艦の事も、この世界がゲームの世界である事も…。その上、この先起こりうる事象も全て把握している。

「艦長、草加少佐の追跡を具申します。」角松が発した言葉は草加少佐の身柄確保を提案するものだった。

「しかしなぁ、副長。草加少佐が関わっていると言う確証はあるんですか?」と、尾栗が尋ねてくる。だが、「奴の行動には不可解なところが多い。マリアナで東京行きの飛行機に乗ったのも事実だ。奴が、何を企んでいるか…。それを調べる必要がある。」

「洋介…。覚悟は出来ているんだな?」

「ああ。」

 

 「艦長、草加少佐の追跡許可を願います。」

 

 「私も同行させてください。」と、みらいも角松と行動を共にしたいと具申してきた。

「この件、私にも責任があります。ご一緒させてください。」角松は梅津艦長の判断に任せることにした。すると…。

 

 コト…。

「…副長、みらいさん。これを持っていきなさい。使わないのが一番なのだが…。」と、9ミリ拳銃を2丁差し出した。

「副長、覚悟は出来ているな?」

「ハッ。」

「草加少佐の動きがつかめ次第、我々へ報告を頼む。」

「了解しました。」

 

 午後、角松の姿は鎮守府の資料室にあった。

「草加少佐の行方ですか?」

「ああ。あいつを追いかけたいんだ。」

「分かりました。すぐに調べます。」角松が声をかけたのは同じ部署に勤める津田だった。

「しかし、なぜ急に草加少佐の事を?」と、津田が尋ねたが詳細は機密事項であると角松は話した。津田がパソコンを使い調べると、草加は朝鮮半島…。旧中国領 新満州国 新京へ向かっている事が分かった。

「新満州国か…。津田、新満州国への行き方は?」

「現在の状況では、福岡まで出てそこから船ですね。草加少佐も同じルートだと思います。しかし、国内の空路はほとんど軍優先になっているので…。鉄路で福岡まで行くしかないですねぇ。」

「それはどのくらいかかる?」

「明日の朝、出発すると仮定して福岡到着は3日後になります。」

「分かった。3日のロスか…まずいな。」

「私の方から、新満州国駐在の士官に連絡を入れておきます。あと、切符の手配も…。」

「すまない。頼むぞ。」

 角松は津田にお礼を言い、停泊中のみらいの梅津艦長の元へ向かった。

 

「新満州国か…。長旅になりそうだな。」

「ええ、私が艦を離れる間よろしくお願いします。」角松は梅津に向かって深々とお辞儀をする。

「言っても、覚悟は変わらんな。」

「これは私と草加の問題です。原因を作った私自身が、責任を取ります。」

「副長の判断もいいが、みらいさんも連れていきなさい。何かったら役に立つだろう。」梅津はみらいを同行させることにした。最後に…。

 

「何があっても戻ってこい。この艦がお前の故郷だ。」と、梅津は角松に話した。

 

 

 

 


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