ジパング×艦これ ~次元を超えし護衛艦~   作:秩父快急

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新年あけましておめでとうございます。急行奥秩父です。ガダルカナル攻防戦の途中で年明けとなってしまいました(汗)なんか、中途半端なところですみません…。今年も、ジパング×艦これ[時空を越えし護衛艦]の執筆を進めていきますので本年もよろしくお願いします。



航跡25:自衛隊の戦い ガダルカナル攻防戦~行動~

7月23日 0600 ガダルカナル島 アビヤ北西10キロ

 

沿岸には大量の深海棲艦部隊が上陸に向け南方棲鬼を中心に着々と準備を進めていた。

「…ここを制圧すれば、南太平洋は我が物となり人類は窮地におかれるだろうが…。」と、島を見上げる。そこに見えていたのは、人を寄せ付けぬ密林と化した巨大な熱帯雨林だった。

「果たして、この自然も我々の敵になるのかどうか…。」と、呟きつつガダルカナル島へ上陸した。

 

ドオン ドオン

 

深海棲艦に対抗しようとしているのか…。国防陸軍の90式戦車が砲撃を加える。それに加え、島の反対側にあるレーダーサイトより88式地対艦誘導弾が降り注ぐが…。もはや断末魔の様な形となり、時より攻撃はあるものに…。いつの間にか射撃は中止された。丸一日にかけて続いた砲撃が終わり、辺りが再び夜の静寂に包まれた頃。上陸した深海棲艦の様子を高台から見ていた角松達は作戦準備をしていた。

「…やはりあの攻略本通りになりましたね。」と、しらね が呟いた。

「んじゃ、こいつの出番と言うわけだ。」と、尾栗がリュックサックからある装置を取り出す。持ってきた装置はミサイル誘導用の赤外線レーザー照射装置だった。「それでどう見つけるんです?奴らの補給品。」と、榎本が角松に尋ねる。

「…ああ、出来る限り接近して様子を探る。0230までに何としても奴らの補給物資を探すんだ。」

角松の指揮のもと各員が敵の拠点近くへと静かに向かった。途中、幾つもの逃げ遅れたり戦って亡くなった国防陸軍や国防海軍、米軍の兵士達が転がっていた。 その光景はまるで地獄絵図だったと、帰艦した しらね が話した…。

 

 

同時刻 ガダルカナル島 宮崎台通信所

 

ザザザッーザーーザザッ

 

「…棟方隊長。ダメですね…。完全に妨害されています。」無線機を操作する通信兵か話す。国防陸軍が通信設備として修復の上使用していた建物は、太平洋戦争時に旧日本軍が利用していた宮崎台の基地だった。辛うじて空襲を逃れた鉄筋コンクリート製の建物を国防陸軍が補強の上利用していた。

「くそっ!通信設備までやられたか。」と、棟方は机に八つ当たりする。この宮崎台通信所まで来るまでに部隊の35%が失われていたのだ。その上、負傷した隊員も多く…。ここで新たな戦闘が起きたらとても対抗できる状態ではなかった。「輸送に使える車両も残っているのは、高機動車数台と輸送用の中型トラック3台か…。」通信所の窓から外を見ると死に物狂いで逃げてきた隊員50数名と米海兵隊20名程度が居た。

「ここからどうするかだ…。」

 

7月24日0100 ガダルカナル島 深海棲艦拠点

 

ある電文が、深海棲艦の部隊の元へ届いた。

[南方棲鬼につぐ、こちらは海上自衛隊。本日0300に飛翔弾(ミサイル)による警告を行う。あなた方の命を奪う前に、まずは食料を奪う。なお、本作戦名はサジタリウス。]

「サジタリウス…。人の世界では、射手座と言うらしい。警告にしては洒落ているな。」と、部隊の仮設の建物内部で笑う南方棲鬼。しかし、内心では…。

(なぜ、上陸した部隊が我々の部隊だと知っている…?)と、違和感を抱いていた。

 

拠点近くから暗視スコープで観察していた尾栗が、敵の補給品の中で何かを見つけた。

「しらねさん?ちょっといいか?」

「はい…?」

「あの箱って…。火薬なんじゃないのか、」

尾栗の言葉に しらね は頷いた。

「副長、あの右奥に積まれている箱…。しらね によると、火薬だそうですよ。撃ち込むなら派手にやってあいつらの度肝を抜いてやりましょうよ!」と、尾栗が具申したが角松は…。

「…尾栗。仮にあの量の火薬を吹っ飛ばしたらどうなる。」と、静かに話始めた。

「そりゃ、沖合いにいる他の深海棲艦にも分かるし…。運が良ければ、敵にダメージも与えることが出来る。」

 

「ホントにそんなこと思っているのか…。」

「えっ?」

「奴らに捕まっている隊員が居る可能性もゼロではない…。しかも、弾薬を吹っ飛ばした場合…。敵をさらに刺激する可能性もあるんだぞ。」と、尾栗に怒りはじめた。

「俺らはドンパチやりに来たんじゃない。奴等をこのガダルカナルから撤退させるために来たんだ。梅津艦長も言っていただろ、何としても専守防衛を貫け…。我々は自衛隊なんだと。」と、監視しながら角松が話す。「ですけど、この作戦中に敵と銃撃戦になった場合どうしますか?」と、しらね が訪ねてきた。「その時は、敵が深海棲艦だろうが日米両軍だろうが…。この5人全員の命を優先する。いいな!」

 

 

0230 [みらい]CIC

 

CICでは菊池や梅津艦長の他、艦娘の みらい としらせ 白雪 の姿があった。

「艦長、作戦開始まであと25分です。いまだに、副長達から敵の補給品発見の報告がありません。」

と、腕時計を見ながら菊池が話す。

「━こちら、角松。敵部隊の物資を発見した。」と、突如放送が入る。

「━了解した。敵の陣営は…?」

「━現在、敵部隊は沿岸部より徐々に内陸へ進行中。ただし、先遣部隊と思われ本隊は依然海岸に留まっています。」と、報告を受けながら、菊池は地図に配置を書き出す。

「━で、目標は見付かったか?」

「━目標は本隊右後方海岸線付近にあり、敵部隊は現在、陣地を形成中。」

「━了解。」

 

「艦長、まもなく攻撃開始時刻です。」

「了解した。攻撃準備を…。」

梅津艦長の指示を元に菊池が攻撃準備を始める。

「右舷ハープーン装填。射撃準備。」右舷ハープーンミサイル発射管に無弾頭のハープーンミサイルが装填される。

 

同時刻 上陸部隊

「…0250。あと5分で攻撃時刻です。」しらね が時計を見ながら答える。辺りは、昼間の砲弾の嵐を感じさせず。静かに虫が鳴いていた…。

「榎本、レーザーの照射準備を…。」

角松はレーザー誘導によるハープーンミサイル終末誘導の準備を指示した。

「いよいよか…。頼むぜ雅行…。」と、尾栗は空を見上げながら呟いた。

 

0253 [みらい]CIC

ハープーンミサイルによる攻撃開始まであと2分を切ったとき…。梅津艦長はあることを考えていた。

(あの本の通りに進むガダルカナル侵攻…。我々のこれまでの行動はこの世界の歴史を変えるかどうか分からなかったが…。これから行う作戦は明らかに大きな分岐点を作り出すだろう我々が居た世界とこちらの世界…。繋がりを絶つことになるだろうな…。)

 

「0255!艦長、時間です。」と、菊池が時刻を伝える。

 

「ハープーン攻撃始め!」

 

バシュュュー!!!!!

右舷ハープーンミサイル発射管から勢いよくハープーンミサイルが煙と共に放たれる。みらい上空でで進路を変え、深海棲艦の元へ向かっていった。

 

 

 

 

0300 深海棲艦 上陸地点

 

「やはり、ブラフだったか…。」

南方棲鬼が見つめる空には綺麗な星空が輝いていた。だが、沖合の深海棲艦はハープーンミサイルを発見していた。

 

キィィィイイイイン

 

「ナ、ナンダアレハ…。」

猛スピードで海面スレスレを飛行するハープーンミサイル。すると、突如急上昇し南方棲艦の居る方向へ向かっていった。

 

キィィィイイイイン

 

聞き慣れないエンジン音が聞こえ、空を見上げると…。そこには突入体制に入ったハープーンミサイルがあった。

 

「ヒュ~。来たぜ…。」尾栗が空を見上げながら話す。「よし、いい子だからこっちに来て…。」と、レーザー誘導をしながら榎本が呟いた。

 

ヒュュュュウウウウンンン …。 ボッカーン!!!

 

レーザー誘導のお陰で深海棲艦の補給物資にハープーンミサイルは見事着弾した。暗視スコープを外しながら角松が「榎本、よくやった。」と、誉めた。「まさか、こいつがこんなところで役に立つとは思いませんでしたよ。」と、笑いながら榎本は話した。「あとは、南方棲鬼がどう動くかですね。」

再び しらね は暗視スコープで観察を開始した。その頃[みらい]CICではハープーンミサイル着弾の報せを受けホッとした空気が流れていた。 だが、その静寂はすぐに破られることとなった…。

「ん?レーダーに反応…?」

「マライタ島の影でレーダーが届かなかったか。」と、調べ始める青梅…。だか、それは本に載っていなかった艦隊の影だった。

「ガ島北西より、艦隊接近中!IFF反応あり国防海軍の船です!」と、モニターを見ていた青梅が叫ぶ。

「何ぃ!?」菊池の一声でCICに緊張が走る。レーダーには、国防海軍の艦隊が単縦陣で表示されていたが…。その旗艦の表示が[BS-01]と表示されていたのだ…。このときの[みらい]のデータには、BSという艦種別は入力されてなく…。不明艦として処理されていたのだ。

「艦長、一刻を争います。SH-60Jにて現状確認を!」と、菊池が具申し梅津は「危険だがやむを得んな…。発艦を許可する。」と、SH-60Jに現状確認の為緊急発艦を依頼した。

 

0315 [みらい]後部甲板

 

「ったく、機体整備が終わったと思ったら…。もう、発艦かよ。戦場ってのは忙しいねぇ~ 」林原は愚痴を言いつつSH-60Jを離艦させた。離陸から10分後…。

 

「こちら、SH-60J。暗視カメラによる画像を送信します。」と、目標の艦隊を映した画像を[みらい]CICへ送る。CICでは予め、画像処理プログラムを みらい が起動準備しており直ぐに画像をクリア化した。すると、そこに映っていたのは…。

 

「…これは。戦艦…大和?」

と、みらい が驚いた顔で話す。後ろから菊池が「んなはずは、大和は終戦直前に鹿児島沖に沈んでいるはずだぞ…。」モニターを見ていた青梅はある事に気づく「艦長、こいつは戦艦大和に似てますが…。違います!!大和だったら、ボイラー機関ですか大型の煙突から大量の排熱が出ているはずです。」

「こいつは出てないのか!?」

「はい!」菊池の質問に青梅が答える。

「じゃあ、こいつは何なんだ!?」

ふと、艦隊から無電が入る。「艦長、目標より無電が入りました。[我、国防軍 戦艦[やまと]。本日0430よりガダルカナル島沿岸の敵勢力へ集中砲火を行う。貴艦の陸戦部隊は直ちに撤退または退避されたし。宛 海上自衛隊イージス護衛艦 みらい 発 国防海軍 通信少佐 草加 拓海]」と、隊員が読み上げた。その言葉を聞き菊池はヘッドフォンを外し、勢いよく拳を机にぶつけ叫んだ。

「草加ァァァァアアアアア!!!!!」

 

 

 

 

 

 


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